【人】 [『 力 』 フォルス――売店:カルクドラと [ カルクドラとよく話すようになったのは ヴェルトが居なくなってからだったように思う そう感じているのはあくまでも俺の体感だけれど 彼はヴェルトと一緒に居る印象が強かったから。 似た時期に住み始めた事もあって>>38 不思議な親近感のようなものはあった。 見かければ挨拶もしたし 時には軽い話題を持ちかけたり 今と然程も変わらない、そんな日常 尤も相手から返るものについては 今とは少々、大分――かなり色が違ったが。 ] (205) 2022/12/14(Wed) 21:36:05 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ それでも、七年 七年もあれば変わっていく 日々少しずつ、人も、環境も、何もかも 俺が祈祷室に足を運ぶ頻度は多くなくとも たまには祈祷室で茶をしたり たまには売店奥で茶をしたり 帰省の折には珍しい茶葉を土産にしたり 彼と過ごした時間はきっと、証持ちの中でも多い方 思えば長い付き合いになったものだ ] (206) 2022/12/14(Wed) 21:37:22 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ だからもし、三人で商品を選ぶ内 彼がなんらか視線を送ってきたなら 「 そーだカルクドラ 実は相談したい事があってさ この後、ちょっと時間いーかな? 」 何かをこぼしたい時 助けを乞いたい時 カルクドラを頼る人間は多い>>42 頷いたなら、ユグには一言謝って 彼に暫しの間相談にのってもらおう ] * (207) 2022/12/14(Wed) 21:38:38 |
IX『隠者』 アリアは、メモを貼った。 (a29) 2022/12/14(Wed) 21:44:55 |
T『魔術師』 シンは、メモを貼った。 (a30) 2022/12/14(Wed) 22:03:54 |
【人】 IX『隠者』 アリア―― 回想:三年前、『彼女』との出逢い [ その日。私は偶然にも出遅れて、 新しく来たというその子を迎える流れに乗り損ねた。 辿り着いた時にはもう彼女は幾人と挨拶を交わしていて 私は、……私は、その姿を目にして立ち竦んだ。 懐かしい。私もそう思った。>>0:659 けれど同時に真っ黒な感情が思考を塗り潰していった。 身に巣食う 絶望 が、いつになく燃えていた。次の瞬間には、私はもう背中を向けていた。 どうして。どうしてどうしてどうして。 らしくない感情は、ともすればあの子の時より荒れる。 けれどそもそも、「らしい」っていったい何だっけ。 目にするだけでどうにもならなくなって数回、 そのうち私は、自然とひとつの結論を導き出した。] (208) 2022/12/14(Wed) 22:10:57 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ それこそシンが私に対して置いた距離と同じように、 私はその子に、キュリアに対して距離を置く。 時折遠くからふたりが話しているのを見かけるかもしれない。 それを羨ましく思うのが「誰」なのか、私はもうわからない。 そういう時はどうしてか懐かしさに似た感情を覚えて、 足を別のところへ向けることにしたと思う。 そんな個人の意識を超えても交差する接点が この三年の間に存在したとすれば―― その時は、それでも、 会話するくらいならば出来たはずだ。 さすがにそこまでじゃない。…たぶんだけど。 *] (210) 2022/12/14(Wed) 22:12:32 |
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a31) 2022/12/14(Wed) 22:14:35 |
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a32) 2022/12/14(Wed) 22:15:05 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― 邂逅/『審判』―― [チェレスタと出逢ったのは、5年前のことだ。 洋館の人たちとは話しかけられた時以外は、 こちらから話しかけることもなく。 いつものように『塔』の居る中庭に向かおうと、 ぱたぱたと足を鳴らしていたところだった。 目の端に立ち止まったままの女性が居て、 自然と意識がそちらに向いた。 初めて私を見た時のチェレスタは、 驚いたような、泣いてしまいそうな、 ともすれば、笑いだしてしまいそうな、 とても複雑な表情をしていた。>>27 今の今まででも、そんな表情をした人を見たのは、 彼女だけだったように思う。] (211) 2022/12/14(Wed) 22:20:59 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[不思議と、嫌な感じはしなかった。 自身も足を止めて、方向を変え、 彼女の元に向かった。興味からだった。 今思えば、その時から既に 惹かれるものがあったのかもしれない。 伸ばされた手は自然と手に取った。 これは『塔』との出会いがあった影響もある。 伸ばされた手は取ってもいいのだと、 刷り込まれたみたいに、自然と握り返した。 