人狼物語 三日月国


42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18

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視点:


プロローグ

【人】 万葉集 第七巻 一三六五番




我妹子が やどの秋萩 花よりは

     実になりてこそ 恋ひまさりけれ


 
(0) 2020/09/09(Wed) 20:21:53
到着:やる気のないアルバイト でゅーーす

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす



  しゃせー。


[もし、何処からともなく現れた扉を経て
 この店に連れてこられた者がいたとして
 このやる気のないアルバイトは
 カウンターに肘をついたまま、ぺらり、ぺらり
 手元の本を捲っているだろう。

 来訪者がもし怪訝な顔をしているならば
 いつまでも入口を塞ぐ客に胡乱な目を向けて]


  ……あんたァ、そこいたら邪魔っショ。
  入るなら入ってくんないッスか。


[などと、小バエでも払うみたいに
 片手で空を払うのだ。]
(1) 2020/09/09(Wed) 20:35:22

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[それでもまだ納得しない異世界フォーリナーが
 もし万が一いたとしたら……
 やる気も愛想もないアルバイトは舌打ち一つ。]


  よーこそ。『漫画喫茶 コズミック』へ。

  俺バイトなんで知らねースけど……
  あんた今「異世界の扉」的な何かを通って
  ここまで来たンスよ。
  まあ、飲み物もアイスもセルフサービスだし
  注文したいなら軽食も用意出来るっス。
  シャワーも個室もあるし……
  ゆっくりしてったら良いんじゃないッスか?

  食い逃げと器物損壊、その他物騒なことしなきゃ
  どんなお客でも基本歓迎ッス。


[とか言いつつ、また手元の本に視線を落とす。
 本当に歓迎する意思があるかどうかは謎である。]
(2) 2020/09/09(Wed) 20:46:00

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[それでもまだまだ理解の追いつかない、
 困ったフォーリナーがいたならば
 アルバイトは一旦手元の本をカウンターに伏せ
 大きなため息をこれみよがしに吐いてみせる。]


  ……漫画喫茶、ッスよ。
  マンガ、知らないッスか?
  まあ、小説とか、絵本とかもあるけど。
  とにかく、オーナーの趣味で集めた本を
  時代も世界も関係なく読んで欲しいってサ。

  あーなんか、オーナーの魔法で
  あんたが何処の誰だろうと
  本は読めるみたいなんで。良かったッスね。

  ソファーもあるし、個室もあるんで。
  後はもう、ごゆっくり。


[ふあ、と欠伸をひとつ。
 カウンターに伏せた本を取り上げると
 アルバイトは古びた『万葉集』をまた開いて
 今度こそ知らぬ存ぜぬを決め込むつもりでいる。]*
(3) 2020/09/09(Wed) 21:03:59


心臓を喰らうねこ(村建て人)


交流希望の方のために、世界観を問わず交流出来るスペースとして漫画喫茶をご用意致しました。
このスペースへは任意で来ることができます。

(もちろんこの漫画喫茶を舞台にソロルを回していただいても構いません。メモにて交流可不可をご申告ください)

このスペースは必ず来なくてはならない場所ではないので、各々の世界でのロルを回していただいて結構です。


何かご不明点があれば、メモか、村建て狼のでゅーーすまでご連絡くださいませ。
(#0) 2020/09/09(Wed) 21:23:45

2020/09/09(Wed) 21:27:35

(a0) 2020/09/09(Wed) 21:35:47

村の設定が変更されました。

村の設定が変更されました。

開始日時延長(人員不足の為)

到着: 環 由人

【人】 環 由人


[ 鶏レバーと青じそのピリ辛炒め
南瓜とトマトのカレー
豚バラと茄子の塩だれ炒め
鮭の幽庵焼き
豆もやしと胡瓜とツナのナムル
オクラとささみの梅和え

おにぎりは、4種類
みょうがごはん
ピーマン入り鶏そぼろ
ちりめんと大葉と天かす
炙りねぎ味噌

いつものメンチカツ
コロッケ、それから唐揚げ。

待宵町という小さな町にある商店街。
西側の入り口から入って程なく、
「惣菜 たまき」は店を構えている。]

 
(4) 2020/09/10(Thu) 13:01:28

【人】 環 由人



[ 朝10:00から開けるこの店に立ちはじめて
もうかれこれ2年半ほどになる。
さして愛想がないのは相変わらず。
己をWゆうちゃんWと呼ぶ
常連のおばさま方の顔は
もうすっかり馴染んできたけれど。

この街に居場所なんてなくて、
どこにいってもひとりぼっちだと、
そんな寂寞に押しつぶされそうになる夜は
相変わらずないわけではないけれど。

だけど、一年と少し前までよりは
随分とその重苦しさは減った気がする。
どうしてかって…そりゃあまあ、
思い当たる節は───あるな。

自分の作ったものを目の前で美味そうに
食べてくれる人がいる。
     ・・
俺のことを理解してくれる人がいる。

たったそれだけで。]
 
(5) 2020/09/10(Thu) 13:01:48

【人】 環 由人





   ───おかえり


[ 机の上に並べた余った惣菜。
これをW処理Wしてもらうことが、
同居の第一条件だった。

手元にあった小説をそっと机に置く。]

 
(6) 2020/09/10(Thu) 13:02:09

【人】 環 由人



   温めようか?


[ 部屋にはいつもと同じ、
深夜のラジオ番組が流れている。
柔らかな女性パーソナリティの声が
夜の中に静々と落ちていく。

席を立って、持ってくるのはマグカップ。
ぬるくなった飲みかけのほうじ茶が入った
自分のマグカップの隣に置いて、
注ぐついでに自分のにも足した。
湯気がゆらゆらと立ち昇る。

正面の椅子の前にカップをことん、と置いて
短く息を吐いた。]*

 
(7) 2020/09/10(Thu) 13:02:41
環 由人は、メモを貼った。
(a1) 2020/09/10(Thu) 14:14:50

到着:マリィ  

【人】 マリィ  

  ー 『Edge』店内にて ー


  やっだァ!!つけまブスがまた
  つけまモリモリで来たじゃなーい!!
  おかえりー♡今日も化粧ノリ最悪ね!



[しなを作って出迎えれば
 常連の若いOLはゲラゲラ笑いながら
 いつものカウンターの隅に腰を下ろした。

 多分これ上司にまた虐められたパターンかな、
 ……なんて、アタシの第六感が囁いている。

 いい加減職場変えるか、でなければ戦うか
 とっとと覚悟を決めればいいのに、
 多分この優柔不断な彼女には無理な話。
 「でも」「だって」を繰り返して
 散々吐くまで飲み明かして……
 そうしてまた日常へ帰って行く。

 この店は、ゲイのゲイによるゲイバー。
 だけど、ゲイのための店ではないから
 色んなお客さんが来るの。
 お仕事疲れのOLちゃんから、
 冷やかしのノンケ、恋人探しのゲイ……
 老若男女のごった煮共が雁首揃えて
 毎日の悩みを吐き出しに。]
(8) 2020/09/10(Thu) 14:21:56

【人】 マリィ  

[アタシはその誰にも言えない悩みや秘密の
 体のいい吐き出し口ってワケ。
 ……って、言うとなんか便器みたいだけど。

 楽しいことだけして、辛いこと全部全部
 忘れるための、場所。

 常連のミキちゃんの顔は、冗談抜きで
 化粧で誤魔化しきれない窶れが浮いていて
 本当に、ブス。
 このブスが、明日にはもう少し
 まともな顔になれるように
 アタシは思い切り体をくねらせて笑いを誘うの。]


  ……なぁに?なになに?
  シケた顔のブスの席なんか無いわよ。
  そんな顔してると廊下に出しちゃうんだから。

  ─────何飲む?


[マゼンタに塗った唇で、そっと優しく囁いて。
 そうして飲む。飲む。
 辛いことも悲しいことも、全部洗い流して
 ブスが明日を進むための禊の儀式。]
(9) 2020/09/10(Thu) 14:22:34

【人】 マリィ  



[アタシの本音は、厚く塗ったドウランの下。
 尖った喉仏より繊細に押し隠して。]


 
(10) 2020/09/10(Thu) 14:23:12

【人】 マリィ  

[そうして夜が白むと共に
 明日を歩むためにお客さんは帰って行く。
 残ったアタシは、この時ようやく
 アタシがアタシに帰れる場所へと帰れるの。

 一年くらい前から転がり込んだ家には
 愛想の無い家主と>>5
 暖かい寝床、それから何だか落ち着く味の
 手料理の数々がある。

 玄関を開ければすぐ誰かに
「おかえり」って言って貰えて
 空きっ腹にすぐ温かいご飯が入れられる。
 それが、アタシのために作られたんじゃなく
 余ったご飯だなんて、なんの問題でも無く。]


  ……相変わらず色合いは地味ねェ。


[なのに、憎まれ口が先行するのは
 もはや職業病の一種なのかも。]
(11) 2020/09/10(Thu) 14:23:52

【人】 マリィ  

[温め直してもらっている間に
 メイクを落として部屋着に着替えたら
 食卓につく由人の正面に腰を下ろすの。
 映えない、だけれど食欲をそそる香りに
 自然と口角を上げて。]


  いただきます。
  
─────それと、ただいま。



[由人と食卓を囲むこのひとときだけ。
 アタシは誰かのためじゃなくて
 自分のために箸を動かしている。
 話を盛り上げるための軽口も
 おかまトークも一旦お休み。

 オクラとささみの和え物を口に運べば
 甘酸っぱい梅の風味に、きゅっ、と
 唾液腺が弾けそうになる。]


