45 【R18】雲を泳ぐラッコ
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[ただ知るだけでは、
特別な一口目になどはなりはしない。
レーションのように、機械的に飲み込んで簡単に溶けていく。
意味を持つならそこに別の味が付けられた時だろう。
とは言え、望んでいる訳でもない。
女には呼ばれる事の無かった名前。
男が呼ぶ時は言い聞かせる為ばかりだった。]*
[彼女の探し物が本当に探さないと見付からない様なものだった事は露知らず、声を弾ませ目を輝かせて喜んでいる彼女に
「おおげさだなぁ」と思った。
有名な奴が書いたのか、と勝手に納得しながら、
「聞いて」と笑う彼女に当然の様に頷いたけど。
店主が消えた店内で、
彼女の持って来た話に己は胸を引っ掻かれて、
ざわざわと落ち着かない腹の底から、
彼女を刺す声を浴びせた。
彼女とこんな空気になった事は、
未だかつてなかっただろう]
[確かめる前に、彼女は店主へ代金を置き、
主人の顔で颯爽と、優雅に歩いて行ってしまう。
返事の代わりに小さく舌打ちをして、4pヒールのシークレットブーツをゴツゴツとわざと踏み鳴らして後を追った。
ちゃんとついていっているとわかる様に]
[足が止まった場所は、公園だった。
そこは心地よい天気と風と遠い喧騒で、ただのピクニックだったらきっと楽しかったろうと思わせる。
促されるままベンチに座って、
ため息を聞けば気分は下がるが、
ここへ持って来たのは自分だ。
そうさせたのは、自分だ。
こんな顔させたかった訳じゃないのに
]
ふん……
[己に答える凛とした、ともすれば冷たい声を大人しく聞く。
己の義手をそんなに重く見ているとは思わなかった。
でも、彼女が気に掛けてくれるほどこの手はいいモンじゃない。
そんな本音が、話の途中で小さく息を漏らした]
[続く話には目を丸くした。
いやだから何でお気に入りなんだって、
やっぱり答えになってねぇって、と噛み付きかけたけれど、
何もしていない自分をお気に入りだと言われて、
無性にこそばゆくて、足元が浮きそうになる。
盗賊団の中でも、言ってしまえば自分は団長のお気に入りだったかもしれない。団に利をもたらす手先を持っていたから。それからどちらかというと女寄りの顔をしていたから。
でも彼女は
己にそんなものを求めてはいない様に思えて……
浮つきかけた気持ちは、
彼女の瞳を覆う薄い膜で焦りに変わる]
なに、泣いてんだ……
[盗賊に襲われて泣き喚く人々の顔からは目を背けてきたが、
彼女から目が離せなかった。
こんなに、静かに涙を堪える人がいるのか。
どうしたら、この涙を零させないで済む?
時間は長く与えられただろうに、
愚かにも成す術ひとつ頭に浮かばず、
彼女に涙を流させた]
………………
[言いたい言葉は沢山あったのに、
静かな一滴の雨に全部流されてしまったかの様に、
喉からは声が出なかった。
帰ろうと言われたけれど、尻がベンチにへばりついている]
………友達は、もともと無理ですよ。
だって主人と従者ですから。
[彼女の閉じた瞳を縁取る睫毛を見つめながら、
ようやく出た言葉は、冷たい真実。鬼に見えるだろうか。
でもぶっきらぼうに吐き捨てたその言葉で、勢いがついた。
重い腰をゆっくりと上げると、
べりべりとベンチから剥がれる幻聴が聞こえた。
苦笑いを浮かべて、彼女を見降ろした]
オレ、出て行きますよ。
[告げてから二度瞬けば、
少し吹っ切れた様な顔になる]
なぁ、
そんな気分じゃないかもしれねぇけど、
よかったら帰る前に飲みに行かないか?
