人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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あーア。
アーあ。
アーア。

ナんデ、コワしちャッた、ノ?


[私がビール飲んでオムライス食べて、ココアを飲んでいた席で。

私と同じジャージ姿、同じ髪色、同じ背丈で。

けれど体型や表情や声の高さは異なる"それ"が、椅子に座ったままゆらゆらと身体を揺らしていた。

"
ナんデ、コワしちャッた、ノ?
"は、当然、武藤が殴り潰した"武藤もどき"の事を言ってるのだろう。
ぐりん、と人ならざる不自然な動きでこちらに顔が向く。

武藤からは"押し退けただけ"とは聞いていたけれど。

手を伸ばせば触れる位置まで近づいた私は、顔の輪郭が不自然にズレている風に、質の悪い変装の皮膚のように顔の表面に皺が寄っていることに気付いて目を眇めた。]
 


 一つ、聞きたい。

 あんた……いや、"あんた達"の目的って、何……?

[問うたら、ケタケタと"それ"は笑い出す。]

ワたシハ、あナタのりソうダよ?
アナたでハ、かナエらレナい、ゆメ。

せッカく、ヤってアゲヨうト、おモッた、のニい?


[なるほど?と首を傾げるも、納得できるものではなかった。

私の理想はそんなんじゃない。叶えられない夢でもない。

偽武藤にしたって、あんなの、ちっとも理想じゃない。

私の理想の恋人は、今ここにいる武藤だもの。]
 


 ……そう。ありがと。

["
どウいタシましテ?
"と笑いかけてきたことには、ほんのひと欠片くらいは躊躇する気持ちが沸いたけど。

でもやっぱり、そんな厚意は要らないし、お呼びじゃないし、余計なお世話以上のなにものでもない。

私の武藤に何してくれたのよという怒りも上乗せして、私は"私"の髪を引っ掴み、引き寄せるようにしながら容赦なく右膝で顔面を砕きに行った。]

ギャっ!!!!!

あァアアぁああァあアアあぁァ

ひドイ……ヒ、どォ、い……ィ、


[床に"それ"が崩れ落ちるるに任せ、私は一歩後ろに下がる。

ぶわりと部屋中に広がる腐敗臭はいっそ死臭にも似ていた気がした。]
 


 ────さよなら。

[一言告げて、俯せになっていた後頭部をスニーカーで思い切りぐしゃりと踏みつけたところで、あ、そういえば武藤がずっと傍らで見てたんだっけ……なんて今更の事に気付いてしまったわけだけど。

あの、大丈夫だから。
武藤と喧嘩とかになったとしても、踏み潰すとか膝蹴りとかは、その、しないつもりなので。

あくまで相手が"これ"だから出来たこと、なので。

そんな風におかしな方向に焦りを感じているうちに、断末魔に似た言葉を漏らしていた"私もどき"は溶けた絵の具のようになった後、端から蒸発するように消えていった。

あの甘ったるい匂いはいくらかは残ったけれど、頭が痛くなるほどの気持ち悪さでは無くなっていたかな。]
 

[彼女はこちらを見上げてきたかと思えば、不意にシャツの裾を掴んできた。
 怯えるような表情も相まって抱き締めたい衝動に駆られつつ、それを抑え込んで彼女の言葉に耳を傾ける。

 『いつも突然』……それは食人衝動のことなのだろうと、楓には自然と感じ取れた。
 尋ねそびれた問いの答えが自然と得られた形である。

 迷わず撃ってとリクエストはされたが、彼はそれを一笑に付した]


  馬鹿言うな。オレがだか忘れたか?
  通らねェんだよ、おまえの可愛い牙や爪じゃ。


[楓は“堅狼”。牙や爪どころか、銀弾の銃撃を除くさまざまな物理攻撃を防ぐことができる。
 かつて彼女と出会った場では、二人を含む大勢で遊戯に興じていたのだけれど──その中で狼を選んだ者たちの一部が本当に狼で、そのうえ彼の場合は種まで同じ……などという、冗談のような本当の話。]

 
  撃つまでもねェんだよ。
  おまえにオレは殺せない。


[そう告げるとき、自然と視線は逸れた。
 楓が意図的に伏せた事実があるのだ。

 彼が鋼鉄の防御力を得られるのは人狼の姿に転じたときだけ。人間の姿でいる限り、負傷は防げない。
 その上、姿を変えていられる時間は月齢に応じた。
 満月の日なら半日程度だが、新月の日は1秒たりとも不可能。半月なら満月の更に半分ぐらいといったところ。
 時間帯には不思議と制限は無いのだが。


