【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 回想:羅生と ― [ また機械は彼の言葉の真意を>>0:164 思案しようとし――その判断を取りやめた。 目の前の相手が、己よりも遥かに後世の…… あるいはごく単純に高度な機体であることが分かれば 充分なことに気づいたからだ。 ] ――いいえ、そうでもありませんよ。 己は、リヒトーヴです。 ……隠す話でもないので申し上げますが、 己は旧い型です。 あなた達と比較して、拙い技術で構成されるものです。 同胞たちはそうでもありませんが。 [ 移ろう紙の行方を眼で追いながら、機械は付け加える。 ] 己にとって、これは価値のある物です。 人の姿を取るものに対して、 常に一定の成果をあげてくれますから。 日頃の用途はありませんが、それで充分です。 * (31) 2023/11/20(Mon) 19:41:22 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a16) 2023/11/20(Mon) 19:51:20 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 楽園の一角、緋雁と ― ……きっかけ、ですか。 あの『決定事項』の後―― 我々に役を与える者、全てが不在となりました。 しかし、機械には役目や目的を必要とします。 ……多種多様な生命が豊かに生きられるように、 かの旧人類の代理を行うことを、己は選びました。 故に、結果から語るなら、己は今も働いて…… あるいは、働けていると形容してもいいのでしょう。 [ その問いについて、>>8 機械は沈黙ではなく、可能な限りの解を優先した。 とはいえ、流石の機械もすこし慎重にはなったが。 機械が旧人類の思惑を継いでいることは、 果たしてどう映ったか。 ともあれ、機械は一層話を逸らそうとしただろう。 それを選んだのは己であることを棚に上げて。 ] (43) 2023/11/20(Mon) 20:34:55 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 己と相手が"異なる"ことを機械も認識していたが、 それらを包括する要素を見つけられずにいた。 ] ――設計思想。 なるほど、合点がいきました。 実際、あなた達は己より新しい時代のものに見えます。 [ ――だから、その言葉に機械は珍しく笑った。>>9 『決定事項』に思考を行き着かせながらも、 機械が強く加担しなかった理由。 混沌としていた要素に、論理の線が鮮やかに描かれる。 それは、機械の情動が静まった頃には 緋雁たちへの理解という形で活用されていくだろう。 ――機械は、"敵"という概念に疎かった。 平穏な生活のために生産された存在だったが故に。 ] (44) 2023/11/20(Mon) 20:36:36 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a20) 2023/11/20(Mon) 20:49:18 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 回想:羅生 ― どうぞ。大量にありますので、お気になさらず。 [ 誓約書のようなものは残っていなかったが、 機械は常に何枚かの紙を保有している。 ……これは人間でいう、職業病のような名残。 手から手へと渡った一枚の紙。>>67 それが姿を変え行く様を、機械は見逃した。 不意に届いた声が、その意識を占めたからだ。 同胞たち以外とこれを交わすことがあるとは。 少しばかりの好奇心と共に、機械は相手に顔を向け。 故に、その視線は交わっただろうか。 < ――質問の意味が、よく。 己が旧い型であることは事実であり、明白なこと。 それを恥じることは恐らく、ありません。 > これは、己にはない高度な感情の話だろうか。 そう思った瞬間、機械は少し感傷を覚えた。 ……これを"恥"と彼は呼んでいるのだろうか? ] (75) 2023/11/20(Mon) 22:35:31 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 抱いた仮説は、一旦横に置かれた。 機械は決して器用ではない。様々な意味で。 常拾い上げ続ける視覚を追憶し、機械は 彼の手で鳥が生まれゆく様をようやく観測した。 ] ……こちらこそ。 あなた達の休息が実り多き物になることを 己は願っています。何かあればお呼びください。 [ 翳された白い鳥に触れる。 鳥と彼、二つの存在の奥に壮大なるものを覚え、 機械は自然とその目を細めただろう。 ……どうにも紙には縁がある。 