[帰りましょうかと言われたけれど、
酒が飲みたいと今日何度か聞いていたから誘ってみた。
もう少し彼女と話がしたい、が本音。
いつもと違う、いろんな顔を見せてくれる彼女と話がしたい。
けれど、気分がのらないなら明日、又は別の日でもいい、とは付け足して]
オレの話もしたいし……
[とも言ってみる。
連れて行こうと思っているのは少々柄は悪いが、とびきりうまい酒を出してくれる店だった。*]
― いつかの記憶 ―
[それは、まだ屋敷を把握しきっていなかった頃の事か。
それでも一人で歩けるほどに馴染んだ頃か。
あまり使用人同士の話題に上らない、けれど存在は知っていた庭があった。別段緑や花に興味があった訳ではないから、気にはしていなかった場所。そこを通りがかった時、ひらりと何か視界の端で揺れた。
何かと思えば、銀の髪のこの屋敷のお嬢様。
庭迄は回らず、窓を開けて彼女の声を聞き取った]
は。 左様ですが……
は……? ぁ、いえ……
[「変なこと聞くけど」と前置きされた通り、
尋ねて来たのは変な事だった。
思わず素で呆けてしまって、取り繕った。
どういう意味かと聞き返す言葉を探している内に、
彼女の方が口を開いた]
………
[その内容は、屋敷一番の新入りに話す事ではない様に思えた。
嘘だとは疑わなかった。彼女が狂っているとも思わなかった。
語る声は幼さを残すが誠実で、
瞳は己よりずっと澄んでいたから]
メグ……
[ええと、結局どちらが真名なんだ?
彼女から目が離せないまま困惑していたら、視界の外でぽふっとヒールが落ちる音がした]
えっと……
[義手の事を聞かれると、口籠る。
まぁ義手を着けられた理由が理由だったから。
あどけない笑顔から目を逸らしてぽつぽつと説明する。
おかげさまで調子はいい。
左手は数年前の事故で駄目になった。
今のところ痛む事はない。
それよりたまにかゆい。
そんな事をあまり慣れない敬語で伝える。
この庭で姉がさらわれたから倒れたら嫌だ、と聞けば、不意に気付く。
そうか、ここ、オレが倒れていたところか。
思い出した、と言えるほど鮮明な記憶ではない。
けれど彼女から聞かずとも、ここがそうだと、何故か確信した。
……いやな記憶をオレが増やしてしまったんだな、と、眉が下がる。自分より年下だろう彼女に心配されて、ますますいたたまれない気持ちになる]
そちらに行っても構いませんか?
[庭にはテーブルとかあっただろうか。
許されるのならその庭で一緒にお茶をして、
ひとつ、甘い香りの思い出を積もうと思った]
[それでも、自分から彼女を誘ったのはこの一度だけ。
使用人のする事ではないと思ったから。
でも、それ以降彼女の方から誘われたりする様になったんだっけ?
「あの、替え玉とかって話、本当なんですか?
この屋敷ではみんな知ってる事なんですか?」と、
気になっていた事を、どこかのタイミングで聞いたりしながら。
彼女がごく普通の少女の様に話すものだから、
自分も敬語がたまに砕けた。
けれど主人と従者のていは崩さず、
自らの生い立ちや深いプライベートは語らず、又、
彼女の事も多くは尋ねなかった。
だからきっと、
彼女にお気に入りと言われても、
己にはわからなかったんだ。**]
[楽譜を手に入れてデートは姿を変えてしまった。
後ろに足音を聞きながら歩く道は、
さっきまでと違って心細い。
大きな木を目印に公園まで自力で歩く。
店の並ぶ通りを割入れば、
土地勘のない静かなエリアになる。
ここに連れてきてもらったことはないけど、
祭りが開かれる公園にはシャーリエとして来ている。
あの木まで行けばわかるだろうと、
後ろのリフルに頼ることはしなかった。]
―― 公園・ベンチ ――
[答えに満足いかないのか、気に入らないのか。
彼は唇を結んで眉を釣り上げる
。
その不満顔が見慣れたリフルだったことに少し救われる。
思いついた言葉は全部投げてしまった。
それでもどうしても二文字が言えない。
きっとこれは貴方を特別に思う理由なんだろう。
昔お姉さまになんどでも言った二文字、
すき
だから見返りを求める言葉]
(……言えないよ)
[言ってしまえば、
友情でも憧れでも尊敬でもない気持ちを認めることになる。
すき
だから撫でて、で済むならばいいが]
[
すき
だから 結婚の話は考えたくない
すき
だから 彼の居場所を守りたい
すき
だから わがままに彼を傷つけてしまいたい
すき
だから 幸せになってほしい
すき
だから
すき
になってほしい
いつの間にか膨らんだ気持ちは、口にしたとたんに
シャーリエが崩れてしまいそうだ。]
(恋人ってなんですか。
私の気持ちは、恋なのですか)
[誰にも相談できないことは彼に聞くしかなかったのだ]
(友達じゃないなら
どうして優しくしたの。
私のこと小さな子だと思ってるの?)
