人狼物語 三日月国


73 【誰歓突発RP】私設圖書館 うつぎ 其漆【R18】

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視点:


[犠牲者リスト]
とある書物

二日目

本日の生存者:うつぎ、アスター、江戸川 颯介、飛鳥、アポス、グレザン、ルナリア以上7名

ぷにぷに アポス(匿名)は、メモを貼った。
2021/05/22(Sat) 10:39:01

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2021/05/22(Sat) 15:53:34

ぷにぷに アポス(匿名)は、メモを貼った。
2021/05/22(Sat) 17:41:54

【人】 西園寺 飛鳥


[好きだと思ったのがなんなのか、なんて
 尋ねられたらびっくりしたみたいに目を丸くして
 「江戸川さんにきまってるじゃん」と
 あっけらかんと答えただろうけれど。
 
 だけど、それがお出かけのきっかけになるなら
 カップケーキもすきだよ、と続けただろう。
 …彼と、同じ空間で、同じ時間を過ごせるのなら
 どこにだってついていく。
 
 
───だから、チケットだって2枚買った。
 一緒に出かけられたらっておもって。
 この店も好きだけれど、ここじゃない場所でも
 彼と会いたいと思ったから。
 彼とともに、同じ時間を───


 でも、それが困らせるのなら。
 嫌われたくは、ないから。
 今回は諦めようかなっておもったの。
 少し早かったかなっておもったから。
 まだ、もうすこしこの距離感を保って、
 もっともっと、仲良くなれたら今度また、
 別のお出かけに誘おうっておもったのに。]

 
(0) 2021/05/22(Sat) 21:25:11

【人】 西園寺 飛鳥


[響いた、低いトーンに、視線をそっとあげた。
 いがらっぽい声と、どこか恨みごとに聞こえる
 言葉に眉尻をまたすこし、下げて目尻を細め]



    へへ、そうだった


[と笑った。
 彼に倣ってまた一口、コーヒーを啜ると
 しばしの沈黙が流れる。
 先に口を開いたのは彼だった。
 その話を黙って聞く。
 彼の話が、私の気持ちと、どう関係あるのか───
 後悔しないかって?私の気持ちが、
 W正しいWものなのか、問うているのだろうか。]
 
(1) 2021/05/22(Sat) 21:25:28

[ぐるり、思考を巡らせたそのとき。
 続いた言葉に、瞬きを、ふたつ。
 ふ、と短く息を吐いて。]


   後悔はしないの。私。今もしてない。
   そのチケットが受け取ってもらえなくても
   後悔はしない。少し早かったなって
   思ってるだけだから。

   ───自分の気持ちに素直になって、
   江戸川さんが好きだとおもったから。

   あなたに照らしてもらえなくたって
   私は自分の人生を明るくできるし、
   暗くするつもりはない。
   自信なくてもいいの。

   …江戸川さん自身の気持ちが聞きたいって、
   先週そう言ったでしょ。


[と微笑みかけ、カップをソーサーに置いた。]
 

【人】 西園寺 飛鳥



[す、と差し出されたチケット。
 目を開いて、交互に見つめ。]


   それは、私を誘ってくれるってこと?

   江戸川さんのW好きな人W。


[そう目を細めれば、彼が否定するよりも早く
 私は、テーブルの上に滑らされた方じゃなくて
 彼の唇にかざされた方に手を伸ばし
 すっと上に抜き取った。
 そのまま、そっと瞼を閉じてそれに口付けて、
 ゆっくりまつげの隙間からそちらを
 見つめながら瞼を開いていけば。]


   じゃあデート、しましょ

   いつにします?


[そう満面の笑みで、日程を決めようか。]*
 
(2) 2021/05/22(Sat) 21:26:00

【人】 ぷにぷに アポス

[ べたべたな口周りをしっかと拭いてもらえた。さすがわが友。甘えよう。>>1:50
 友人の書いたつくりかたはさすがであるし、思い付く美味しさをというクダリを見るとこちらも大きく頷いた。解るぞその気持ち。これだけ美味しい幸せの食べ物は、やはりおみやげにもしたいが持ち帰りが難しそうだということもわかる。
 ならば今度来るときは他の友人も連れてくると言う解決策が使えるだろう。
 このことは後で友人にも伝えよう。きっと色よい返事が返ってくるはずだ。

 そう考えながらウキウキとしつつ、良い滑り出しという言葉にもおおいに同意する。こくりと全身を使って頷いた。]

 まったくだな!
 ここまでだったか、街…っ!

[ 大はしゃぎである。
 メモを書いたり辺りを見たり、話したり、そんな時だ。]
(3) 2021/05/23(Sun) 3:51:49

【人】 ぷにぷに アポス


 ねこだ。

[ ねこという言葉が聞こえそちらをみる。確かにねこだ。くろいもふもふとした、ねこだ。>>1:51
 しかもくびもとに"おしゃれ"をしているから、仲良しのいるねこなのかもしれない。だとしたら我らにももふもふをしてくれるかもしれない。>>1:52

 顔を見合わせると頷いた。
 そわそわとしながらひょこひょこと近付く。思い切りはねたりはしない。驚かせるからな。
 しかし先にねこをみつけたのは友人であるし、友人のほうが静かに動くことは得意であるから、ねこに近付きもふもふをする権利は友人に"ゆうせんじゅんい"があるだろう。
 そう考え、友人の動向を見守る。だがすんでのところでねこはするりと離れてしまった。あー。

 ねこがうごくと、ちりんと音が鳴る。
 友人を気遣わしげに見る。

 音は少し聞こえてすぐに止んだから、そちらを見るとねこがちょこんと待っている。ようにみえて、]

 おぉ?

[ と疑問をこめた声をあげた。
 友人を見る。気付いたらしく、ねこをみる。]
(4) 2021/05/23(Sun) 3:52:06

【人】 ぷにぷに アポス


 これはチャンスありだろう。
 "わたしをつかまえて"というやつかもしれない。

 ただもふもふされるがままとはいかない、
 "ここう"たる"やせい"の"ち"がきっと流れているのだろう。

[ とは言ったものの。
 暫くし友人が気付いたように言った言葉になるほどな、と頷いた。>>1:53

 確かに追いかけっこなら、これほど待つのは"なめぷ"すぎる。
 きっと別の目的があると考えていいだろう。

 ―― みえてきたな、しんじつが……っ!

[ くくくと含み笑いをしながらゆっくりとねこについていく考えを擦り合わせた。ぴょこんっ。
 しかし、友人のいうように本当に"猫の集会所"につれていってもらえるならば、どうしようか。きっともふもふした空間で、たくさんのもふもふとぷにぷにできるかもしれない。それはすばらしい事のように思え、わくわくとソワソワがまた増した。

 路地裏を通って、一つ曲がって、も一つ曲がって、それからそれから。道順はメモしていない。今から戻る道は見失っている。それでも胸にはわくわくばかりが募っていた。]
(5) 2021/05/23(Sun) 3:52:26

【人】 ぷにぷに アポス

― “うつぎ” ―


[ もっと大きいお店だ>>1:54

 友人の言葉にその扉を見上げた。
 ふわぁ……。
 口があんぐりと開き、そのまま視線を上へとあげて。すぐにキュッと閉じた。看板が見えたからだ。]

 うつぎ……。

[ その前の文字はなんだったか。
 友人がちょっとずつ読むその様子に、心の中でがんばれ…!と応援する。がんばれ!すると苦戦しながらも"としょかん"だと解読してくれ、おお〜と歓声を上げた。それとは別に驚く。]
(6) 2021/05/23(Sun) 3:53:02

【人】 ぷにぷに アポス


 としょかん、だと…っ!?
 こんなおーきいとしょかんがあるのか……っっ!