 彼の言動は、彼女を殺す気が無いという意思の現れではある。
 一方で、もしそのような局面になったときには彼が一方的に殺す側になりえるということでもあった]

[彼にはひとつ、長い間気になり続けていることがある。

 “美味しそうに見えるものは、本当に美味しいのか”

 もしそれが見た目だけの話で、味に差異が無いのなら、美味しそうなヒトを襲う可能性を極端に恐れる必要は無くなる。

 けれどもし、実際に美味しいのなら──
 知ったが最後、二度と戻れない道に足を踏み入れることになるだろう。

 確かめずにいることが幸福なのか、確かめてみたほうがいいのか。彼は前者と思い続けているが、果たして]**


 なんでって……、なんか腹立ったので。
 いや、柚樹になんかしそうだったから……?

[律儀に答える必要はないと思いながら、“それ“の言葉に返してしまう。

こうして偽物と並んでるところを見ると明らかに別物ではあるなとは思いつつ、それでもベースは同じだから不思議な感じはする。

近づいてみると、そういえば顔は叩いてしまったのだったと思い出して。
それは本人にもやったことがあるから、こんなことになるとは思ってなかったのはあるけど。

傍にはいたものの、近づいていく柚樹の邪魔はしなかった。

とどめを刺すとは聞いていたし、水に弱いらしいのは美術館の時に教えてもらってはいたが、どうするんだろうとは思って見ていた。]

[柚樹の理想がこれなのは、女性らしいとかそういうことなんだろうか。

確かに“理想の恋人“だと偽物は豪語していたと少し前のことを思い出しながら、柚樹と柚樹のようなものが会話するのを聞いていた。

オレの偽物はどんなだったんだろう、見た目は同じだったけども、とは、聞いてみたいような聞くのが怖いような。

でも柚樹はちゃんと偽物だとわかったのだと思うと安心する気持ちはあった。
勿論、欠片も疑ってはいなかったけど、オレがあんな状態だったのもあって、柚樹を不安定にさせていたのは確かだから。]


 …………、

[柚樹の攻撃は思った以上に容赦なくて、傍らで一連の流れを眺めながら、喧嘩になったら大変そうだなとは思ってしまった。

そんな取っ組み合いの喧嘩にはならないと思っているけども。

おそらく表面的には絵画のそれで、内側は林檎のような何かが素材であることを差し引いても、元の柚樹より非力であろう“それ“は抵抗らしい抵抗をすることなく、膝で頭を砕かれる。

広がった腐臭に似たにおいに、胃酸が込み上げそうになりながらも、とどめに足が振り下ろされるところまでを見届けて。]

 うん……、柚樹も容赦ないとは、思うよ……?

[オレと喧嘩になってもここまでしないのはありがたいのだけど、急所を思い切り蹴るのも遠慮はしたいかな。

床に広がっていたグロテスクな物体が消えて漸く、安堵の息を吐いて。]

 今度はちゃんと、とどめさせてよかったな。

[“今度は“の意味は、偽物のオレの話じゃなくて、美術館の時に現れた柚樹の偽物のことだけど。]


  まあ。
  それなら、安心ですわね?


[椿は“狼”どうしの争いには関知したことがない。ゆえに、自分以外の“狼”がどういうものであるのかについては無知だった。都市部では熾烈な縄張り争いがあるとも聞くが、それを避けるために椿らは田舎ばかりを選んで住処を転々とさせていた。

 楓の言葉は、単純に「お前では勝てない」という意味に受け取った。確かに、小柄な女の力で楓ほどの大柄の男にまともに当たって勝てるとは思えない。殺すだけならいくらでも方法はありそうだが、彼を殺したいわけでは、決してない。

 本当に彼を喰べたいと思ってしまったなら、その時には我を忘れているのだからそんなことにはお構いなしだろう。返り討ちにあうならば、それでも構わない。]

  であれば——


[椿はシャツの裾を掴んでいた手を離し、楓の頬へと差し伸べた。しかし触れることを迷って、その手は萎れるように自身の胸元へと帰っていった。一瞬だけ悲壮な表情を浮かべかけたが、すぐにまた笑みを取り戻した。]


