83 【R18】ラブリーナイト・りたーんず!【ペアRP】
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──── 嘘。そんなの、嘘。
本当は …… 私の痛みを、彼の痛みを、
分かち合えるのは私たちしかいなかった。**
| [─────けれど、 夜まで起き上がらない絵美に 「いつまで寝てるの?」って声を掛けて、 絵美の身体が冷たくなっているのに気付くまで 俺は何も知らないでいた。
俺が夜を過ごすうちに、 神様は絵美の生命を天へと昇らせ 代わりに、梨花だけを置いていった。
そうして、逃げることも出来ない「パパ」の名前が 俺の上により一層重く伸し掛ることなんか バカな俺は全然、気付かなかったんだ。] (2) 2021/07/14(Wed) 15:10:42 |
| [絵美が死んでいるのに気付いてからのこと、 実は全然覚えていない。
どうして?なんて問う暇なんかなく 無情にも日々の瑣末事は押し寄せてきたし、 瑣末じゃない諸々も抱えきれないほどあった。
料理も、洗い物も、洗濯も、掃除も 分からないけど、頑張るしかなくて、 でも、全然上手く出来なくて。 上手く作れななかった料理を出したら 「ママのがおいしい。ママのがいい」って そう言われる度、死にたくなった。
ほら、パパじゃダメだって、って 逃げ込めるところなんか、何処にもなくて、 仕事から帰って、家の事やって、泣かれて 寝なくて、梨花が熱出して、仕事も出来なくて そんな日々が続く。
たまにどうにもならない苛立ちが募って 梨花に当たると、ママ、って泣くから 気持ちを内へと殺すようになった。 絵美が生きていた時より ずっとずっと辛い毎日が連綿と続いていた。] (3) 2021/07/14(Wed) 15:11:17 |
| [ふと、思うんだ。
絵美にも「ママ」になる覚悟が あった訳じゃなくって、 どうやっていいか分からない、 このどうしようも無い状況から 「助けて」って俺に手を伸ばしてた だけじゃないかって。
だとしたら、これはきっと罰だ。 一人抜け出し、夢を見ようとしたことへの。
でも、罰なら受け入れなくっちゃ、って そう思うのに、「おいしくない」って 食べてもらえなかった卵焼きをゴミ箱に捨てる時 もう、どうしようもなく涙が止まらなかった。] (4) 2021/07/14(Wed) 15:11:39 |
| [でも、時々、ね。
梨花がご飯食べてくれて 新しい言葉覚えたり、歌を歌ってくれたり 下手くそな似顔絵で「ぱぱだいすき」って 描いてくれたりしてさ……
そんな一瞬のことが、すごく嬉しくて。] (5) 2021/07/14(Wed) 15:14:27 |
| [─────そうして、あっという間に あの夜から半年が過ぎてしまった。
たまたまその夜は梨花がすんなり寝てくれたから 一人静かに夜風に当たりたくて そっと家から抜け出したんだ。 玄関横にある鏡に映った自分の顔は すっかり「おじさん」の顔をしてて、 それを見たせいか、夜の公園から臨む夜景は ぼんやりと滲んで見える。
家の灯りや街灯が色とりどりに点って まるであのアクアリウムを思い出す。 ……覚えているとも、あの日食べた レモンケーキの味とか、交したキスの甘さまで。
でも今の俺を見たら、きっと千由里は こんな窶れたおじさんに「好き」なんて 言ってくれないに違いない。
ベンチの上にぐったりと項垂れると 涙は足元の砂の中へと消えていった。]* (6) 2021/07/14(Wed) 15:14:53 |
[しばらくは消えない証を残して
言葉を交わしたら、それはもう二人だけの誓い。
それでいてやっぱり夜が明けたら
ちゆと彼は離ればなれになるということ。
果てたあとの気だるさはあんまり好きじゃない。
終わりの予感を感じてしまうから、目を背けたくて
甘いあまい口付けを強請ってた。]
……幸せ、だなぁ
[ふっと微笑んで、唇を重ねて、舌を絡めて
タイガさんが再びとろとろの蜜に触れるなら
たちまち吐息混じりの啼き声へと変わる。]
[今度は剥き出しの熱が埋まった。
ほんの薄い隔たりは、
それでもなくなってしまえば心地良くて
一度目よりずっと鮮やかに彼の感触を味わえば
こぼれる囀りもいっそう甘くなる。]