[ はわぁ〜とまた見上げた。しかし実に良い。自由研究の役に立ちそうだ。そう思っていたら、そのまんまを友人が言ったため、ふふんと笑って同意する。]

 さすが我が友っっ!
 よしっ、ではさっそく行くとしようか…!!

 "みち"のだいだいだいだいとしょかんへ…っ!!
 
(7) 2021/05/23(Sun) 3:53:18

【人】 ぷにぷに アポス

[ 友人が一本を伸ばす。>>1:57
 扉が開いた。……いいかおりがする。

 奥の方から声がした。>>0:1
 友人の後ろから覗いた。そして、]
(8) 2021/05/23(Sun) 3:53:25

【人】 ぷにぷに アポス



 …………………………

 
(9) 2021/05/23(Sun) 3:53:35

【人】 ぷにぷに アポス

[ ぱたん。

 扉が閉まった。>>1:59
 ぽかんとしたままの身体を友人の一本が掴みつるつるとつれていかれる。ぽかん………。]


 ……… な、…なんだろう……。

[ 同じく見た事のない生き物に大混乱だ。
 話し合いタイムにはいる。]
(10) 2021/05/23(Sun) 3:53:51

【人】 ぷにぷに アポス


 あー えー うーん……。
 どうぶつ、だよな…?

 もふもふともいえず…ぷにぷにもしてなさそうな…、
 いやでも一部にもふもふがあったな…?

 どんな形だったか…?
 えーとえーと、まず大きかったな…。
 それで、こちらより友人の方に形が近かったとおもう。
 こんなにつるんとしてなかった…。
 
(11) 2021/05/23(Sun) 3:54:04

【人】 ぷにぷに アポス


 あっ、ああ〜〜っ?
 なんか、なんかせんせえが言ってなかったか、なんか、ほら。

 じっさいには誰も見たことのない、
 でんせつのイキモノのはなしを……っ!!

 たしか、"
にげん
"とかいうやつだっっ。
 まると、しかくと、よんほんでできてるって!

 でもほんとによんほんだったかは…
 ううむ、自信がないな…。

[ 見えたのは一部だけだったように思う。しかもなんだか黒かったような。]
(12) 2021/05/23(Sun) 3:54:34

【人】 ぷにぷに アポス


 でももし、ここがでんせつの"にげん"の店だとしたら……
 もしかして、"にげん"じゃないと、入れないのでは……っ!?

 じゆうけんきゅ〜には、
 おそらくここは欠かせないのに…っ!

[ 他の場所を回ってもそれなりの研究は出来るだろう。しかしこの店の存在をしってしまったならば、この店を調べなければ満足できない体になってしまった。そもそも、]
(13) 2021/05/23(Sun) 3:54:55

【人】 ぷにぷに アポス


 じゆうけんきゅ〜、
 とうしょの予定とはかわってしまうが……、
 あのでんせつのイキモノを調べる、とか………っ!!

 
どうだろう…っ!!?



[ 好奇心いっぱい、勢いいっぱい。
 わくわくきらきらと提案する。

 提案が受け入れられたら、まずはちょっとだけ扉を開けて覗き、そのからだがどういう構造かを観察するところからはじめた。]*
(14) 2021/05/23(Sun) 3:55:09
[お嬢さんの真っ直ぐな目に
 俺はまた口を噤む。
 俺の素直な気持ちを口にしたら
 彼女はどう思うだろう。

 声に出そうとして、口を開いて
 また閉じる。

 お嬢さんが早いんじゃない。
 俺の勇気が足りてないだけ。
 俺自身が幸せになるための勇気が。]

【人】 『伽藍堂』 江戸川 颯介



  あ、


[差し出したチケットはそのままに
 手に持っていた方がするりと上に引き抜かれ
 俺は目をぱちくりさせた。
 俺の唇が触れていた箇所へと
 赤い印がつくのからそっと目をそらす。

 訂正するべき言葉は、見つからなかった。
 代わりに、肯定もしないでおこう。]


  ……来週の土日、あ、金曜の夜でもいい。


[少し掠れた声で呟いて、少し考えてから
 またひとつ提案をしよう。]
(15) 2021/05/23(Sun) 11:52:12

【人】 『伽藍堂』 江戸川 颯介



  現地集合もなンだ、
  またこの店に寄ってくれるかィ。


[なんて、ちょっと悪戯っぽい笑みを浮かべて。]*
(16) 2021/05/23(Sun) 11:53:42
[もしお嬢さんが少し怪訝な顔をするならば]


  せっかくの『デート』なんだろ?


[なんて煙に巻く。
 彼女の都合が着く日があったなら
 その日は店は臨時休業。


 そして、もし当日店にお嬢さんが来てくれたなら
 店の前でヘルメットをふたつ持った俺が
 ハーレイに跨ってお出迎え。
 白馬のご用意は出来ない代わりに
 俺の愛車でドライブしようか。]



  …………お嬢さん、じゃ
  せっかくのデートに味気ねェな?


[江戸川さん、もどうなんだろう。
 一日、俺が素直になれるための時間があるなら
 一歩歩み寄るのは許されるのだろうか。]


  江戸川さん、じゃ他人行儀かね。
  今日は颯介でいい。


[俺はお嬢さんをなんとお呼びしたらいいかな。
 フルフェイスの奥から、小さな声で問い掛ける。]*


[わたしね、待つのは嫌いじゃないの。
 でも、忘れられてしまうのは嫌。
 待ってる間もきっと、私のことずっと
 考えていてくれるならそれがいい。
 だからね、何度だって伝えるのよ。
 あなたが好き。私のことを好きになって。
 いつになったって構わない。
 どうしても無理ならそういって。
 だけど、少しでも希望があるなら
 いつまでだって待てる。]

 


 わたしの幸せは私が決めるし
 わたしの道は私が照らすから
 あなたが幸せだと思うものを選んでほしい。
 私を幸せにするんじゃなくて
 あなたと幸せになりたいんだって。

 

【人】 西園寺 飛鳥



[満面の笑みで決める日程に、彼からの
 提案がなされれはこくこくと何度も頷いた。]


   土曜日っ!土曜日がいい!
   ランチ食べて、美術館行って、
   お買い物して、ディナーしましょ


[ガチガチのデートプランを提案しながら
 犬ならぶんぶん揺れる尻尾が見えるんじゃ
 ないかって思うくらい、目をきらきらと
 輝かせ、そちらを見る。
 この店に寄って、と言われれば、これまた
 こくこくと大きく数度頷くだろう。
 悪戯っぽい笑みにきゅんっと心がときめくのが
 わかって、こちらも柔く破顔した。]