  オクラって、ピーマンの出来損ないだと
  思ってたのに……。


[やるじゃない、なんて独り言言いながら
 同居のための「義務」以上に
 熱心に箸を進めてしまうの。]
(12) 2020/09/10(Thu) 15:00:09

【人】 マリィ  



  …………もう無いわ。


[あっという間に空になった小鉢を前に
 つい恨めしい声を出してしまう。

 「美味しい」って口にしたことあったかしら。
 でもアタシの前に座って
 じっと見守ってる由人には
 多分、全部お見通しな気がして。]*
(13) 2020/09/10(Thu) 15:04:06
マリィ  は、メモを貼った。
(a2) 2020/09/10(Thu) 15:08:04

到着:  希壱

【人】   希壱


〜〜♪♪


〜〜〜♪♪♪



[買ったものを詰めたエコバッグを片手に提げて、
スーパーの駐車場へと向かう。

17時になると流れ出す夕焼け小焼けのメロディと、
急ぎ足で自宅へと向かう子供たちの笑い声を聞いて、
そろそろ妹も家に帰って来る頃だろうかと
その足を早めた。]


 
……おーてて、つーなーいで、

 
みーなーかーえーろー………



[つい、口ずさんでしまう。

お手手を繋いで皆で帰ろう。
…そんな歌詞に、ほんの少し胸が締め付けられる。

あの出来事から丸一年と半年。
悪夢を見ることはしなくなったけれど、
心の中に残った痼が消えることはなかった。
何時までも何処までも、此処に残っている。]
(14) 2020/09/10(Thu) 17:25:37

【人】   希壱


……あれ、鍵、どこやったっけ


[買ったものを足下に置いて、
相棒である桃色スクーターの鍵を探す。

そういえば、
コイツを姉に貰ってからもう二年になるのか。
最初こそ、男が桃色なんてモテに繋がらないのでは?
と、焦っていたけれど。
今となってはそれもいい思い出だ。

…というか、
あの感覚は少しばかり黒歴史にもなりつつある。]


 …ん、あった


[いつの間にか背負った鞄の奥底へと
沈んでいた鍵を引っ張り出して。

漸く、スクーターのエンジンをかけた。]
(15) 2020/09/10(Thu) 17:27:35

【人】   希壱


 …………急がねぇとな。


[妹よりも先に家に帰って、おかえりを言うこと。
寂しい思いをさせてやらないこと。

過保護だって言われても、
俺みたいになって欲しくなかったから。

些細な嫉妬に心を蝕まれて。
誰かを恨んで、憎んで。
認めてくれないなんて叫んで。

それが、たとえ誰かに操られていた事だとしても。
結局、内側にあったのは本心だ。

だから、そうならない為にも。
今できる精一杯を、あの子に与えてやりたかった。]
(16) 2020/09/10(Thu) 17:29:11

【人】   希壱


♪♪〜〜…………



[ミラーに引っ掛けていたメットを被って、
夕焼け小焼けのメロディが終わると同時に。

オレンジ色に染まる街の中、家路へと、
桃色スクーターを走らせた。]*
(17) 2020/09/10(Thu) 17:30:01
  希壱は、メモを貼った。
(a3) 2020/09/10(Thu) 17:43:57

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす



この世にし楽しくあらば来む世には

  虫に鳥にも我はなりなむ


 
(18) 2020/09/10(Thu) 19:18:45

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[万葉集を捲って、目に止まった一文を
 そっと舌の上に載せて、アルバイトは微笑んだ。

 「楽しく生きられるなら、
  来世は鳥や虫に生まれましょうか」なんて。

 随分とささくれた歌じゃないか、と
 詠み人の心境をなぞってみるだけで
 この短文ひとつで心が躍る。
 この本は、元はオーナーの持っていた本だけれど
 「それほど好きならば」と譲ってもらったのだ。

 お陰で端はぼろぼろだし、
 表紙にはフライヤーの油のシミがついて
 点々と黒く滲んでしまっている。

 それでも、この本を手放す気は、無い。]
(19) 2020/09/10(Thu) 19:25:35

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[ふしゅるる、と興奮気味に喉を鳴らして
 カウンターの下に巻いたとぐろをうねらせて、
 アルバイトは思考をめぐらせている。

 もし、この句が詠まれた世界に
 今すぐ駆けていけるなら……
 お仕着せも全部かなぐり捨てて
 多分この店には一生戻ってこない。
 そうして気の向くまま、句を詠って過ごすのだ。

 ─────オーナーから
 「この万葉集の世界にお前が言ったら
  ヨウカイだ、って殺されちまうぞ」なんて
 聞かされたけど、多分それはこのバイトに
 男を縛り付けるための詭弁に違いない。]
(20) 2020/09/10(Thu) 19:33:00

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[いつか、桜を見てみたい。
 夏の夜に光る蛍や、萩の月に
 移ろう季節を感じてみたい。

 アルバイトはひとり、ふわぁ、と欠伸をすると
 代わり映えのしない店の中で
 ゆったりと尾を揺らしている。]*
(21) 2020/09/10(Thu) 19:35:20
到着:空腹な迷い人 レックス

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 宵闇:田舎の町 ―

[ チカチカと、切れかけたガス灯の下。
  ゆらりと蠢く、人の形をした塊が、
  一歩、また一歩と、灯りの中へと進んでいく。

 それは、白く。
 それは、黒く。

 苦し気な息を吐きながら、
 今にも倒れそうな様子で、歩みを進めていた。]
(22) 2020/09/10(Thu) 20:06:56

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
  
――――アァ、お腹が……空いたなァ


[ 暗く湿った囁きは、誰の耳にも届きはしない。
 、、
 食事をしたのは、いつのことだったか。
 もう、大分前のこと過ぎて憶えていなかった。]
(23) 2020/09/10(Thu) 20:06:59

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ 人気のない、誰もが寝静まった宵闇の中。
 白い髪に、薄紫の瞳の青年は、
 焦れるように空を、見上げた。
 
 
薄紫
が、ゆらりゆらりと、揺れて
 
ような紅が滲んでは、消えて]

   願いを、叶えに……いかなきゃ、
   僕が、……いかなきゃ、あの子との約束を、


[ ――――果たすために、]


[ その言葉は、音にならず。
 青年は、薄闇の中、ついに倒れた。]
(24) 2020/09/10(Thu) 20:07:02

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 
『おやおや、私の元に来る前に死ぬでしまうのかしら?
 それは、良くないわ、良くない。

 お前は、次のゲームに必要な駒なのだから』


[ 意識を失った青年の頭の中で、
 楽しそうに笑う女性の声が響く。

   
――――************


 最後に何か言っていた気がするが、それは聞き取れず、
 青年は微かに残っていた意識を、完全に手放した。]
(25) 2020/09/10(Thu) 20:07:06

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 街のどこか ―

[ 何処かの街
――青年の知らぬ街。

 路地裏に、ガシャリと音を立てて、現れた青年は、
 痛む身体に薄らを目を開けて、周囲や匂いが
 自分が知る世界と違うことに気付く。]

  ……ここは、何処だ?

[ 田舎の澄んだ空気と違う。
 自分が目指していた、森と湖と、願いを叶えるための場所。

 そことも全く違う場所であることは分かったが、
 だからと言って、どうしたらいいのか分からず、
 空を見上げる。

 あんなに広かった空が、高い建物に挟まれて、とても狭い。

  お腹が空いているし、身体も痛いし、
  ここはどこかも分からない。

  最後に聞こえた女の声は、一体誰だったのか。


 うーん、うーん、と唸り声をあげながら、
 しばらくその場に蹲っていた。*]
(26) 2020/09/10(Thu) 20:07:14
空腹な迷い人 レックスは、メモを貼った。
(a4) 2020/09/10(Thu) 20:12:43

【人】 マリィ  

  ー 回想・あの日 ー


  はあっ?!いきなり?!


[アタシの悲鳴に、塩昆布みたいな顔した
 大家のオバサンは眉を顰めてみせた。]


  「そりゃあこのおんぼろアパートは
   あたしとどっこいどっこいの御歳さ。
   そろそろ建て替えか、って考えてたけど
   この土地買ってタワーマンションにするって
   丁度うまい話が来たんだ、
   いいチャンスだよ、まったくね。」


[「だから、何度、何を言われようと
  部屋は半年以内に引き払っとくれ」って。

 アタシの反論も聞かず、大家のオバサンは
 曲がった腰を擦りながらアパートを後にした。]
(27) 2020/09/10(Thu) 20:20:10

【人】 マリィ  

[身寄りのないゲイ……しかも水商売のアタシが
 新しい部屋を借りるのにどれだけ大変か
 きっとこの大家さんだけじゃない、
 タワーマンションの住人も、誰も知らない。

 収入があっても審査が通らない。
 家を買うどころか、部屋を貸してもくれない。
 半年以内に、と言われても
 すぐに次が見つかる保証も何も、無い。

 自分のセクシャリティに気が付いたのは
 中学生の時─────
 「何となく」覚えた違和感を確かめるために
 「何となく」出会い系サイトを使って
 悪い大人と身体を交えたら、
 思ったよりしっくりきて。


 そのまま自分をひた隠しに生きるより
 ゲイコミュニティで生きたいのだ、と
 この道に入って13年。
 あの時は、こんな茨の道だと知らなかった。]
(28) 2020/09/10(Thu) 20:22:26

【人】 マリィ  

[だから、ほんのちょっとでもいいから
 今の状況を笑い飛ばして欲しくって、
 お店でこの話をお客さんに話したの。]


  マジ、酷いったら無いじゃない?!
  オカマ路頭に迷わせてさぁ……
  街の風紀がどうとか言うなら
  アタシみたいないい女はキチンと
  家ん中仕舞っとかないと。


