人狼物語 三日月国


260 【身内】Secret

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視点:


【人】 従業員 ルミ

 

[ ────中学生にもなれば、自分で稼げるようになった。

  眠らない街。
  ネオンで真夜中も輝き続ける夜の世界に飛び込んで、
  初めて自分の市場価値を知った。

  彼を忘れたくて。
  もう一度誰かに愛されようと、大事にされようとして、
  気付けば未成年でも働ける非合法の店で働いていた。
  愛想よく、好きだと振る舞えば堕ちる客。
  他に好みの女がいれば身勝手に離れていく。
  客から稼いだお金を他の男に流すだけの生活。
  金を渡した時だけ、都合よく構えるペットなだけ。

  どいつもこいつも対価を渡して初めて成立する関係
  ──フェードアウトするたびに彼を思い出した。 ]

 
(84) 2024/05/06(Mon) 23:29:37

【人】 従業員 ルミ

 

[ 対価も見返りもなくわたしを救ってくれたお兄さん。

  ──────なにもないから嫌になったの?
  お金があればいいのかな。
  わたしがかわいくなれば、いいのかな?

  なにもないわたしに優しくしてくれたなら、
  何かを持ったわたしになれば、愛してくれるよね。 ]


 
(85) 2024/05/06(Mon) 23:29:45

【人】 従業員 ルミ

 

[ 危機感持ってくれよ、と呟く彼に微笑んだ。
  ストーカーなんて真っ赤な嘘。
  そんな人が出てくるリスクも高い仕事だけれど、
  そうならないようにお客さんを管理してる。

  好きな食べ物は──……
  お店のプロフィールに書いてあるんだ。
  「半分こできる食べ物」が好き。

  それと、真っ赤で美味しい、甘いりんごも。 ]


  え〜? やぁだ。
  お兄さんを信用したいから、するの。


[ 昔お兄さんが甘くて食べられなかったりんご飴。
  間接キスの知識はさすがに当時はなかったけど、
  お兄さんと同じものが食べられて嬉しかったな。

  あのりんごには、魔女の毒なんて塗られていない。 ]

 
(86) 2024/05/06(Mon) 23:30:20

【人】 従業員 ルミ

 


[ ねえ、ふたりで一緒にりんご思い出を食べようよ。 ]


 
(87) 2024/05/06(Mon) 23:31:46

【人】 従業員 ルミ

 

  あの、その、……色々。
  部屋はエレベーターで……10階の角なんだけど。

  ちょっと、ここだと他の人に会うかもしれないし……
  中で話しても良いかな。


[ そう言って、わたしは彼の手を引いた。
  エレベーターのボタンを押して、10階──最上階まで。

  単身者向けではない間取りの角部屋。
  丁度、二人暮らしに向いているような。

  ついてきてくれるなら、わたしは部屋の鍵を開けて、
  彼を中へ誘い込む。
  蟻地獄のように、抜け出せない迷路へと。 ]

 
(88) 2024/05/06(Mon) 23:32:07

【人】 従業員 ルミ

 

[ 警戒されては元も子もない。
  急いては事を仕損じる────わたしは馬鹿じゃない。

  逸る鼓動を抑え込み、指先を握り締め、
  彼をソファへ座るように案内した。
  部屋の内装もインテリアも、白とピンクで飾られていて
  住んでいるのがわたし一人だとすぐにわかるはず。 ]


  お兄さん、コーヒー飲む?


[ 本当は冷蔵庫にね、ピーコックブルー、あるんだよ。
  でも今いきなり出すのは違和感を生むでしょう?

  それに、緊張を解くには温かい飲み物っていうじゃない
  ──……真正面から貴方を抑えつけるなんて無謀、
  出来やしないと分かっているから。** ]

 
(89) 2024/05/06(Mon) 23:36:46