 
(17) 2021/05/23(Sun) 14:20:53

【人】 西園寺 飛鳥



   うれしい、 楽しみ

   チケット、持ってきてよかった


[そう素直な言葉を口にして、約束の日を待つのだ。]*

(18) 2021/05/23(Sun) 14:21:14

[いつもなら自分の好きな服を着て、
 自分の好きなメイクをして、髪型をする。
 それでよかったはずなのに、どうしてだろう。
 今日だけは、彼のことばかり考える。
 はじめてのデートだ。かわいいって思って欲しくて
 美術館に行くのだし、と、腰回りがタイトになった
 黒のオープンショルダーワンピースにした。
 スカート部分はAラインになっている。
 いつもより少しおめかししたわたし。
 赤のリップは欠かさずに。]


   こんにち…は、


[店の前にたどりつけば、そこにあった
 人影にきょと、と目を開いて思わず止まる。]
 




   え、江戸川さん、バイク乗るのっ!?


[バイクに興味はないのだけれど、
 好きな人が跨って待っていてくれていたって
 それだけで、とんでもないときめきで
 心臓がうるさい。
 「うわぁ、かっこいい」と口に出して
 頬を両手で覆いながらそちらに近づく。
 フルフェイスの奥から聞こえた声に、
 緩む口元は止め切れず、ふにゃ、と崩れる。]

 




   …うん、 飛鳥って呼んで、…颯介さん


[「今日は」って、これからもそう呼んじゃだめ?って
 聞こうとして、やめた。
 せっかく一歩寄ってくれたんだから、焦らない。
 にへら、とまた笑って、近くに寄れば、
 わたしの分のヘルメットを渡してくれただろうか。
 受け取ることができるなら、それを持って
 くいっと引くように体を寄せて。]


    …ね、呼んでみて?


[と上目遣いでお願いする。
 彼の声で、聞きたくて、どきどきと逸る鼓動を
 おさえながらじっと見つめる。
 自分の名前にこんなに特別感を感じるのは
 はじめてだな、なんて考えながら。]

 



[彼が呼んでくれたならはしゃいだだろうけれど
 呼んでくれないなら少々不満そうに「えー」と
 こぼしてから、「後でいっぱい呼んでもらお」と
 声を弾ませて、彼の後ろに回ろうか。]
 

   どうやって乗ったらいい?
   くっついていい?


[そうわざと確認しながらその背中に
 ぴったりと寄り添う。
 広い彼の背中に耳を当てれば鼓動が
 感じられただろうか。それが私と同じ
 速度だったらいいのに、と願いながら。

 ランチで行きたい店の候補を提案しようと。]*


[嬉しそうに約束にはしゃぐ様に
 つい、また口元が緩む。

 素直に自分の感情を表に出して
 好きなことを好きなだけ楽しめるのが
 やっぱり俺には羨ましくて。
 だから、喜ぶ彼女に倣うように
 俺も、自分の「好き」を
 表に出してみようと思って。

 店に行っては約束の日を指折り数えて
 愛機をいつもより丁寧に磨いたりなんかして。
 ─────ああ、楽しい。認める。
 いつもの1人でのツーリングより、ずっと。]

[店の前に愛機と共に佇む俺は
 いつものシャツ姿よりも
 ラフな格好を選んでしまっていただろう。
 だから、いつもよりも華やかな、
 「デート!」って服装のお嬢さんを見て
 ちょっとしくった、と思った。
 隣に並んで恥ずかしくないか、とか
 テンション下がる、とか言われないか、とか。

 でも、いつもより可愛い服のお嬢さんは
 いつもと変わらず明るく笑うから
 俺もつられて、ふにゃ、と笑う。]


  骨董の趣味の延長みたいなモンで、
  知り合いから譲り受けて乗ってンだ。


[手入れを欠かさない愛機を褒められ
 ヘルメット越しの声は上機嫌。
 我ながらちょろい。]

[自分から言い出したくせに
 颯介さん、なんて呼ばれると
 首の後ろがムズムズする。
 にじり寄るお嬢さんへと、
 ぽん、とヘルメットを投げてよこせば
 少し距離が空くだろうか。]


  ……いいから、行くぞ。


[後で、勇気が出たら。
 ヘルメットを被ってもなお貫く視線を避けるよう
 俺は愛機に跨ってエンジンをふかせた。]



  …………振り落とされたくないなら
  しっかり掴まってくれよ。
  俺も、怪我ァさせたくねェし。


[Tシャツの薄い生地越しに
 じわ、と生々しい体温が伝われば、
 ああ、やっぱりこの服は失敗だったな、って。
 背に耳を寄せられたらきっと
 ばくばくと煩い心臓の音まで
 詳らかにされてしまう。

 ちゃんと安全を確認できたら、
 ドゥン、と低くエンジンをふかせて
 晴天の下を滑り出すだろう。]


  この先美味い天丼屋を知ってるし
  なんか小綺麗なイタリアンが出来たらしい。
  行きたいとこ、行こうぜ。


[自分の希望を出した上で
 飛鳥が行きたいところを優先しよう。]

[飯を食ったら、美術館へとまた車を走らせて。

 『香りの文化史 ー 日常から藝術までー』

 中国から伝わったことで花開く香道文化から
 紀元前エジプトの香水瓶、
 アール・ヌーヴォーの豪奢なものまで
 「香り」に纏わるものを集めたもの。
 フルフェイスの下から出てきた俺の顔は
 きっと照れと興奮とで
 頬を赤く染めてしまっていたかもしれない。]


  ほら、行こうぜお嬢さん。


[駐車場から受付まで向かおうとして、つい
 いつもの呼び方をしてしまったのに気付いて
 「あ、」と口を手で塞ぐ。]

【人】 絵描き ルナリア

 
 
  彼がいないと認識してから
  日が昇り、落ちる回数を数えるようになった。

  一人で栄養補給をしたり、水分補給をしたり
  そうして1回、2回、3回。

  それでも彼が来ることは無い。
  
(19) 2021/05/23(Sun) 19:12:22

【人】 絵描き ルナリア



  一般的な人がどう考えるかはわからないが
  私はただただ、疑問に首を傾げた。

  当たり前になっていたことが
  当たり前ではなくなったこと。

  どうして、とかなんで、とか。
  子供みたいに、馬鹿みたいに、
  ……つい、筆の操りを間違えてしまったり。
 
(20) 2021/05/23(Sun) 19:12:47

【人】 絵描き ルナリア



  さて、数え始めて一週間ほど経った頃。
  家の中に、こんこん、とノックの音が響いて、
  私は顔を上げた。

  いつもなら適当に入ってもらうところ、
  どうぞ、と声を上げたあともじぃ、と扉の方を向いて。

  そうして入ってきたのは ─── 馴染みの画商。
  思わずため息を吐いてしまうのは仕方ないと思う。
  相手はおかしな顔をした。
 
(21) 2021/05/23(Sun) 19:13:23

【人】 絵描き ルナリア



  私の性格を知っているからか
  画商の彼とは今までに、多くのことを話したことは無い。
  至ってビジネスライクな関係、
  今日も今日とて絵を売り買いして終わり
  そう思っていたけれど。


