人狼物語 三日月国


196 【身内】迷子の貴方と帰り道の行方

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 ─── 彼女には帰る場所があったんだ。
 そんな子を引き留めは出来ないよ。

 ね、もうこれで終わりにしよう?
 
もう限界だって
わかってるだろう?
 

 

 だからっ! だから……
一緒にいてほしかったのに

 取り込んででも引き留めたかったのに……


 

 

 ネリリ。
それは、人の生を奪う行為だ。

 わかってて見過ごしていた僕も僕だけどね。

 ……僕も、君もとっくに人間じゃないんだろうね。
 嫌がってる子は帰していたけど
 やっぱり後から後悔するものなんだね。
 だから、最後はちゃんと後悔にならないでよかった


[ここにいれば苦痛がないのは本当だから。
 それを言い訳に罪を重ねたには変わりない。]

 

 

 でもそうだね……
 ───── 寂しくなったなぁ



[その言葉が、僕のまぎれもない本音だった。]**
 

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[あの後わたくしはすんなりと、家に帰ることが出来ました。
 一晩眠れなかったのか、憔悴した父と、
 泣き腫らした目をした母に迎えられ、
 わたくしはやはり、ここに帰ってこなければ
 ならなかったことを痛感しました。
 そんな人がいてくれる、幸福を噛み締めながら。

 ラサルハグさんのくれた手紙を見せ、>>2:*65
 口裏を合わせた感じで昨日の事を説明しました。
 本当に危険な実験ではなかったのか?と少し疑われましたが、
 そんなことをするような相手だったら、
 わたくしを帰しはしないし、報酬など出さないでしょう。
 その様に弁明すれば、納得してくれました。]
 
(0) 2023/01/19(Thu) 20:07:33

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[今日も帰ってこない様であれば、
 本格的に捜索するつもりだったらしく、
 ぎりぎり大騒ぎになることを避けられたのは、
 幸いと言えましょう。

 家では1日遅れの誕生会と、
 娘の帰宅を喜ぶ宴が催されました。
 結局あちらでは、しっかりと
 パーティを楽しむことは出来ませんでしたね。
 お二人は、どうされているのでしょう……。
 
わたくしはもう、決してそれを知ることは出来ません。]

 
(1) 2023/01/19(Thu) 20:08:15

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
 ―
誕生日から100日後


[遂に、婚約者と顔を合わせる時が来ました。
 わたくしはあれから1着ドレスを仕立て、
 それを身に纏っています。
 魔法使いの仕立ててくれたあのドレスと、>>0:115
 デザインは同じです。
 胸には珊瑚の様な宝石の嵌ったブローチが、>>2:*66
 首には14歳の誕生日に、
 フィリップ様から贈られた薔薇の首飾り。
 耳には15歳の誕生日に、
 フィリップ様から贈られた薔薇のイヤリング。
 頭に戴くのは、今年の誕生日に贈られた、
 薔薇のティアラ。>>0:14
 
(2) 2023/01/19(Thu) 20:08:51

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[万全の態勢で迎えた今日ですが、
 それでも緊張はするものです。
 胸のブローチを一撫でします。

 珊瑚には明るいエネルギーを取り入れて、
 持ち主に幸福を授けるという言い伝えがあります。
 わたくしは自ら、幸福になるためにここへ帰ってきました。
 お約束を違えるわけにはいきません。]
 
(3) 2023/01/19(Thu) 20:09:42

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
 
  「フィリップ様がお出でになりました」


[家令が来客の旨を告げれば、直ぐにお通しするように言い、
 緊張感の走る中、扉は開きました。]
 
(4) 2023/01/19(Thu) 20:10:12

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
 
 
(―――――……!?)