タイガさん……
[向かい合って抱きしめて、けして離そうとはしない。
打ち付けられる肌の乾いた音も、
お互いに擽り合う吐息の温度も、
やがて迸った少し青臭い匂いも、
夜に溺れて時計の針は見えないまま
それでも気づけば遮光カーテンの隙間が明るくなって
夢が終わるその後も、全部――忘れないように。]
[幸せだったな、
大好きだったな、
忘れられそうにないや。
だからごめんね、タイガさん。
光は遮られて薄暗いままの室内、
布団の中で灯るのは彼のスマホ画面。
指、勝手に借りちゃってごめんね。
連絡先をちゆのスマホにメモした。
開いた履歴に彼のブログがあった。
そこには「パパ」の顔したタイガさんがいた。
娘さん、リカちゃんっていうんだね。
かわいいね、幸せそうだね、
……なんだ、ちゃんと大事にしてるじゃん。]
[無音のカメラアプリが薄暗がりで点滅する。
カメラロールにちゃんと収まったのを見れば
一人、しずかに微笑んだ。
大丈夫だよ、困らせないよ、
ちゆは良い子だから――悪いことなんかしないよ。
タイガさんのスマホを元に戻したら
下着だけ身につけて窓際へ向かった。
灯る火種が彼の目に止まったかどうかは知らない。
空気清浄機はちゃんと回ってたはずだけど、]
おはよ、タイガさん。
[笑みを浮かべてみせたあたしは、
ほんのりと煙の匂いを纏っていたかもしれない。]
| [そうして、夜が明ける。夢が終わる。 エスカレーターを下りてフロントを後に、 ホテルを出たら駅まで歩いて 改札を通り抜けてから先に背を向けたのはどちらだったか。
通勤ラッシュを過ぎたホームは静か。 ベンチに腰掛けて手持ち無沙汰にスマホをいじった。 通知の溜まったLINEを開くことはなく 別に面白いわけでもない画像投稿を眺めた。
いつもとそう変わらない日常。 いつもと同じ、退屈な日常。
無意識にパーカーの長袖を掴んでいて ぎゅっと指が食い込んだら、少し痛い。] (7) 2021/07/14(Wed) 17:06:28 |
| [だから良いの、タイガさんの一番じゃなくても 愛してるし、ちゃんと忘れない。 あの日知ったあなたのことも、 ――あれから見つけたあなたのことも。
ブログに映ってた写真。 マンションの場所ならネットで見つけた。 最近、あんまり更新してないね?
ふらっと立ち寄ってしまったのは あの夜からひと月くらい後だっけ。
ちょっと通り過ぎただけ、それだけのこと。 週に一度、数日に一度、――毎日、 ほんのすこし眺めてただけ。
ゴミを捨てに行くタイミング、 リカちゃんを連れて買い物に出かける姿。
夜の公園で明かりのついた部屋を眺めて 電気が消えるのを見たら、 そっと「おやすみ」を告げる。] (8) 2021/07/14(Wed) 17:08:41 |
| [彼はちゃんと「パパ」だった。 ぐずるリカちゃんを抱っこするのも、 ご機嫌なリカちゃんに笑いかけるのも。
あの夜よりもっと、ずっと大人に見えたんだ。 ちゆなんかじゃ届かないような気すらして 愛し合ったのが、なんだか幻みたい。
――ねぇ、ちゆのこと覚えてる?
思わずそんなこと聞きたくなって、 何度か電話を掛けようとした。 でも、出来なかった。] (9) 2021/07/14(Wed) 17:09:31 |
| [タイガさんの奥さん、まだ見たことないけど 連れられて歩くリカちゃんが幸せそうで 羨ましくて――ちゆには壊せなかったんだ。*] (10) 2021/07/14(Wed) 17:09:47 |
背中合わせのぬくもりは。
背を這う指、腕へと順々に形を変えて行き。
─── プツン。糸が切れるように。
ふらり傾けば、ぽふと軽い音を響かせ
そのまま重なったまま、シーツの海に沈んでいく。
このまま、堕ちていければいいのに。
無意識のうちに願っていた。
別の世界なんて関係ない。
…… 誰もいない、二人だけの世界へ。
「 そうだね。
俺達は、出会うべきではなかった ─── 」
この一夜が終わってしまえば、
俺達の関係は「被害者」と「加害者」
互いの人生を、奪い、奪われたふたり。
見方を変えたところで、くるりくるり。
その立場が入れ替わるだけ。
結局、交わることはない。
それでも、と薄く開いた唇は、
きちんと微笑んでいられただろうか?