   『 なにかあったのか 』


  なんて、尋ねる物言いをされたものだから
  これまた疑問に目を瞬いた。
  どうしてわかったのだろう。
 
(22) 2021/05/23(Sun) 19:13:41

【人】 絵描き ルナリア

 

  見つめる目と目を合わせて
  数瞬。
  私は、口を開けば、かねてよりの疑問を吐き出す。


   「 どうして、そばに居てくれたのかな 」

   「 どうして、そばに居ないんだろう 」


  二つの疑問を、重ねて問いかけて。
  相手の反応を待つ。**
 
(23) 2021/05/23(Sun) 19:14:58

[気合いを入れすぎて引かれないか、なんて心配は
 はなからしていない。だっていつだって、
 最高に可愛いわたしでいたいと思っている。
 それが、彼の前ならば余計に。
 そして、初デートと名のついた今日ならばさらに。

 体を寄せようと思っていたのに、
 残念ながらヘルメットは彼との間を
 繋ぐどころか宙に舞う。思わず声をあげて
 キャッチすれば、唇を少し尖らせた。

 お願いにも答えてもらえなかったから、
 不満そうにあとで、を約束して。]

 


 
[ぎゅっと捕まった背中から彼の体温を感じる。
 薄い布越し。微かに動くのは鼓動だろうか。
 エンジン音が響く。
 どうしようもなくドキドキしてる。
 愛しくて、たまらない。
 ぎゅうっと唇を結んで、その体温に酔う。
 伝われ、わたしの鼓動も。あなたに触れるだけで、
 こんなにドキドキするんだよって。
 
 彼が喋ると、体から響くのがわかる。]


   天丼!食べたい!


[お洒落なカフェだとか、小粋なイタリアンだとか
 候補はたくさん見ていたけれど、きっと彼のよく行く
 店なのだろうと、その口調から察することができれば
 その店がいいと即決するだろう。]

 


[天丼屋さんは確かに美味しかった。
 けれど、いくら待っても名前を呼ばれるそのときは
 訪れなくて、少し寂しい。
 すべて平らげてご馳走様でした、と手を合わせれば
 さっさと出て行ってしまう彼の後ろを
 ちょこちょこ小走りでついて行った。

 呼んでくれないのかなって思いつつも
 面倒くさい女だと思われたくない、のほうが
 上回っているからだまって、またその背中に
 ぴったりと寄り添って抱きしめた。]
 



[美術館に着けば、先程の天丼屋さんで降りた時とは
 比べ物にならないほど、彼の表情は
 ほころび、あからさまにうきうきしていて、
 一層愛おしさにこちらも表情が柔らかくなる。
 
 そんな彼に見惚れていたら、呼ばれた。]


   あ、うんっ


[やっぱり、もうどうしたって好きだ。
 愛しい、と思いながら駆けていけば、
 いつも通りの呼び名で呼ばれたことに、
 自分では気づかなかった。───けれど。

 あ、と口を手で塞ぐ彼に、首を傾げる。
 なにか、あっただろうか。
 忘れ物を思い出したとか…まさか、自分の分の
 チケットを忘れたとかじゃないよね!?
 なんて目を開くと、逸らされる。
 深呼吸なんてはじめて見るものだから、
 困ったように眉尻を下げる。
 まさか、誤魔化してる?
 ほんとに忘れたのかと問い詰めようとしたそのとき]
 




   っ………!


[呼ばれた名前に、ぎゅうっと心臓が掴まれて
 体が一センチ浮くような心地がした。]


   なまえ、


[どうしよう、どうしよう!
 今、心の底から思う。この名前でよかった。
 彼に、呼んでもらって、特別なものに
 なったような感じがする。
 ぶわぁ、と顔が熱くなるのがわかった。]
 



   ふへ、 へへ


[間抜けに緩んだ表情を向けて]


   ………うん、颯介さん


[と差し出された手を取ろう。
 普通に繋ぐのはもったいない。
 だって今日は、デートだから。

 緩めて、指を絡めて握りなおす。]


   いこ、 …楽しみだね。


[そう、一歩そちらに寄って、歩き出した。]*

 

[てっきり、お洒落な店を推してくるかと思いきや
 行きつけの天丼屋にご指名がきて
 つい、くすりと笑う振動を伝えてしまったか。

 尋ねられたら「てっきりもっと映えるところが
 好きなンかな、って思っててさ」と
 正直に答えよう。
 見栄えはともかく、味は保証する。

 名前は呼ばないくせに、
 天丼を見事平らげるお嬢さんを
 カウンター越しより近い場所から見つめ
 「ああ、ンまそうに食うなァ」
 ……なんて呑気な感想を。]

[あの家にいて、きっと叱る人もいるだろうに
 派手な化粧に派手な服。
 それでも、周りの声はきっと
 このお嬢さんの歩みを止めるには力不足で、

 そのお嬢さんが今片時でも、
 俺の傍でじっと「待つ」なんて選択肢を選んでいる。

 ……これは思ってたよりずっと愛されてンなァ、
 なんて、今更気付いてしまえば
 気安く「飛鳥」なんて、尚更呼べなくて。]

[だから、うっかりいつもの呼称を使った時
 しまった、と思った。

 約束を取り付けておいて
 一方的に待たせておいて
 俺は自分だけまた知らん顔するのを
 選んでしまった気がして。

 呼んで振り向いた飛鳥の顔は
 責めるでもなく、詰るでもなく
 ただ普通に呼ばれたから振り向いた、みたいな。

 それが余計に、悲しくて、申し訳なくて。]



  ─────呼んだよ。飛鳥。


[呼ばわる瞬間朱に染った頬を見て
 俺の方まで赤くなる。
 でも追撃したくて、もう一度。
 そしたら、普段呼ばれない下の名前で返されて
 今度は俺がふぇ、とよく分からない声を出す。

 咳払いをひとつ、気を取り直して
 指まで絡めて手を繋ごう。
 じん、と熱い体温はどちらのものか。
 歩調を合わせるようにして
 受付まで歩いていった。

 受付嬢は無愛想に2枚のチケットに目を通して
 「いったらっしゃせ」と2つハンコを押して
 手を繋いだままの俺達を咎めるでもなく。
 多分、ただのバカップルと思われてるのか。

 そう思ったら、少し安心した。]

[中に入れば、香りの歴史を辿るよう
 古代オリエントの香油壺がででん、とお出迎え。]


  昔は、香りを楽しむッてェより
  宗教的な意味合いが強くてな。
  ミイラもただ仏さんに包帯まくんじゃなく
  香油をたっぷり塗ってお弔いをしたンだ。
  ……まァ、今になってその香油自体が
  防腐の役割を果たしてたことが分かってきた。


[土で焼かれた瓶を前に、つい悪い癖。
 どこかの誰かと同じ、語りたがりが顔を出す。
 手を繋いで、人の邪魔にならないよう
 声を潜めて、身を寄せて。

 俺が、自分の癖が出てるのに気付いたのは
 古代オリエントを遥か超えて
 日本の平安時代の頃。]