[あはは、なんて笑って見せたら
 カウンターに身を乗り出して、
 空いたシャツの襟からそっと
 平らな胸元を寄せてみせて……
 常連客にいつものおねだりしてみせるの。]
(29) 2020/09/10(Thu) 20:23:57

【人】 マリィ  



  アタシを飼ってくれる人、
  どっかに居ないかしら、ね?
  ……家賃?アタシが身体で払ったら
  お釣りを払うのはアンタの方よ?……なんて。


[強欲なオカマなんか、誰も親身になって
 懐に招き入れようとはしてくれなくて
 常連の建設会社の社長さんだけが
 アタシの髪をひと房すくって]


  「じゃあ、払うんだったら
   ガッツリ楽しまないと、損かな?」


[なんて、冗談めかして笑ってくれた。]
(30) 2020/09/10(Thu) 20:24:43

【人】 マリィ  

[正直、この五十絡みのオジサンに
 しこたま抱かれるくらいなら
 一人で死んだ方がマシかもしれない。

 女言葉を使って、しなを作ってみせたって
 アタシはどうしようもなく『男』だった。
 
 アタシの立たされている苦境の話は
 いつしか何も解決しないまま
 ずるずると鉄板ネタになっていった。

 笑うだけじゃ、何も解決しない。
 でも、道をひらくだけの脳みそもない。
 明るい未来も無ければ、夢もない。

 
そのくせ、オカマの仮面を脱ぎ捨てて
 誰かに必死に助けを求める勇気もなければ、
 その先を生きる気力もとっくに無かったの。


 そうして、期日の一週間前になっても
 夢も希望も、アパートの一部屋すらも
 アタシには見つけられなかった。]
(31) 2020/09/10(Thu) 20:27:55

【人】 マリィ  

[必死で部屋を見つけるのと、
 ここで全部終わりにするの、
 ……一体、どっちが楽かなって。

 店から家に帰る途中、
 夜の公園でぼんやりブランコを漕ぎながら
 アタシはぼんやり考えていたの。

 十二時なんかとっくに過ぎた真夜中に
 王子様なんか現れるわけがないのだもの。]*
(32) 2020/09/10(Thu) 20:31:10

【人】 環 由人


 
[ 律儀に合わせられた手を満足げに見て、
「どーぞ」と小さく返せば、
目の前の形のいい唇に吸い込まれていく
地味だのなんだのといわれるW残り物W。
ぼそぼそと落とされる独り言は、
なんだかんだいつも褒め言葉。
本を片手にほうじ茶をすすって、
ちら、とそちらを確認しては、
ほんのすこし、口元を緩めながら
またページをめくった。]

 
(33) 2020/09/10(Thu) 22:23:54

【人】 環 由人


[ あの日は、ただの気まぐれだった。

父が倒れたからと連絡があったから
都心のレストランをやめて帰ってきた
この小さな町の小さな惣菜屋で、
やっと少しずつ認めてもらえるようになった頃。

母がまた突拍子もないことを言い始めたのだ。
父の手の調子は相変わらずだし、
これを機に2人、田舎に引っ越そうと思う、と。

はじめこそ冗談だとしか思っていなかったが、
どうやら本気だったらしく、コツコツ貯めた
貯金で小さな古民家を買おうと思う、
ていうかもう買った、といわれたときには
そりゃあもう目の前がぐらぐら揺れた。

それから、あれよあれよという間に
店を己に任せて行ってしまった両親。
仕方なくアパートは解約して、
1人にしては広くて、がらんとした
実家に取り残されてしまった。]

 
(34) 2020/09/10(Thu) 22:24:37

【人】 環 由人



[ ああ、そうそう。それよりも少し前に、
『Edge』という店の存在を知った。
はじめて行った時のことなんかは
ひとまず割愛するけれど…
マイノリティとして、それをひた隠しにして
生きてきた己にとって、そこは、
曖昧にしていても許される場所だった。

時折行ってはカウンターの隅で酒を飲む。
そのひとときが、癒しになっていたのは
間違いなかった。

ママの声は結構通るし、大きい。
だから、カウンターの隅にいても
その話し声はよく聞こえた。
笑い話にされている、それも。>>29
知ってはいたけれど、W飼うW余裕など
あるわけもないし、そもそも
隠している己ができることではない。

頭のどこかで「関係のないこと」だと
ぼんやりおもっていた。あの時まで。]

 
(35) 2020/09/10(Thu) 22:24:58

【人】 環 由人

  ───あの日



[ 人のいない空間に落ちるラジオの声。
それは寂寞を増長させるような気がして。
一度切って、財布と携帯と鍵を持って家を出た。
『Edge』には引っ越し騒動があって、
もう1ヶ月ほど行けていない。

とくに目的があるわけじゃないのに、
コンビニにいこうと思ってしまうのは
なぜなのだろう。
…もしかしたら人に会いたいだけ
なのかもしれないな、なんて考えた。

ちゃり、ちゃり、と微かに
金属が擦れる音が人気のない夜道に落ちる。
街灯がちかちか点滅した。

やる気も愛想もない深夜バイトのいる
コンビニでビールと乾物を買って、
がさがさとビニール袋を鳴らしながら、
ぼんやり空を見上げて歩いていれば、
行きと違うルートを自然と選んでいた。]

 
(36) 2020/09/10(Thu) 22:25:36

【人】 環 由人



[ こっちの道には、公園がある。
夜の公園っていうのは昼の顔とは違って
少しばかり不気味にも思える。
誰もいないはずのブランコが、
風もないのに揺れていたり───
なんて、考えていたら、キィ、と
微かに甲高い音が響いた。

普段は覗き込んだりしない。
ただ、そのときはなんとなく───
ほんとうに、なんとなく、覗いたのだ。

さっき考えていたように、
誰もいないはずのブランコが揺れてる、だとか、
ボールがどこからともなく転がってくる、だとか
足のない子供が遊んでる、だとか
そんな怪談めいたことはなく。

そこにあったのは]
 
(37) 2020/09/10(Thu) 22:26:00

【人】 環 由人





   ───?


[ 見たことのあるシルエット。
けれど、それは己の知るものよりもずっと、
なんだか、───違っていて。

気まぐれだ。

普段なら話しかけようとはしない。
自分がそうコミニュケーションに
長けていないことはよく知っている。

だから、気まぐれだ。

そちらに足を向けて、歩み寄る。]

 
(38) 2020/09/10(Thu) 22:26:19

【人】 環 由人



[ ───歩み寄ったはいいけれど、
こんどはどうするつもりなのだ?と
自分に問いかけた。答えはない。
だって、持ち合わせていない。
格別常連なわけでも、仲が良いわけでもない。
ほとんど話したこともないのだ。
己のことなど覚えていないのでは
ないだろうか、とも思うけれど。

ここまできてしまったのだ、
なにもしないで立ち去るわけにもいかない。

とまあ頭の中でぐるっと考えた結果。]



   ───こんばんは



[ 普遍的すぎる挨拶を落としてしまうのだ。

もっと他になかったのか、と
ツッコミを入れるように、
握り直した手元のビニール袋が音を立てた。]*

 
(39) 2020/09/10(Thu) 22:26:40

【人】 マリィ  

[「こんばんわ」なんて挨拶だったから>>39
 アタシはてっきりお巡りさんかと思ったの。
 あー、久々の職質かぁ……なんて
 嫌な顔して振り向いたら、
 何度か見かけたような顔がそこにあった>>39


  あ、え……っと……、


[何度か、お店に来てくれた人。
 だけどいつもカウンターの片隅にいて>>35
 最初、どんな風に話しかけたらいいのか
 よく分からなかったのよ。
 ……だけど、誰かとの話の会話の端々に
 少し笑っていたりして
 ようやく「この人、場所が欲しいのかな」って
 思い至ったの。

 明日をよりよく生きるために
 笑いたい人もいれば、自分より下の生き物を
 見て安心したい人もいる。
 多分この人はどれでも無くて、
 安心して居られる場所が欲しいのかなって。

 笑った顔は優しかったし、
 おしゃべりは……壊滅的かもしれないけど
 でも、嘲笑うような感情も見えなかったから。]
(40) 2020/09/11(Fri) 0:07:11

【人】 マリィ  




  や、やだァ……えっと、
  ちゃんマキ、 だったかしら。
  こんばんわ、どうしたの?


[一度だけ呼んだきりのあだ名を
 記憶の中から引っ張り出して
 アタシはアイライナーの滲んだ顔で
 どうにか笑って見せたでしょう。

 「どうしたの?」って、
 深夜にコンビニ行きました、って格好の人と
 無人の公園でブランコ漕いでるオカマとじゃ
 どうしたの?選手権は勝負にもならない。

 ……ああ、気の利いた逃げの文句が
 もう、なんにも思いつかないのよ!]
(41) 2020/09/11(Fri) 0:08:05

【人】 マリィ  

[結局、少し迷った挙句、アタシは
 砂のついた革靴に視線を落としながら
 静かに口を開くでしょう。]


  …………アパートの退去期限、
  次が決まらないうちに、来週になっちゃってさ。
  「何とかなる」って生きてきたけど
  本格的に店に寝泊まりするか
  いいチンコに飼われるかしないと
  どうにもならないところまで、来ちゃって。


[ここで笑ってもらえたら、
 少しは気が楽になるかも……って思ったのに
 どうにも声が震えてしまって、
 いつも通りに笑えなかった。

 こんな、常連でもない客に
 ガチな悩みを見せるのは、正直
 裸になるより恥ずかしい。
 ざざ……と足元の砂に線を描きながら
 アタシは自分のつま先ばかり見つめている。]
(42) 2020/09/11(Fri) 0:09:10

【人】 マリィ  




  ……真っ当な道からは自分から離れたんだもの
  今更陽向に生きられる気はしないけど
  それでも、時々夜の闇に押し潰されて
  本当に、気が狂いそうになってしまうの。


