人狼物語 三日月国


170 【身内RP村】海鳴神社の淡糸祭

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 『では、この楽曲は
 ××さんの曲として、世間に公表するから』





[大手音楽会社に、曲を提供した時。
その一言で、光は一瞬で陰る事となる。
俺は、契約上、自身の名を明かせなくなる。

無名の俺が、曲を多くの人間に広める方法。
その手段として、会社はこの形態を取った。
ネット活動も制限されてしまった。

 "ゴーストライター"


それが、俺の本当の今の仕事の肩書。]

[当然、始めは納得いかなかった。
いや、今だって納得が行っていない所もある。

 けれど。現実は、厳しいものだった。

 誰をも魅了する人魚セイレーンでは、ないのだ。

 俺の『歌』は――
 ただ、俺が愛する人へ愛を伝えるときに、
 自分の思い通りに、曲が作れるだけ。

何度かチャンスが訪れたとしても。
『俺自身』は、売れないままだった。


アイドルの突発的なヒットチャート
サブスクリプションで聞けるR&B。
J-POPに、レゲエが混ざった恋の歌
全て、俺が作った曲だと、世間は知らない。

形態を変えれば、たちまち、大衆は笑顔になった。
『歌』だけが、皆に愛されるのだ。]

 
 有涯、生在る者の望む至高の幸福とは
 如何に欲に塗れているものか
 随分下界で苦労されているようですね

 叶った後・・・・に関しては
 私は一切、関与をしておりませんが

 人魚の落とし子よ
 再度『願う』のならば、叶えましょうか
 真実を知り、何か新たに願う事はありますか?

 ……それとも、海鳴の子
 ここに来た理由は、他の妖が原因でしょうが

 私は、貴方の願いも、聞き届けますよ

 

[他人事のように、当然のように。
揺蕩う『声』に、悪意は感じられなかった。

ただただ、感性が違うのだ。]


  お、れ、俺は、―――俺は……


[意識が、朦朧と、する]

【人】 鳴海 海音



[ 伸ばした手。
  何も掴めないのならいらない。
  
手の消失。 ]


         [ 真実の見えない瞳。
           君の姿が見えないのなら必要ない。
           
眼の消失。 ]

            
[ 動けない足。
  君の元へ近付けないのならいらない。
  
足の消失。 ]





         [ そうしてひとつ、またひとつ、

           
消して────。 ]



         
    [ 消えて────。 ]

 
(31) 2022/08/23(Tue) 4:46:58

【人】 鳴海 海音



  (でも声は、声だけは─────
   声がないと伝えられない。
   君に伝えられなくなってしまう。)




        [ 伝わらないのなら声は****。
           声の**。 ]


 
(32) 2022/08/23(Tue) 4:47:24

【人】 鳴海 海音





[ もしそれらが本当に消えていったとしたら。
  俺というものは何でできているのだろう。 ]


 
(33) 2022/08/23(Tue) 4:47:34



  要らないのでしたら
  私が貰いましょうか




 




[ 火花が爆ぜたような一瞬のこと。
  知らぬ声が耳ではなく
  脳に響く。
  でも今、気にするべきはそこじゃない。 ]



 



  
宵稚!!!!!!



[ どうして、届かない。
  手を伸ばせば膜のようなものに遮られる。
  突然周りの空気が変わった。
  頭のどこかで
  これは現実ではないような気がしていて。
  それでも夢とは違う。
  だって、夢がこんなに苦しいはずがないんだ。

  宵稚が俺の名前を呼んでいる
  声が聞こえずとも口の動きでわかる。

  だから俺も伝えるんだ。口を開いて
  
”ここは危険だ”


  ただの直感。
  でもそれはきっと正しい。 ]

 



[ 周りが暗くなろうと
  俺は目の前の膜を破ろうと必死で
  何度も手を叩きつける。
  俺の手がダメになったっていい。

  今、君の元へ行けるんだったら
  なんだったってする。

  けれど急に力が強くなるわけもなく
  ただ力一杯足掻くことはやめなかった。 ]


 



[ その声は俺にも響いた。
  俺と宵稚以外、

  先程俺に語りかけた声とも違う
  また別の声。


  まるで君に知り合いに話しかけるような
  懐かしさも込められていた。 ]

 



[ 俺は知らない。
  君がその声に悩まされていたこと
  聞けなかった。
  知らなかった。
  俺がずっと一緒に居れたなら
  知れたかもしれないことを。


  拳を握りしめて
  膜越しに異形を光を睨み付ける
  俺の中にある感情は
  恐怖でも畏怖でも驚愕でもなく
  明確な怒りだった。 ]

 



  宵稚の両親のこと
  知っているのか……?