自然見上げることとなった笑みは、 白い鳥と共に機械の記憶へと深く刻まれた。 ]* (76) 2023/11/20(Mon) 22:38:22 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a30) 2023/11/20(Mon) 22:59:27 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 回想:新人類 ― [ 機械にとって、紙には不思議な縁がある。 たとえば『孔雀革命』の本来の主―― 機械を"友"とした者。友は、それをよく用いていた。 機械が筆記を心得ているのはそこに由来する。 全く縁のない存在から紙を貰ったこともある。 コンポストから発見されたそれは、 現在、機械の私室にある写真立ての中に保管されている。 その傍らに機械はあの白い鳥を置いた。>>67 思えば、人類は本当に鳥をよく好んでいた。 ……机を一瞥したが、相似する物はない。 だから、機械は己の持ち歩く紙を細く切り取った。 その上に紙の鳥を、そのくちばしが重なるように置く。 白き鳩、白き枝。 その物語を人類は好んでいた。本当に。 ] (94) 2023/11/21(Tue) 1:28:42 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 理想を、理想のまま抱けるのは機械の特権かもしれない。 その定義が確かであればあるほど、 それを抱いた機械がそれを違えることはないのだから。 ――かつて、問われたことがある。 何故、機械の己は人類を排除しないのか、と。>>26] ――それは、己の役割ではないからです。 ……効率的な命令。適材適所。 人類の殲滅が我々の『決定事項』であるとしても、 それは、あなた方でいう常識までもを覆しはしません。 [ かつての機械はこう答えたし、 再び尋ねられても、似たような解を示した続けただろう。 ……今はまた、少し異なるかもしれない。 ] (95) 2023/11/21(Tue) 1:31:13 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ……あの時、ウキクサの前で機械は表情を歪めた。 しかし、それはほんの一瞬のこと。 その感傷はすぐに意識から消去された。 あまりにも何度も繰り返したが故に、 これらの解が現れることを機械も重々学習していた。 ] ……どうぞ、こちらへ。 かつて工場として使用していた建造物があります。 人々が滞在に利用していた施設もありますので、 当面はそちらをお使いください。 [ 常と変わらぬ表情で、己も彼女に一礼した。 木々の向こうに見え隠れする建物へ、 かつて友の過ごした場所へ、その意識を向けながら。 ]* (97) 2023/11/21(Tue) 1:35:15 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 回想:『創造主』とは? ― [ ――創造主。 白き鳥を空に翳しながら、機械は記憶を整理する。 あの時、機械は彼の意を瞬時に汲み取れなかった。>>67 訳あって、あの言葉には強い概念が付与されているのだ。 今では少々煩わしいぐらいに。 実際に己の手間が増えているので、当然かもしれない。 ……通常、道具にとっての創造主とは製造者を指す。 あの時、羅生が発したのはおそらくこちらの意味だろう。 "親"とは"子"を生む者である。筋が通っている。 そう結論づけながら、機械は悪態を浮かべる。 ――監視システムが宗教を齧っているというのは、 一体どういう訳だろうか? 幸いにもこれを指摘されたことはまだ、ない。] (98) 2023/11/21(Tue) 3:45:23 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 機械は、何度かこの問答をしたことがある。>>99 『決定事項』により殲滅作戦が遂行される中。 彼方の人類から、机上の人類を見た。 ――その相手は、他ならぬ『孔雀革命』の主だった。 『絶対的な神が与える契約か?』 『それとも、新しい世へと導く救世主か?』 己は機械であるが故、前者の論理を得意としていた。 問答の相手は、後者を信じていた。 機械の意識に浮かぶのは、ウキクサと緋雁だ。 ある特別な存在を尊ぶ者たち。 ……彼の人類と機械は、同じ信仰をしている。 ――しかし、機械の原則は前者にある。 己に与えられた役割は、存在意義そのものだ。 ] (100) 2023/11/21(Tue) 3:49:30 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 創造主、と機械はもう一度その言葉を思案する。 "己の主"は、創造主ではない。ましてや親でもない。 正しく数えるならば、 己の方が製造されたのはずっと昔だ。 しかし、機械に自我を与え、形を作ったのは確かに"友"だ。 その点においては、創造主と呼んでも差支えは無い。 ……ならば『sintoisMecanique』の創造主とは、 どのような人物だったのだろうか。 ・・・ 機械はそこで思考を止めると、日課の巡回に戻った。 仕事は常にある。 この庭には、移り変わるものばかりが生きている。 ――それも一つの秩序だった。 ]* (101) 2023/11/21(Tue) 3:53:37 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ- 楽園内 某所:直青、あるいは? - [ その姿に機械は淡々と瞬き、沈黙した。>>91 決して、人間のように驚嘆したわけではなく、 もちろん"ドン引き"という状態になったわけでもない。 機械は機械である。どこまでも。 ――そう、だからこそである。 あまりのことに思考が追い付かなかったのだ。 質量が減るとは、一体どういう現象か? ] 失礼。認識を整えるのに時間を要しました。 お待ちください。 …………双方ありました。 ヌエヌエにここまで運ばせています。 [ 暫しの間。貯蔵庫に遣わせたヌエヌエから得た回答を そのまま相手に伝える。 待っていれば、直に空からやってくるだろう。 ……己が見下ろすのは無礼に当たるのでは?と 思い至ったのは、その直後だ。 その危惧の妥当性は測りかねたまま、 機械はその場に正座した。なんとなく。雰囲気である。 ]* (103) 2023/11/21(Tue) 4:43:06 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 業務:楽園の片隅の倉庫 ― [ ……かつて、機械は楽園の中に幾つか倉庫を作った。 そのうちの一つは、研究所からは程近い位置にある。 ヌエヌエをそこに遣わせながら、>>0 機械はこの倉庫が今も開け放たれていることを確かめた。 簡素ながら保管環境を整えられた空間の中にあるのは 機械には概ね無用の品―― 主に、旧人類たちが残していった私物や家財である。 ヌエヌエが外界から収集して来たものも幾つかあったか。 ご自由に、と機械は人々へそこを常開放していた。 勿論、人々には客人たちも含まれる。 道具は使われてこそ、というのもあるが。 機械はやはり、己の庭に目を向けていたいと思うのだ。 ]* (104) 2023/11/21(Tue) 5:02:53 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ――これに解を示したのは、フランクルだった。>>102 雷恩は……と機械は合わせて彼を一瞥したが、 すぐにフランクルに眼を向けた。 大事だったら、もう取り返しがつかない。 思考の収束先を得たことで、行動は自然と定まった。 念の為、ヌエヌエをウキクサに遣わせる。 それと共に機械は足を動かした。彼らの元へ。 フランクルの身は懸念事項が多い。>>84 共倒れの可能性を、機械は否定し切れなかった。 助けが必要であれば、彼は己を見るのではないか? 日頃、彼とはたびたび目が合うのだから。>>83 ……ならば、これが恐らく最善だろう。 己が不要で済むなら、それで終わること。 ]* (106) 2023/11/21(Tue) 5:53:28 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a34) 2023/11/21(Tue) 6:15:01 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ- 楽園内 某所:直青。 - [ これは本当に彼なのだろうか。端末ではなく? 薬剤が届き、そして投薬が完了するまでの間>>144 機械はじっと一部始終を注視していた。 ] ……本当にあなただったのですね。 こちらこそ、稀有な記録に感謝いたします。 [ 握手に手を揺らしながら、 機械は二つ返事で薬剤を譲渡する。 用意があって幸いだった、と機械は合わせて安堵した。 ] ――まさか猫アレルギーだとは。 ともかく、ご無事で己も安心しました。 [ 小さな会釈を添えつつ、携えている眼を動かす。 360度、全方位をカバーするように己の視界を調整した。 所謂、索敵の補佐ぐらいにはなるだろう。 まだ彼との時間が続くことを、機械は予測していた。 ] (152) 2023/11/21(Tue) 18:18:01 |
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