 
 
 
(5) 2023/01/19(Thu) 20:10:33

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[扉の先にいたのは、陽光のような金色の御髪、
 澄んだ空色の瞳、
 貴族らしい煌びやかなお召し物を纏った
ルイ
様でした。
 手には、青い薔薇の花束を携えています。]
 
 
 
  「ご無沙汰しておりました。エルメス嬢。
   贈り物、気に入って下さったようで何よりです」


[思考回路が凍結しているわたくしに花束を渡し、
 彼はわたくしの両親の元へ足を進め、膝をつきました。]


  「こちらの家の事情で、
   ご挨拶がここまで遅れてしまった、
   非礼をどうかお許しくださいませ。
   私がフィリップ・ルイ
   =シャルル・フランシス・ヴァロアで御座います」


             [頭を垂れる彼の姿を見ながら、
              わたくしは必至で考えました。]
 
(6) 2023/01/19(Thu) 20:11:53

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[一体どういうことなのか、わたくしがとんでもない
 
勘違いをしていたことを
決して気取られぬように

 確認すると、どうやら
 こういうことであったようです。]

 
(7) 2023/01/19(Thu) 20:15:18

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[初対面でわたくしを"下民"と言った、>>0:21
 フィリップ・リュカ様。
 彼はヴァロワ家本家の嫡男です。
 対して、ルイ様は従者ではなく、
 ヴァロア家の分家の嫡男。

 本家と分家ではかなり格差があるようで、
 本家の人間にしてみれば、分家の者は嫡男であれど
 従者とそう扱いは変えないそう。
 これは本家の威厳を保つためでもあるので、
 彼個人の性格の難によって発生している事ではありません。

 けれどヴァロアの嫡男は、本家も分家も問わず、
 ファーストネームは"フィリップ"で統一しています。
 お2人と出逢った時に、ルイ様がフィリップ・リュカ様を
 フィリップ様ではなくリュカ様と呼んでいたのは、
 フィリップと呼んでも、
 どのフィリップか分からず紛らわしいから。
 ルイ様のハンカチに
 "Louis"と刺繍されたのも同じ理由です。]
 
(8) 2023/01/19(Thu) 20:16:09

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[わたくし以外の全員がわたくしの婚約者が、
 ルイ様であることを把握していました。
 ヴァロア家から届いた正式な縁談の書状には、
 当たり前ですが、
 名前は略さず全て記載されていましたから。

 ですが予めわたくしとルイ様が
 既知の仲であることを知っていた両親は、
 まさか同じ時にフィリップ・リュカ様とも
 出会っているとは思わず、
 "ヴァロア家の嫡男であるフィリップ様"としか
 言わなかったため、
 そして、イニシャル表記すると全く同じであるがゆえに、
 顔を合わせる瞬間まで、勘違いし続けてしまった。
 ……という、何もかも全て取り越し苦労案件が
 発生してしまったのです。]
 
(9) 2023/01/19(Thu) 20:17:09

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[あの時には言いませんでしたが、>>0:105
 好いた相手と結ばれたからと言って、
 必ず幸せになれるとは限りません。

 ですから相手が初恋の人であり、
 不可解は解消されてもその上で、
 わたくしはルイ様の人となりを知ろうと、
 
きちんと彼を見定めてから、結婚を決めました。]

 
(10) 2023/01/19(Thu) 20:18:04

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
お姫様ヒロインを一番幸せに出来るのは、
 魔法使いでも王子様でもありません。

 
自分自身が、一番自分を幸せにすることが出来るのです。]

 
(11) 2023/01/19(Thu) 20:18:47

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
 
 
Belle au bois dormant?

       
(Sleeping Beauty?)



        
Non,Les rêves deviennent réalité.

                   
(No.Dreams come true.)

 
 
(12) 2023/01/19(Thu) 20:19:19

【人】 子爵令嬢 エルメス

 
[夢など所詮、幻だと人は言う。
 その通りだと思う反面、
 わたくしはこの様にも思うのです。


    
現実に於いても、夢を叶えることは可能なのだと。

    
夢の中でなくても 夢を見る
           **]
 
(13) 2023/01/19(Thu) 20:19:50
 
[最後の客人。もう、限界。
 
 彼女に語る事をなかったことについて
 最後は語ろうか。



 もうと言うべきかな。
 やっとというべきかな。

 僕の時間も残りが少なくなってきていたんだ。
 万能のように力をふるっていても
 招けた人間が一人の時点で
 そこまで衰えていたのかと実感していたんだ。]
 

 
[以前取り込んだ精神の寿命が近い人たちも
 気が済むまでは何とか維持させてあげられたけど
 もう自然と溶けきってしまうだろう

 結果的にエルメス嬢が最後の招待となった。
 
 ねぇ、最後位ちゃんと出来たかな。
 彼女の意思のまま、結末を受け止めは出来たけど。
 僕の事、彼女の事、忘れないでくれる?]