[多分この人は昼に生きている人。
 ノンケかゲイかも分からない。
 言ったって、仕方ない。
 ─────分かって、いるのに。
 剥げかかった赤い唇が、ゆがんで、
 笑みにもなれない曲線を描く。]


  ……なんて、こんな厚化粧のオカマが言っても
  元から狂ってるって感じだっつーの。


[だから、この醜態を一笑に付して頂戴。

 アタシの願いを余所に、ぐう、と
 空気を読まない腹の虫が鳴いた。]*
(43) 2020/09/11(Fri) 0:10:34

【人】   希壱

✼••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

         モテの極意      

  一つ、日頃からモテへのモチベを高くもつ
  一つ、異性へのアピールは積極的に
  一つ、デキない男とデキる男の使い分け
  一つ、料理下手はアピールポイント
  一つ、車は男のステータス
  一つ、モテは1日にして成らず

                …………


《天王寺司『35歳イケメン独身男性が教える!
 モテ男の在り方100選!』(○☆△書籍、2001年)》
                     
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
(44) 2020/09/11(Fri) 0:15:15

【人】   希壱


[────ぱたん


と、本を閉じる。
高校生の頃に愛読していた付箋とマーカーだらけのこの本を
いつしか読まなくなってしまったのは、
きっとそれよりも大切なものが出来たからだ。

            
…まぁ、受験で忙しくて

            
それどころではなかったとも言うけれど。


そもそも、2001年発行の本を
何故、今でも通用すると思っていたのか。]
(45) 2020/09/11(Fri) 0:15:40

【人】   希壱


 いや、でもこれは……おじさんが……


[一人しか居ない部屋でポツリと言い訳を零す。
誰かが居れば何か返ってきたかもしれないけれど、
一人でそんな話をしたって虚しいだけだ。

というか、その肝心のおじさんは
その本を愛読してたにも関わらず、未だに恋人はナシ。

…この本の効果はそこから見て取れたはずなのに。
まだ若かったんだなぁ…なんて言葉で
お茶を濁すことしかできない。]


 ………そう思うなら捨てろってな。


[苦笑しつつ閉じた本を本棚へと戻す。
その横にあるモテ研究㊙ノートは、
終ぞ活躍することは無かったけれど。

その二冊に俺の青春が詰まっている。
だから捨てることが出来ない。

………なんて、少し哀しい話だろうか。]
(46) 2020/09/11(Fri) 0:16:24

【人】   希壱


 「
おにいちゃーん!おふろあがったあ!



[階下からそんな声が聞こえてくれば、
急いで自室から出て、階段を下りる。

つい最近までまだまだ小さかったあの子が、
今では一人で風呂にも入れるようになった。
着替えだって一人で出来て、
ランドセルも似合うようになってきて。

一年前は掛け算の九九を覚えたんだよって、
時々言葉を詰まらせながらも、
なんとか九の段まで言い切っていたっけ。

そんな光景が脳裏を過ぎって、ツンと鼻の奥が痛くなる。

如何せん10歳も年が離れていると、
兄の心に上乗せするような形で
"親心"というものが芽生えてくる。

家を留守にしがちな両親の代わりに、
妹の世話をしているのだから尚更だ。]
(47) 2020/09/11(Fri) 0:17:33

【人】   希壱


 『シスコンも程々にしなさいよ。
  反抗期が来た時、辛くなるだけよ。』


[姉のそんな言葉には、唇を尖らせながら抗議した。

         
なずなには反抗期なんてないから!


そんな俺を、姉が鼻で笑ったのを覚えている。
……ないよな?大丈夫、だよな?

あぁ、ダメだ。急に不安になってきた。]
(48) 2020/09/11(Fri) 0:18:16

【人】   希壱


 
なずな………

 
反抗期が来たらお兄ちゃんにすぐ教えてくれ…



[妹の濡れた髪をタオルで拭き取る時。
ぽそ、と小さく懇願した。

予め反抗期だと分かっていたら、
きっとダメージは少ないはずだから。

けれど、そんなものとは無縁のような瞳でこちらを見る妹は、
何を言ってるのか分からないと言った表情だ。

その表情に、なんでもないよと微笑みを返すと、
妹は、今日あった出来事を楽しげに話し始めた。

リコーダーのテストで満点を取ったことだとか、
図工の時間でお絵描きをしただとか。
給食に苦手なピーマンが出てきたけど
ちゃんと食べられたことだとか。]
(49) 2020/09/11(Fri) 0:19:31

【人】   希壱


 そっかぁ。えらかったな。

 なら、明日の晩御飯は
 なずなの好きなもん作ってやうな。


[相槌を打ちながら、優しくタオルドライをしていく。
その後はドライヤーで仕上げだ。

明日の髪型は何がいい?と聞いて。
お団子がいい!と返ってきたら。
じゃぁ、明日は少し早起きだなと笑う。

そんな俺の返事に少しだけ不貞腐れた表情の妹の髪に、
ゆっくりとドライヤーをあてていった。]
(50) 2020/09/11(Fri) 0:20:07

【人】   希壱


[今日も両親は家に帰ってこない。
姉も、家に帰ってくるのは0時近くなんだろう。

だから、この子の傍に居られるのは俺だけだ。
少しでも寂しい思いをしないように。
けれど、わがままはちゃんと言えるように。

暗い感情を心の奥底にしまい込むことのないように。]


 よっし、終わり!
 さ、歯磨きして寝るぞ〜!


[座っていたソファから腰を上げて、
一緒に洗面台へと向かう。

大人用のミント歯磨き粉の横に並んだ
イチゴ味の歯磨き粉。]
(51) 2020/09/11(Fri) 0:21:08

【人】   希壱


[今日も両親は家に帰ってこない。
姉も、家に帰ってくるのは0時近くなんだろう。

だから、この子の傍に居られるのは俺だけだ。
少しでも寂しい思いをしないように。
けれど、わがままはちゃんと言えるように。

暗い感情を心の奥底にしまい込むことのないように。]


 よっし、終わり!
 さ、歯磨きして寝るぞ〜!


[座っていたソファから腰を上げて、
一緒に洗面台へと向かう。

大人用のミント歯磨き粉の横に並んだイチゴ味の歯磨き粉。
それを、妹は手に取って、歯ブラシの上に乗せた。]
(52) 2020/09/11(Fri) 0:22:23

【人】   希壱


[何時かこの子がこれを使わないようになったら。
きっと、俺はまた少し、泣いてしまうんだろうな。

…なんて、ふと思って。

鼻の奥が、ツンと痛くなった。]*
(53) 2020/09/11(Fri) 0:23:06
開始日時延長(人員不足の為)

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2020/09/11(Fri) 8:25:35

【人】 環 由人

  ───あの日


[ 声をかけてしまってから気付いたのだけれど
深夜の公園でぼんやりしていて、突然
見知らぬ人に「こんばんは」なんて声を
かけられたら、いくら成人男性でも
それなりに恐怖するものなのではなかろうか。

まずったか、と不安が過れど後の祭り。
出てしまった不器用な挨拶は戻っては来ない。

ああ、せめてもっとちゃんと、店で
会話したことがあったならば、印象にも
残っていただろうに───自分のコミニュケーション
能力の低さに嫌気がさした。

戸惑うように揺れる瞳と目が合う。
つけまつげばさばさのOLを笑わせて、慰めていた
あの場所での顔とはなんだかやっぱり
ちがうような気がして。
滲んだアイラインがその心を表してる気がして。]

 
(54) 2020/09/11(Fri) 10:17:41

【人】 環 由人



[ さあここからどうするか、と
思案していたのだけれど、
予想に反して、名前を呼ばれた。
WちゃんマキWという渾名は、
店で名前を聞かれたときに「環です」と
返したらついたものだった。
それからあの店ではそう呼ばれてたんだったか。

どうしたの、と聞かれても、
聞きたいのはこちらなのだけれど、
聞き返すにもやはり愛想のない
言葉しか浮かばなくて、
再びどこかへ行ってしまった
コミニュケーション能力に
どうにか戻ってきてくれまいかと
心の底から願うことしかできない。
まあそんなものは初めから持ち合わせて
いないのだから帰ってはこないのだが。]

 
(55) 2020/09/11(Fri) 10:17:59

【人】 環 由人




    ───あーー…
    コンビニの、帰りなんですけど、



[ そんなW見りゃわかるW己のことなど
どうだって良い。この人が聞いているのは、
どうして急に話しかけてきたの、だろう。
わかってる。わかってるんだけど───

気まぐれ、だ。

街灯に照らされてその頬に落ちた睫毛の影が
キィ、と心の軋みに似た音を立てるブランコが
普段とW違うWその人の表情が

気になってしまったから。

だけど、それを伝えるのはなんだか
憚られてしまうのだ。]

 
(56) 2020/09/11(Fri) 10:18:16

【人】 環 由人



[ 無音のひととき。
風に揺れた木がざわめいた。
彼の隣にあるブランコが揺れた。

なんとなくそちらに歩み寄って、
となりのブランコに腰掛ける。
いつぶりだろう、これに座ったのは。
ぎ、と音を立てた鎖。
おもっていたよりも不安定だった。]



   ───


[ また言葉を探すけれど、
うまく浮かばなくて───
慰めは向かないなと思う。]

 
(57) 2020/09/11(Fri) 10:18:30

【人】 環 由人



[ 言葉を探していたら、足元の砂利が音を立てた。
そのとき口を開いたのは、彼の方で。
ゆっくりとそちらを見る。

笑いとばせたらよかったのかもしれないけれど
残念ながらそれはできなくて。
底抜けに明るい性格ならもっと───

でも、その昏は知ってる。
ずっと感じてきた。
世界のどこにも自分の場所なんてない
そんな感覚。]

