203 三月うさぎの不思議なテーブル
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
| ―― 帰り際 ――
[ お手洗いに寄り、 ジャケットを脱ぎ、ネクタイを外し スカジャンを羽織る。
伊達眼鏡は外し、店を出たら サングラスをかけるつもりで。
作戦通り誰かと伴って店を出られたかは 分からないが、少なくとも、 玲羅先輩が一人で帰るようなら、 駅まで送ろうと声はかけたはず。
一度は会計を終えて、出口へ向かったが、 ]
――……、ごめんちょっと 三分で戻る。
[ 同行者や見送りの誰かが居たら 一言声を掛け、店内へ戻っていく。 ] (3) 2023/03/07(Tue) 1:30:37 |
| 瑞野さん、 ……お兄さん [ 名字で呼び掛けて開いた口を一度閉じ、 お兄さん、と呼び直す。 どこまでこのまま行くのかは君次第だが、 意地になってしまっているのは否めない。 ] (4) 2023/03/07(Tue) 1:31:03 |
| ……、
『この間は行けなくてごめん』 『今日はあまり話せなかったね』 『デザートの約束、覚えていてくれただけで 嬉しかった』
[ 掛けたい言葉はいくつもあったのに、 そのどれも、音は伴っていなかった。 ] (5) 2023/03/07(Tue) 1:31:24 |
| また来るけど、それまで我慢できそうにない。 今日こそ、名前を教えて。
[ 教えてもらっても?聞いていいか? そんな疑問符は、伴わない。
生きてる音が、こんなにも騒がしい。* ] (6) 2023/03/07(Tue) 1:31:46 |
| (a2) 2023/03/07(Tue) 1:38:32 |
|
――……ナギ。
(29) 2023/03/07(Tue) 2:46:52 |
| [ ほとんど無意識で、 彼の言葉 >>26をなぞっていた。 伏せた視線が、上がる。 ――……そしてまた、一つ、 燻る思いの名に近づいていく。 ] (30) 2023/03/07(Tue) 2:47:13 |
| 那岐くん ――……ありがとう、あの、 また、来る。またね、 ごちそうさまでした。 [ イザナギノミコトの那岐、文字がはまって、 漸く、君の輪郭 >>27がはっきり見えた気がした。* ] (31) 2023/03/07(Tue) 2:47:23 |
| [ さいしょの約束は、果たされた――。 ]
いや、まさか。
[ それは自室での呟きだ。 皆が知っている名前ひとつ、 漸く手に入れたという有様なのに、
音が、止まない。 あれだけいつも冷えている指先が、 熱を失わない。
でもその正体を、知ってはいけないという 警告音も確かに聞こえるのに、 冷静な判断力を失っていたのかもしれない。 ] (34) 2023/03/07(Tue) 3:07:25 |
| [ 意識的に行っていたわけではない。 という言い訳を、させてほしい。 ]
顔、見に来た。
[ そして決して仕事を疎かにしては いないとも。
知りたかった。訪れるたび、 なにか一つでも、那岐を。
自然と、週に一度か二度だった 来店は、二日とおかず、という頻度に変わった。 ] (35) 2023/03/07(Tue) 3:08:01 |
| こういうの、好き?
[ そして、会話もまた。増やしたというか 気づいたら増えていたかな。 聞き役に徹することの多い彼から、 いくつでも、引き出さんと、饒舌に。
スマホの画面を見せながら問うた。 画面上には、地方へ赴いた際の景色や ついでに訪れた観光地のマスコット等。
実家の犬まで多岐に渡り。 ]
ここ、気に入ってるんだ。小さな湖の近く。 夜は特に静かで、なーんもしないを やりにいく。
一時間ちょっと、バイク走らせて。 夏に行くと、ちょっと賑やかだけどね虫の音が。
[ 数少ないオフの日の事も、思いつくままに ――言うなれば、後先考えず 話した。 ] (36) 2023/03/07(Tue) 3:09:26 |
| [ そうしていくつかの日を過ごした後。
トークアプリでの会話も、 いくつかあった。そのうちの一つ。
『休みの日、いつ?』
迷った後にやはり、追伸を。
『これは、どこか遊びに行かないかっていう 下心のある、質問です。』
送ったその日はそこそこ後悔したし もっと言葉の選びようがあったと 頭を抱える羽目になった。
普通に考えれば――。 ] (37) 2023/03/07(Tue) 3:09:55 |
| [ そう、普通に考えれば 同性の友人の言葉としてなら なんの問題も、ないその言葉の先に ]
………俺 ヤバい奴だったのか
[ あの日、燻って消えかけそうになっていた 思いの名を、知った。 ]
キモいとか言われても、 ごめんねで済ませられないな もう。
[ だけれどどうしても、 知らないままのほうが良かったとは思えなくて。 ]
これっきり、返事来なくなったら どうしよ
[ ――その時は素知らぬ振りを、できるだろうか。 気さくな、よく来る常連客の顔なんか、
もう、覚えちゃいないってのに。 判断力、今頃戻ってきても、もう遅い。** ] (38) 2023/03/07(Tue) 3:10:41 |
| (a8) 2023/03/07(Tue) 3:13:26 |
― 白うさぎは混乱中 ―
[ 分かってるのに、ちゃんと聞きたくて嘘をついた。
そんなちょっとした我儘で零した「勘が良くない」を
可愛い嘘、なんて言われて大咲は更に混乱する。
あのもう頭と頬と胸全部が熱くて、砂糖みたいに甘くって
限度を超えてしまいそうなんです。
平常心、平常心……と言い聞かせるよう心中で唱えながら
そういえば、お互いのこと、実はあんまり知らないなと
気付いたのは 連絡先が差し出されてから。 ]
……合意がある場合でも、ナンパって、言いますかね
[ 出来れば、その、ナンパじゃなくて。
貴方が好きなんですって言うための、…ううん
私と貴方を知るためのチケットに、なりませんか。
なんて思いも込めて、掴んだ服。 ]
……〜〜〜!?
[ 駄目です大咲キャパオーバーです助けて店長!!
いや店長ヘルプしてもらっても解決しませんが!
「待て」ができなくなるとか可愛いとか
そんな、これ以上わたしを熱くさせてどうするんですか。
何かを堪えるように唇を噛む神田と同じくらい
間抜けなきょとん顔と赤い頬を晒した大咲は
「終わったらすぐ連絡するのでっ」と言い逃げて
厨房を抜け、バックヤードへ駆け込み、
いつの間にか鎮座している新顔を抱きしめた。
製作者によもや目撃され、可愛いと思われていたり
貴方の心の中の主張なんか勿論知らぬまま
白うさぎは落ち着くまで忙しさも忘れ、
焼きたてパンみたいなふわふわうさぎで心を落ち着けた。* ]
― うさぎの穴から出た後は、 ―
[ 二連トラブルがあってもうさぎの穴は営業を終えた。
大咲は爆速で洗い物や後片付け、在庫確認、
明日のランチ向けの軽い仕込みを手早く済ませる合間。
店へ個人置きしているタンブラーをひとつ持ち出し
いつもお客様へ提供するのと全く同じ手間と時間を掛け
淹れたコーヒーを、タンブラーに注いだりも。 ]
ごめん皆、クローズ作業終わったからもう帰るね!
ちょっとあの、大事な用があるんだ!
[ 制服から私服へ着替え終え、鏡で前髪を整えると
面々に声を掛け、大咲はスカートを翻した。
黒色のドレープ袖のブラウス、白のマーメイドスカート。
クリーム色のボアカーディガンを羽織り、
タンブラーを鞄へ仕舞って、スマホを取り出せば。
渡された連絡先、…声が聞きたくて電話を選ぶ。 ]
あの、……大咲です
今退勤したから……えっと、会いにいって、いいですか
すぐ向かう、ので!
[ 神田ブレンドのコーヒーは
まだまだ寒い春先の夜の中、待ってくれたお礼として。
在庫ちょっと勝手に使ってごめんね店長!
人生掛かってるんです、可愛さに免じてゆるして!
そう。店長やスタッフ達には遠慮も照れもなく
「大咲かわいいもんね〜」とか言えるのに。
なんで一人の言葉に、あんなに乱されたのか、とか
解答欄はとっくに埋まってる。
きっと通知音に気付いてくれた貴方がいる場所へ
時計うさぎみたいに慌てて向かえば、
貴方はどんな顔でそれを迎えてくれただろう。 ]
ごめんなさい、お待たせしました、神田さん
これ……寒かったと思うので、良かったら。
……えっと。家の方向、どっちですか?
私、ここから一駅だけ電車に乗らなきゃで。
でも終電までまだあるし、明日はシフト無い、ですし。
ちょっとだけ、ゆっくりめに歩いて、いいですか
…………顔見ながら、話したい……です。
[ もし話し終えるだけの時間がなければ、電話でも。
そんなことも頭を過ったけれど
特別、な貴方には、やっぱり直接聞いて欲しい。
徒歩圏内に家があると教えて貰えるのなら
何だったら、近くの公園へ寄り道をしてでも。 ]
[ どうするかの結論はともかくとして。
コーヒーは無事に神田の体を温めるには至れたか。
いつもなら気兼ねなく歩ける見慣れた道も、
今日ばかりはまるで異世界みたい。 ]
……改めてみたいになるんですけど。
うさぎ、喜んでくれて、ありがとうございました。
誰かにこの話をするの ……初めてだから
上手く話したり出来ないかも、しれないですけど。
聞いてくれますか、──知りたいって言ってくれたこと。
[ 伺うように、瞳を見上げる。
肯いてくれたなら、今まで誰にも言いたくなかった、
──言えなかった過去のことを、貴方に話したい。
同時に、抱え続けていた夢の、もうひとつも。* ]
[がっついている自分を見せるのが恥ずかしくてつい「ナンパ」なんて言葉で自分の行動を茶化した。
それなのに、ああもう。
「合意」なんて言ってくれちゃって。]
っは〜〜〜〜〜〜
[外で待つ間、桃色に染まった顔を思い出す。
その顔を見る前にもう、心は彼女のことだけを求めていたけれど。]
……ああもう堪んないな。
落ち着け僕。
[自分が心を向けることであんな表情を見せてくれるのかと思えば、跳ね上がった感情が身体を渦巻いて気を抜いたら叫びだしそうになる。
店の真向い、もう灯りの消えているビルの壁にごちんと頭部をぶつけた。
火照った頬から冷たい壁が体温を奪っていく。]
――通知音――
はい、神田です。
[退店してから今まで時間はあった筈なのに、余裕なんて全然手に入らなかった。
驚くべき速さで通話ボタンを押し、緊張があからさまな応答をする。
]
向かいのビルにいるよ。
もう車も殆ど通ってないけど気を付けて。
――逢いたい。
[待っていると約束をした自分に「会いに行っていいですか」と言ってくれるものだから、先程まで同じ空間にいたのに胸がきゅうと苦しくなった。
いつもより近くで聞こえる、いつもとは少し違う電話口の声。
同じ条件で自分の声を聞く彼女も同じ胸中でいてくれたらいい。]
[程なく駆けて来た彼女の姿を見つけて片手を挙げる。
嬉しさを隠せない緩み切った表情は、暗がりで真白の瞳にどう映っただろう。]
お疲れ様。
忙しかったのに帰り急かしちゃって此方こそごめんね。
わあありがとう。
そわそわしちゃって口が乾いてたから助かる。
[タンブラーを受け取って早速蓋を開ける。
すぐに立つ湯気の香りは自分ブレンドだとわかれば、飲む前にもう身体の内側が温かい。]
私服初めて見た。
可愛い。
あーもう僕「可愛い」しか口に出せなくなりそ。
[一口飲んで蓋を締め直すと、見かけた時からずっと思っていたことを言わずにはいられなかった。
タンブラーを持ち替えて、片手を差し出す。
んん、と喉を鳴らして心の準備。]
まだ寒いので、手を繋いでもいいですか?