  ……っ、ワリ、つい、癖でな。


[頭を下げる代わりに、繋いだままの小指で
 すり、と飛鳥の掌を撫でる。

 ただ綺麗な瓶、綺麗な調度品、で終わっては
 この飾られているだけの品々が
 何となく、可哀想な気がして。

 くるりと見渡す会場内には
 歴史や地域に束ねられて
 数多の美術品がガラスケースの中に眠っている。
 まるで白雪姫みたいに。]



  …………俺ァ、美術展は好きだ。
  その一点一点に込められた想いを読み解くのが。


[周りに咎められないように
 小さな声で、語る。
 美術品から目を、飛鳥の大きな目へと移し
 ゆっくりひとつ、瞬きをして。]


  だけど、─────例えばこの香水瓶
  こうして空瓶にして飾られッちまえば
  お役目を果たせねェで悲しくないか。
  そう、思っちまうこともある。

  使われてこそ、物は幸せなンじゃねェか。
  値段とかそんなんがこのモノの価値なンか。
  この商売してて、そう思わねェ日はねえ。


[だけど、今日は違う。]

【人】 ぷにぷに グレザン


 なんだろう……


[ ぽかんと口を開きっぱなしになっている友人>>10と同じ言葉を繰り返す。なんだろうとしか言いようがないものを見てしまったのだからしかたない。
 一緒に頭の上にはてなを浮かべながら話し合いが始まる。]


 ああ、動物だとはおもう。

 ぷにぷにはしていなかったな……
 もふもふの毛はあった、頭のてっぺんに。

 それに、聞きまちがいじゃなければ、
 こちらに話しかけてきていた。
 ねこやとりとはちがう……


[ 今まで見たことのない動物の特ちょうを、お互い気付いた分だけあげていく。体のもふもふ具合を見ると、ぷにぷによりは森で見かける動物たちに近い気がするが、分かる言葉で話しかけてくるところは、ぷにぷにに近い生き物と言える。どっち寄りなのかも分からない。]
(24) 2021/05/24(Mon) 7:01:33

【人】 ぷにぷに グレザン

[ なんて悩んでいると、友人>>12があっと声を上げた。
 知っているのか友人、と話を聞くと、それはずっと前に先生が話していた伝説のことだった。思わず長い二本をふよふよと顔のまわりで泳がせる。]


 そうか、“にげん”……!

 おぼえている。
 とりのように二本で歩き、のこる二本を上手に使う、
 そんな生き物がいる、と……

 四本かどうかは見てなかったが、
 それぐらいの数があっても、おかしくはない!


[ よく覚えていたな、と友人を誉めたたえる。
 言われるまですっかり忘れていた。まさかそんな伝説の生き物と出会えるなんて、思ってもみなかったからだ。

 大混乱はみるみる内に大興奮に変わり、四本も二本もぱたぱたと動かしてしまう。これはすごいことになった。今、自分たちは伝説に立ち会っているのだ。街へ行った経験があるはずの、先生や大人たちだって知らない。大大大発見だ。

 これは絶対に、“にげん”の図書館に行かねばならない。再び扉の方へ友人と一緒に向かおうとした。
 しかし、友人は重要な問題に気付いた。はっと向き直る。]
(25) 2021/05/24(Mon) 7:02:45

【人】 ぷにぷに グレザン


 たしかに……!

 “にげん”の店なら、“にげん”だけ。
 そういう決まりはあるかもしれない……

 それに、店も大きい。
 全部“にげん”サイズでできているのだろう。
 このすがたでは、きっと見てまわるのはむずかしい。


[ 友人の指摘はもっともだった。森の動物たちも自分たちも、同じ仲間で集まって生きている。“にげん”も同じなら、よそものは入れてくれないかもしれない。

 このまま入れるならラッキーだ。しかし、入れなかった時、お店の“にげん”が怖がったり怒ったりして、扉を閉めてしまうかもしれない。
 それでは、せっかくのチャンスを失ってしまう。とても困る。ここは慎重に動くべきだ。]
(26) 2021/05/24(Mon) 7:03:04

【人】 ぷにぷに グレザン

[ お店を調べたい、という気持ちは友人と同じだった。だから、友人に勢いよく新たな提案>>14を持ちかけられたとき、目をくりっと丸くした。
 実は、街について調べる自由研究のことをすっかり忘れていた。頭の中は“にげん”の大発見でいっぱいだったからだ。ここでさっと自由研究のテーマを変更するという切り替え。さすがは友人だ。

 こくり、と深く頷く。]


 すばらしい案だ。
 こんなチャンス、もう二度とないかもしれない。

 ここは、“にげん”をしらべる以外ないと、
 そう思っていた。

 よし。なら次にやるべきことは……


[ 大いに賛成すると、新たな計画を立てた。お店に入るためにはどうすべきか。相談はすぐにまとまって、こっそりと扉を開けにいく。友人と一緒に隙間から店を覗き込んだ。]
(27) 2021/05/24(Mon) 7:03:30

【人】 ぷにぷに グレザン

[ 最初に店を見た時は、たくさんの本があることぐらいしか分からなかった。こうやって眺めてみると、店の“にげん”の他にも、いくつかある机のそばに同じかたちの生き物がいることに気付いた。
 いや、同じというのは正確ではないかもしれない。]


 みんな、かたちがちがうな……
 共通点をさがさないと。


[ ひそひそ声で友人に話しかける。どうも体の色も毛の色もバラバラだ。大きさもちょっとずつ違う。
 もちろん、それはぷにぷにだって同じことだ。友人と自分では色も形も違うし、先生や大人たちは少し大きい。当てはめるなら、個体差というやつだろう。

 自分たちが見つけるべきことは、あの生き物の共通点。自分たち仲間の特徴のひとつに、変化というものがある。今回はそれを活かして、店に入ろうという作戦だ。
 しかし、この中のどれか一つとそっくりになってもおかしい。店にいる“にげん”は少ないから、すぐにバレてしまう。だから必要なのは、どれとも似ていて、どれとも違う姿であることだった。]
(28) 2021/05/24(Mon) 7:03:59

【人】 ぷにぷに グレザン


 二本は横、二本は下……
 ふぅん、先っぽがいっぱい分かれている。

 顔は……でこぼこがいっぱいあって……
 あ、ちょっと毛があるな。

 目? が、ちょっと出っぱってるのはなんだ……?
 ぜんぶがそうじゃないし……


[ 観察すればするほど不思議が生まれてくる。これはむずかしいかもしれない。しかし諦める自分たちではない。友人とひそひそ話をしつつ観察を続け、たくさんの情報をメモに書いた後、ふたたび扉から離れた。]
(29) 2021/05/24(Mon) 7:04:17

【人】 ぷにぷに グレザン

[ 大事であろう部分にチェックをつける。
 体の大きさに色、パーツの数。友人と力を合わせて手に入れた“にげん”の形を頭にいれる。
 じっくり眺めてから、はー、ふー、と息を吸って吐いた。]


 よし、やるぞ……


[ 長い二本を頭の前に構えて、ぐぅっと力を込める。
 ぬぬぬと気合を入れると次第に、青い体がぷうぷうと膨れていった。輪郭がぐにぐにと歪み、つるりぷるんとしていた表面に凹凸が生まれて、それぞれが違う色に変化していく。頭部にはもふもふとした毛、目の部分には出っ張りをくっつけて、]
(30) 2021/05/24(Mon) 7:04:55

【人】 ぷにぷに グレザン


 ……ふぅー……

 どうだ、“にげん”っぽいか?