 
(58) 2020/09/11(Fri) 10:18:47

【人】 環 由人




    ───俺、惣菜屋をしてるんです



[ ぽつり、と落とした。]
   
(59) 2020/09/11(Fri) 10:19:06

【人】 環 由人




    してるっていってもただ、
    親がしてたのを継いだだけなんで
    自分がやりたいこと、だったって
    わけじゃないんですけど。

    毎日店に立って、いろんな人に
    合うじゃないですか、そしたら、

    なんか、俺はこの人たちと
    同じにはなれないんだよなあって
    自分だけ、異質っていうか。

    この人たちは俺の作った料理を
    買って、帰って、食うんだろうけど
    俺はその場所には絶対いなくて
    そもそも、人が食べてくれるのを
    見ることもこれからはなくて。

    ただ俺は自分が作って、
    W選ばれなかったWものを食って生きて。

    ひとりなんだなあって、思うんですよ。


[ 息を吐いてコンビニの袋を下ろす。]

 
(60) 2020/09/11(Fri) 10:19:23

【人】 環 由人


[ またがさ、と音を立てた。
そっと空を見上げたけれど、
そこには満点の星空なんてなくて。
街灯の光に負けて届かない暗い空だけ。
短く息を吐いたら、隣で小さく
腹の虫が唸るのが聞こえた。]



    ───一人で、自分が作った
    余り物を食うのって、
    しんどくなる時があって


[ 視線は空に投げたまま、呟く。]
 
(61) 2020/09/11(Fri) 10:19:53

【人】 環 由人




   それの処理、手伝ってくれません?

   お礼に寝床、提供しますし。
   期限は───部屋が見つかるまでで。


*
(62) 2020/09/11(Fri) 10:20:05
到着:かみさま 尊龍

【人】 かみさま 尊龍

[のどかな田舎の道端に、祠がぽつんと立っていました。
 この祠には神様が住んでいるのです。

 むかしはとってもえらーい神様でした。
 でも、最近は田舎も寂れてお参りに来る人もごくわずか。
 人間からの信心も薄れてすごい神様パワーも使えません]


 くあぁ……、ぐぅぅー……。


[今はこうしてドロンと白い犬の姿に変化して。
 祠の前でぽかぽか陽気を浴びながらお昼寝するくらい。

 後は、お参りしてくれた人、
 白わんこを撫でてくれた人にちょっと良い事が起きるよう神様パワーを与えるくらい。

 今日もみんなが健やかで幸せですように。
 ぽかぽかすやすやごろごろりん。**]
(63) 2020/09/11(Fri) 12:11:06
かみさま 尊龍は、メモを貼った。
(a5) 2020/09/11(Fri) 12:22:53

環 由人は、メモを貼った。
(a6) 2020/09/11(Fri) 13:31:24

到着:助手 ランス

【人】 助手 ランス

 
   …………
                  **
(64) 2020/09/11(Fri) 16:39:05
到着:科学者 アーニャ

【人】 科学者 アーニャ

 

   
あーーーーっ!!



[叫び、パタパタとスリッパを鳴らし
 駆け寄っていくシルエットは小さい。]
 
(65) 2020/09/11(Fri) 16:39:45

【人】 科学者 アーニャ

 

   ほう。ほうほう……うむ
   あぁ、一見、人間と見紛う出来栄えだ
   あぁ、あぁ、自分の才能が恐ろしい……ッ


[大きな独り言を呟きながら、背伸びして。
 指が隠れてしまうサイズの合わない白衣の
 袖で左右から挟むようにして
 顔にぺたぺたべたべた触れる。
 そこに遠慮は存在しない。
 そうして出来栄えに一頻り身悶えると
 やっと手を離し、踵を床へとつけた。]
 
(66) 2020/09/11(Fri) 16:44:08

【人】 科学者 アーニャ

 

   ククク……お目覚めだな?
   ボクは天才美少女科学者アーニャである


[そう言って張るのは平らに等しい胸。
 伝えた情報は全て自己申告であるからして
 事実と異なる場合があることを
 ご承知おき願いたい。

 ビシッと人差し指を立て]
 
(67) 2020/09/11(Fri) 16:47:13

【人】 科学者 アーニャ

 

   そしてお前は
   この天才美少女科学者によって作られた
   最高傑作…予定、の助手である!

   わかったら返事をするがよい


[はいとかイエスとか期待するが
 この助手ロボット、うんともすんとも言わない。
 あれれ? と首を傾げてから思い出す。
 天才(自称)も忘れることがある。
 彼>>64は返事がしたくても出来ないのだった。]
 
(68) 2020/09/11(Fri) 16:48:45

【人】 科学者 アーニャ

 

   ああ、発声機構は取り出して
   洗浄中だったな……
   昨日ドクペこぼしちゃったからな
      こいつはうっかりしていた

   まあ、今日の所は返事は良い
   早速だが、お前には仕事をしてもらおう


[キャスターをカラカラと引いてきて
 彼の前で腰を下ろした。
 40kg足らずの重みで
 使い古された椅子がギシと軋む。]
 
(69) 2020/09/11(Fri) 16:50:21

【人】 科学者 アーニャ

 

    
跪いて、脚の指を舐めろ



[半ズボンから伸びる細い足で
 靴を蹴り脱ぎ、白い指先を差し出した。**]
 
(70) 2020/09/11(Fri) 16:52:52
科学者 アーニャは、メモを貼った。
(a7) 2020/09/11(Fri) 17:03:37

到着: ミズナギ

【人】 ミズナギ


[ 名も無き未開の氷雪地帯。
大陸の辺境に位置する土地。
生物はいるのか、それは危険分子であるのか
開拓して居住地、或いは拠点を造るのは可能か
等々、とにかく人間が活動出来る場所か否か。

そんな事を確かめるのが自分の役目。
選ばれた理由は、この手の土地に適性があるから。
そうだろうな、とは思う。
人間の体では色々と備えがなければ凍死するだろう。
備えたところで満足には動けそうにないが。
その点、自分は元々この環境で過ごしていた。
故郷の方が気候の面では過酷さは上に感じる。

何も難しい事はない。
長くとも1ヶ月で済むだろう。
懸念があるとすれば、一つ…… ]
 
(71) 2020/09/11(Fri) 17:11:45
到着: ヒナ

【人】 ヒナ



  わーー、すごーーい!
  前にいたところみたい!
  ねっ!すごいね!

[ 場所にそぐわぬ笑顔である。 ]
 
 
(72) 2020/09/11(Fri) 17:12:49

【人】 ミズナギ


[ "これ"が付いて来てしまった。

ここで活動する上で唯一の懸念はそれだ。 ]

 そうだな、でもあまりはしゃぐな
 遊びに来ている訳じゃない

[ 連れて来るつもりはなかったが、現実はこうなっている。

仕事を理解出来ないこれは離れようとしないし
置いて行ったところで世話をしてくれる奴もいない。
仕方ないのである程度の食糧も持参で連れて来た。 ]
 
(73) 2020/09/11(Fri) 17:14:45

【人】 ヒナ



  ねぇくっついていい?
  くっついていい?ねぇねぇ

[ まだまだ寒くはないけど
  ちょっとくっ付いていたい気分、らしい。

  話を全く聞いていない。  ]
 
 
(74) 2020/09/11(Fri) 17:15:37

【人】 ミズナギ



 ……落ち着ける場所を見つけてからだ

[ まだまだヒナだと考えれば仕方ないことだが
やはり置いてくれば良かったか。

ちょっとそんな考えが頭を過ったが
これくらいは大目に見てやろう。 ]**
 
(75) 2020/09/11(Fri) 17:16:25
ミズナギは、メモを貼った。
(a8) 2020/09/11(Fri) 17:20:39

助手 ランスは、メモを貼った。
(a9) 2020/09/11(Fri) 17:29:26

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 街中 ―
[ 唸るのをやめて、漸く顔を上げる。

 
   お腹が空いた。


 ここは美味しそうな匂いが満ちていて
 空きっ腹には、些か良くない環境だ。

 ふらふらと、歩みを進めて、この世界の市場か何かか
 食べものを売る店が、ぽつりぽつりと並んでいた。

 食べもの以外の店もあることは、なんとなくわかる。
 だけど、字は読めなかった。
 言葉が通じるかは、まだ分からない]

  いい匂いがする……

[ 不審なものを見る、そんな視線を感じながら
 ふらり、ふらりと進んでいけば、
 丁度買い物をしている客の姿が目に入る。

 そこもまた、何か食べものを売っている店のようだ>>4

 やり取りしているものを見れば、
 この国の紙幣か硬貨か、
 自分が知っているものとは、やはり違った。

 会話を耳にすれば、その言葉の意味は理解できた。]
(76) 2020/09/11(Fri) 18:20:16

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
  …………

[ 買うこともできはしないし、
 買えたとて腹も膨れはしない。

 小さく頭を振って、また歩き出す。
 空腹を多少なりとも、満たせるものを見つけなければ

  どんっ、


 街中を歩いていれば、人にぶつかり。
 微かに香る芳しい香りに、くらりとしつつ、小さく謝った。]

  あぁ、……ごめんなさい

[ こちらの様子に心配そうな顔と言葉。
 
具合が悪いのか、病院に行くか。

 ――どうやら、言葉は通じるようだ


 とてもお節介な人だ
――嫌いではない。


 だから、つい理性で止めるのを忘れてしまった。]
(77) 2020/09/11(Fri) 18:20:20

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
  ――ひとつ、
お願い
をしてもいいですか?