[自然に繋げる程スマートな男ではないので背伸びをせずに正直に誘います。]
終電あるないに関わらず送るつもりだけどね。
一駅くらいなら歩いても帰れるし。
僕ん家はすぐそこ。高層マンションて訳じゃないからここからは見えないけど。
じゃあ、ゆっくり歩いて、少し遠回りしようか。
[近所なので土地勘はある。
駅を一度通り過ぎる形で散歩道に。
桜はまだだが梅は綺麗に咲いている。
電車が動いている時間では人通りもある程度あって、歩きながらでは真剣な話は難しいか。
その先にある公園のベンチまで、歩幅を合わせて二人で。
今日の料理の感想を改めて喋ったりしながら。]
こっち来たことある?
今は草しかないけど、5月の前くらいになったら藤棚が綺麗だよ。
うーん、草の屋根程度じゃまだ寒いかな。
これ使って。
[モバイルプリンターも入る大きなリュックには、仕事先の椅子が冷たかった時に使う携帯用座布団が入っている。
バッテリーを接続してスイッチを入れれば、程なく温かくなる筈だ。
外のベンチで綺麗なスカートが汚れるのも嫌だしね!と強調したから、自分がベタにスカート好きの男だということはバレるかもしれない。**]
[ 数コールどころか、覚悟の間もなく音速で通話が始まる。
ナンパだと茶化した真意なんて知らない大咲は
「緊張しているのはお互い様なのかな」なんて考えて、
第一声に微かに咲いながら。 ]
……私も、逢いたいです 待っててください
[ 待ってるって、約束してくれた。
それは理由や場所は違えども、これで二度目。
通話が切れ、はふ、と知らずのうちに息を吐く。
胸が苦しくて、でもそれは嫌な息苦しさじゃなくって、
そわそわするような 込み上げてくるような。
貴方もそんな胸中だったかな。…そうならいいな。 ]
[ そうして駆け寄った先、片手を挙げる彼の姿。
夜の暗がりでも分かる緩み切った表情に滲む色。
直視すると照れてしまうと分かっているのに、
目を逸らすことは 出来なかった。
急かしてごめんと謝られれば、気にしないで、と笑いかけ
タンブラーを手渡して。
落ち着いていたはずの心がまた爆発した。 ]
か、かわい、ぃ ……です……?
……ぅ。
神田さんにかわいいって言ってもらえるの、嬉しい、けど
…………照れちゃう、ので……控えめで……。
[ 言わないで、とは言いたくないけど。
ああ今日もっと可愛い私服で来るんだった。そんな矛盾。
服の好みが知りたい。彼の好きなタイプのことも。
高野といつだったか交えていた気になる人談義、
こっそり、こっそり、大咲は聞いていたけれど
結局収穫は得られないままだったから。 ]
……ッはい。
私も、手。……繋ぎたい、です
[ 正直な誘いには、頬を赤らめながら
きゅう、と柔く彼の手を握った。
スマートに自然に繋がれたら、慣れてるのかな、とか
そんな風に少し、もやもやしてしまったかもしれない。
だから。聞いてくれて良かった。 ]
え。でも、一駅分送ってもらうなんて、申し訳ないです
お家が近くなら余計に。
営業後の仕込みで終電逃した時も歩いて帰ってますし…
[ そう。この業界は帰宅が遅いのだ。
寒空の中待たせた上に一駅も送らせるのは、と思えども
けれど「じゃあ後日」とはなれなかった。
彼が進むまま、駅を一度通り過ぎ、
梅が春を報せる道を不意に眺めながら。
歩幅を合わせてくれているだろう彼に甘えつつ、
穏やかに語らいながら、公園のベンチまで。 ]
いえ、普段出勤ルートしか歩かないので……
良いですね、藤棚。見たいな。
いつもお店のことばっかり考えて、花の移り変わりとか
……そういえばろくに見てなかったかも……
[ 問いには首を横へ振り、春の訪れを想いながら。
春夏秋冬の彩りを楽しむことを、こうして教えてもらって。
背負っている大きなリュックから取り出された、
温かさを与えてくれる携帯用の座布団に目を瞬かせ。 ]
…良いんですか? ありがとうございます。
…………ふふ、スカート、好きなんですね?
[ 遅れて耳へ訪った強調は流石に察するものがある。
大咲も好きで制服にスカートを選んでいる。
お揃い、だ。
少し揶揄うように笑い、それからそっと、息を吐く。 ]
[ 神田が横に座れば、大咲はぽつりと口を開く。
強調された言葉によるスカート好きの露呈により
僅かに緊張は緩んだけれど、無くなったわけでもない。 ]
んー……どこから話せばいいかな。
ちょっと話すの下手でも、許してください。
私ね、母子家庭で。
物心ついた時からお母さんしかいなくて、多忙な人で。
机の上に毎朝置かれてるお金で生活してたんです。
[ 何の仕事をしているのかも、良く知らない。
ただお金は置かれ続けていたから何となく
多忙な人なんだと思っているだけ。 ]
で、小学校の……高学年くらいのころだったかな
お母さんが作れないくらい忙しいならと思って
興味もあったし、料理し始めたのが切欠でした。
美澄くんのおばあさんがやってたお店。
あそこで食べたあったかいご飯が美味しくて。
大事な人と、一緒にご飯食べたいなぁって、
……そんな思いも、ちょっとだけ。
[ まあ最初は悲惨でしたけどねぇ、と茶化した。
重い空気にしてしまうのも嫌で
別に、それ自体を引きずっているわけでもなくて。 ]
毎日作った料理を置いておくんです。
そしたら朝起きて、一口も食べられないまま残ってて、
でもお金は毎朝置かれてて。
[ 嫌いな食材も知らない。アレルギーでもあるのかも。
そんな風に思いながら、そんなわけないと知っていて
何年も。 ]
高校一年の母の日に、初めて、ケーキを作ったんです
周りに何を言われても、お母さんは
お金をかけて私を育ててくれたから。
お礼のつもりで、これなら食べてくれるかなって。
そしたら、……次の日、捨てられちゃってたんですよね
料理は捨てずに残すだけだったのに、
わざわざ捨てるくらい迷惑だったんだ、と思って。
私がお菓子を渡すの、迷惑だって思っちゃうのは
ずーっとそれを引きずってるだけなんです。
[ 寒々しい筈なのに、不思議と寒くないのは
彼が用意してくれた温かい座布団のおかげでもあり
きっと繋がれたままの、手の温もりがあったから。
「いやー、そっからは数年荒れましたねえ」と言って
えへ、といつもと変わらぬ笑みを浮かべた。 ]
でもやっぱり、料理が好きなんです。
だから生まれ変わるつもりで、今のお店に頭下げましたね
作ったものを食べてくれるだけで十分嬉しいし、
喜んでくれたらもっと楽しい。
美味しいって言ってくれる人はいっぱいいるけど
神田さんは特に、幸せプラスとか、色んな感想とか
"また私のクッキーが食べたい"……とか。
……多分、神田さんにとっては何気ない言葉でも
私にはなにより欲しかった特別をくれました。
勝手に救われた気になってたんです、……重いですけど。
[ 一回だけ作ったのは、ここでなら、と思えたから。
でもやっぱり怖くて一歩下がり直してしまったとも。
知って欲しくて話す時間は随分長く感じたけれど
まだ告げたいことは、ひとつあるのだ。 ]
私、お母さんのことは恨んだり嫌いじゃないです。
育ててくれたのは本当だから。
正直まだ、お菓子…特にケーキを作るのは怖いです。
……でも、いつかもし、大事な…特別な人ができたら
いつか作っていきたいって、ずっと、思ってて。
あの。…………あの、ですね
[ 言い淀む。
けれど"言わずに後悔した"過去が大咲の背中を押した。
どんな顔で聞いているか、怖くて見れずにいた神田の方を
恐る恐る見上げて、髪を揺らして。 ]
神田さんのこと、好きです。
……お客様としてとか、そういうのじゃ、なくて。
いつか特別な人に作りたいと思ってたケーキ、
神田さんが、食べてくれませんか。
他の、まだ作れないお菓子も全部、一番最初に。
後、あと、……一緒にご飯も食べたいです。
[ だから、"勘の良くない"私に、
どうか頷いて 答えを教えては、くれませんか。** ]
| [ いつだって、誰かのおすすめを。 そんな注文の仕方をしていた。 それは、通う頻度が変わっても、 多分変わらなかったと思う。ただ、 ]
この前食べたピザ、美味しかったんだ 誰が作ったんだろう?
[ 事前に『今から行きます』とか、 『20時頃に、行くね』とか。送れる日は送ったし 仕事の内容的に今なら寄れる、だとか思えば ふらりと、寄る日もあった。
君の手が空いていれば、なにか作ってと ごく自然に頼むこともあったけど、 近くにいたのが他の誰かでも、同じように 注文はしたし、迷惑になるほど長居はせずに さくっと帰宅することもあった。 ] (116) 2023/03/07(Tue) 17:07:32 |
| そう、贅沢なんだよ。 その日何があったとかも、明日何があるとかも 何も考えないで、ぼんやりするんだ。 時々、ああ、鳥が飛び立っていったな 水が跳ねたな、魚かな とか その場で起きたことだけ、目の前を通り過ぎて 行く感じで。 [ 人のざわめきのない世界の良さを語る。 話している相手の後ろに、その景色を夢想しながら。 バイク、いいですね。 >>55と彼が言う。 ] 乗ってみる?後ろ。 機会があれば。 [ それこそ、夢みたいなことを口にすることもあった。 二つ返事で了承されるようなことは、 ないだろう、と思ったゆえに、冗談の延長のように。 だからこそ、気軽にそう言えた。 ] (117) 2023/03/07(Tue) 17:07:48 |
| [ 一日中、連絡を取り合わないと不安になる そんな人もいるらしい。話でしか聞いたことはないが。
彼とのやり取りは、増えたとしても、 一日一回程度じゃないだろうか。
今までも気づけば返事が来ている、 こちらも気づけば返事をする、負担にならない程度に。
会いたくなれば、行けば良いのだから。
送った後で、やっちまったと頭を抱え 現実を受け入れるため、もう一度 そのメッセージを読み直そうとしてスマホを手に取り ] (118) 2023/03/07(Tue) 17:08:03 |
| ぅわっ
[ 落とした。拾った。 メッセージの後方、相手がそれを確認したことが 読み取れる、既読の文字。 ]
ごめんなさい。
[ その謝罪は、スマホに向けて。
――ベッドサイドのチェスト上に、スマホを置き 床に正座し、という他人が見たら、 面白すぎる姿にて。
どれくらいそうしていたか。 ]
……え
[ 答え、ぽひゅん、とちょっとマヌケな音が、 耳に届くまで。 ] (119) 2023/03/07(Tue) 17:08:34 |
| えっ [ 慣れた動作で画面に流れる文字を追って、 一言 ] 現実? [ 『合わせられそうですか? >>58』 どう取るのが、正解なのか。 少なくとも、はぐらかされるようなことも なければ、よく見れば、 この日、この日と、候補が挙げられている。 いつ、という問いへの答えとしては 一つもおかしいことはないのだけれど。 ] (120) 2023/03/07(Tue) 17:09:01 |
| えぇぇ………、いいの