[全部、ぜぇんぶ。
内側に押し付けていたから、
私の顔のまま顔を上げる羽目になる。
今、出て行くって、言った……?
屋敷から?国から?
私のところからリフルが消えてしまう……?
最後に見るのがこの苦笑いになるの?]
[なんとか私《次期当主》を引っ張り出して取り繕う。
選択肢を見せたのは私だ。
臣下が選んだのなら、その責を負うのは私だ。
……いくら私が望んだって、貴方が頷かないなら
すき
な気持ちが実を結ぶことはない。
そっか、宿題は決まったんだ。
もうデートは知らなくていい。
帰りましょうか。
開けることもなくなった気持ちごと、
私《メグ》を押し込めて蓋をした。
蓋が間に合ったのか、それ以上瞳が潤まなくて済んだ]
のみに、ですか?
[予想しなかった誘い
にオウム返ししてしまった。
お茶の席は庭でなんども設けたけど、
お酒は彼に連れていってもらったことと、
パーティーで口にしたことくらいだ。
普段は飲まない。
――と思っているが、寝る前のホットミルクに
ブランデーが混ざっているのは例外でいいと思う――]
うん、そうですね……
リフルの話も?
[話し足りないことがありますか、と目を見た。
確かに、話したのはほぼこちらから一方的。
デートに連れていけと行ったのも私だ。
言い分を聞くのは当たり前の礼儀ではないだろうか。
それに、リフルの個人的な話って聞いたことない。
リフルはどう生きてきて、この国に来たんだろう。
これからどうするつもりなんだろう。
暴れそうになる蓋の上に重石をして、お願いしますと頷いた。
苦笑いを最後にしたくないから、
もう少し笑える私で貴方の顔が見ていたい、が本音*]
―― 思い出の庭 ――
[リフルとの思い出はゆったりしていた。
お茶を飲んで話をするときも、ピアノを聞いてもらうときも。
為になる話は……最初にお姉さま知らないか聞いたのと
義手はかゆいと聞いたことくらい?
お姉さまがいた時には必要だった区別のあだ名《メグ》も、
シャーリエが一人になった今では為にならない話。
隠してはいないから、前から屋敷にいる人なら知っている。
「替え玉の話」を直接訊かれたこともあった]
お姉さま居なくなったのが五年前だから、
そのときから居る人なら知ってますよ。
今はお姉さまの代わりをしてるけど、
帰ってきたら仕事お返ししたい……。
[倍返しだ!って笑えたのは、
ここにいない愚痴聞き役を埋めてくれた人がいたから]
―― 幕間 ――
[一度だけ臣下としての彼を庭に連れ込んだことがあった。
街の様子を定期報告してくれたリフルに、
真っ青な顔で詰め寄ってから、ちょっと来てって
人の居ない夜の庭まで歩いてきた。
窓のない壁際で数枚の紙をぎゅっと握る]
本当にあの人を見たの……?
もうっ、あの家、変にすり寄ってくると思った…!
どうしてこんな事するかな、
どれだけ信用失うと思って……ああっもう!
[他の部門からお金の流れがおかしいことは聞いていた。
リフルの証言と合わせれば、
有力な貴族が孤児院の寄付を横領していることになる。]
わ あ
ら
?
[頭抱えてうずくまって…柔らかい芝にころんと転がった。
ヒール履いてたのを忘れて重心が前にありすぎたのだ]
わ、笑わないで……ほしぃです、けど……
[手かしてください、と真っ赤な顔を伏せたまま
立ち上がらせてもらった。
ふわふわスカートを摘まんで一礼。
……正式にお礼をしたのに締まらないったらない]
こほん。
リフルにお願いします。
土曜の夕方からこの人を見張ってください。
孤児院に寄った証拠を掴んで欲しいのです。
騎士班が必要ですね。
ユーディトという者を任に付けます。
『赤いバラの件』と言う者以外には内密にお願いします。
……あ、お願いしていいですか…?