[ 儚げな笑みを浮かべて、乞えば
 相手は素直に頷いてくれた。

  こういうときは、願いの内容を聞いてからじゃないと
  ――――損をするよ


 心の声などおくびも見せずに、
 申し訳なさそうな笑みを浮かべた。]

  ここでは、お願いできないので
  あちらに……

[ 街の中に見えた、ささやかな緑。
 小さな庭園か、広場か、そちらを視線で示して、
 肩を支えてもらいながら、そちらに向かった]
(78) 2020/09/11(Fri) 18:20:22

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 公園 ―
[ 僅かな木々と、遊具が並ぶ中、    
 長椅子に腰を掛けて、声をかけてくれた"人間"を見上げた。]

  ありがとう、僕の瞳を見つめて欲しい
  ただそれだけで、大丈夫です

[ 甘やかに微笑んで、瞳を見つめる。
 薄紫は、ゆらり、揺れて、じわりと血が滲むように
 紅に染まっていく。

 だけど、見つめる先の"人間"は、驚きはしない。
 ただぼーっとこちらを見つめるだけだ]
(79) 2020/09/11(Fri) 18:20:24

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
  アァ、美味しそう……


[ そっと首筋に唇を寄せて、
 、、、、
 尖った牙を突き立てようとしたが――…]
(80) 2020/09/11(Fri) 18:20:29

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
  『レックス、ダメだよ』
 
  『僕との約束、忘れないで』
 
(81) 2020/09/11(Fri) 18:20:31

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ 大切なあの子の声が聞こえた。
 女の子にしては、少し低めのハスキーな声。

       
大好きな音


 約束したんだった。

 突き立てようとした場所に、牙ではなく
 もう一度、唇をあてて、小さく息を吸う。

 唇に感じるのは、微かな甘さ。
 少しだけ、この人間の生気を分けてもらう。

 飢餓状態だった腹は、微かに膨れて、
 正常な思考を取り戻せば、自分がしようとしたことを悔いる。]

   約束……破るところだった、ごめん、ゼノビア

[ 大好きなあの子の名前を呟いて、
 もう一度、自分を戒める。]
(82) 2020/09/11(Fri) 18:20:37

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ 自分は、"
"と言われる種族だ。

 人間の血を吸い、生気を奪い、喰らう存在。
 闇夜に浮かぶ紅の瞳、頭の上には、白い角。

 普段は隠しているが、本性を表わせば、
 異形だと一目で分かる見た目をしていた。

 遥か昔、人間と争っていた"鬼"と"人間"は
 天上に住まうものが介入したことで、
 ――――"人間"の勝利で終わった。

 敗れた鬼たちは、散り散りになり、
 闇の中でひっそりと生きていた。

 時折、人を喰らっては、闇から闇へと渡り歩く。
 それが、今までの自分。]
(83) 2020/09/11(Fri) 18:20:39

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ ある日、一人の少女と出会った。
 ――正確には、一人の少女と一匹の鬼。

 不思議な二人組は、
 人と鬼との共存を目指す旅をしているだとか。

 正直、そんなことは無理だと思った。
 だけど、彼らが話すには、鬼と人が結ばれて、
 共に生きる道を選んだもののいるという。

 信じなかった。
 だけど、徐々に話をするうちに、触れ合ううちに
 その気持ちを理解した。
――あの子を好きになってしまった


 だから、約束をしたんだ。

 人を食べてはいけない。
 人の血を吸ってはいけない。
 人と共存をしよう。


 約束をした、だから人の血も肉も喰らうことは止めた。
 生きるだけなら生気を分けてもらうだけで、生きていける。]
(84) 2020/09/11(Fri) 18:20:42

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ だが、しかし――…

 一度、血肉の甘美な美味さを知った鬼は、
 そう簡単に、変われはしない。

 
血が欲しい、肉を喰らいたい。


 そんな欲求に何度も負けて、
 あの子を失望させて、悲しませて、――何度も、後悔して

 だから、願うことにした。
 時の魔女に、何でも願いを叶えてくれる魔女に、]
(85) 2020/09/11(Fri) 18:20:45

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 
 

――――すべての"鬼"を人間に変えて欲しいと

 
 
 
 
(86) 2020/09/11(Fri) 18:20:47

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
  どんな、対価を払ってでも……叶えなきゃ、

[ ぼーっとしている人間を、そっと長椅子に座らせて
 僅かに、足をふら付かせながら、また街の中へと進んだ。

 まずは、元の世界に帰らなければと……**]
(87) 2020/09/11(Fri) 18:20:50
空腹な迷い人 レックスは、メモを貼った。
(a10) 2020/09/11(Fri) 18:27:48

【人】 マリィ  

[あんまり話したこと無かったけれど
 随分と一言一言、絞り出すみたいに
 話す人だなっていうのが、アタシの印象。
 胸中に渦巻く膨大な意志の中から
 おっかなびっくり、最良っぽいものを
 懸命に吟味するみたいな。

 それでも、ちゃんマキから隣に座ってくれたのは
 ちょっと意外だった、かも。
 こういうタイプって慰め下手だから、って
 自分から身を引くタイプが多いと思ってたから。

 ただただ黙って隣にいてくれるちゃんマキが
 それでも、本音では、ちょっと怖かった。
 笑うでもなし、慰めでもなし、
 隣でブランコを揺らすだけの彼の顔を
 アタシは、どうしても見られなくって。

 ぎい、と二人分の大人を載せたブランコの
 苦情をどこか遠くに聴きながら
 アタシはじっと、足元に引かれた
 二人分の軌跡を見つめていた。]
(88) 2020/09/11(Fri) 18:50:38

【人】 マリィ  

[漸く口を開いたちゃんマキが
 何を言うかと思ったら─────]


  へ、おそうざいやさん?


[思わずびっくりして、漸くアタシは
 隣の男をまじまじと見つめ返した。
 なんか、お惣菜屋さんは年季の入った
 おばさんのイメージがあったから……
 隣にいるこの口下手な男がカウンターに立って
 接客してるのが想像出来なくて。]
(89) 2020/09/11(Fri) 18:51:06

【人】 マリィ  

[だけど、その目から見える景色は
 全然違うけど、アタシのそれと少し似てる。

 どんなに望んでも「普通」にはなれなくて
 蚊帳の外から眺めるだけ。
 他の人の暮らしている「当たり前」すら
 手の届かない帳の向こう。



 ─────ああ、もしかしたら
 この人も同類なのしから、って
 深く話したことも無いくせに
 何となく、匂いで分かっちゃった。

 
口下手なわりに顔悪くないしね。
 母性本能くすぐるタイプっぽいけど
 女の影はないし、ね。
(90) 2020/09/11(Fri) 18:51:36

【人】 マリィ  

[ぐぎゅる、と間抜けに鳴いた
 腹の虫に答えるように
 ちゃんマキは静かに口を開いたの。]


  ……なによ、それ。


[慰めでも笑いでもなく、
 この状況からの解決策が帰ってきて
 ……しかも、悔しいけど、ちょっと魅力的。

 アタシはくるくる視線をさまよわせて
 何かひとつでもケチつけてやろうと
 文句の付け所を探したんだけど
 またひとつ、腹の虫が「それどころじゃない」って
 ぐぅぅ、と唸った。]
(91) 2020/09/11(Fri) 18:52:00

【人】 マリィ  



         
  ─────お酒、温くなるわよ。


[じんわり汗をかいたコンビニの袋が
 ちゃんマキの部屋着の端を染めるのを見て
 アタシはそっと口元を緩めた。

 ぎし、と鎖をきしませ立ち上がって
 酷く痛む尻を摩ると、
 ちゃんマキを振り返って笑ってみせるの。]


  どっちに行けばいいの?
  ちゃんとエスコートして頂戴。


[「不束者ですが……」なんて
 三指つくのも柄じゃない。
 頬の上に黒く、涙の跡をひいた化け物と
 歩くのがお嫌でなければ、って
 手を差し伸べて。

 今の話を聞いてなお
「はい物件決まりましたサヨナラ」って
 言うのは多分心苦しいと思うけど……]
(92) 2020/09/11(Fri) 18:53:19

【人】 マリィ  

[でも、どうしたってアタシ達は
 「普通」になんかなれやしない。

 だから、アタシにはアタシの、
 あなたにはあなたの生き方があるでしょう。

 日陰者として、あなたの生き方に
 お邪魔をするつもりは、ないわ……]*
(93) 2020/09/11(Fri) 18:53:50

【人】 マリィ  

  ー 現在・食卓にて ー

[あっという間に空になってしまった小鉢を
 ぼんやり手に持ったまま]


  ……もう、無くなっちゃった……!


[ちょっと恨みがましい視線を
 本を読む由人に向けてやるの。
 何が余り物よ、そんなに余らないじゃない!
 しかもアタシの好きなものから
 売り切れてくのはなんで??]


  明日の胡瓜の梅かつお和えと
  きのこのあんかけハンバーグは
  キープしといて頂戴。絶対!


[みょうがのおにぎりを崩した上に
 夏野菜たっぷりのカレーをかけながら
 当初の条件を越えた要求を繰り出すと、
 酸味のきいたルーをご飯にたっぷり絡ませる。

 口の臭いおじさんの軽口とか
 金魚のフンより長いOLの愚痴とか
 そんな一日の思い出を描き消すように、
 クミンの香りが鼻から脳天へ抜けていった。]
(94) 2020/09/11(Fri) 18:54:34

【人】 マリィ  

[同棲、もとい、居候を始めてから1年と少し>>5
 着替えとメイク道具だけ持って
 転がり込んだこの家は
 思った以上の居心地で。

 数ヶ月のつもりがどっかり根を生やして
 今や図々しく注文までつける始末。
 「処理」だけじゃ足りないから、って引き受けた
 洗い物、ゴミ出し、洗濯物と掃除も
 もはや義務というより、ルーティン。]


  ……ふぅ……


[あっという間に空になった
 カレー皿を前に、アタシは天を仰いだ。
 どうして食べると無くなってしまうの?なんて
 子供みたいなことを考えながら。]
(95) 2020/09/11(Fri) 18:55:05

【人】 マリィ  

[こうしてアタシ達のひとときは
 深夜のラジオ番組と共に終わる。

 粗方空になったお惣菜の残りは
 アタシの昼食か、お店の賄いになって
 さっきまで余り物が占拠していたタッパーには
 また明日、新しい料理が詰められる。]


  ちゃんと今日眠れそう?