[ そのいくつかの候補、噛み合ったら どうするのだ。そんな気軽に、教えてしまって 全日抑えられたらどうするの。
迷いに迷って、そこから一時間くらいして ]
『ありがとう、調整する。』
[ とだけ返した。一時間も経てばリアルタイムな やり取りとは言えないだろうが、 それでも今までよりはずっと 早いレスポンスになっただろう。* ] (121) 2023/03/07(Tue) 17:09:26 |
| ―― 過日、玲羅先輩と ―― [ 指南してくださる先輩方の反応は様々。 笑う先輩、呆れる先輩、苦笑いを浮かべる先輩。 そんな感じだっただろうか。 真面目な顔して、 "ものすごく真剣に取り組んでいるのですが、向いてないですね" と言った事もあった。 ] そーね、リメイクされる程根強い人気の ある作品もあるしね。 [ 熱々のピザを頬張り >>2:486 カクテルを傾ける彼女の姿は、まさに ふくふくとした顔で笑う女性の理想像、そのもの だったように思える。 微笑ましい、愛らしい、そう思うのは嘘じゃない。 そういう姿を見るのは好きだ。 ] (122) 2023/03/07(Tue) 17:10:19 |
| ふっふふ、なんだよ、どうせって すっごい偏見 [ その姿から、経験豊富 >>60という言葉が 飛び出たら、笑いながら否定を示した。 ――……見るのが好きというのは、 見える場所から、見るのが好き、と同義であり ああ、と妙に納得した。 いつも口にしている言葉は、隣や近い場所ではなく 遠くから眺めるのが好きだったのかもしれない、と。 そういう好みのタイプ、を、 隣に置いて考えないのが、妙に自分らしい考え方だと。 愛らしい女性を隣に、気づきを得るところまで含めて。 ] (123) 2023/03/07(Tue) 17:10:51 |
| うん、俺が持っててもなかなか行けないし 出来たものは貰えるらしいし、 材料もあっちで用意してくれるみたいだから
[ 半笑いに何かしらの反応があれば ]
や、人に言うのは出来るくせになって 言うは易く行うは難し、を実感して (124) 2023/03/07(Tue) 17:11:10 |
| 出来るといーね、デート。 [ そう返した。 自分と彼女の、この"多少"気心知れた友人の距離では 彼女の転機になった恋 >>69の話や、 心無い自分勝手な欲望の塊から受けた仕打ち >>71 浴びた言葉 >>73までは、知ることは出来なかったし 聞くこともきっとなかっただろう。 ただ十七歳、まだまだアイドルとしては 成長期。下世話なことを言えば、売り時であった 彼女がふつうの女の子 >>0:11を選んだこと また今彼女はそのふつうの女の子として 彼女たちと同じように悩み、恋をしていること。 それらは知れる。知ればほんの少し、 声援ではなく、背を押せるなら、嬉しかった。 ] (125) 2023/03/07(Tue) 17:12:14 |
| [ だって俺たちは、 押し付けられた都合の良い偶像じゃなくて 今を必死に生きてるだけの、人間だからね。 ]
(126) 2023/03/07(Tue) 17:12:35 |
| お礼されるようなこと、ではないけど そうだね、悩んだら頼るかも。 [ いつでも聞く >>62と彼女は言う。 頼るかも、と俺が答える。 それらが近い未来、 "例えば先輩ならデート、どこだったら嬉しい?" というメッセージと共に、有言実行されたなら 彼女どんな顔をしただろう。メッセージ故、 表情までは見えないけれど。 ] (127) 2023/03/07(Tue) 17:12:47 |
| [ おすそ分け >>65されたクッキーを食べ 駅まで送ると揃って席を立ち、 帰り際、ほんの三分程、姿を消して 戻った後、いいことあった? >>66 とにまにました顔で聞かれたとしても、 ] うん。 [ そう答えるくらいには、 浮かれていたんだと思う。 今夜もまた、愛しい夜だった。 がんばれ、恋するふつうの女の子。 がんばれ、 ふつうの男の子。* ] (128) 2023/03/07(Tue) 17:13:04 |
僕は出来ない約束はしない主義なんだ。
[これは「かわいい」を控え目に、というお願いに対してだけれど。
これまでやこれから自分が結ぶ約束は、「できる」と確信しているものだという意味も籠っている。]
諦めて。
多分これ控え目になる日は来ないから。
[けらけらと笑う。
揶揄っている訳ではない。]
ああでも、誰か周りにいたら我慢しなきゃいけないな。
そんな可愛い顔、僕以外に見せたくない。
[我慢なんて出来るだろうか。
まだまだ知らないことはたくさんあって、知る度に「可愛い」が勝手に口から零れてしまうくらい、既に真白でいっぱいなのに。
――ほらまた。
肯定するだけじゃなくて、恥ずかしがりながらちゃんと「自分も」と伝えてくれるところが、自分は――]
この手が僕の幸せをつくってくれるんだよなぁ。
特に大きい方じゃない僕の手でも包めるくらいの大きさで、いつも。
ふふ、あったかい。
あったまり過ぎて手汗かいたらごめんね?
[予防線を張っておくのを忘れない。
既にじわりと滲みそうなのを止める術は持っていない。]
僕ができるだけ長く一緒にいたいからだよ。
登山が好きだから歩くのは全然苦じゃないの。
ああそう、車も仕事で必要だから持ってるんだけど。
次、仕事で終電逃した〜って時は呼んでよ。
駆けつけさせて。
[ぎゅっと手を握った。
今まで夜に一人で彼女が歩いている時に何かが起きなくて良かった。]
そうそう、勿体ぶる訳じゃないけど、
仕事の話は後でね。
藤棚は咲きそろったらまた見に来よう。
夏になったら小学校がひまわりの鉢植えずらーって並べるし、
秋は老人会の人が焼き芋焼いてお裾分けくれたりもする。
この冬に大人げなく中学生と雪合戦して負けたから次は別の楽しみ方考えてるとこ。
[公園に着くまでの会話は、浮かれているからか自分の方が饒舌だった。
尤もいつもお喋りだから、目立たなかったかもしれないが。
彼女のスカートが好きだというのがバレて指摘されたら照れて少し唇を尖らせて。]
スカートだけじゃなくて、その如何にも女の子って感じのデザインのブラウスも、モコモコの上も好みだよ。
[と白状した。
それを彼女が着ているから余計好きになりそう、とも。]
[ベンチに並んで座っても、繋いだ手は解かないまま。
荷物を下ろして、タンブラーは横に置いて。
彼女が気持ちを整えるのを待つ。]
ホントに嬉しかったからね。
僕も改めて、ありがとう。
[改めて礼を言われれば、礼を返す
前置きをする彼女の瞳をしっかり見つめて「うん」と返した。]
全部聞かせて。
順番もマシロちゃんが話したいようにで大丈夫。
[「初めて」。
あんなに仲の良いうさぎ達にも話さなかった、話せなかったこと。
知りたいと踏み込んだ覚悟は繋いだ手にもう片方の手を重ねさせる。]
――うん。
[それから始まった打ち明け話。
最初は彼女の家庭環境から。
料理を始めたきっかけを知ると「へえ」と眉を上げ、自分の記憶にもある店の話題に店主の笑顔を思い出しては目を細めた。
小学生の真白が悪戦苦闘をして料理を作る様子を想像して、茶化す言葉には「うんうん」と頷いた。]
――っ、
[ああそれなのに。
想像だけで可愛さいじらしさに頬が緩んでしまうのに、彼女のやさしい気持ちのこもった料理は。
話の腰を折りたくなくて堪えたが、上向いていた唇は下がり、眉根に皺が寄る。]
| ―― 事務所にて ―― 良い仕事しすぎなんだよな。 [ 謎は謎だから、良いものなのだ。 この謎が解き明かされる日が来るとしたら そうだな、十年後とか。 もしくは件のアーティストが何某かの アニバーサリーを迎える日に、 話題作りとして、話す分にはこちらは 一向に構わない、と伝えてある。 社員の一人が、いい出来ですよ、 実力のあるライターさんにも 見つけて貰えましたね そう言って見せてきた画面 >>19を見ての一言がこれ ] (134) 2023/03/07(Tue) 17:57:17 |
| 良い人なんだよ、実際 [ 知り合い?と問われ、そうだけど あの日来るのは知らなかったと答える。 ゲラはもしかしたら事務所宛に届けられて いたかもしれないが、その記事を目にしたのは 今日が初めてだった。卒のない仕事に見えるが その実、古参ファンに対する接し方や、 新規ファンのため入る補足説明など、 卒のないでは片付かない、それこそ 期待以上の仕事 >>21と言わざるをえず。 そっと白旗を掲げた。 今度あったら、一杯くらいご馳走したいね と思うくらい。 ] (135) 2023/03/07(Tue) 17:57:37 |
は?!
え。
[だが、母の日のエピソードは、それよりもなお悲しい記憶だった。
堪え切れずに険のある声が零れ、聞いた内容を反芻した。
彼女がお菓子を作るのに勇気が必要だった理由。
技術的に全く問題がないのに、「迷惑」と口にして恐れてしまう理由。
(なんだそれ。なんだよ。)
荒れましたね、なんてさらっと言う彼女の笑顔がいつも通りで、「数年」を折り畳むことにした彼女の苦労を思う。
生まれ変わるつもりで白うさぎとなって、たくさんの料理で人を笑顔にしながら、彼女はずっと高校1年生の自分を背負っていたのだ。]
っ、
[僕は、と思わず口を挟みそうになったが話はまだ終わっていなかった。
彼女が「恨んでいない」と言ったところで自分はもう今後彼女の母親を許せはしない。
「いつかもし」なんて聞いたら、そのポジションは自分にと身を乗り出して、今度は間違いようのない言葉で自分の想いを告げようとした。
恐る恐る見上げてくる瞳を見つめて口を開きかけ、]
| ええ、その方向で。 なにせもう脱げないし、俺。え?もう半裸求められてない?
[ 反響は留まるところを知らない、が 徹底して事務所の側から「俳優 高野景斗」の名を 出さなかったため、一つまた一つと舞い込む オファーの宛名は「無名のヒーロー様」 「○○の永遠のヒーロー様」 「蘇った漆黒様」などと、 大喜利大会が行われているような然様だった。
――余談だが、我が社の社長。 あのオーディションで幅を利かせ、 新人採用を決めた彼は、現状の俺に 責任を感じているらしい。飲むと必ず、 休む時間を持たせてやれば、と零すので。 本人は隠しているつもりらしいが、バレバレです。 でも俺別に自殺願望あったわけじゃないんだけど。 あの日向かっていた場所、今でもよく行くし。
なもので此度舞い込んだオファーの数々 自由にしろ、と仰せつかった。 ] (136) 2023/03/07(Tue) 17:58:28 |
っっ!!
[ひゅっと空気の音が鳴る。
言いかけた言葉の前に重ねていた方の手が離れて彼女の肩に触れ、繋いだ手はぐい、と強く引く。
彼我の間にカメラがあることはすっかり頭から抜けていた。
唐突に転んだ時でさえ、絶対に話さなかったカメラの存在を忘れる瞬間がくるなんて、とは後から思い返して驚いたこと。]
好きだよ!