物騒なことにはならないと思いますが……
[貴族の爵位剥奪で終わった事件の一部を任せた。
後でお父様から騎士を使えとお小言をいただくのだけれど、
素晴らしい働きだったとユーディトから聞いて
得意な私にはお小言もくすぐったいだけ]
ありがとうリフル助かりました〜
[次に庭に呼んだときには、ご褒美とかできる範囲で!と
意気込む私がリフルを迎えたことでしょう*]
―― お酒屋さん ――
[私は下町のシンプルな味のお酒が好きだった。
土の香りがどうとかリッチなナッツの後味だとか、
ややこしく考えなくても、林檎の味!がするから。
混ぜてカクテルになるのも可愛らしい。
高いものじゃなくても
好みに合わせて楽しんでいる人々を見ているのが楽しい]
辛口のシードルありますか?
[リフルに連れてきてもらったお店で、
前に飲んで美味しかったお酒があるか聞いてみる。
店員さんは体をかがめても
カウンターから背中がはみ出すくらいの大柄な人だった]
リフル。
ここで話せそうなことですか
[リフルに向ける顔は少しぎこちない。
街の中でシャーリエでいるのもおかしいし、
どっちつかずの私がつぎはぎ人形を演じている。
彼に向けた視線は留まっておけず、
店のあちこちにさまよっていた**]
[外はまだ明るいけれど、お店の中は薄暗い。
ランプを光らせている脂の焼けるにおいと食事のにおいが
ざわざわした声に混じって、活気とも違う喧騒がある。
壁がときどき焦げているのは葉巻のせいだろうか。
椅子もテーブルも清潔なのに
欠けていたりガタガタしたりする。
柄の悪い、とはこういうことだろうか]
……ん……。
[運ばれてきたものに手を着けないまま、
彼の話したいことを待った。
これを飲み干したらいつもみたいに笑えるかな。
帰るまで自然にメグができるかな。
もっと強いお酒を頼めば一気に変われたかな。
そう思って伸ばした手は、グラスの水滴に触れているだけ。
最初に運ばれてきた串焼きは
暖かいうちに食べられるのを待っているのに、
どうしてもお酒を先に口にしたかった**]
[切実な願いは、聞き届けられた。
ただ、
諸手を挙げて…という訳では無さそうなことは
躊躇いがちな口調と
翳ってしまった表情から感じ取れた。
ベルトに続き
釦やチャックを外し
スラックスを引き下ろそうとしながら
(一体、なにを考えているのだろう…?)
これまで標本にしてきた
数多の虫たちの心なんか気に掛けたこともなかったのに
貴方が今、どんな気持ちでいるのか
気になって仕方なくなる。
知りたいと願う反面
深く刺さって抜けなくなりそうで
知るのが怖い。]
[僅かな逡巡の後、
一気に膝まで引きずり下ろした。]
っ、……これは、また すごいな、
[現れた景色に、ほぅと目を見張る。
黒いベルトに縁取られた
非の打ち所のない白い肌を
レースが絶妙に透かしつつ隠しているのが
艶めかしい。]
……美しい
[ガーターが開いて曝け出してくれた脇腹から
布地を通って、太ももへ
右手で撫で下ろしながら賞賛する。
脱ぎ捨ててしまう蛹まで
麗しい様は、オオゴマダラを思い起こさせた。
彼らが包まる蛹は金色に輝いて
人々を魅了する。
でも、あれは本来、捕食者の目を意識したものだ。
理由は諸説あるが
生き残るために独自の進化を遂げてきた。]
[普段は見えぬところまで
こんな風に拘り抜いて、
貴方は一体誰の目を意識しているのだろう。
必死に探して此処に来なければ
逢うはずも無かった
己では無いことだけは明らかだ。]
…………
[訳の分からぬ苦さ。
もやついた気持ちを晴らすように
パチン、パチン、パチン
留め具とシャツを別れさせ
白さをより際立たせる額縁を取り払っていく。
どうしても鎖が邪魔で
まだ逃げられぬことを確認しつつ
椅子の足と繋いだ片側をひとつだけ外した。
自由になった すらりとした脚。
恭しく捧げ持って
革靴に続き、スラックスとガーター
履いているなら靴下も抜き取ろうとするだろう。]
[黒革の拘束具だけは
俺が施したものだから
このままで、────良い。]*
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