 ネリリ……
 僕は誰かに期待して動くべきなのかな


[残り時間が見えてきた今なら、同じように年を取る可能性
 それもあるかもしれない。]
 

 

 魔法使いさんがそうしたいなら
 していいと思うよ。

 ぼくは最後までここにいる。
それだけだよ。

 

 
[ネリリには選択肢はない。
 体を取り込んでしまった以上この敷地から離れられない。]


 ……いいや。
疲れた。

 寄り添ってくれる存在は……君がいればいい。


[そうだな。残り時間はネリリと自分の存在と
 国への貢献にすべて使おうか。

 この家を、家族を失ったら
 次にまた作るだけの気力も力ももうない。
 せめて最後はここにいてくれた彼女と共に朽ちたい。
 誰かと共にあるのなら、ずっといてくれた存在がいい。]

 

 

 わかった。うんっじゃあ最後までい〜〜っぱい遊ぼう!
 美味しいの食べて、お庭綺麗にして
 あ、エルメスお姉ちゃんが結婚する時は
 こっそりプレゼント贈れないかなっ!

 

 
[その言葉に軽く笑った。]


 のぞき見は感心しないけど
 そうだね、お名前は教わったし結婚する時
 情報貰えるよう手配しておこうか。

 こっそり祝福をしてあげるくらいいいよ。
 

[幸福になれる相手じゃなかった時は
 修道院に逃げる選択肢もあったから
 それを出来るかどうかは彼女の頑張り次第だけど
 そういう未来を夢見たっていいだろう。

 やった〜とはしゃぐネリリを微笑ましく眺める。

 最後のお客人
 君がもし、もしも幸せな結婚式をあげる時は
 この
色の薔薇を贈ろうか。
 
幸福
の花言葉を添えて、最後の贈り物だ。]
 

 

 今日からここが僕の家、か……


[誰もいない館は静かで、寂しかった。
 それは無意識。

 誰か、誰か。誰か僕の隣にいて。どうか誰か ]

 

 
 [ そうして、一人の少女は迷い込んだ──── ]
 

【人】 侯爵夫人 エルメス

 
[エピロンス子爵家より、ヴァロア侯爵家に嫁いだエルメス。
 彼女が侯爵夫人となってから、数年後の事でした。
 遂に子を身籠り、彼女は母になりました。

 生まれたのはなんと、男女の双子。
 侯爵の持つ空色の瞳と、夫人の持つ黒髪を受け継いだ兄は、
 フィリップ・ラサルハグ=シャルル・フランシス・ヴァロア。
 侯爵の持つ金髪と、夫人の持つ紫色の瞳を受け継いだ妹は、
 ネリリ・リュミエール=シャルル・フランシス・ヴァロア。

 名を付けたのは侯爵夫人の方。
 なんでも
今度こそ
溢れんばかりの愛情と幸福、
 そして光の降り注ぐ
薔薇色の人生を歩めますように。

 その様な願いを込めて、つけられた名前であるそうです。]
 
(20) 2023/01/19(Thu) 23:43:16

【人】 侯爵夫人 エルメス

 
[2人の子供が生まれてすぐ、
 侯爵夫人は愛する我が子に贈り物をしました。
 嘗て、夫人が高名な
魔法使いから受け継いだという、
 魔法で作られた美しい石をはめ込んだ>>2:*66
 王冠とティアラ。

 兄には魔法で作られた
 桃色の薔薇を加工した、ブローチ。>>0:93
 妹には魔法で作られた
 白いコブシの花を加工した、ブローチ。>>14
 
(21) 2023/01/19(Thu) 23:45:13

【人】 侯爵夫人 エルメス

 
[彼女の
一生の宝物
は、
 無事新たな命が引き継ぐこととなりました。
 いつか彼女の命の灯火が消える時が来ても、
 物語の痕跡は、世界に残り続けるでしょう。

                    Fin.
*
*

 
(22) 2023/01/19(Thu) 23:46:05