[近くに人がいるかどうかも見えていない。
抱き寄せた彼女の耳に届く鼓動に負けない大きさの声ではっきり言う。]
あー先に言わせちゃった。
カッコつかないなぁ。
……好きだよ。
マシロちゃんが。
知りたい、手を繋ぎたい、抱き締めて独り占めしたい。
そーいう意味で。
[そっと体勢を戻した。
ここは外だし、固いカメラが身体を圧迫する痛みもあるから。]
| [ ので雑誌の取材も、ドラマも、映画も、 大体すべて、断った。一番多い朝や昼の、 ワイドショーなんて封すら開けずに。 彼らの、大型量販店で渡されるレシートのように 長ったらしい賛辞の言葉の裏側には、 「復帰第一作目という話題をうちで」 「話題性があるうちに使えるだけ使う」 と、書いてあるのだろうから。
――当時出演した戦隊シリーズの最新作に ゲスト出演しませんか、というオファーには だいぶ、心が揺れたが。いや揺れた故に 保留にしてあるが。
後進の育成にも慣れてきたし、やりがいってやつも 感じてきた。 ラジオの仕事も、言わずもがな。
今の生活、気に入っているものだから。 ] (137) 2023/03/07(Tue) 17:59:49 |
| マジで……マジでありがとう………助かる 命が。俺の命が。 今度奢る、寿司でも、鉄板焼でも。
[ そんな中、休みの日を調整するため 声がけをしていた一人から、実に軽い、 いいっすよ!が聞こえてきたので、 拝み倒した。
やった〜!高くて美味しいお肉〜〜!! と彼が言うので、思い出した顔がある。 少し、似てる気もする。 彼は今日も、お肉食べてるだろうか。 ] (138) 2023/03/07(Tue) 18:00:11 |
| [ そうして合わせられる日を、手に入れて。 事務所を出て、駅へ。
――○○さんのヒーローさんですか そう声を掛けられる事も、少し増えてきた。
電車待ちのひとときとか、 コンビニの店員さんとか。
そういう時決まって ] (139) 2023/03/07(Tue) 18:00:28 |
| そうです、内緒にしてね [ そう答えるし、嬉しい言葉を賜れば 感謝もする。 そういう日もそうでない日も。 ゆっくり出来る日には、少し遠回りして あの店に向かう。 カロリー消費して、たくさん食べるため でもあるし、それ以外の理由もある。 スパイスの香り漂うカレー屋さんを通り過ぎ、 立ち飲み屋の誘惑をものともせず、 そうしてたどり着いたなら、 "いつもどおりを装って"扉を開こう。 ] こんばんは 一人です。 [ 席を決める前に、メニューボード >>0を眺め 何を食べようと、心躍らせながら。** ] (140) 2023/03/07(Tue) 18:00:38 |
一番に食べたいし、マシロちゃんが作り慣れてお店で出すことが平気になっても食べたい。
聞き飽きるくらい「おいしい」って言うから覚悟しといて。
いつか、マシロちゃんにとってお菓子をつくることで思う記憶が全部僕になればいいって思ってる。
[強引に引き寄せたから彼女の前髪は乱れてしまったかもしれない。
そうでなくても肩から離した手は吸い寄せられるように髪にそっと触れた。]
一緒に「いただきます」と「ごちそうさま」をしようね。
後、僕結構自炊する方だから僕の料理も食べてほしいし、一緒に作ったりもしたい。
[お金しかくれないのにそれを「育てる」と評して、理由も知らされないまま料理を否定されても「恨んでいない」と言う程求める彼女の母親にはなれないけれど。
タイムマシーンに乗って、辛かった時の彼女の頭を撫でることも出来ないけれど。
傍に居たい。
傍にいるのは自分でありたい。]
| (a25) 2023/03/07(Tue) 18:04:16 |
話してくれてありがとう。
僕は普通の家庭で育ったし、親に対して何かしてあげようみたいなやさしさを持ってないから否定された経験もない。
マシロちゃんのお母さんが食べなかった理由も考え付かないし、正直部外者だけど「ふざけんな」ってムカついた。
……「わかるよ」って安易に言えない自分のうっすい人間性が嫌になる。
けど。
マシロちゃんに一番幸せにしてもらえるのは僕だって自信だけはあるよ。
僕が君のことで幸せになることを喜んでくれるなら、マシロちゃんを一番幸せに出来るのも僕なんじゃないかなぁ?
[たくさんの料理を評してきたライターの割に語彙が貧困だと言われればぐうの音も出ないが、気持ちのままに。]
……どういうとこが好きか、言ってもいい?
[疲れているなら別の機会にするけど、と前置いて。**]
| チエちゃん、なんだ 練習中とか言ってたけど、十分、 ……いや頑張ってたからこそ、かな。 うん、見かけたら言うよ。 [ 伝えておいて、で済むとか。 いつもなら思っていた。だけど最近、 直接伝えてくれることが、くれる力を実感したので 本人に >>153と、日頃一緒に働いている彼が言うなら 是非もなく、素直に頷いた。 ] 好きなもの、 [ 今目の前で喋ってくれてる人ですが。 まさか、言えまい。あと質問の意図だって ちゃんとわかっている。 ] (189) 2023/03/07(Tue) 20:29:49 |
| 好きなもの、多すぎてどう答えるべきかなぁ スープ類は、特に好き。ここで食べるものは 全部好きかもしれないなぁ。
ああ、あと。 ちょっと、まってね、――えーと。
[ さて今日も今日とて、ここまで出かかっている。 のお時間です。 何度も繰り返した日のことを短くリフレイン。 ]
あ、自信ある、これ。きっと大丈夫。 こめこ、 米粉のクレープ、だ。
ここ数年で食べた甘いものの中では あれが一番好きだった。
もちっとして、なんとも言えなくて あの日珈琲をお代わりしたから、 覚えてる。
――名前を覚えていたのは、 教えてくれた真白さんのおかげだけどね。
[ 好きなものを語りながら、 いつかの日を思い出す事もあった。 ] (191) 2023/03/07(Tue) 20:31:17 |
| [ そんな文字を朝から見てしまった >>157 日にはやたらと機嫌がよかったし、 その日を確保するためにも、張り切った。 結果的に、それを伝えるのは、 メッセージではなくなって、しまっただろうけど。* ] (192) 2023/03/07(Tue) 20:31:30 |
[
大咲もしかして死んでしまうのでは……?
お願いは華麗に躱され、けらけら笑う神田の方を
桃色うさぎに改名した方が良いような頬の色で
うぅ、と見つめるしか出来なかった。
出来ない約束はしない主義 と、いうのは。
きっと、可愛いを控え目に、以外の意味も込められていて
これから彼が結んでくれる約束の糸は
絶対解れたりしないことを 教えてくれているみたい。
……みたいじゃなくて、実際そうなのだということに
気付かないほど、大咲も勘は悪くないが。 ]
…………見せたくなかったら、隠して、ください。
その、……神田さんが。
[ 私は「可愛い」以外にも、貴方がくれるもの全てを
きっと頬を染めて受け止めてしまうので。 ]
[ 自分も繋ぎたいと紡いで重なった掌が温かいのは、
きっとお互いに緊張と、跳ねる心臓が脈打つせいだ。
彼から齎される言葉のどれもが大咲の心を揺らすから、
張られた予防線に垣間見える緊張は寧ろ有難くて。
どうにかいつものように軽口を叩く……より早く
ぎゅっと強く手を握られ、急速に頬に熱が集まった ]
……ん、と。
私も出来るだけ長く一緒にいたい、です。
だから 今日は……ううん、これからも
お言葉に甘えたいし、甘えます、けど
次の日予定があったり、体調が悪い時とかは
絶対無理して応えようとは、しないでくださいね。
[ 迷惑じゃ、なんて言葉は彼の心配を助長させてしまう。
でもここだけは譲れませんから、と。
代わりに終電後、ひとりで帰る時は歩くのをやめて
タクシーなり何なり、安全な帰宅方法を選ぼうか。 ]
[ ちゃっかり「登山好き」は頭の中にメモして
神田さんフォルダへ丁寧に保存しておこう。
一緒に藤棚を見に来ようという未来の約束に、頬を緩め
「はい」としっかり頷いて。
饒舌なお喋り内容は、ふふ、と楽し気に笑って聞いていた。
中学生と雪合戦して負けたなんて、可愛いな。
じゃあ次は私と雪うさぎ対決しましょうよ、とか。
そんな返事をしながら。 ]
……こ、これ以上喜ばせてどうするんですか、ほんと…
[ 困ってないけど、困ってしまう。恋は矛盾だらけだ。
これから可愛い服を買うのに更に時間をかけてしまうし
常に貴方のかわいい、を更新できる自分でいたい。
そんな時間を経て、ベンチに座って。
優しい言葉に背中を押され
大咲は初めて、お菓子作りを厭う理由を語っていく。
重なったもう片方の掌が、心の雪を解かしていく。 ]
[ ご飯を食べてくれなかった話の時は。
横で何かを堪えたのを、話しながらでも感じていた。
話を途切れさせないようにという配慮を有難く受け取り
しかし、ケーキの話はやっぱり、
隣から穏やかでない色を含んだ声が零れ落ちてくる。
だから食前には言いたくなかったのだ。
こんな話を聞いた後に、彼だけのうさぎのクッキーをなんて
もし同情でも覚えさせたらと思うと、言えなかった。
……料理の味を変えてしまうというのも勿論だけれど。
優しい人だ。他愛なく人を喜ばせることができる人。
大咲なりの恋の向け方は、多分、隠し通せてはいなくても
それゆえに、あの時語ろうとしなかった。
もし彼が他に想う人がいたとして、大咲の過去の話が
邪魔してしまったらどうしよう──と。
料理人としての自己肯定感は高くても。
ひとりの大咲真白を肯定するには、
あの日のケーキがどうしても傷痕になっていて。 ]
[ 恋ってもっと、甘くて穏やかで優しいことばかりだと
そんな風に考えていたけど、現実は全く違う。
好きだから辛くて、好きだから出来なくて、
恋しているから、何故か過去の傷をまた掘り返して。
全部知って欲しい。全部知りたい。
私以外とじゃなくても幸せでいてほしいとも思えるのに
でもやっぱりその時傍にいるのは、私がいい。
──好きだと告げた瞬間、彼の片手が肩へ触れ
驚く間もなく繋がったままの手を強く引かれて
勢いのまま、大咲は彼の胸元へ抱き寄せられた。 ]
| ―― 店内へ入る前 ―― あ、すみませ、 ――あれ、葉月くん [ すれ違いざま、うまく避けることができず、 肩が触れて、謝罪をしようとしたが、 彼は答える事なく、走っていく。 あの、"俺はいつだって飄々としてる" ――そんな自分で居たい と思っていそうな 彼の横顔 >>175に、滲む必死さは どうにも、放置できなくて、 その背を追って、自分も少し走った。 ] (194) 2023/03/07(Tue) 20:33:38 |
| 大丈夫じゃなさそうじゃん どうした
[ やがて彼が立ち止まれば、 嫌でも気づくよう、肩を叩き、問いかける。
無論、触れないでほしいようなことを 言われたり、一人にしてだとか言われたなら
引き下がるつもりで。* ] (195) 2023/03/07(Tue) 20:33:52 |
────……っ、
[ 大咲の心音に負けないくらいの大きな声だった。
咄嗟に、いつも大事にしてるカメラがあることを思い出し、
けれど見開かれたままの目と言葉を紡げない唇は
そのことを指摘する余裕もない。
遅れて気付いた彼がそっと体を離すのに
「あ、」とどこか名残惜し気な声だけが零れ落ちる。 ]
………… …… は、じめて、です
今まで、お弁当がないこととか授業参観とか……
三者面談に来てくれないこと、とか
そういうのから察して、かわいそうって
言われたことはいっぱい、あった、けど
[ 彼は、母に怒ってくれたという。
かわいそうじゃなくて、あの日の、母に。 ]
……怒ってくれたのが、嬉しいです
私には、怒りたくても怒る権利は無いって思ってて
お母さんにとって邪魔だって、……知りたくなかったから
捨てたことをなんでって問い質したとして、
最悪の未来を、考えたくなかったから……
[ だから、嫌いじゃない。恨んでない。
でも、好きってわけでも、ない。
触れ合わないのが私からの、せめてもの優しさだった。
好きになった人が、あの日の自分の代わりに
ふざけんなと言うくらい怒ってくれる。
それだけでまた彼に救われて、紡ぐ声はひどく掠れて、
「薄い人間性」なんて言葉には強く首を横へ振った。 ]
全部、神田さんとしたいことばっかりです。
ご飯もケーキも他のお菓子も食べて欲しいし、
神田さんのご飯も、一緒に、食べたい。
一緒に作るのも、きっと楽しいだろうなって思います。
今まで知らなかったこと、全部知りたいし
……私だけの、神田さんになって、ほし ぃ …し
お互いを一番幸せに出来るって、信じたい。
……ううん。一番幸せにするって、約束します、私。
[ 語彙なんか、私の方が滅茶苦茶だ。
でも今は気持ちの儘に喋って、伝えたいことを伝えて
貴方と一緒に未来だけ、見ていきたい。
いつか作るお菓子の記憶が全部、ぜんぶ、
貴方の笑顔になるように。
作って差し出す時の、私の笑顔に、なれるように。 ]
話したいと思わせてくれたのも
受け止めてくれたのも、ありがとうございます。
……神田さんの恋人にしてください。
うさぎの穴は例外、ですけど
神田さんを独り占めさせてほしい、です。
[ カッコつかなくていいんですよ。
ずっとそんな、照れさせられてばっかりだと
いずれ溶けてしまいそうなので。
私だって、好きなんですから
言わせてください。恋は先手必勝です。 ]
えっ。
[ いやあの、疲れてはいないんですが。
でも照れずに受け止められる自信が全くないというか
聞きたい気持ちと、聞いたら心が爆発する自信があって
……あの、複雑な乙女心という言葉の意味、
私、ちゃんと今、心の底から理解した気がします! ]
………… ぁの。
私、恥ずかしがると、逃げる癖が……ありまし、て……
……捕まえておいて、くれますか……
[ でも、聞きたいんです。
貴方が好きになってくれた私のこと。
そしたら私、自分のことを
大事に出来るようになる気がするから。* ]
| ―― 素敵な夜へ ―― [ ――葉月くんの肩を叩いた後、 話し込んだとしても、その夜の予定は かわらない。 もしかしたら連れ立っての来店だった かもしれないけど、それでも 一人です >>140と言うのは変わらなかったかな。 葉月が泣いて縋って同席してくれとか 天地がひっくり返っても起きないであろうことが ないかぎりは。 ] 空いていたら、どこでも。 あのね、たけのこが食べたいな どんな食べ方がおいしいかな? [ 案内してくれたのが誰であれ、 たけのこ、の文字を見たら、 まずはそう言って。 ] あとはお任せで一品。 [ 待ちきれないという表情で席につく。* ] (207) 2023/03/07(Tue) 20:53:29 |
| おう、そうだよ。 [ とりあえず呼び声には答え >>209を得た。 だがいつもよりはずっと覇気がない。 泣いてんじゃん、やっぱ大丈夫じゃないな。 ため息をついたのは、別に君に呆れたり したからじゃない。 追ったのは正解だった。 見てんじゃねぇよ、と周りの視線を 疎んだ故に。 ] 答えあげる、いーこだから こっち。 [ 目と鼻の先、時々立ち寄るコーヒーショップまで 腕を掴み、半ば引きずるような形で 連れ込んだ。 ] (219) 2023/03/07(Tue) 21:15:46 |
| ごめんねマスター、奥の席貸して
[ 一番奥の席までついたら、ハンカチを渡しながら ]
変われたも、変われなかったも 誰が決めんの
[ 求められている言葉を探りながらも結局、 上滑りする優しい言葉を、知っていても それを使うことはしない。 ]
あのさ 葉月くん あんた、格好良いよ。 変わったって自分で思えるくらい、頑張ったんでしょ それが何か、俺は知らないけどさ。
何にそんなに、追い詰められてんの そんなに自分嫌い?