歩き出す彼女に、また問いかけた。] 『どこにいくの?』 [その声に目を見開くようにして驚いた彼女は、 その時、何を思い、何を見つめていたのだろう。] (212) 2022/12/14(Wed) 22:21:52 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[チェレスタと名乗る彼女はかつての『審判』だったという。 箱庭でも『太陽』と隣合わせてよく語られる。 証持ちなのにどうして洋館に住んでいないのだろう? それも気になったけれど、] 『……おうた、うたうの?』 [興味を惹かれたのはそちらの方だった。 尋ねれば彼女は微笑み、花畑へと連れて行ってくれた。] (213) 2022/12/14(Wed) 22:22:50 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[花畑に広がる彼女の歌声は、遠くまで澄み渡り。 花の蜜を吸いに訪れた蝶が、 まるで彼女の歌に誘われるかのように辺りを舞った。 花は風に揺れているのか、音に揺れているのか。 楽しげに肩を揺らしているように見えた。 義父母が、町の子供が、童謡を歌うのとは違う。 魂に直接触れてくるような歌声は、 包み込んでくれるような温もりと、 感じたことのない、母の胸の中を想わせた。] (214) 2022/12/14(Wed) 22:23:26 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[歌い終えた彼女は、しばらく沈黙した。 私もまた、拍手や賛辞などを送る術を知らなかった。 彼女を見上げれば泣きそうな顔をしていたから、 何かを言おうとして、言葉に詰まる。 沈黙の後に、響いた音。>>29 その音に弾かれるように顔を上げた。 ――――味方。 そんなこと言ってくれる人は誰も居なかった。] 『……ほんとう? じゃあ、じゃあ。 チェレスタといっしょにいれば、 わたしもチェレスタのようになれる? きれいなうたを、うたえるようになれる?』 [誰かの心を、震わせられるような歌を。] (215) 2022/12/14(Wed) 22:24:24 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[それからは、彼女が洋館に訪れる日が待ち遠しかった。 今まで他の証持ちには 自発的に話しかけることのなかった少女が、 年下には比較的人当たりの良さそうな タナトスやマドカ、フォルスなどの袖を引いて、 『チェレスタは今日はここにくる?』 と、尋ねることもあっただろう。 洋館の扉が開く音に、誰よりも早く 反応を示すようになったのはそれからのことだ。 静かな場所に立ち竦んでいたままの少女は、 彼女と出会ったことで少しずつ変わっていった。] (217) 2022/12/14(Wed) 22:25:51 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[南東の地域のほんの一部しか知らなかった彼女の世界は、 チェレスタから耳にする世界を聞いて広がった。 南東よりももっと華やかな地域があること、 のどかな農村のような地域があること、 移動しながら暮らしを続ける人たちが居ること、 寒さが厳しい場所に身を置く人々。 住まう場所も変われば着るものも食べるものも違う。 聞く度に新しい話を教えてくれるチェレスタは、 なんでも知っているかのように思えて、 チェレスタが話す世界は、いつもキラキラしていた。] 『チェレスタ、眠いの? じゃあ、今日はヒナギクの部屋で一緒に泊まろう!』 [夕暮れにきらめく彼女の横顔が名残惜しくて、 そう引き止める日も、少しずつ増えていった。] (218) 2022/12/14(Wed) 22:27:51 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[だから、彼女に習って自身も歌うようになり。 少しずつ明るさを取り戻した私に、 政府から広告塔の仕事の話が出た時は、 私もキラキラした世界をこの目で見れるのだと喜んだ。 その時、彼女は珍しく笑わずに真剣な表情をしていた。 一度だけ、彼女の口から聞いたことがある。 証持ちは『特別』だけれど、迫害の対象でもあること。 ――――知っていた。 私も両親に疎まれてきたから。それだけは。 心配そうに目を伏せるチェレスタの手を>>31、 私が両の手で引き寄せ、包み込む。] (219) 2022/12/14(Wed) 22:28:27 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク そういう人たちが居ることも知ってる。 でも、私が人前に出ることで 『証持ち』の印象が変わるなら意味はある。 まだ見つかってない『証持ち』の子にも、 私の声が届くこともあるかもしれない。 それに、チェレスタみたいに、 私の、自分自身の目で、世界を見てみたいの! …… 『大丈夫』 !私にはチェレスタが教えてくれた歌があるもの! (220) 2022/12/14(Wed) 22:30:31 |
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