[ 頭部の黒の毛並みに合わせた黒の体で、友人の前に立つ。長い二本の先っぽ、細く分かれた一本で、目の青い出っ張りの真ん中をくいっと押さえてみる。こういうポーズを時々“にげん”はしていた。真似るとそれっぽく見えるかもしれない。

 出来はまずまずだと思っているが、実のところ、顔の真横のぴろぴろした部分や、顔の真ん中の出っ張りに穴を作り忘れている。他にも作りが甘いところはあり、下方から見る友人ならば気付いたかもしれない。]
(31) 2021/05/24(Mon) 7:05:16

【人】 ぷにぷに グレザン


 変なところがないか、たしかめてほし、
 っと、と。

 ……歩くのが、すこしむずかしいな。
 練習がいるだろう。


[ ともかく、出来を確かめてもらうため、一歩近付こうとしたがぐらりとふらつく。ぺたんと上の二本で地面についた。四つんばいである。友人とちょうど目の高さがあう位置。

 四本から二本だと少し不安定で、慣れるまでにちょっとコツがいりそうだ。これだと、もともと二本もない友人は、自分よりももうちょっと苦労するかもしれない。]*
(32) 2021/05/24(Mon) 7:06:10

[お洒落なカフェより、あなたのことを知れるなら
 断然、そちらの方が良かった、なんていったら
 引かれてしまうだろうか。
 そこだけはちょっと隠して
 天丼すきだもんってW本当のことWで包んだ。
 
 食べるところを見られるのは少し恥ずかしい。
 だけど、知ってもらえるなら。興味を持って
 もらえるなら。隠したりなんかしたくなかった。
 美味そうに食う、と言われればごくん、と
 口の中のものを飲み込んでから。]


   だってすごく美味しい


[と微笑みを浮かべてみせただろう。

 伝われってずっと願ってた。
 この気持ちが軽いものじゃなくて、
 いつもの仲間内のノリとかとは別次元で
 あなたのことが心から大好きだってこと。]

 


[だけど、待てるから。
 わたしは、あなたのことを名前で呼ぶことを
 許されただけでも、大きな喜びだったの。
 だから、たのしみにはしてたけど、
 呼ばれなくたって仕方ないと思ってた。
 好きだなあってそっちに思考が寄っていけば
 全然気にならないくらいには。

 ───なのに。

 あなたは、改まってそんなふうに呼ぶんだもん。

 追撃されれば、ずるいって真っ赤な顔でつぶやいて
 絡めた手を握って、あなたを呼ぶの。

 互いを呼び合うことが、なんだか本当に
 近しい関係になった気がして、うれしくて。

 …そしたら彼の口から飛び出した間抜けな声に
 今度は噴き出してしまうんだけど、
 それはまあ、仕方ないことだと思う。]

 


 
[絡んだ指先から、手のひらから、熱が伝わって
 境目が曖昧になっていく気がする。
 わたしのより大きな彼の手は、すこし
 かさついていて、骨張ってた。

 受付に着いたら流石に解くのかなって思ったら
 そのままずんずん進んでいくものだから
 ちょっと面食らって。だけど嬉しくて。
 隠しきれない頬の緩みを、顔を背けて
 なんとか周りにバレないようにした。

 中に入れば、大きな香油壺。]


   ぅわ、 おっきい、


[とそれに目を開いて見つめていれば、
 彼が説明してくれただろうか。

 香水も好きだし、博物館や美術館も好きだ。
 だけど、好きなだけで詳しくない。
 だから、彼が一つ一つ丁寧に説明してくれるのは
 とても興味深くて、面白かった。
 ───それと同時に、彼のことをまた
 ひとつ、ふたつ、みっつと知れているような
 その頭の中を覗けているような気がして、
 うれしくて、心は弾む。]


 
[それと、弾む理由はもう一つ。
 話してくれるたびに、キスができるんじゃないかと
 思うほど、顔が近づくんだもの。
 吐息を孕んだ囁き声が、耳をくすぐるのが
 照れ臭くて、同時に、うれしくて、ドキドキする。
 
 だから、彼への返事はわたしも同じように
 声を潜めて、少しだけ背伸びして、
 内緒話みたいにしていただろう。

 楽しく彼の話を聞いている途中、突然、
 謝られると同時に手のひらを滑ってくすぐる
 感覚に、思わずびくんっと体が跳ねる。]


   っ…ごめん、びっくりしちゃった


[と眉尻を下げて、もう一度握り直してから]
 



   なんで謝るの?

   …すごくたのしい。
   颯介さんの話、興味深くて。
   もっと聞かせてほしいな。


[そう、目を細めて、また次のブースへといけば、
 「これは?なに?」と日本の香の文化について
 尋ねてみるだろう。]
 



[美しいさまざまな展示品を見て回る途中。
 徐に彼がまた、口を開くからそちらを見る。
 その言葉を黙って聞いて。
 最後にふと、わたしの名前が出れば、
 眉を少しだけ上げるだろう。]


  ……颯介さんが楽しんでくれて、よかった。

  ふふ、一緒に行くW好きな人W
  わたしで正解でしょ?


[と眦を細めて、一歩近づく。
 腕もまた絡めるようにして、くっついて。
 もっとこの時間が続けばいいのに、
 今日という日をもう一度、始められたなら…
 ううん、今日みたいな日を、また彼と
 過ごすことができたらいいのに。

 …そのためにはやっぱり行動あるのみ。
 あとで、次はどこにお出かけするか、
 行きたいところをリサーチしなきゃ、と
 思いながら、ゆっくり歩いていくのだ。]*

 

[歴史を紐解き、語る楽しみに目がくらみ
 それが吐息が通う距離なのも気付かず。

 歴史の流れに小話を挟んで、
 周りの人々を妨げないよう、
 声を潜めて笑い合う。
 ふ、と我に返えれば
 色々恥ずかしくなってしまう。

 す、と掌を撫でると
 何故か今度は飛鳥が驚いて
 微かにはねる体に思わず
 手を離してしまった。]


  、っ、すまん……


[でも、どちらともなくもう一度手を伸ばし
 今度はもっと、しっかり握ろう。]

[歴史に興味があるわけでもなし
 飛鳥はそれでも俺の話を聞いてくれる。
 続きを促されると、俺はまた少し微笑んで]


  ……これは、香合わせの道具だな。
  香木の匂いでやる神経衰弱みたいなモンだ。


[そう、展示ケースの中を指して
 説明を始めるだろう。
 聞きたい、と言うだけじゃなくて
 大きくて真っ直ぐな目に促されるように
 頭の中にしまってあった
 知識をアウトプットしていこう。