俺は好きだよ、格好つけようとすんのも (221) 2023/03/07(Tue) 21:16:18 |
| [ 頼んだものは、珈琲二つ。 それ以外のものを胃に入れる余裕があるなら おすすめ二品食べられるもの。 ]
持論だけどね、俺が好きじゃない俺を 誰かに好きになってもらおうって、違くない?
それと、誰かが好きって言ってくれる俺を 嫌いっていうのも失礼でしょ
[ 彼に話す余裕はあったか、なかったか。 ないとしても、珈琲をすすめ、穏やかな表情を 浮かべて見守っている。* ] (222) 2023/03/07(Tue) 21:16:38 |
| [ ――そんな俺こそ、真の長兄にふさわしいのでは と思うわけですが。どうでしょうね。* ] (223) 2023/03/07(Tue) 21:16:50 |
| (a39) 2023/03/07(Tue) 21:24:07 |
― 白うさぎの幕間閑話 ―
[ 早退の夜から二日後に戻って来た速崎は、しかし
翌日から更に数日、今度は普通に体調不良で欠勤した。
新しいアリスブルーのうさぎ店員はまだまだ慣れぬ身、
大咲は急遽シフトを増やし、休日を出勤日にしたりして
どうにかこうにかうさぎの穴を連携プレーで回した。
神田とは、夜の退勤後、共に帰る夜もあっただろうか。
けいちゃんマジ今度こそツラ貸しとけ〜!?
……とは、まあ、体調不良者には思うまい。
営業後に店裏へ呼び出してタイマンしても良いのだが
あの時の後姿を思い出すと、どうしても。
コーヒー豆をそのまま噛んだ後のような気持ちになる。
"かわいそう"で傷付いたのは、栗栖と速崎だ。
勝手にそこへ大咲の過去が付いてきただけ。
零してしまった「なんで」の話し合いは、…未だ。
(あ、お土産はちゃっかり食べました。ええ。
美味しかったけど、けいちゃんどこ帰ってたん…?)
* ]
― アスパラガスの日に ―
[ 漸く得た夜シフトのみの日だった。
ああ〜夕方からの出勤最高……とかなんとか思いながら
既に仕込みや準備をする瑞野にそのテンションのまま
(あの日の視線の先を思い出したのもあり)
スマホ片手に、MVを見せに行くくらいにはご機嫌だった ]
瑞野さん、見てくださいよこれ〜っ
最近友達から送られてきて、ずっと聞いて …て…?
[ そんな他愛ない雑談、の、つもりが。
予想外の反応に「これは…………」と勘付き
"本当にヒーローなんだ"という言葉と、クレジット。
大咲は大変に偉いので、深くは突っ込まなかったが ]
(…………ふふ、瑞野さんも、そんな顔するんだ?)
[ あーあ、高野さんってば勿体ない。
こんな瑞野さんを見れないなんて。
でもこれは"うさぎの特権"の一種類なので。
何だか遠くないうちに彼のものになってしまうような
妙な確信めいた予感もあるからこそ。
お兄ちゃんみたいな先輩スタッフの横顔を
微笑ましく見守るに留めました。偉いでしょ〜?* ]
[明確な告白の前に、これからも「可愛い」と言う宣言をしたり、終電を逃したら送っていくと申し出たり、随分と厚かましく「彼氏面」をする自分に対し、彼女から返ってくるのは嫌悪でも固辞でもない。
親に甘えることなく育ってきたという成育歴はこの時点では聞いていなかったが、甘え方まで絶妙に可愛いものだから、何度も唇を内側に巻き込んで堪える羽目になった。
本当に隠せる場所ならともかく、ここはまだ彼女の店からほど近い路上なので。]
頑張りはするけど無理はしないよ勿論。
仕事を疎かにするやつがきちんと仕事をしてる人の横に立つなんて恥ずかしいし、
体調不良で無理してうつすのも嫌だし、長引いて会えない日が出来るのも嫌だし。
でも言っとくけど、僕の仕事はかなり融通が利くものだし、
身体もすごい丈夫だからね?
[これは守れる約束だ。
自分が彼女の夜道を心配するように、彼女が自分の健康やスケジュールの心配をする権利を持っていてほしい。]
[明かされた話は、自分の人生において似た経験がないものだから、「同じ気持ち」になることはできない。
本当の意味で共感できないことを、耳障りの良い言葉で表現しても嘘になりそうで。
だから彼女の心を救える適切な言葉を探し出せない不甲斐ない自分を正直に晒した。
彼女自身が嫌いになれないと言う母親に怒っていることを隠さなかった。]
「かわいそう」が言える人は「持ってる側」だよね。
僕が使うのは「こんなおいしいものが嫌い?かわいそう!」みたいな時だけど。
[その言葉、さっきも聞いたような、と過ったが、食事に夢中だった時に流れた言葉だとは思い至らない。]
マシロちゃんは、蔑ろにされたことを怒って良いと思うけど。
……そうか。
甘え方がわかんないくらい放っておかれたから、
怒っても「大丈夫」って思えないんだ。
ああもうなんで!
なんでこんな、
……僕の好きな子を傷つけたなって、怒鳴り込んでやりたい。
[呻くように低く呟く。]
[今度は衝動に駆られたスピードではなくゆっくりと引き寄せる。]
好きだよ。
[切実な響きを耳元に落とした。
彼女が甘えを預けられる場所になりたいという願いを込めて。
約束で自分はまた更に幸せになれる。]
うん。
「うさぎの穴は例外」ってちゃんと言えるところも好きだよ。
マシロちゃんが料理とお店を好きなの、ずっと見て来たからね。
恋人。うん。
――ああ、
……「もう離さない」って、こういう時に出てくる言葉なんだなぁ。
[高野の真似をして自分には似合わないと笑った言葉がこんなにしっくり来る日が来ようとは。
実感が籠った言葉は、あの時よりは客観的に笑えるものになってはいないと思うけれど。]
はは、かーわぃ、
そうだね、ぴょんって背中向けるの得意だよね。
僕は力もそんなに強い訳じゃないけど、この手は絶対離さない。
[抱擁を解いた。
抱き締めていたら表情が見られないのが惜しいから。*]
| お待たせ? [ 店内で何があったのか、 多分詳しくは知らない。 けどいつもと少し違う空気の誰かを 見たなら、何かあったのかな、くらいに思う。 少なくとも、洗い浚い吐かせるより、 ケアする時間を過ごせていれば、尚の事。 お待ちしてました、他の誰かにだって よく言われる言葉に、自然と そう返したし、 ホッとしたような表情 >>233を見たなら、 より足取りは軽くカウンターへと向かう。] かつぶし掛かっているの土佐煮って いうんだっけ?あれおいしいよねぇ。 パスタもいいけど、和食がいいかな。 (245) 2023/03/07(Tue) 22:08:58 |
| [ 席へついたらすぐに、 ] この日、休み取れたんだけど どこか行きたいところある? [ そう聞いた。 付き合う、というよりは知りたい、の 延長からの言葉。 ない、と言われたときのための 情報だってそれなりにかき集めた。 ……嘘、必死にかき集めた。 ときには人を頼る >>177ことさえして。* ] (246) 2023/03/07(Tue) 22:09:16 |
| [ もし彼が、抵抗してくるようなら つべこべ言うな、とか実力行使も考えた。 見世物にさせたくない一心で。
だが思いの外素直に従ってくれたので、 悪目立ちするようなことは、なかったと思う。 ] (252) 2023/03/07(Tue) 22:28:47 |
| [ 差し出されたハンカチは受け取られ >>236、 こちらの話が一区切りしたあたりで、 表情が少し、変わった >>237だろうか。 ] なーに、あんたも イケメンなんて自分が一番かっこよくて 自分以外は溝だと思ってんだろ とか言うクチ? [ 嫌味からではなく、笑ってくれたので いくらか、ほっとして。 ] 一度好きになれたなら、またなれるよ。 [ 角砂糖が二つ、カップに沈む。 好みも聞かず、注文したので。 次があるなら、気をつけるとして。 ] (253) 2023/03/07(Tue) 22:29:10 |
| ………ふーん。
思って良くない?何がダメ? そんなんあったら俺だって思うよ。
それから二人はどうなったの 上手くいくなら、祝福してあげられるの? なんも知らん顔して?
無理じゃん、そんなの。 大事な友達だから、なにもかも 清らかな気持ちで接しないといけないの?
………想像してみたけど、俺なら は?俺のほうが好きだが?なんで お前が告られてんの?って思うし、
本人にも言っちゃうね。
[ 酒が入ったならもう少し言葉もマイルドに なるのだろう、あの店の酒なら、より優しく。 しかし、 ] (254) 2023/03/07(Tue) 22:29:44 |
| 友達大事にして、その気持押し込めて おめでとうって言える、ならそりゃご立派
俺にしてみりゃクソ喰らえってとこ。
仲良しごっこで気が済むなら、 余計なお節介だろーけど。
大事な友達が、自分になにか思うことが あるっぽいのに、話してくれない、 ひた隠しにしてる、避けられてるって、 俺ならそっちのがよっぽどヤダね。 (255) 2023/03/07(Tue) 22:30:21 |
| ――Madam March Hareだな。 よし、行こう。
[ カップの中、半分ほど残った珈琲を 流し込むと、相手にもそれをせっついて ]
ほらほら、葉月もちゃっちゃと飲んじゃって。 こういうのはな、 早いうちにどうにかすべきだ
学校じゃないんだから、 数日休んでもまた会えるって保証、
ないんだよ? (256) 2023/03/07(Tue) 22:30:53 |
| 機会を逃して、会えなくなって。 好きな人と、友達と、両方失って 自分カワイソーって酔える あんたじゃないんだろう?
なんもかんも失敗して、 自棄になったら電話してよ。
[ 席を立ち、再び彼の腕を引く ]
潰れるまで、付き合うからさ。 俺、兄弟いないけど、門下生いたから お兄ちゃんは慣れっこだよ?