  まず、話し合いするなら
  俺をそっちへ行かせてくれよ


[ 機嫌の良い声。
  この状況でその余裕が俺には癪に触るんだ。
  全く対等ではない。

  落ち着け、落ち着けよ俺。
  余裕があるということは
  俺たちを格下とみているということ。
  あまりにも今は情報が少ない。
  『声』から得られる情報で
  俺は理解しなければならない。


  俺の中で答えはほぼ出ていた。
  村の言葉を借りるならここは隠り世。 ]


 



[ 君に迫る危険に
  俺は助けにも行けず
  ただただ名を呼び続けるだけ

  届かない、
  彼の苦しむ叫びも聴こえない

  けれどわかる、伝わるんだ。
  その苦しさが。

  握った拳に爪が食い込む。
  血が流れ滴り落ちる。
  口の中も歯を食いしばりすぎて
  血の味が広がっていった。 ]

 
 




  勿体無い
  その血は貴重だというのに




 


[ 握りしめていた手に冷たい何かが這う。
  ソレは舌のように柔らかく滑っていて
  俺の手の血を啜り、傷口を広げていく。 ]


  ……っ! な、何を


[ 手には何かが張り付いているような感覚が
  あるものの何も見えず、
  ソレが不気味さを増している。
  ただやられっぱなしなんて
  俺の性分じゃないもので
  その滑ったものを拳で強く握った。
  ピクピクと動く感じがわかって変な感覚だ。

  このまま潰せないかと力を込めようとした時、
  別方向から同じようなものに首を締め付けられ
  手を離す。 ]

 




  ぐっ……


[ 首に巻き付いて段々とキツくなっていく。
  かろうじて息ができるものの
  酸欠になるのも時間の問題で。

  苦しさで口を開けた瞬間を狙っていたのか
  口の中に先程よりも太く、それでいて
  同じような滑りを持ったソレが
  口の中に入っていく。 ]

 



  んん゙……ッ! 
ーーーー!!



[ 食いちぎろうと歯を立てれば
  首を絞める強さが増し
  口の力が緩めば口の中を好き勝手にされる。
  じゅぶじゅぶと音を立てて動くソレに
  耳まで侵されているように感じて。

  口にあった血は全て吸い取られた。
  唾液も吸い取りながら喉の奥へと進む。
  苦しくて涙が溢れるけれど

  俺が手を伸ばすのは
  手の届かない宵稚の姿が見える場所。

  苦しんでる様子が見える
  
俺が、俺が助けるんだ。 


 



[ 光に映し出されたもの
  それは俺の知りたかったこと。
  君が話せなかったこと。
  君自身も知らなかったこと。

  俺がこのまま見ていていいものか迷った。
  君の口からではなく
  君の許可なく知ることを……。
  けれど知らなくてはいけないんだ。俺は。 ]


 



[ 満足したのか俺の口から、首から
  俺はソレらから解放されていた。 ]


  なあ、俺の血は美味しかったか?
  だが誰もタダでやるなんて言ってないからな

  何事も等価交換、だろ?
  特にこの世界では重要視される

  これは交渉だ
  この膜、破ってくれよ
  さっきの血で足りないなら
  足りるまで採っていいさ

  先に手を出してきたのはそっちだからな
  少しなら血のサービスをしてあげようか?

 



        ……わたくし共と渡り合おうだなんて
        何と無謀な
        けれど面白い。……良いでしょう
        確かに
貴方の血は甘美でした


 



[ 首元に先ほどのソレが巻き付き
  ちくりと痛みが走る。

  出そうになる声を抑えると
  勢いよく音を立てて

  血を吸われていく感覚と
  快楽が体に伝わる。 ]


 



        気付きましたか
        
血を吸われると気持ちが良いでしょう?

        貴方の苦しむ声を聞きたかったのですが
        喜悦の声でも宜しいのですよ

 



  へぇ……?
  いい趣味してんな、褒められたもんじゃないけど
  俺をってところは褒めてもいいさ
  もし宵稚が……って考えるだけで
  俺は俺を許せなくなる


  でもせっかくだけど、俺は一途なんでな


  ……ぅ……ッッ 
はぁ…っ



  
[ 解放されれば脳に送られた快楽と
  血を失ったことによる貧血で
  頭がぼんやりと蕩そうになる。

  それでも俺は君の元へ行くことをやめない。
  今行くから、
  俺が行けば大丈夫だから

  隔てられていた
  膜が消える。

  それと同時に俺は駆け出して
  宵稚への元へ目指すんだ。 ]

 



  宵稚、宵稚
  大丈夫だよ、もう大丈夫

  俺がいるから
  俺がきたから

  大丈夫だ


[ 宵稚を後ろから抱きしめて
  彼の目を俺の手で覆い隠す。 ]

 



[ 意識がふらつく君を寝かせようとしたけれど
  君は大人しく横になってくれたかな。

  願いを聞き届ける。という声に
  俺は静かに視線を移した。 ]

 



  さて、まず初めに言っておくと
  
俺はアンタが嫌いだよ


  俺の大切な人を苦しめて傷つけてさ
  俺が許すと思う?

  
そんな奴に俺が願うわけがない


  俺が願うとしたら
  もう一人のヤツだ
  
あっちはあっちで怪しさMAXだけどな


 



  俺が昔に会ったこと思い出したよ
  ”糸”だろ
  このお祭りが
  淡糸祭って言われてるの俺は知ってるんだ。
  だから小さい俺でも覚えられた。
  その時は。だけどな。

  思い出せたから、何もかも。

 

 




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