224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
「ハハハ」
独房の中、腕を枕にベッドにごろんと寝転がる。
ぶらぶらと足が揺れて、天井を見る目がすうと細まった。
「やっと『プラン』が整った」
「……面倒なことの気配がする」
硬い布団に潜って丸くなる。
ああ、
恋人
が恋しいな、態とらしく呟いて眠ろうとした。
身体は休めておいたほうがいいと長年の勘が告げている。
「……」
「くっそ……ラウル!」
結局起き上がって一人の部下の名をよんだ。
とん。
ととん。とん。とん。
とん。────とん。
いつもの音。
いつもの音が響いている。
いつも通りの音だけが。
男は仕事中だ。
#取調室
「……なるほどよくわかった。
どうも今月、俺は運が向いてない」
SNSどころか物理的な音声となって署内を駆け巡る噂に
がああ、と頭を掻きむしる。拷問吏との会話を思い出して、
やっぱり俺は賭け事なんかしなくて正解だと思った。
――だから信用出来ないんだ、どいつもこいつも!
いつか描いた、出来すぎた未来をまた描く。
Inutile piangere sul latte versato.
…それなら、自分には何が出来るだろう。
細い穴に糸を通す。通していく。
心だけは、もう決めていた。
叩き起され、お呼び出しを食らった後。
目的の場所へ向かいながら、
ふと、浮かんだ連絡先について首を傾ける。
"忘れ物"とされたあれは、
一体どこに繋がったというのだろうか。
どうせなら出頭前に確かめておくんだったな。
頭の中で数字をタップしていく。
勿論そんなことじゃああの先には繋がらないが、
確認出来る機会があるなら確認したいと呑気にも思う。
熱は引かない。痛みも変わらず残る。
しかし"隠すことは得意"なんだ。
そんな呑気さを抱えながら、外が晴れることを気長に待とう。
「…………虹、見えるといいな」
任せたよ、エルヴィーノ。
手伝いが出来なかった埋め合わせは、また、いずれ。
看守たちが騒がしくしているのを聞きながら、
ようやくに包帯で固定された右手を天井に翳す。
天気予報は、どうやら当たりそうだ。
「……うん」
聞こえてきた名に心が波立てど、どこか頭の芯は冷えていて。
だから、大丈夫だ、と思った。
此処から出るときに全部が変わっていくとしても。
車のエンジンを掛け、シフトレバーを引き、
ハンドル片手にアクセルを踏む。
目的地はただひとつ。『家族』の顔を一番に見てやる為に。
[1] [2] [3] [4] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
トップページに戻る