[ コード決済でさっさと会計を済ませ、 また来るよと言い残し、店を出る。 しゃっきり一人で歩けるようなら ] (257) 2023/03/07(Tue) 22:31:21 |
| いや、言えよ。 いつまでも腕引いちゃったじゃん
好きな人の腕もまだ引いてねーってのに
[ 笑い飛ばすように言って、 向かうは、我らがウサギの穴。 逃げられたら、今日はもう、追わないだろうけどね。* ] (258) 2023/03/07(Tue) 22:31:44 |
| チエちゃん、会いたかったんだ。 この前のピザ、チエちゃんが作ったんだって? あれ、すっごい美味しかったから 今日も期待してるよ。 [ いらっしゃいませ >>249の声に答え 軽く手をあげた。 ] すっかり修行済みになっちゃってるんじゃないかって 期待に胸膨らませて、お腹は空かせてきました。 [ お出かけ?と声には ] そーだよ。 仲良く?それは嬉しいね。 [ いやデートの誘いです、という言葉も、 ここまで出かかって、引っかかって、 自分の中へ落ちていく。 たとえ冗談めいていても 相手が困るかも しれないからね。* ] (260) 2023/03/07(Tue) 22:37:50 |
僕はね、印象に残りにくい子どもだったんだ。
教室の一軍でも、逆にはみ出し者でもなく、体つきも成績も至って普通。
さっきも言ったけど、家もサラリーマンの父とパートの母と3人家族で、仲が悪い訳でもなければ比べられる兄弟もいない。
マンガだと最終回になっても名前が判明しないモブみたいな。
平凡な人生ってね、笑顔になることがないんだよ。
テレビ観ても「面白い」がわかんない。
友達はいたからそれなりに学校生活は送れてたんだろうけど、僕自身にも中学までの思い出って特になくて。
[語り始めたのは自分のつまらない半生。
ドラマティックな出来事がまるでないから、食事の肴にもならない。
だから、あれだけ店に通っていても、きっと誰も知らない。]
中学何年生だったかの時にスマホを買ってもらって写真を撮り始めて気づいたんだ。
「カメラを向けたら人って笑うんだ」って。
そんなことを中学生になるまで知らなかった自分にぞっとした。
で、笑顔を学ぶ為に写真を撮り始めたんだ。
ポートレート専門じゃなくてグルメ専門になったのはね、
「おいしい」って思ったら自分でも笑顔になってる気がしたからだよ。
おいしいものを食べてたら笑顔になれるって思ったら、
今度はおいしいもの探しの方にハマっちゃって。
こりゃあ普通高校に行ってる場合じゃないなって、写真を専門的に学べるコースがある通信制にしたんだ。
在学中にバイトで始めたグルメ記事が割と評判になって、今ではフリーのグルメライターです。
SNSでごはん日記もつけてて、そっちの名義でもPR記事とか手掛けて商品もらったりもしてる。
[時間に融通が利く仕事で、それなりに収入があるというネタバラシ。]
うさぎで仕事のことを言ってなかったのは、完全プライベートで行き始めて気にいっちゃったから、
「これがいつか記事になるかも」って思われて提供されるのは悲しいなぁと思って。
同時に、記事にしたらそれなりの反響があるって予想できるから、宝物を見せたくないって気持ちもあって。
[その独占欲は知恵に語ったのと同じだ。]
まー、今となっては高野さんとかさ、貝沢さんみたいな――ああ後一人声優さんがいるけどこれは内緒かな、所謂「ギョーカイ人」がいるからね、ますます記事にはしないんだけど。
SNSに前にシャミちゃんのもう一個のお仕事の紹介を偶然知らずに紹介しちゃったことがあって、リアクションかなりついてたから、SNSにも載せない。
だからあの店に行くのはこれからもただの「神田」だよ。
[苦い後悔の話はまだ本人にはしていない。
彼女を多忙に陥らせた罪滅ぼしが出来る日もいまだ取り置き中だ。]
前置きが長くなったけど。
笑顔がよくわからないモブの神田くんは、あの店で自然に「幸せ」ってことを実感したんだ。
初めは料理が美味しいからだって思ってて、それは勿論そうなんだけどね。
[じっと彼女を見た。
見ていると口角が自然に緩む。
今の自分は、「笑顔がわからない」なんて決して言わない。]
マシロちゃんが笑ってて、
マシロちゃんの料理で僕じゃない人もみんな笑顔になってて、
「楽しんでほしい」って気持ちを聞いた時にね、「ああそっかぁ」って。
あの日マシロちゃんに言った「幸せプラス」って表現ね、
ずっと考えてたりどこかで使った言葉じゃなくて、あの場で自然に出た言葉なんだよ。
僕を幸せにしてくれるのはマシロちゃんなんだって、思った。
ただの客に過ぎない奴が店員さんに対して思うには重すぎるけど、これが君を意識した最初。
最初のうさぎクッキーの写真を撮ったのは確かに習慣だけど、
「また食べたい」って気持ちになったのは、無意識でも既に君が僕を幸せにしてくれるって本能で感じてたからなんだ。
「ナンパじゃない」って言いながら写真を渡したのは、何気ない行動じゃないよ。
喜んで欲しいって、顔を思い浮かべながらプリントしました。
[先程は口をはさめなかった、自分の行動の裏側にある気持ち。
あれがきっかけで彼女が自分を意識してくれたのなら、あの時既に好きだったのだと言いたくて。]
料理に対して謙遜しないところが好きです。
仲間の料理を人前で得意げに話すところも好きです。
誉め言葉を否定しないで、照れてても一旦受け止めてくれるところも、
それを聞いてどういう気持ちか素直にきちんと伝えてくれるところも、
料理だけじゃない、マシロちゃんの存在自体が僕を幸せにしてくれてる。
今言語化できるのがこれくらいなのが悔しいけど、
もっともーっとある君の好きなとこは、
これからずっと傍で聞いていて。
好きだよ、マシロちゃん。
「マシロちゃんの」料理が食べたい。お菓子が食べたい。
僕を好きになってくれてありがとう。
[よく聞こえる白うさぎの耳は、全部を聞いてくれただろうか。
思いの丈を離せば随分と長話になってしまった。
「送るよ」と促して、先に立ち上がろう。*]
――牛しゃぶの話――
[店名を見れば、またランチのラインナップを見れば、この店は洋食屋さんなのだろうなと判断する一見さんも多くいるだろう。
だが自分は知っている。
望めばそれに必要な具材がない時以外は和食も作ってくれることを。
日本人の中にこの色嫌いなやついる?いねーよなあ!
とばかりの鍋つゆの色。
先に入れられた大根には出汁の味がしっかりと浸みている。
甘い白ネギ、シャキシャキの水菜、傘でたっぷり煮汁を抱えられるしいたけ、どれも好きな野菜だ。]
はわわ……見てこのレースみたいな牛肉……
まさにアート……ナギちゃん天才……
[菜箸が思わず震えた。
薄さを確かめるように、兄弟たちに掲げて見せる。]
これをしゃぶ、しゃぶ、しゃぶ、 ……と、
[自分の取り皿にそっと置き、箸を持ち帰る。
まずは肉だけを口に入れ、「ほどける〜〜」と震えた。
それから野菜を巻いて。
青ネギと、生姜とをかけて。
最後に細切れしか残らなかった鍋つゆにご飯を入れて卵雑炊にしてもらったのを、3人で競うように食べた。]
[また3人で、或いは高野も入れて4人で、楽しく鍋をつつきたい。
そんなことを呑気に思い返したのは、浮かれた帰り道の翌日のこと。**]
| 炊き込みご飯!腹ペコには嬉しいね。 [ その顔がまだひとつ。 心を乱すのだと、伝えられる日は、来るだろうか。 受け取ったお茶とおしぼり、手を拭いて、 両手で、お茶を包んで、すぐに一口、頂いた。 今日も指先は、それほど冷えていない。 ] 是非 [ いいですか? >>261の声に答えると 彼はキッチンに回っただろうか。 今日も特等席で、魔法使いたちの妙技を 拝見すべく、手元を覗き込む。 ] (290) 2023/03/07(Tue) 23:40:17 |
| 本人に伝えてあげてって、 そう言われたからね。会える機会を 伺っていたんだ。 うん、すごく美味しかった。 そうなの?那岐くん無茶振りとか するんだ、意外。 信用されてるんだね。 羨ましい。 [ 止まらないこちらの手 >>263の見つつ ] うん、食べます。 お米は気にしなくてもいいよ。 欲しくなったら料理人泣かせだけど 白米頂戴って言っちゃうかもしれないけど。 [ ぱちん、とウィンクをされたら ] 徐々に、是非。 [ くすくす笑って見せよう。* ] (291) 2023/03/07(Tue) 23:40:46 |
| 前は思ってたのかよ。 別に慣れてるけど。 認識変わったようでなにより。 [ そうだな、と。 >>274 弱々しくとも、肯定できればきっと。 その日はまたすぐ、訪れる。 ] だろ? [ 無理かな、と葉月は言う。 >>275 俺はそもそもあの店で紡がれる 人間関係に彼ほど明るくないけれど。 こうなるにちがいない、なんて 思い込みに過ぎないと思ってる。 ] (297) 2023/03/07(Tue) 23:53:16 |
| 肉食?そう? そりゃ初めて言われた。 [ いくらか落ち着いたなら、 引っ張ってきた甲斐もあったかもしれない。 二人と話してみる >>276 その言葉を彼から引き出せたなら、 首尾は上々というところ。 ] 思い立ったが吉日って言うだろ? ほらちゃっちゃと。 じゃ、寄越して。どうせ俺の奢りだし。 あっっま [ 胸焼けする、とか言うなら、 寄越せとカップを奪って、彼の分の 珈琲を飲み干して。 ] (298) 2023/03/07(Tue) 23:53:34 |
| あっはっは、いーよ。 [ 寝不足にされるらしい >>277 それもおもしろそうではあるし 付き合うけど、願わくば話題の中心は 別のことであるといい。 ] そーだよ、なんなら俺も今必死に、 どうしたら、知ってもらえるかな、 教えてもらえるかな、 好きになってもらえるかなって、 考えてるとこ。 [ 名前についてはうまく濁すことになるだろう。 別に君を信用していないとかではなく、 相手の気持ちを考えたために。 ] (299) 2023/03/07(Tue) 23:53:52 |
| じゃ、そんなわけで必死な俺は 好きな人とじっくりしたいんで。
がんばって。
[ ドアを開く前に、そう言い残し、 ひとりです、と言うことになる。* ] (300) 2023/03/07(Tue) 23:54:03 |
[ 母親を嫌いになれないから、誰かに怒って欲しかった。
大咲が言えないこと、癒えない傷を肯定されたくて。
だから自分を救うために綺麗な言葉を並べるのではなく
思っていることを吐き出すその誠実さが、好き、だ。 ]
……持ってる、側
そうですね、……だから私、傷付いたのかも
[ 同じ世界にいたいのに、違う場所へ落とされたみたいで。
持ってないと、なにか駄目なことが、あるのかなって。
呻くように低く呟く貴方の方が、
今はよっぽど、私よりも痛いような声音をしている。
速崎へ零した"なんで"や、話し合いも、
大咲はタイマンと言いつつ本当に怒る気はなかった。
怒って、相手を失うのが怖いから。
……けれど、貴方が私の代わりに痛がってくれて
こんな風に怒りを露にしてくれた、それだけで。
過去の私が、泣き止んでいくような気がするんです。 ]
[ 緩やかに引き寄せられて、耳元で囁き落ちる言葉。
そこには好意を伝える以上の切実な声色が満ちていて、
ああ、甘えて良いんだと、思えた。
甘え方はまだ手探りで、何もかも生まれたての迷子みたい。
でもそこに貴方がいてくれるのなら
私は、私のままでちゃんと、立っていられる。 ]
……うさぎの穴は例外って分かってくれる、
ううん。同じ気持ちでいてくれる、神田さんが好きです
────それ、高野さんのMV……見ましたよね?