 一人きりで展示ケースを眺めるだけだったら
 一生俺の中だけにあったもの。
 共有してくれる人がいるのは
 思っていたより、嬉しくて。]

[だから、展示品を見ている途中で
 飛鳥に胸中を打ち明けた。
 この不思議な気持ちを知って欲しくて。]


  …………そう、かもな。


[展示ケースの中の白雪姫達より
 鮮やかな赤の唇に、そう眉を下げた。
 
 今日が終われば飛鳥はお嬢さんに
 俺は颯介さんから江戸川さんに戻ってしまう。
 それを引き止めるにはきっと
 一言、俺から言えばいい。

 口を開こうとしたら、
 後ろからきた若い女の子達と
 とん、と肩がぶつかって
 俺はまた口を閉ざして、
 其方にぺこりと頭を下げる。

 また飛鳥の方に顔を向ける頃には
 口にする勇気が足りなくなっていて。]



  ……次は、アール・ヌーヴォーか。


[手を引いて、さらに奥へ。
 身を寄せて恋人みたいに過ごす時間が
 終わりに近付くと分かっていても。]

[そうして美術館の外に出る頃には
 空は黄昏色に染まっていたか。

 またバイクに跨り、ディナーに向かう前
 駐車場で俺は飛鳥を引き止めるだろう。]


  俺ばっかり、話しちまったな。


[あれだけ渋っていたくせに
 結局大はしゃぎしてしまったことに
 つい、頭をぽりぽり掻いて。]


  ……ここに来たのが、あんたと一緒で
  本当に、良かったと、思う。


[目線をアスファルトに落としたまま
 自分の気持ちを一言一言絞り出す。
 でも、まだ言えてない。
 これは俺の気持ちのほんの上澄みで
 正直で、真っ直ぐな飛鳥に歩み寄るには
 もっとはっきり言わなくちゃならないのに。]

[視線を、地面から沈みかけた夕日へ移し]


  ……今日が、終わるな。
  ………………まあ、もう少しあるけどよ。


[そう、呟いた。
 「今日だけ」が終わるのが嫌だ、と
 はっきり言いたいのに、怖気付いちまってる。
 空いた唇を、また閉じて。]


  飛鳥は、楽しんでくれたのかィ?


[そう問いかけて、自分の卑怯さに気付いて
 また視線を逸らす。
 ─────ああ、言わせようとしてやがる。
 「また来ましょう」を言わせて
 それに乗る自分、という形にしようと。]


[ねえ、颯介さん、あなたは今何をかんがえてる?
 どう思ってる?楽しかった?また来たいって、
 この展示に、じゃなくて、わたしと、また、
 どこかに行きたいって思ってくれる?

 全部、問い詰めたいけど、問い詰めない。
 面倒な女にはなりたくない。

 彼の望む言葉が全てあげられるわけじゃない。
 わたしは、わたしで、彼は、彼で。
 生まれ育った環境も、興味があるものも、
 好みも、嫌いなものも、きっと何もかも違う。
 全く違う、人間のはずなのにわたしはどうしたって
 彼に惹かれてやまない。

 はじめは一目惚れ。
 再開した時は、運命だと思って。
 距離を詰めていくたびに、そのやさしさとか、
 可愛らしさとか、かっこよさとか、
 いろんな面を見られるようになって、
 どんどん落ちていくのがわかったの。]

 


[繋がった手のひらは、わたしとの時間を
 もっともっと深く残るものにしたいって
 そう思ってくれてる?なんてまたひとつ、
 問いかけが浮かんで、消した。
 
 美術展の展示作品に関する疑問は、
 いくらでも問いかけられるのに、
 わたしたちの関係に対する問いかけは、
 どうしてだろう、少し縮まった今の方が、
 うまく言葉にできなかった。

 黄昏に染まる駐車場に出ると、夕陽が彼の
 愛機に反射してきらりと光った。]
  



   お夕飯、どうする?
   お昼はわたしが天丼って決めたし、
   夜は颯介さんの食べたいものにしよ。


[そう微笑みかけて、ゆっくりアスファルトの上を
 歩いていく。遠くで、歩行者信号の通行音が
 交差点に響き渡っていた。

 フルフェイスを取ろうと手を伸ばしたら、
 彼が口を開くから、一度置いて、
 そちらに向き直った。

 さっきは意識しなかった、呼ばれない名前が、
 どうしてだろう、今はやけに寂しく感じて。
 だけど、言えなくて、飲み込んでから]



    そう言ってくれてよかった


[と目を細めた。

 一瞬の沈黙の後、返事ではなく、
 落とされた呟きにとくん、と心臓が鳴る。]
 



[───聞いても、いいのかな。]



[迷うように開いたり、閉じたりする唇を
 見つめながら、じっとしていたら、
 問いかけが投げられるから、
 少し面食らったように目を開いて、
 それからまた微笑んで。 ]


   もちろん。
   すごく楽しいよ。


[あなたと同じ時間を、共有できたこと。
 同じものを見て、同じ知識を増やせたこと。
 その感覚を、知れたこと。

 なにもかもが、彼との一歩に繋がっている
 気がして、愛おしくて、嬉しくて、仕方ない。
 
 好きな人の、好きなものの話を
 聞くことが、楽しくないわけがないもの。]
 


[また来ようね、そう、言おうと思った。
 次はどこに行きたいって、さっき思ってた通り
 彼がまたお出かけに応じてくれるように
 リサーチしようって思った。
 思ったのに、そんなのが吹っ飛んでしまったのは
 彼が、わたしの背に腕をのばして、
 そのまま引き寄せて、体温が、重なったから。]


    っ…!


[びっくりして、少し体が強張ってしまう。
 今、抱きしめられてる?って客観的な
 自分に問いかけて、だけどその自分も
 きっと混乱してて、パニックで、
 なにも返ってこなくて、分からなくて。
 それで、それで、そっと、腕を
 彼の背中に回して、右手首を左手首で
 そっと掴んでぎゅ、と力を込めた。

 ああ、どうしよう。
 口から出てしまいそう。
 さっき仕舞ったはずの問いかけが。
 聞いていいか、迷ってやめた言の葉が。
 喉の奥に控えて、それで───]
 




  …さみしいって、  おもってくれるの?


[こぼれて、しまう。]


   ………ね、


[そう、問いかけて体をそっと離せば、
 彼の方を見上げて、二度瞬き。
 それからゆっくり背伸びをして、顔を近づけて
 夕日が、目端に映る。
 白線がオレンジ色に染まる時間。
 微かに夜の様相を整え始めた空を背に、
 近づくたび、ゆっくりとまつげを伏せて。

 触れる直前、窺うように見つめ。]
 




   わたしは、離れるのが寂しい。
   まだ、帰りたくない。


[そう、告げて───だけど、勝手にキスするのは
 あまりに自分本位な気がして、やめた。
 そっと顔を離して、背伸びを元に戻した。]


   …お夕飯、食べるもんね、
   まだ、一緒にいられるかっ


[そんなふうに笑って、額を彼の胸に
 とん、と着いて息を吐いた。

 焦らない、焦らない。
 せっかく、こんなに近くまで来てくれたのに。
 短く息を吐いて、また顔を上げて。
 にっこり笑ってからまた、背伸びして、
 その頬に挨拶のような軽いキスを。]
 




   これでがまんする。

   ………ふふ、ごめん、ごめん。


[じゃあ、行きます?と問いかけて、
 さて、彼の選ぶ夕飯の場所はどこだろうか。]*

 

【人】 ぷにぷに アポス

 あたまのてっぺんだけにもふもふがある意味はなんなんだ…。
 さむいときにも意味がないのでは…っ??