  その時は、我らが王に牙を向けた罪を、償いましょう。


[冗談めかしはしたが、半ば事実で、椿は本気でもあった。
 以前ともに過ごしたとき、彼はまさに王であった。
 気高き王と、力ある王とに率いられ、椿はその気高さに、あるいは力に、素直に憧れを抱いたものだった。彼らのように生きられていたならば。そんな嫉妬に近いような感情すらも秘めていた。]

[動けなくなったら困るなあ。やなんて分かっていて言う。
苦笑する彼も分かっているのだろう。だから、今度するな。と軽く転がして、彼がスマートフォンの中身に気づけば、何も気づかぬふりをするだろう。

別に彼の不実を疑っている訳じゃない、彼が自分にメロメロなのはよく知っているし、そうやってモテる彼が恋人だというのも誇らしい。ただ、好きなものを好きと態度に出せるその素直さが自分にはない。今さら素直で無邪気な自分。など想像できないが、それでも少し思う処はある。
ちょっと待ってくださいと言われ
膝の上に頭を乗せたまま、彼が返信を打つのを眺めて]



 ……ん。面倒見いいやん?


[いい子やね。と髪の毛を撫でる手に目を細めた。
面倒見の良さも彼の美点だ。後輩は可愛がるものだ。思うところはあるにせよ、彼が可愛がっているのを見るのは微笑ましい。自分だって、こうなる前だって寿のことを可愛がっていたのだから。…可愛がられていた方がどんな気持ちを抱いていたかは詳しくは知らないが。あの頃の関係も悪くなかったと自分は思うのだ。それに、寿は特別だった。

彼が後輩の面倒を見る事は自然な事だし。
良い事だ。だから、まさか悪い虫がつかぬようにと行動しているなんて思いもよらぬ事だ。もしそれを知ったら、笑うだろうし、僕は自分で自分の身は守れるで。と言っただろうし、それなら自分の身を案じるべきだと、鼻を突いただろう。

もっとも、そうやって独占欲を見せてくれるのはきっと嬉しいことなのだろうけど。用事をすませた彼が、此方にと視線を戻せば、微笑みを向けてそのまま手を伸ばし頬を撫で。
おかえり。と迎えようか]



 そうやね。
 やー楽しみやわ。


[どんなお風呂やろか。
なんて、言い。彼に運んでもらっただろう。思ったよりも広い浴槽につかり彼を待つ。その間に少しばかりばしゃりと湯を波だたせる遊びも忘れずに。服を脱がずに抱いていた彼の裸体を見れば、少し目を細め。やぁ、いい男やな。ところころ笑いかけた。彼がこっそりと筋トレをしているとはしらないが、というか自分は彼のことで知らないことだらけなのだが。
それもこれも、自分との繋がりに直結することなのだとしたら、隠す姿をあえて暴くことはしない。暴かなくても良いと思う。やって、こうして彼は男前の、自分だけの寿達也を見せてくれるのだから。当たり前のように上に乗り上げれば、抱きしめてくれる。その腕の太さに甘えるように寄り添い]


 風情ええし、ほかほかするし気持ちええし
 って、なんやここでも写真撮りたいん?
 …綺麗にとってや?


[赤味の強い光の下。
両手でお湯を掬い、落とす。首筋には汗を流し、見上げる彼を見る目を彩る睫毛は湯気で濡れている。彼が見る事を好んでいるのは知っていたから唇に浮かべるのは艶めく笑みで。
囁く声には、少しばかり低く啼く声で頷き]


 ……やぁ
  そこ、今日は……
      まだ飲んでないで


[食べはしたけど。と甘く。
突かれた箇所ではくり息をして、指先は彼の顎をなぞった。細い指は輪郭を確かめて、下唇に触れる。彼の指が中にと入り込み、洗い始めるのなら此方は指で下唇をそっと捲り。歯列をなぞって]


 ……ぁ  んっ
    こっちでは飲んだけどな?