[ あの日ふざけて言い合っていた言葉。
宛先が私だったら良いのにな、って思いながら聞いていた。
揶揄うようになんとか声を返したけれど
離さないで、ちゃんと、捕まえていて欲しいのです。
……白うさぎは脱兎が得意なので。
体温が離れても、手の温もりは繋がれたまま。 ]
[ それから語られるのは、まず、貴方自身のこと。
店員とお客様という立場の時は聞けなかった話だ。
知りたくて、識りたくて、じっと貴方を見つめながら
私は聞いていることを示すように頷きも時折挟む。
父親と母親がいて。平凡な人生。
大咲にはドラマ越しでしか知らない想像の世界。
けれど、貴方のことなら何でも教えて欲しくって。
"平凡な人生は笑顔になることがない"なんて
そんな言葉に、ぽかん、と口を開けたりもしたかな。
……普通の人に憧れたことも、あったけれど
彼らには彼らなりの悩みや人生や景色があるんだ。
些細な、でも大事なこと。うん、と頷いた。 ]
…………、
[ 写真が趣味の人なんだろうな、という大咲の認識は
ここで大きくひっくり返されることになる。
笑顔を学ぶため。
常に楽し気にしているお店の貴方しか知らないから
そんな理由も、想像なんて、していなくて。
美味しいものを食べたら笑顔になるという言葉には
「分かります」とばかり、瞳を輝かせた。
フリーのグルメライター。SNSのご飯日記。
だから昼夜問わず店へ来れて、融通も効くと言ったのか。
ひとつひとつ、パズルのピースが嵌るような気持ちだ。
他の誰でもない 特別な貴方 のこと
耳に入る言葉はどれも新鮮で、知れることがうれしくて
カメラを向けなくても、貴方がいるだけで笑えるんだ、と
示すように私は自然と咲っていた。 ]
[ ──うさぎの穴を秘密にしている理由も。
それだけ私が愛しているあの場所を、
貴方も大事に想ってくれていることが分かるばかり。
何故か業界人も多いとなればその配慮は有難い。
…そういえばシャミ先輩、最近忙しそうだったな、と
体調不良の理由を知っている大咲は
シャミちゃんの、という話題で不意に思い出したけれど。
そこは当人同士、或いは本人が糸を解くところだろう。
故に察するに留め、ただの神田だよ、と言う彼に ]
────はい。
[ 勿論です、としっかり声を返した。 ]
[ じっと見つめられるなら、視線はそらさない。
……それ自体は結構大きな一歩なんですが、その、
笑顔が分からない人の頬のゆるみ方じゃないですし
そんな風に咲う理由も、あの、……自惚れでないなら。 ]
────── …… っ
[ 聞かせてくださいと言った身で。
愛されることに慣れない心は、降り注ぐ言葉に閾値を超え
うさぎの目と同じように顔も耳も赤くした。
「ナンパされても歓迎ですよ」なんて
写真を貰った時、冗談めかして返したのを思い出す。
あーあ、これ全然脈無しだ、と寧ろ思っていたのに
……私のこと。想ってくれてたんだ、とか。 ]
……あの時、ナンパして欲しかったんです、ほんとは
今それ言うの、恥ずかしい…ですけど。
神田さんの笑顔が好きだったから。
高野さんと話してたこと、気にしちゃうくらい
私を幸せプラスって言って幸せにしてくれた
神田さんの笑顔も言葉も、全部、
────神田さんが好きです。わたし。
今は、あの、……照れちゃって
ぜんぜん……上手く言えないですけど
隣で言い続けるから、神田さんからも、聞きたいです
……神田さんが好きでいてくれるなら
私も、私のこと、ちゃんと大事にしたい。出来ます。
[ きゅ、と私から貴方を今度は抱き締めた。
赤くなった顔も、感情が波打って潤んだ瞳も、
隠すことなく体温を分かち合って。 ]
はい。神田さん。
"神田さんに"、全部全部、食べて欲しいです。
────そんなの、こっちのセリフですよ。
好きになってくれてありがとうございます。
……好きを教えてくれたのも。
[ 初恋なんですよ、これ、と打ち明ければ
全部ちゃーんと聞き届けた白うさぎの目に
貴方はどんな顔で映っていたかな。
へにゃへにゃ頬を緩める私は、春に浮かれたうさぎの顔
先に立ち上がる貴方へ合わせて
「送ってください」と頷き。
そのまま、手を繋いで 穏やかな夜の帰り路
春の訪れを感じながら、一緒に、帰りましょう。** ]
| [ その答えにはちょっと面食らったな。 ] や、よっぽど寒がりじゃなきゃ、 平気。 [ バイク >>280、って。それ。 いいの。俺の好きなことに、付き合うみたいな そんな形で。 ] わかった、念のため 寒くない格好してきて。 [ 候補はいくつもあった。 男二人で居ても、おかしくない場所を。 旅行雑誌や、デートスポットのガイドも買った。 だからそれらは、次の機会に回すとして、 ] (304) 2023/03/08(Wed) 0:16:18 |
| 一時間半だけど、途中に ドライブイン、寄っていこうか。
近くまで迎えにいくよ。
[ ――……ふと、先程のやりとりを思い出し、 意味もなく、手元ではなく、顔の方へ、視線を遣る。 ] (305) 2023/03/08(Wed) 0:16:36 |
| [ 自分は、俺は、
彼らのように、正面切っては 言えないから。
自分なりに、だけど少し、緊張したまま。
葉月の言葉に、思ったこと、 思い浮かべた顔が今、そこにあるから ]
那岐くん、好きな人のタイプとかある?
[ 本当なら。気軽なやり取りなら、 好きな女性の、と聞くべきところ、 あえて、ひと、に置き換えて。 ]
……これは少し、いやかなりかな 下心のある、質問です。
[ 言い終える頃、指先は少し震えていた。 それなら約束は、と言い淀むようなことがあっても、 聞かないままで、気の良い友人の振りをすることは 出来なかったから。* ] (306) 2023/03/08(Wed) 0:16:53 |
| [ ピンクの色のウサギさんの手は 他の人の程ではないとしても、 素人目には、淀みなく動いて >>301いるように見えた。 フライパンに焦げる醤油のじゅわ、って音 それに合わせて、聞こえていないと良いのだが 腹の虫が、まだかと騒ぐ。 煮魚といえば、カレイとかサバとか 味噌や醤油、その他多分自分が 想像もつかない調味料により、全体的に 茶色をイメージしていたもので、 ] トマト、へぇトマト煮。 おいしそ、 (313) 2023/03/08(Wed) 0:40:29 |
| [ トマト煮が目の前に出されれば >>302 まずその赤に、目線を奪われた。 箸で、ほぐれる柔らかい身を一口。 ] あぁぁ、これはビールかも…… [ 広がるトマトの味、臭みの一切ない 鰯が後味に、きりっと残る。 ] そういえば飲み物まだ、だったね。 ビールください、ぐっといけるやつで。 [ はぁぁ、ため息すらも、美味しく感じる。* ] (315) 2023/03/08(Wed) 0:40:41 |
| (a54) 2023/03/08(Wed) 0:43:32 |
| [ 出来る先輩の振る舞い、だと思う。 新人、修行中の後輩に、やってみないかと 声を掛けるには懐の広さやフォローする目が必要だ。 そしてそんな彼に信用される後輩達を 羨ましく思うが、 那岐が信用して任せたなら。 その目を信じて、余裕な振りをしておこう。 具に包丁が入り処理がされる >>285 具だくさんだな? なんだろうと、言う目で。 ] あぁ、ふふ いやなんでもないんだ 続けて。 [ 新人ウサギがが選び取った >>286皿、 以前あれで頂いたオニオングラタンスープは それはそれは美味しかった。それに、 ] (327) 2023/03/08(Wed) 1:11:10 |
| 君には、感謝しなくちゃいけないかもなぁ。
[ 那岐くんが近くに居たなら、通じるものが あったかもしれない。 あの日、気まぐれに付き合わされた君。 その悪戯をしかけたのは自分であること、 多分君には知れていないし。
――別のきっかけになったことも。 そっちは知られていたらひっくり返るくらい 驚くだろう。勝手にキューピットのように 思っているなど。 ]
たまごふわふわ、良い名前だね 覚えやすそうで気に入った。 (328) 2023/03/08(Wed) 1:11:33 |
| いただきます。 [ 名前にある通り >>287 しばらく眺めてから、胃を決して ふわふわなそれに、スプーンをいれ ] あつあつ、……あぁ、おいしい 鶏肉、やわらか、 [ 一口、また一口と、口に運ぶ。 何とも言えない、上品で優しい味がした。* ] (329) 2023/03/08(Wed) 1:11:44 |
| [ バイク。 その言葉を出された時、すこし。 邪な意味で、期待をした。 相乗りをする、となると後ろが普通。 サイドカーと想像する人は、まずあまり居ない と思う。 付き合いの長い友人ならともかく、 そうでないのに、あの密着感を 許されることに。 ] そう、妙においしいから 山の近くなのに、いつも賑わってるんだ。 [ 少し、現実感がなくなった頃、 旨いですよね >>322と言われれば、 打ち返すだけの言葉は、出てきた。 ] (332) 2023/03/08(Wed) 1:56:42 |
| [ ――別のこのまま、確信を得るまで のらりくらりとしていたって良かった筈で。 でもこのまま、良い友人などと呼ばれるように なった後に、知るのは、少し覚悟がいる。 それに、自分がこれほど参っているのだから 他にそういう相手がいたって、おかしくない。 問いの答えを待つ顔にもまた、 僅か緊張感を伴った。 眼を丸くした彼 >>323に非はない。 突然そんなこと聞かれても、驚くだろう。 ] (333) 2023/03/08(Wed) 1:57:27 |
| [ ――ような、女性が好きですね ――みたいな女の子がいいです そう答えられた時の反応を、 考えるにはちょうどいいくらいの沈黙。 その問いの真意まで、伝わりようはない。 と、思う。 そして彼が口を開き、言葉を放つ。 ] ……なるほど? [ よもや、思い浮かぶその該当者が 自分だとは、思わない。 ――君がリスナー >>325だという話し、 きっとまだ、俺は聞いていない筈なので。 ] (334) 2023/03/08(Wed) 1:58:40 |
| [ それでもまずは、
下心が在ると知って尚、答えてくれたことに ]
ありがとう
[ 感謝の言葉を。 例えば、ひと、とそう言い換えたから 彼もそうしてくれたとして、
実践できるような内容なら、いいな、 そういう下心も、もちろんあった。
しかし、得た答えは 優しくて落ち着いた声の人である。
近づく努力はするけれど、 努力できる幅はそれほど、ないのでは。 ] (335) 2023/03/08(Wed) 1:59:10 |
| [ もう一歩、踏み込むべきかどうか。 ――いや、ダメだ。いや好都合か? 逃げるように、去っていく知恵 >>316に 言葉は選んだつもりであったが、 気を使わせてしまった事には とても申し訳なく、思う。 いたたまれない思いをさせてしまった >>314 本当にすまない。 けれど、それすら好都合とか 考えてしまう狡い俺で、ごめんね。 ] (336) 2023/03/08(Wed) 1:59:42 |
| [ 少し静かな店内。
二人の近くには、今きっと 誰もいない。だから、もう一歩。 ]
そうなれるように、努力する。 って、俺が言ったら、困る?
[ 少しだけ、開き直ってるように 見えるかもしれない。
実際、そう、開き直ってる。 ] (337) 2023/03/08(Wed) 2:00:04 |
| ――……困らせていたら、ごめんね でも、そういうことです。
遊びに誘ったのも、 休日を合わせようとしたのも、 好きなタイプを聞いたのも。
[ 囁くほどでは、ないにしろ。 その声は店内に響くようなものではない。 ]
それでもいいなら、迎えに行きたい。 そうじゃなくても楽しい日になるように、 努力はするよ。最後のデートにするつもり、毛頭ないし。 俺にはね。
と、いうことで お家の大体の場所、聞いて良い?