[夜明けと共に眠りにつくアタシは
 毎日由人に同じことを聞くの。
 眠りの浅い同居人が、ほんの束の間でも
 安心して寝られるように、って。

 眠れないなら、ほんの数時間でもいい。
 狭いベッドに身を寄せあって
 優しくハグしてあげるの。]
(96) 2020/09/11(Fri) 18:55:35

【人】 マリィ  

[あんたは今、ひとりじゃない。
 この先がどん詰まりだろうと、決して。

 そう言い聞かせるみたいに
 何度も髪を撫で梳いて。]*
(97) 2020/09/11(Fri) 18:55:54
村の設定が変更されました。

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2020/09/11(Fri) 19:05:54

到着:   月森 瑛莉咲

  月森 瑛莉咲は、メモを貼った。
(a11) 2020/09/11(Fri) 20:50:43

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす



  揚げたての ポテト食いたる クソ客の
    床散らかりて 我はキレなむ

  
(98) 2020/09/11(Fri) 21:12:53

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[箒でさっさか床を掃き清めながら、一句。]


  うーん、やっぱ季語がねえよなァ……
  詠人の憎しみも、これじゃ半分も伝わらない。


[ぶつぶつ、無人の店内を清掃しながら
 男は和歌作りに勤しんでいた。
 いつか、扉の向こうに開けた悠久の古都で
 歌人らと共に詠いたい、と
 密かに夢見てはいるものの……
 オーナーの目は厳しいわ、時給は低いわ、
 素敵な句が読めないわ、時給は低いわ。

 ふしゅるるる、と吐き出す息は、青い。]
(99) 2020/09/11(Fri) 21:21:44

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[─────万葉集にハマる前は、
 人間の世界の歌が好きだったのだ。
 所謂、ミュージカル、というやつ。

 日常が突然色を変え、音楽が鳴り響き
 想いを歌にして相手に捧げるのだ。

 いつかこの扉の向こうに行ってみたい。
 獅子の子の生誕を、人殺しの理髪師の喜劇を
 獣と女が愛し合うのを、天へ昇る猫の祭典を、
 醜い仮面の男の悲恋を、自由を勝ち取る人の戦いを、
 この目で、見たい。聞きたい。



 そう思っていたらオーナーが

 
「それはァ⤴い ⤴い⤵ 心ォがけェ⤴」


 といきなり歌い出したものだから
 急激に男の熱は冷めた。
 実際生で突然やられると、思いの外きつい。]
(100) 2020/09/11(Fri) 21:32:36

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[─────だけど、男の一等好きな曲。
 アレはたまに、掃除の合間や料理の片手間に
 口ずさむことがあるのだ。]


  歩いて、走って、陽の光浴びながら
  素晴らしい 人間の世界へ……


[この蛇の脚のままでいいから、どうか。]
(101) 2020/09/11(Fri) 21:36:49

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす



[どうか、美しい世界へ
 連れて行って欲しいのだ、と。]**

 
(102) 2020/09/11(Fri) 21:37:49
村の設定が変更されました。

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 漫画喫茶コズミック ―

[ 少し足を縺れさせながら、
 ここではない場所の匂いを追って歩みを進め。

 辿り着いたのは、一軒の店。
 
 音を立てて、扉を開けば、
 本らしきものが、ずらりと並んだ場所と、
 やる気の無さそうな店員>>1]

  あ、あぁ、すみません

[ 邪魔と言われれば、慌てて移動して
 ぽかんと、店内を眺めていれば、
 "異世界"という言葉と、この設備の話をしてくれた。

 異世界の扉、から来たわけではない気もするが
 大まかに違ってはいないだろう。

 ふんふんと、言葉に耳を傾けていれば、
 漫画と聞きなれない言葉。

 絵本は、分かる。子どもたちが読んでいた覚えがある。]
(103) 2020/09/11(Fri) 22:59:05

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
  あの、異世界の扉……
  自主的に開くことってできるんですか?

  ……僕、戻らなければいけないんですが

[ はてさて、やる気のない店員は、答えてくれたかどうか。
 
 どちらにせよ、設備を使うのに支払いが必要か
 確認して、これで大丈夫かと、
 あちらの世界で使っていた硬貨と紙幣を渡しただろう。]
(104) 2020/09/11(Fri) 22:59:08

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
  
あぁ、お腹が空いた……


[ 飢餓状態は脱したが、
 それでも、空腹であることには変わらない。

 歩き回ったこともあり、疲れて、空腹で、
 ふらりと、ソファの上に腰かければ、猫のように丸くなった。]

  
少し、休ませてもらおう……


[ ちょっとだけ、ちょっとだけ、休憩する。

 自分に言い聞かせるように微かに呟いて、
 そのまま瞳を閉じた**]
(105) 2020/09/11(Fri) 22:59:11

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[いや、ただ入口でぬぼーっと
 突っ立っているだけならともかく。
 流石にフラフラのへろへろに見える人がいたら>>103
 やる気のないアルバイトだって
 ほんの少し眉を上げたりは、する。]


  ……だーいじょぶッスかぁ?

  大丈夫ッショ、ちゃんとこのドア開けて
  戻りたいところ頭に描いて入れば
  ちゃんと元のところに帰れるッスよ。


[けど、紙切れみたいに吹き飛ばされそうな
 フラフラの身体で行っても
 本当に目的地に辿り着けるか分からない。
 お支払いを確認しながらふと顔を上げれば
 グロッキーなフォーリナーは
 ソファーに丸まって寝ているところで。]


  あーあー、そんなところで。
  ……ま、いいッスけど。


[カウンターのすぐ近くだし、
 今は他に客はいないから、盗難の危険もない。]
(106) 2020/09/12(Sat) 0:15:30

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[男は音を立てないように、
 そっとカウンターの奥から
 貸出用の毛布を引っ張り出してきて
 瞳を閉じてしまった青年の上に
 ぱさ、と被せてあげようか。]


  天地の 神も助けよ 草枕
    旅行く君が 家にいたるまで

  
天地の神よ、助けてください
    旅に出たこの人が 無事帰路につけますように



[詳しい事情なんて知らない。
 所詮低時給のアルバイト風情に
 人様をどうこう出来る力も無い。

 だけれど、こんなに疲れて漸く
 この店に辿り着いた人を見たなら
 どうして幸いを願わずにいられよう。]
(107) 2020/09/12(Sat) 0:16:10

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[アルバイトはしばらく青年の寝顔を
 見下ろしていたが、やがて再び
 カウンターの奥へと静かに戻っていったろう。

 身体が休まったなら、きっと
 もっと腹が減ってしまうんじゃないか。
 もし腹が減って仕方ないなら、
 何か食べやすそうなものでも作ってやろう、と。

 青年の眠りを静かに見守りながら
 今はただ、静かな店内に本を捲る音を
 微かに響かせるに留めようか。]*
(108) 2020/09/12(Sat) 0:16:32

【人】 環 由人



[ そんな提案をしたのも、気まぐれだった。
人と一緒に住んでいたことなんてないし、
ましてや、今日までほとんど話したこともない、
ただの時折いく店のママに、我ながら
かなり思い切ったことを言ったとは思う。

だけど、口にしたことは全て、本心だった。

己よりもずっと明るくて楽しく生きていると
おもっていたその人の、昏い部分を
垣間見て、どこか親近感に似たものを
覚えたのかもしれない。

その寂しさを、孤独を、分け合える
そんな関係になれたらいいのにと、
かすかな希望を抱いた。きっと。

案の定、困ったような声が聞こえて、
「まったくだな」と思えて、
思わず眉を下げた。]

 
(109) 2020/09/12(Sat) 0:24:18

【人】 環 由人


[ 続いた言葉に今度は薄く笑って。]



    ああ、そうですね、

    ───はやく、帰らないと。
    二本ともぬるくなるし。


[ 差し伸べられた手をそっと取る。

人肌に触れたのなんていつぶりだったか。

あんな顔してたくせに、手はあったかい。

うん、大丈夫。
まだ押しつぶされてないし、
狂ってもいない。]

 
(110) 2020/09/12(Sat) 0:25:43

【人】 環 由人



[ そう確認するようにすこしだけ握った。
そのまま連れていった自宅で、
余り物のおかずとおにぎりを出した。

目の前で人が己の作ったものを食べてくれる。
少しぬるくなっていた酒がスパイス。

交わることのなかったはずの道だ。
邪魔も何も、関わっていったのは己で。

きっと、救われたのも己だと思う。]*


 
(111) 2020/09/12(Sat) 0:26:00

【人】 環 由人

   ───現在


    こんな時間にあんまり食うと
    太るんだろ?ほどほどにしとけよ


[ 恨み言を落として平らげられた皿を
こちらに向ける同居人を宥める。

ほんとは唐揚げだとかコロッケだとかも
余ってはいるのだけれど、
出したら食べざるをえないだろうから、
揚げ物は避けるようにしている。
代わりに日中用に冷蔵庫に置いてあるのだ。]