[甘い声で身を少しばかり震わせて。
舌を覗かせる唇を近づけ、背のびするような姿勢で彼にキスをした。そうして、そのまま猥ら花を開くように足を、動かせば指を奥に奥にと誘っていこうか*]

[楓もまた“狼”たちの群れからは離れて暮らす身。狼たちが囁き交わす声を聞いたことは何度もあるが、その全てに答えずにいる。
 縄張り争いらしきものに巻き込まれかけたことはあるが、関わる意志が楓に無いことに気付けば、向こうも深追いはしないものだった。
 当然、狼としての名もない──いや、今は“楓”がそれに相当するのだろうか? 遊戯の中で使った名なのだが。

 ゆえに楓の狼としての戦闘経験はそのまま、食事を兼ねて人間を襲った経験に直結する。その過程で自分の能力も知るに至ったのだ。種の名前を知ったのは奇しくも遊戯でだったが。
 そして、不意打ちで即死なんてことさえなければどんな相手も恐れるに足らない……と、楓は思っていた。銃使い以外なら、の話だが]

[足音が聞こえなくなった後、彼女の手が触れかけた頬に自分の手を伸ばし、静かに触れる。
 そうして彼女の言葉を思い返した]


  ……王。


[それが自分のこととは、楓はすぐには結びつけられなかった。
 彼は事実上“群れ”を率いる立場ではあったし、彼女がまるで従者のように思えたことも何度かあったが、それでも彼の心の中では対等なつもりだったから。

 文脈から言えば自分のことらしいと思ってはみても、敬意を抱かれて嬉しいというよりは……

 彼女との間を隔てる壁が高いように感じて、寂しい。
 そういう感覚のほうが近かった]**


[武藤は(武藤も?)、まあまあ自分に容赦ないなとは思ったよ。

私に"なんかしそうだった"はともかく(その理由が大きかったのだろうなとは思いつつ)、会話の一つもしないままに、"なんか腹立ったので" で出会い頭に自分と同じ顔をもつものを全力で殴り抜ける人はそう多くはないと思う。

私も、人のことは言えないくらいには容赦ないことをした自覚はそれなりにはあるけれど。

全力で踏み抜くように"偽の私"の後頭部を踏み抜いた時、嫌悪感よりもむしろぞくりとした快感を覚えたことは、とりあえず忘れておこうと思った。]

 …………ん、とりあえず"仕返し"、できたかな。

[武藤の言う"とどめ" の意味を正確には把握しないまま。

でも武藤が私しか知り得ないはずの、美術館でのやりとり全てを知っていたとしても、私は特段驚くことも怒ることもしなかったんじゃないかな。]
 

[なるほど、この人はひとりっ子と。
そんな情報から得ることになったのは、幼馴染そっくりさんが意外なほど律儀に呟きにも答えてくれるからだった。
最初の印象は幼馴染に似ている!ばかりがあるせいで良いも悪いもなかったが、悪い人ではなさそうな気がする。
……いや、まだ判断が早いか。

自分はそれなりに警戒心はあるほうだと思う。
高校までは長い黒髪が人形のようだったのか変な絡まれ方をされたり、髪を染めてからは軽くて遊んでいると勘違いされたり、面倒ごとに巻き込まれかけることがそれなりにあったからだ。
その全てが未遂であり、あまり嫌な思いもせずにすんだのは、気付いたらそばにいて話を聞いてくれる――幼馴染がいたから。

だから、自覚するようになり、今も気を張っている。
最近はそうでなくとも、いつまでも幼馴染を心配させてはいられないと意識しているところだったのだ。]

 ……。

[だが目の前の男性に失礼な態度をしたいわけでもない。
最低限の礼儀はかかさないつもりだが――毛を逆立てている野良猫みたいな有様ではあるかもしれなかった。]


 上等な服?
 これ、普通のキャンプ用の服だけど。

[白のジャンパーにシャツに春用ニット。
デニムのスキニーパンツに、バイクに乗る幼馴染が履くのに憧れてこっそり真似した革製のアウトドアブーツ。
とても安物は選んではいないけれど、この年齢の学生が買いそろえられるものなのでそれなりだろう。]

 オイル……なるほど?

[さすがにヘアオイルの話ではないのは分かった。]

 ええっ、日本、聞いたことないの……ですか……。

[最後に頑張って敬語に直してはみる。
どう見ても年上だ――幼馴染よりプラス5歳はいってそう。]


 アスル・ラーゴ、アスル……アスル……?