[ ふしぎなでんせつのイキモノを思い出しながら唸る。ねこみたいなもふもふもないし、鳥みたいな"はね"もないし、そう。話しかけてきていたのだ。>>24

 "にげん"だと思い出したのはいいとして、>>25
 ほめたたえられるとまんざらでもなさそうにドヤッと身体をそらした。
 賢い我が友に賢いと褒められるのはきらいではない。ふんす。
 興奮したのはこちらも同じ、友人の六本がせわしなくうごくのをみて、
 こちらもついぴょんこぴょんこぴょんこと飛び跳ねてしまった。

 しかし店のサイズの話にゆっくりに頷く。>>26
 猫の集会所にぷにぷには入れて貰えないのと同じ話だ。
 そういえば行先は猫の集会所ではなかったが、でんせつのイキモノの住処だったのであのねこはとてもすごいとおもう。もしかしなくてもにげんのなかよしなのだろうか。すごい。

 我が友はさすが我が友であり、>>27
 提案をすばらしいと言ってくれると信じてはいたが、
 実際に聞くと嬉しくてぴょこんっと跳ねてしまった。]

 そうだろうともっ!
 さすが我が友!

[ 話が早くて助かる。こっそりと入り口を少しだけ開け、隙間から店を覗き込んだ。]
(33) 2021/05/25(Tue) 5:57:27

【人】 ぷにぷに アポス


 ほんとだ……。
 ぷにぷにもかたちが違うが、
 そこまでの"たようせい"はなさそうだ……。

[ 自分や友人のように形が離れすぎているように見えないのは、共通点を探すうえで楽な気がする。基本的なからだのかたちはおなじだろうか。
 でもそれ以外が全く違うようにみえて目をぱちぱちさせた。
 どれとも似ていて、どれとも違う姿…、むずかしい。が、]


 おりじなりてぃ、というものが試されるな…っ!

[ ここが頑張りどころだと思うとワクワクする。

 観察している時に気付いたことがある。

 おなじイキモノ同士にそれぞれ言葉はある。
 でもぷにぷにはぷにぷにだから、ねこやとりのことばとは違う。"にげん"も違うのかとおもいきや、"にげん"の言ってることは意味が解るような気がした。いやぽかんとしすぎててなんていってたかおぼえてないのだが……。ことばが通じないの心配はなさそうで安心する。が、ふしぎだ…。さすがでんせつのいきもの。すごい…っ!

 友人の揚げ連ねる特徴を聞きながら、こちらもフムフムと見る。>>29
(34) 2021/05/25(Tue) 5:57:46

【人】 ぷにぷに アポス


 さきっぽのかずもそろってる…か?
 何本あるんだろう。

 "にげん"はどれくらいのかたさなんだろうか。
 ぷにぷによりもぷにぷにはしてなさそうだ…。

 でっぱりにもいろやかたちがあるな?
 ないのもいる。

 あとやたらと穴がある…か…?

 あっ、まるとさきっぽの色、おなじだ…!
 あれ!?ちがう時もある…!?
 
(35) 2021/05/25(Tue) 5:58:04

【人】 ぷにぷに アポス


[ 特徴を観察しながら摺合せ、友人と同じように頭に入れた。
 友人の呼吸音がきこえる。ごくり……と空気をのみこんだ。>>30

 そうしてみていると、友人が変化の能力を使い始める。
 おお、おお、おおお〜〜〜〜〜っっ。]


 に、"にげん"だ……っ!


[ お店の中でみた姿とそっくりそのままに最初は見えて、おお〜〜〜と声をあげる。]

 凄いっ かんぺきではないか!?
 目に"でっぱり"がある"にげん"だっ!

[ きゃっきゃぴょんこぴょんこと飛び回って喜ぶ。
 確かめてほしいと言われると身体で頷いた。]
(36) 2021/05/25(Tue) 5:58:25

【人】 ぷにぷに アポス


 おお、あるくのむずかしいのか…。
 できるかな…。

[ ぴょこんとこちらも一歩近づく。
 目が合って、顔のパーツが細かく見えると気付いたように声をあげる。]

 あっ?あながすくないかも!
 まんなかとか、よこがわとか。

 あとはあとは…

[ と、ぴょんこぴょこんと四つん這いの周りを跳ねまわりながらチェックし、つくりの甘い部分を指摘した。完璧な指摘はできなかったかもしれないが。友人の造形が終了次第こちらの番だ。]

 かんぺきじゃないか……!?
 さすが我が友!

[ ぴょこんっと跳ねると、目のでっぱりの下あたり。ここが顔だとするとほっぺただろう。そこにぷにっと自分のほっぺたをくっつけた。仲良し相手に体をくっつける、親愛のぷにぷにである。>>1:51
(37) 2021/05/25(Tue) 5:58:43

【人】 ぷにぷに アポス

[ そうしてちょっと離れると深呼吸をする。
 ふー。はー。ふー。げほっ。すうーーーーーーーーーーーーーーーっ。]

 よお〜っし…!

[ ぐっと力を込める。
 緑の体がまあるく大きく膨らんでいって、ぷしゅ〜と輪郭を整えていく。でこぼこ。色艶もかわってゆく。てっぺんにもふもふをくっつけ、でっぱりはなしにしてみる。横の二本のさきっぽの色違いがかっこよかったのでそれも真似してみた。]
(38) 2021/05/25(Tue) 5:59:00

【人】 にげん? アポス


 どうだっ!
 これが"
にげん
"だ…っ!

[ わかれたさきっぽが6本あったりしかくとまるの接続部分がちょっとずれていたりとしたが、指摘されるとちょいちょいなおす。他にも作りがあまい場所はあったがパッと見て問題はないようまでにはなったと信じたい。]
(39) 2021/05/25(Tue) 5:59:35

【人】 にげん? アポス


 こんなものか…っ?
 フム!

[ ぴょんこっ。

 動こうと思って、思わず下の二本でジャンプしてしまった。]

 あれちがう。
 にげんはこんな動きしてなかった…。

[ えーと、と下の二本をゆっくり離してみる…。ずずず。ぺたん。二本が地面にきれいにぺったりとくっついてしまった。]

 ムム…。
 むずかしいな……。

[ ぴょこんと跳ねるとまた直立に戻る。
 壁に体の一部を預け、片方ずつを出す練習をはじめる。

 元々体の下にいっぱいある友人にコツを訊ねながら、"にげん"として歩く練習を暫し続けた。歩けるようになったら、次はいよいよ店内への挑戦だ…!]*
(40) 2021/05/25(Tue) 5:59:59