それって、足りなかったということですか?
でも、あんまりすると動けなくなっちゃうでしょう?
[彼にからかわれているというのはわかりつつ、苦笑しながら彼の隣に座る。
放置されていたスマートフォンを見れば、メールが届いていた。
相手は自分になついてくれている部活の後輩だ。つまり要の後輩でもあって。
彼からの好意は感じるけれどそれが同性の先輩としての単なる憧れか、はたまたそれが恋愛感情かは計りにくい。
しかし好きなものは好きと、それを態度に出せる後輩は偉いと思う。
自分なんて気になって仕方なかった先輩の要に素直になることができなかった。
もっとも、それは所かまわず裸になる彼のせいでもあったけれど。
彼を意識しすぎて……ありていに言えばいやらしいことがしたすぎて、どこかぶっきらぼうで可愛げがない態度をとっていたと思う。そんな自分だったのに彼はよく面倒を見て構っていてくれていた。
自分も要を見習って後輩の面倒をみてやろうと何くれとなく相談にのったりしていたりもするのだが]