[名前を教えて貰う。
頭の中になにか引っかかり、何度か繰り返す声が、目の前の男性にとってどんな風に聞こえるか知る由はない。
ただ先ほど出会った女性と自分の声はよく似ていた。]

 わぁ、こんな飛行機あるんだ……。

[飛行士であること。
あれが乗っている飛行機であること。
まるで小さい頃に見たアニメ映画みたいで、これは外国に飛ばされたという次元ではないのは肌で感じつつ。
野営という単語に落ちてきたときの状況が頭を過り、気を失う前に見てしまったあれこれが、]

 って、その前に! あなたが、アスルなの?

[やっと思い出した。そうだ、アスル。
この名前をあの女性が言っていたではないか。]

[湖も、川も、海も苦手だ。
 ついでに、井戸も。

 時折見るひどい悪夢を思い出してしまう。
 突然水の中に落ちて、絡まった水草に底へ底へと引き摺り込まれていく。
 呼吸ができなくて、どれだけもがいても水面の光は遠くなるばかり。しまいにはどちらが底かもわからなくなって、ただ暗がりに落ちていく。
 やがて、ふと足元を見ると、そこには見慣れたひとがなんの表情もなくしがみついていて。

 飛び起きて子供のように泣く彼女を慰める彼のことも、恐ろしくて仕方がなかった。]


 私、少し前に変なところに飛ばされたというか……。
 信じられないとは思うんですけど……その、此処とは違う湖を幼馴染と散歩してたら、急に、神隠しされたのかな……?
 
[自分で言っていて混乱しそうだ。
軽く身を乗り出しながら、必死で言葉を探して。]

 着いたのは、一面が青い不思議な場所で。
 水の中に落ちたみたいな、空の真ん中みたいな感じで。

 そ、そこで、女の人に会ったんです。
 私よりきっと少し年上で。

 ――そのひと、私と、本当にそっくりだった。

[顔立ちは鏡を覗いたのかと思うほどに。]


 その女の人が、言ってました。
 
 私がどうにかするから。
 ……あなたはアスルのところに、行っていなさいって。

 そこなら絶対に安全だからって。

 あの人が耳飾りに触れたら、なんか光る道が出来て……それを辿って、穴から踏み出したら、落ちちゃったの。

[ニホンがどこか考えてくれようとしている姿。
話を遮ってしまう形になっているが、これは先に伝えておかねばと、アスルさんがそのアスルなの?と首を傾げた。*]

[あたたかい茶を一口だけ飲んでから、カップを持って二階のホールへ向かう。ここのソファは一階のよりも柔らかくて座り心地が良い。

 銀の弾丸について考える。
 椿は楓とは多少出自が違うから、性質も大きく異なっている。彼女にとって、銀の弾丸、というのはものの例え以上のものではなく、触れても全く平気ではあるのだが、その代わり、当たり前に、銀であろうが鉛であろうが、撃たれれば死ぬ。

 弾丸を打ち込まれるのはどんな感じだろう。あるいは、牙に貫かれるのは。

 今まで自分がしてきた所業が、この身に返ってくるのを想像すると、なんとも言い難い感情に襲われる。

 激しい拒否と、当然の諦観と、胸がすくような清々しさと、それらが全てひとつになったような。微かな不快を押し流すように、まだ熱い紅茶をひと息に飲んだ。]

[楓はどこにいるだろう、とぼんやり思う。まだ寝室にいるだろうか。

 今はただひとり、互いに理解できるかもしれないひと。近いような、遠いような、どちらもを感じている。時には傅き、時には慈しみ、時には気安い友のようにも思う。自分の心さえよくわからないのは、いつものことだ。

 ふと思考が逸れる。夕食は何を作ろうか。しかしまだ、空腹感はまだない。

ないはずなのだが。]


  お腹が空いたな。


[自分でも気づかないうちに、ぽつりと呟いていた。]**

 写真撮りたい気もしますけど、後で、ですね


[とりあえずは腕の中の要を堪能したいから。
彼の足を開かせて、指でなぞると弱弱しい要の反論のようなものが聞こえる。
しかしそれが反論でないのはわかっている。
彼の指は自分の指と対照的に自分の唇の中に入ってくる。
それを迎え入れながら、軽くその指を歯で噛む。
中のジェルがまだ残っていて、そのぬめりを利用して指を進める。
湯の温かさが彼の緊張を緩め、そして容易に媚肉をかき分けて奥へと指がすすむ。
唇が寂しくて彼の指を吸って。
そのままそれだけでは足りず、指ごと彼の唇にキスを仕掛ける]