68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】
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ゲイザーが去ってから暫く。
キューはルヴァの死体の傍らに立っています。
「…… ……」
キューは、ルヴァの死体のそばにかがんだ。
「……、…、……」
キューは、何かを言いかけて、口を噤んだ。
少しの間の後、小さな小さなアイテムボックスを取り出す。
「……
ありがとう
、ルヴァ」
キューは、アイテムボックスに死体を収納した。
キューは、森を立ち去った。
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キューは、何かをルヴァに問いたかったようです。
ですが、答えが返って来ないことは分かり切っています。
無駄な事はしない方が賢明ですね。
サダル
避けられなければ髪を拭いてやる。
きっとその動きは、拙い。
「わたし、優しくなんてないわ。
優しいっていうのは、あんたみたいなひとのことを言うのよ」
ひとり、ぽつんと座っている女の子を気にかけて。
会議の内容をまとめた資料を作ってやって。
抱えているものはないかと、話しやすいように呼び出して。
そういう優しさが大嫌いで、疎ましくて、
……けれどたしかに、嬉しかった。嬉しいから、遠ざけた。
「どんな場所でだって、求められるわ。
……だから、嫌いなのよ」
サダル
キファは、確かに一度死んだ。
この世界の真実が、どのように在ろうとも。
……彼女の死生観は、そう定義する。
あなたはもしかすると、
悲しみが連鎖する”あの場所ではないどこか”へ、
辿り着きたかったのかもしれない。
あなたはいつか二人でこうして真に出会うために、
一時恋心を売ってでも、逃避行をしたのかもしれない。
だがこれらは全て仮定であり、
それはあなたが語らぬ限り、キファは知る由も無いのだろう。
→
サダル
──二人は、最早舞台から降りた。
これは誰かを感動させる為の演劇じゃない。
ロミオとジュリエットでも、サロメでもない。
二人が紡ぐ、二人の為の、物語だ。
これにて、ヌンキの”はじめの祈り”は、
真に叶えられたのだろう。
紆余曲折こそありはしたけれど。
でも、序破急のない物語なんて退屈だろう?
神様が、笑った気がした。
唯、残されたヌンキは──
それはまた、別のお話。
→
| (a266) 2021/04/26(Mon) 21:55:35 |
サダル
サダルの胸から顔を離す。
涙を拭った。
「迫った体を拒否したな。
口づけをねだる吾を制しただろう。
調子が悪いことを理由に、
随分とほったらかしにしてくれたな」
「……許容するのは、今日までだ。
吾は男を尻に敷くのが趣味が故。
──覚悟せよ?」
くつり。
いたずらっぽく、笑って見せた。
ひそひそ
[噂話は広がる]
「ほら、あの子もそうだよ」
「でも、あの子はあまり変な噂は」
「あー、何年か前に聞いたな。水の事故だっけ?」
「聞いたことある。子供が流されたんだよ」
「でも、結局無事だったんじゃなかった?」
「二人流されてひとりは助からなかったって聞いたような」
「いやいや!ひとりだけですぐに救助されたんだろう?」
「流されたのは三人じゃなかった?」
「子供といえばさぁ」
[噂話というものは大抵根も葉もなくヒレがつく]
[なにがあっても『ハマル』は、『ハマル』だ]
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