それを知るのは、きっと君だけ。
そのまま、祈るような想いを落とす。
俺と君の世界は決して交わらない。
なのに、この痛みを分かち合えるのは
世界で唯一、君だけで。
脱線した電車。
一番最初から、間違っていたんだから。
目的地に辿り着けるわけがない。
「 ─── トト。 」
…… だからきっと、
最後まで間違えたまま。
真実が白日に照らされる前に、
夜の帳が覆い隠してくれているうちに。
君の名前ではない、君の名前を呼んだ。
じわり、眸が歪む。
視界には霞がかかり
君の顔が上手く見えない。
それがとても恐ろしいことのように感じられて。
その存在を確かめるように、
求めるように。
華奢な体躯を抱きしめて、
君の綺麗な髪を、純白のシーツの上に散らしたら。
[ 荒々しく交わす口付けは、血の味がした
この身体に流れる血と、同じ血の、あじ――
強請られ、応えれば
俺が言った言葉をなぞられる
同じ言葉なのに、違う音で、違う響きで
あぁ、くそ、―― ]
[ 兄貴の思い通りに、煽られて
腰にくる……堪らない。――だけど
それを隠すように、悪態を吐いて、挿れた
悪いけど、ゴムのつけ方は良く知ってるんだ
兄貴の布団を汚さねーようにしてたから
ま、そんな話、言うつもりはねーけど
狭くキツい場所に、弾けそうな楔を埋め込んでいく
慣らしたけど、引き攣る感触に、
あぁ、濡れねーから足してやらないといけなんだ
快感と苦痛に、思考がぼやけながら、また一つ学ぶ
それを次に実践するかは、知らねーけど
]
[ 腰を揺らして、中を犯して
熱くて、キツくて、でも―― 気持ちがいい、
愛しい人と、やっと繋がれた
先ほど身体を繋げた時とは、別の感覚に、
無意識のうちに、零れそうなものがあって
腕で目を擦っていれば、やっぱり気付かれる]
泣いてねーよ
[ 嘘 ]
[ ぼそり、と虚勢を張る声は小さかった
だから、代わりに唇を奪う
何も、言うなよ
言わないでくれよ]
[ 息継ぎの合間に、紡がれる愛の響き
俺は、それを音にして返さない
口にしてしまったら、また泣きそうで、
それってなんか、かっこ悪いだろ?
なにより、泣いて喜ぶほど、兄貴が好きだって
―――― 知られたくない、今はまだ
[ 四苦八苦しながら、なんとか埋め込み
動きを止めて、見つめていれば、また煽られる]
ッ、ん、……おま、ッ、くそ
[ きもちがいい、と言われれば、高揚する
この初めて感じるキツさと、絡みつく肉の感触も
はっきりいって、すごく――イイ、
俺から、その言葉を吐き出させようと、
いやらしく腰をくねらせ、
誘う兄貴は、やっぱりエロい]
ふッ、じゃ―― 遠慮なく、?
[ にや、と悪戯っぽく笑った
余裕の笑みを浮かべたかったけど、
快感に声が震えてしまったが、もう関係ない
腰を引き、ぐっと押し込んで、
また、引いて、弱い先端を肉壁に擦りつけて
自分も快感を拾いながら、先ほど散々、指で嬲った
奥の、奥、―― こり、としたしこりを、刺激した
ぐぐ、と音が鳴りそうなほど、引き攣らせながら
内壁を掻いて、抉って、ぐちゃ、という淫らな音と
濡れた肌がぶつかり合う湿った音を響かせる]
[ 額の汗が、ぽたぽたと
兄貴の頬を濡らして、汚す―― 穢してく、
何度も、唇を食んで、呼吸を奪って、
自分の身体を支えるために、突いた手で、
胸の飾りも親指で、悪戯に擦ったりして、
思いつく限りの愛戯をする
俺で、もっと感じて欲しくて、善がって欲しくて
そうしていれば、
腰が揺れる速度は、どんどん速くなる
限界が、近い
目の前が、くらくらする、視界が歪む
堪らない吐精感に、呻いて、喘いで]
ッ、はぁ――――
[ 大きく、息を吸って]
[ はっ、はっ、と
荒い呼吸に、甘い喘ぎが混ざりながら
いったい、どちらが犯されるのか分からない程
羞恥を感じる暇などないくらい、快感に酔いしれた
兄貴面して、余裕な顔してた奴が、
今は俺の下で、みっともなく、恥ずかしげもなく
すべてを晒している
その状況にすら、くらくらと昂奮して]
ッ、く、―― で、る
[ 最後の瞬間は、首筋に顔を埋めて
絞る出すように、呻けば、
ぴっちりと、俺と兄貴の境界を作っているものに、
熱いものを解き放った
三度目とも、なると、さすがに
そう多い量ではないけど、先端が膨れて、
兄貴の中に、熱い感覚を伝えていたかもしれない]
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