  
(112) 2020/09/12(Sat) 0:32:42

【人】 環 由人



[ 彼と己は生活リズムが合わない。
それは一緒に暮らし始めてすぐ、
わかったことだった。

己が自宅を出る時間、彼は寝ているし。
己が自宅にいる時間、彼は働いているし。
彼が自宅にいる時間、己は働いている。

だからこうやって食卓で面と向かって
顔を合わせるのは真夜中。
この時間だけだ。

丑三つ時と、明け方の境目。
どこにも行けない寂寞に苛まれる時間帯。
ずっと寄り添ってくれるのは、
顔も知らぬラジオのパーソナリティだけ
だったはずなのにな、なんて。]


 
(113) 2020/09/12(Sat) 0:33:01

【人】 環 由人



[ わざわざリクエストしてくる言葉に
本から顔を上げて、眉尻を下げて
ほんのすこし困ったように笑った。]



    取っといたらW余り物Wに
    なんないだろ


[ 何言ってんだ、と言わんばかりに。

部屋の中にカレーの匂いが充満する。
じゃがいもの代わりにカボチャが
ごろごろしているそれは、ほんのり甘くて
でも辛くて、その塩梅がちょうどいい。
比較的人気の商品である。
──すこしだけよけてあったのは内緒話だ。


銀色の大匙で掬われては唇の中に
消えていくそれを見ながら、
世は更けていく、
ラジオのパーソナリティが
明日またお会いしましょう、と
締め括れば、エンディングが流れた。]

 
(114) 2020/09/12(Sat) 0:34:10

【人】 環 由人





    ───どうだろう


[ 問いかけに、>>96曖昧に濁す。
毎日同じ答えばかり。
寝れないわけじゃない。
ただ、浅くて短いだけ。
ただ、人肌が恋しいだけ。

だから、共に眠るその人の体温が、
心地良くて、髪を撫で付けるてのひらの
温もりが、愛おしいと感じるのだ。]*

 
(115) 2020/09/12(Sat) 0:34:35

【置】 語り部 月森 瑛莉咲




  ――エニシダは、言いました。

 
 
(L0) 2020/09/12(Sat) 2:23:00
公開: 2020/09/12(Sat) 2:25:00

【置】 語り部 月森 瑛莉咲



  震える指先は、もう星空をなぞる事も出来ません。
  落ちた瞼は、もう雨を宿す事もないでしょう。
  途切れた声は、もう正しく音色を紡いでいるかも


    エニシダには、わかりません。


  けれど、エニシダは幸せそうに笑っていました。
 それでも、エニシダは幸せそうに笑っていました。
  だから、エニシダは幸せそうに笑っていました。
(L1) 2020/09/12(Sat) 2:24:01
公開: 2020/09/12(Sat) 2:25:00

【置】 語り部 月森 瑛莉咲





    ――そして、エニシダは言いました。


 
 
(L2) 2020/09/12(Sat) 2:24:50
公開: 2020/09/12(Sat) 2:25:00

【置】 語り部 月森 瑛莉咲




  『 ――――  ―――― 』

 
 
(L3) 2020/09/12(Sat) 2:25:31
公開: 2020/09/12(Sat) 2:25:00

【置】 語り部 月森 瑛莉咲




  ――ああ、でも。

 
 
(L4) 2020/09/12(Sat) 2:26:27
公開: 2020/09/12(Sat) 2:30:00

【置】 語り部 月森 瑛莉咲


  もう動くことのない指先に力を込めて
  薄ら開くまなこで虚をうつし
  風に消された音でもう一度だけ、


   エニシダは ねがいました。
   エニシダは いのりました。
   エニシダは エニシダは

 

 
(L5) 2020/09/12(Sat) 2:28:48
公開: 2020/09/12(Sat) 2:30:00

【置】 語り部 月森 瑛莉咲




  『 もしも里が 滅びてしまうような日がきて
    この地がなくなってしまっても

    誰もあなたを 護れなくなることがないように 
    あなたを 忘れないように 』
  
      
(L6) 2020/09/12(Sat) 2:30:52
公開: 2020/09/12(Sat) 2:30:00

【置】 語り部 月森 瑛莉咲






  『 ここに 金雀枝の花を咲かせましょう


     あなたが ここにいると わかるように 』
 
 
(L7) 2020/09/12(Sat) 2:32:58
公開: 2020/09/12(Sat) 2:35:00

【置】 語り部 月森 瑛莉咲




  
――いつかの私が、またあなたの元へ辿りつけるように
(L8) 2020/09/12(Sat) 2:33:57
公開: 2020/09/12(Sat) 2:35:00

【人】 語り部 月森 瑛莉咲




  ――そして エニシダは 
    永い眠りに つきましたとさ。


  めでたし、めでたし。

 
(116) 2020/09/12(Sat) 2:35:14

【人】   月森 瑛莉咲

 


   ――めでたし、ではないか。
   でもどう?即興にしては素敵な話な気がしない?
 

  ……って、

  わんこくんにはわかんないか。



 [ くあ、と欠伸の綺麗な白わんこくん。
  触れてみても大丈夫かな。
  一応遠慮気味に手をのばし、平気そうならばわしゃり。

  野良っぽくはないから飼い犬さんかな。

  無礼ものは小さな祠の横の石に腰掛けて。

  ああ、雨がちょっと降りそうだなって
  楽しそうに、でもほんとはそうじゃないみたいに
  ぱたんぱたん、足をゆらして空を眺めながら
  スケッチブックを側に置いて、
  絵を描く時に髪を束ねたシュシュを解く。 ]
(117) 2020/09/12(Sat) 2:37:57

【人】   月森 瑛莉咲


 [ 描がかれてるのは もちろん祠と
  黄色がつけられるはずの 花と枝っぽいもの。
  実は絵、上手じゃない。

  残念ながら人に見せられるような
  クオリティじゃあないから
  お披露目される日はきっと来ないの。

  夢は絵本作家なんて聞いて呆れてしまうって
  だから口にすることもない、秘めごと。

  ここだから見せるホントウの、
  ありのままの わたし。 ]
  
(118) 2020/09/12(Sat) 2:45:06

【人】   月森 瑛莉咲



  [ 誰も居ない田舎道。
   忘れられたみたいなおんぼろ祠は
   他に来客なんてやって来る事もなし。

   こんな場所に女の子が一人
   危ない?

   そのときはそのとき。
   でもきっと大丈夫、
   だって祠ってかみさまがいるところでしょう?

   根拠の無い自信で、
   私はわたしだけの居場所を望むのです。 ]
(119) 2020/09/12(Sat) 2:46:55

【人】   月森 瑛莉咲



  かみさま、おげんきですか?


 [ お供えするのは名前も知らないお花。
  前にお菓子を持ってきたら、虫がいっぱいくっついてて
  なんだか取られた気分になったからやめたの。

  お菓子の方が良かったらごめんね。 
  正しい作法とか知らないから、
  おんぼろ祠は自己流で祀られていく。

  実際、何がいるかだって私は知らない。 
  
かみさまだってほんとは居るかなんて、

  けれど無遠慮にわたしは話を続けてく。

  ここにあなたが居るならいいな、なんて。 ]
(120) 2020/09/12(Sat) 2:54:18

【人】   月森 瑛莉咲

  たぶん、わたし
  彼氏にフラれるんだと思います。

  仕方ないかな、田舎の子じゃ
  都会の可愛い子には勝てないもんね。


 [ はじめて彼氏ができたと報告したの
  まだそんなに月日は流れてない。

  可愛いとか好きだとか言われて
  流されるように付き合うことになったらしく。

  それにしたってもう少し、隠すとか覚えてほしい。
  私が何も言わないからって目の前で腰回したり
  キスしたり、イチャイチャ……

  ……あれ、私必要ないなこれ。 

  そもそもわたし、あいつのこと好きでもきっとない。

  あなたのまえではいろんなことが言える。
  きっと私、 ]
(121) 2020/09/12(Sat) 3:10:09

【人】   月森 瑛莉咲



  私、かみさまが好きなのね。
   ……なんて。

  ねえ、わんこくん。
  きみはかみさまにあったことある?


 [ わんこも、かみさまも返事してくれるわけないけれど
  ここに居るときは少なくとも、
  わたしはとても、幸せで満ちたりて。

  だからずっと、名前も知らないかみさまのもとを
  雨の日も風の日も、熱心に訪れてる。


  ――ぽつ、ぽつ。
  
  ああ、ほら。 ]
  
(122) 2020/09/12(Sat) 3:19:45

【人】   月森 瑛莉咲



  ――あ……降ってきちゃったなあ


 [ 傘、ないや。
  でも今日は濡れたって構わない。
  そんな気分だもの。

  それでも風邪ひくのはちょっと困る。
  ここへ来られなくなったらやだ。

  思いの外早くなってきた雨足に
  ――あんなものでも滲むのは忍びない。
  スケッチブックを拾いあげてわんこを一瞥。 ]
(123) 2020/09/12(Sat) 3:20:19

【人】   月森 瑛莉咲

  きみも、びしょぬれなる前に
  おうち帰んなよ。

  またね。


 [ もう遅いけどね、とは思うけど。
  わんこにばいばい、手をふり。 

  肌にぴっちょりなっちゃう前には流石に辿りつきたい
  ここから79分ほどの道のり、
  田舎道跨がるチャリンコ。
  交通の弁が悪いここでは必須アイテムなのです。 ]



  ……あ、シュシュ置いてきちゃった。


 [ ちらりもう一度振り返ってみたけれど
  悩んでる間にも雨雨ごあうぇーな勢い。
  どしよっか。

  ……きっと
  特別な事でもない限り、明日拾えば良いやって。

  帰り路を急ぐのでしょう]**
(124) 2020/09/12(Sat) 3:22:38
  月森 瑛莉咲は、メモを貼った。
(a12) 2020/09/12(Sat) 3:35:56

  希壱は、メモを貼った。
(a13) 2020/09/12(Sat) 5:21:51