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【人】 純真アンサンブル リッコ感覚を研ぎ澄ませて──ピク、と眉を顰めて戦闘体制をとる。 ピックを手に相棒を構えて、近づく者に反応した。 これは、同じように探索していたのか。 それともサアヤをここで捕縛したからこそ張っていたのか。 それとも、イーリスの情報を…? 様々な可能性を考えながら相対する敵に視線を向ける。 けど。 現れた相手に私は目を見張った。 「ユスターシュ様…!?」 >>0:26私はその人を知っていた。 ユスターシュ様は姫様の婚約者。想い人であり、今もまだ恋焦がれる人。 ──私の、恋敵。 それが何故。 (5) 2023/10/12(Thu) 22:13:21 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「…宝石の名すら忘れてしまったの? 私たちは敵対する必要はないはず。」 けど、警戒は解かない。 もし彼が裏切り者ならば──これ以上姫様の心を傷つけさせたりはしたくない。 知られる前に彼を殺してしまわなければ。 それが無理でも、…明らかに彼が敵であると言う事実を掴んで、姫様に諦めさせる必要はある。 それならば戦わなければならない。 彼を睨みつけつつ、私は指先に魔力を集め高めていく。* (6) 2023/10/12(Thu) 22:13:48 |
【人】 純真アンサンブル リッコ彼は確かにユスターシュ様の姿をしていた。 けれど魔力を練り使うその先は精霊の召喚。 その事実に、指先の魔力を相棒に伝えさせていく。 相棒に魔力を込め、私自身の魔力を高め、次の手に行くために。 ただ、近づいてくる魔力がある。 ああ、矢張り気付いてしまわれた──! 「姫様、ここは私にお任せを!」 そう、振り返らずに告げたのだけれど。* (17) 2023/10/13(Fri) 6:37:00 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「姫様…!!!」 私は絶望的な気持ちで姫様を呼んだ。 戦う時はチアキと呼ぶことを許された姫様だったけれど、戦いの場でそう呼ぶのは初めてだ。 だって仲間だったから。 … 仲間でしかなかったから 。「いけません、何かの罠かもしれません…!」 咄嗟に地を蹴り姫様に手を伸ばす。 届いたなら、私の方に引き寄せようと。** (20) 2023/10/13(Fri) 6:39:25 |
【人】 純真アンサンブル リッコ姫様は呆然としていたようだ。 当然だろう。突然現れた行方不明だった想い人が、自分のことを忘れて敵になった状態なら。 アイツは姫様を躊躇うことなく攻撃してきた。 「姫様!しっかりなさってください!」 間一髪剣を避ける事ができたものの、このままでは姫様は戦う事ができない。 正気に戻るか、引いてくれるかしてくれたら良いのだけど…。* (30) 2023/10/13(Fri) 21:15:05 |
【人】 純真アンサンブル リッコ戦闘体制に入ってくれた姫様に安堵する。 それと同時に、確かに彼は姫様の婚約者であったのだと確信されてしまい歯噛みした。 負けてなるものか。 あんな泡なんて蹴散らして仕舞えば良い。 姫様のシールドに頼るまでもない。 相棒を手に私はシールドを超えて振りかぶり、その泡を蹴散らそうとしたところに姫様が私を呼ぶ声がした。 「えっ?」 破砕された泡は分散する。 けれど私の魔力を通した相棒は私の体の一部と誤認されたのか、泡に絡め取られていっときその動きを捉えられた。 私の動きは相棒を止められた事で予測を狂わせ、その場に回転の勢いのまま崩れてしまう。 そして、その後に連射されていた泡に四肢を絡め取られてしまっていた。 四つ這いの姿勢で捉えられてしまって。 「しまった…!?」* (33) 2023/10/13(Fri) 21:16:33 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「姫様!近づいてはなりません!」 四肢を捉えられ締め付けに眉を寄せながらも叫ぶ。 あんな男に近づいてはいけない! なのに姫様は近づいてしまわれた。 しかもそんな時に一般人…しかも見知った顔にカッと頭に血が上る。 「滝沢…! 何でここに!? 姫様なりません、お逃げください!」 必死にジタバタと四肢を解放させようともがいたから、無様に体を揺らし滝沢の前でお尻を揺らしてしまうことになるんだろう。 でも、私は必死で姫様を止める。 短いスカートがヒラヒラと心許無く揺れた。** (46) 2023/10/13(Fri) 23:06:02 |
【人】 純真アンサンブル リッコ私は男が嫌いだ。 男というだけで姫様の相手に相応しくなるから。 男は基本的に乱暴で、理性に欠けて、汚らしい。 体の質もマナの質も違うし、女のように良い匂いもしなければ守りたくなるような柔らかさも無い。 だから私は男が嫌いだ。 幼い頃、世間的には良い人でありながら、母や私を殴り狼藉を働いた父や兄の姿を見ていたからもある。 だから私は男が嫌いなのだ。 それはこの世界に来てからも変わらない。 女性には敬称を付けるが、男性にはそっけない。男子生徒は呼び捨て、教師には仕方がないから先生とは呼ぶがそれだけ。 そんな中で、滝沢とはどんな関係だっただろう。 同じクラスの不良生徒。素行が良いとは言えなかった。 彼に限らず、私は男子にそっけない。 そして、たかが一般生徒の男子にもそうそう力負けしたりもしない。単純な力ならまだしも、戦闘面においては此方は鍛錬しているのだ。 だから、どこかで絡まれた女子を助けた場面を見られたことはあったかもしれない。 成り行きで彼を助けた事もあったかも。 それとも、そんな事何も無いただのクラスメイトだったのだろうか。 そのどれであっても、私は滝沢の名前と顔を認識はしていたし、不良生徒である事も覚えている。 ──姫様に一番近づけたく無い人種だったから。** (47) 2023/10/14(Sat) 5:34:03 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「なっ…。」 言葉を失った。まさか姫様が膝枕するなんて! けれど、失態を演じた私は何もいう事ができない。 護るべき護衛が主人に助けられてしまったのだから。 主人が求めるものを壊そうとしてしまったのだから。 だから悔しさに顔を顰めながらも変身を解き、校舎内に入っていく。 ユスターシュ様の消えたあたりに行こうと考えたけれど…もう魔力を使っての捜索は控えるしかなさそうだ。* (56) 2023/10/14(Sat) 12:47:40 |
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