[ 言ってしまえば、少しすっきりした表情で 君の、好きな人の、次の言葉を待っていた。** ] (338) 2023/03/08(Wed) 2:01:21 |
| (a60) 2023/03/08(Wed) 2:07:14 |
| (a61) 2023/03/08(Wed) 2:08:47 |
| [ 沈黙に感じることは、いたたまれなさや 気まずさではなかった。
好きな人の、という枕詞がつかずとも 料理の風景を眺めることも、 音を聞くことも、好きだ。 調理の際に聞こえるものも、他の客が 楽しげに話しているものも。
――葉月はうまくやれただろうか。 店に入る直前、玲羅先輩ともすれ違ったような。 不安そうな顔してたのは葉月が走りさるのを 見たからだろうか、そういえば店内に彼女の姿は 見えない。
互いを知り合うにあたり、一方的には ならないよう、貰えば返し、 渡して求めてきたつもりでいる。
仕事のことは、こちらが知ってしまうのは 不可抗力、故に。 会話を重ねるうちに、芸能事務所で働いている とか、は言ったと思うが、 いかんせん、元俳優です、ラジオやっています は、ひけらかしてるようで。言わないまま。 ] (382) 2023/03/08(Wed) 14:32:41 |
| [ あとね、ラジオを聞いていると言っていたから。 他の誰かの話題が出てくるのを避けようと したのも関係してるかな。
格好悪いね。 ] (383) 2023/03/08(Wed) 14:33:05 |
| [ 気の利いた言葉が出て来ないの 格好がつかないな、やっぱ葉月は 格好いいんだな。まで、考えてふと
ああ、俺好きな人に好きだと言う 所謂告白とか、したことがなかった
と思い当たる。それもまた、 開き直りに拍車を掛けたと言える。 ] (384) 2023/03/08(Wed) 14:33:24 |
| [ 視線が絡む。 逸らす、もう一度絡む。 彼の手が、帽子に触れる。 その癖はもう何度か見ている。 なんとはなしに、どういったときに そうするのかも、分かってしまう程には。 落とされた声量。応える言葉 >>367 ] ……はい [ 今度はこちらが、眼を丸くする番だった。 店内に流れるBGM >>366が、聞こえる。 どんな内容の歌詞だったか、ああたしか――。 ] (385) 2023/03/08(Wed) 14:33:48 |
| [ 反応を伺うように、眼を覗かれて、 心臓が勢い良く跳ねる。
余裕ぶった顔を見せられたら よかったのに、
その瞬間を切り取られたならきっと 眼を丸くして、口も半分開いている みたいな、間抜けな顔してたと思う。 ] (386) 2023/03/08(Wed) 14:34:10 |
| [ ――貴方の居ない夜には。 何を祈るのだったか。 ]
………待ってる、
[ また、恋をしてしまうような その仕草に、俺はとうとう口元を覆い隠し、 それっきり、黙り込んでしまったのだった。** ] (387) 2023/03/08(Wed) 14:34:45 |
| (a67) 2023/03/08(Wed) 14:37:39 |
[その傷を負うのは自分ではない。
これは彼女の痛みとは比べてはいけない程身勝手なものだ。
「傷ついた」と明かせる相手はこれまでにいたのだろうか。
一人で痛がっていたのかもしれないと思うと堪らなくなる。
腕の中に閉じ込めた真白がこれ以上誰かに傷つけられないように守りたい。
現実的にどんなに不可能であっても、そう思うばかりで。
高野とのやり取りではピンと来ていなかった台詞がストンと腑に落ちた。]
バレたか。
マシロちゃんも知ってたんだねアレ。
あの時はまだ片想いだったからね、僕が真似しても浮いてたけど。
今なら実感籠って言えるから。
あんなにいい声じゃないけど、
マシロちゃんにとって「こっち」を本物にして。
「もう離さない」
白うさぎの時間が終わったら、後は全部僕の。
[真白も見ていたなら、あの時は彼にドキドキしていたのかもしれないが。
本歌取りしてしまえとばかり真剣に想いを込めて告げた。]
[取り立てて面白みのない生い立ちは、苦労した人から見れば腹立たしいものかもしれない。
そんな思い込みや勝手な引け目でこれまで語っては来なかった。
お喋りなようでいて、その9割は料理の感想を言っているだけの男。
中身は随分つまらないと自分では思っている。
そんな話でも、彼女は静かに聞いてくれた。
自分のプロフィールをこんな顔で聞いてくれる子がいるなんて思わなかった。++66
その社会的立場は置いておきたいという我儘には、相槌だけではなくきちんと言葉で約束してくれた。
話しているのは自分なのに、たくさんの彼女の情報を自分がプレゼントして貰っている感覚。
想いはたくさんあるのに言葉にできるのはほんの一部。
自称「勘が良くない」君でも間違いようがないくらい、
「愛しい」っていう笑顔ができるのは他ならない君のおかげだと――
どうやら伝わっていたらしい。]
耳まで真っ赤なの、ほんっと可愛い。
[ほら、言うのを控えたりなんて出来ない。]
ええー全然気づいてなかった。
「信用してる」みたいに言われたから、僕は君にとって「男」って思われてないんだな〜って内心ちょっとしょんぼりしてたよ。
白うさぎさんの耳は、特に僕に対して感度が良好だったんだ?
[店内の注文や要望をよく聞いているから、耳が良いのは誰に対してもだと思っていたが、自分が自分の注文以外が向かう先に自然と視線を向けてしまっていたように、彼女もこっそり此方を気にしてくれていたという事実。
嬉しさに緩みっぱなしの口元が逆に真顔に戻れなかったらどうしようかと思うくらい。]
じゃあこれからはずっと大事にできるね。
[もう離すつもりなんてないから。]
[真白の腕が背に回る。
預けられた体温が心地好い。
「これ以上ない」
そんな熱に浮かされて言葉を紡いでいけば、とんでもないものが返って来た。]
っ!
それは反則でしょう……。
僕が幸せになることで、君に好きを教えてあげられた?
ああもう、すごい殺し文句だ!
初恋を僕がもらっちゃっていいの?
絶対返さないよ!
[耳が熱い。
彼女を揶揄えない程に自分も今真っ赤になっている自信がある。]
[送ろうか、と立ち上がったのは、時間がもう遅いというのもあるけれど、
これ以上彼女の可愛さを摂取したら過剰摂取で倒れてしまいそうだと思ったからだ。]
夜は更け、人はよりまばらに。
彼女さえ体力が残っていれば徒歩で帰路につく。]
[公園から見える位置にあるマンションの5階が神田家。
一人暮らし、実家は他県。
客用布団もあるから、仕事帰りに体調が悪くなったら使って。
25歳、誕生日は冬。もう過ぎた。
A型。ご存じの通り身長も体重も顔も声もすべて平均的。
たくさん食べても太らないのは、健康で新陳代謝が活発なのと、多分趣味が登山だから。
今まで好きな色を聞かれたら、美味しい食べ物が多い「茶色」と答えていたけれど]
ちょっと前から白が特別になったよ。
[車検ついでに秋に車を買い替えた。
前は何も考えずに黒に乗っていたけれど、どうしても白から目が離せなかった。
そんなことをつらつら話して。]
休みって何してる?
――これはデート計画に関わってくるからね、好きなこといっぱい聞かせて。
インドア?アウトドアもいけちゃう方?
[あまり質問攻めにしたくはないと思っていたけれど、しつこかったかもしれない。
この夜が最後ではなく、店でだって色々聞けるのに、「また今度でいいや」と自制できなくて。
明日は休みだと聞いたが、月にどのくらい休みがあるのか、とか。
旅行に行くとしたら休みは取れそう?とか。
一駅、ゆっくり歩いた筈なのに、あっという間に着いてしまって別れ際。]
そうそう、さっき言えなかったけど。
「全部全部、食べて欲しい」っていう言葉はね、
ちょっとこう、一瞬別の意味に捉えちゃったよ、って懺悔しとくね。
話の流れでご飯っていうのはわかっててもね!
……すけべ心があるっていうのは、憶えといて。
じゃ!おやすみ!
[顔を隠すように手を振って、踵を返す。
初恋だと言う彼女のペースに合わせるつもりだけれど。
信頼される男でいたいけれど。
ああ、Madam March Hareで理性に聞く料理を注文しなきゃ!**]
[ 一緒に痛がってくれるのが嬉しい、なんて言ったら
貴方は果たしてどんな顔をするのだろう。
同情でも何でもなく、あの日の傷を肯定してくれること。
例え立場が違っていても その想いは確かでしょう?
これから先、二度と傷付かないなんてことはきっとなくて
でもその代わりに私の隣には貴方がいるし
貴方の傍にも私がいる。
──守られるばかりじゃなく、一緒に、どんな痛みも傷も
向き合っていきたいな …そう思えた。
うさぎだって、いざという時はやるんですよ。 ]
……私が一番好きな声は、神田さんの声、ですよ
だから、その
…………あんまりドキドキさせないでください……
[ 真剣な声音が本気なんだと教えてくれる。
そろそろ本気で担当カラーを桃色にするべきか。 ]
[ 好きな人のことなら、どんな人生でも聞いてみたい。
寧ろ貴方が私みたいな道を歩いていなくて良かった、と
そんな風に想うのは 大咲のエゴだけれど。
「取り立てて面白みのない生い立ち」と思っているなら
今から私が色を付ける余地が幾らでもあるということ。
カメラを向けなくても美味しいものがなくても
目の前に貴方がいれば、私は自然と咲えるんですよ。
……なんて、それはきっと、未来で示していける筈。 ]
────……ぁぅ、……。
[ かわいくないです、と言葉を否定したくはなくて
でもいつものように肯定で茶化せもしない。
形にならない声が零れ、赤い耳を隠しかけるけれど。 ]
……だ、だって、脈無しだと思ってたんです
ナンパでも歓迎ってうっかり言っちゃって、
どう返せば気まずくならないかなって、その……
信用してたのも、本心ですし……
[ 「言わないでください……」といよいよ顔を覆った。
気になってつい貴方の声を聴いてしまうし、
常に探していたのも事実であるだけに。
本人から指摘が来ると、ほんとにもう、居た堪れない。
恋は盲目という先人の偉大な言葉が頭を過る。
正直、遠い世界の、違う感情なんだとさえ思っていた。
誰かを好きになる。その人に好きになってもらう。
──どうやって? 抱えた答えは出ないまま。
一生縁がないなと思っていたのに、
気付けば林檎が落ちるように恋へ転がって。 ]
返されても、受け取りません。
私の初恋、ちゃんと、最後の恋にしてください
──わたしも、好きでいて貰えるように頑張る、ので。
[ 抱き締めた体温は春先の夜に負けない熱さで、
お互い耳まで赤い、そんな一幕。
帰ろうかという提案の真意は知らずとも
これ以上可愛いを言われると死んでしまいそうなので
私の命も無事に救出されましたよ、お揃いですね? ]
[ 帰り路では色々な話をした。
お店にいる間は聞くに聞けないプライベート。
一人暮らしはお揃いです。一駅先、女性向け物件。
実家は……まだ同じ場所にあるのか分からない。
23歳。誕生日は冬なのも、お揃い。
何型なんだろう。教えて貰ったことはなかった。
155cm、体重はトップシークレットです。女の子の秘密。
あと、好きな色は白です。名前が真白だから。
──神田さんは? と聞けば ]
……ず、るぃ ひと、ですね……
[ そんな不意の、会心の一撃。
一生勝てそうにないんですが、どうしましょう、神さま。
脱兎しなくなっただけ大咲偉いと思いませんか。
代わりに、きゅ、と手を繋ぐ。 ]
休みの日は……んー。
新しい服とか、仕事の時は使えないけど可愛いコスメとか
買い物に行くことが多い、ですね。
あ、流行りの曲を聞くのも好きです。
好きなこと──料理とかわいいものと、後
これは今日気付いた好きなこと、なんですけど
好きな人のことをいっぱい知るのが、好きです。
[ だからインドアもアウトドアも両刀です。
しつこいなんて全然思わなくて、寧ろ質問は嬉しくて。
友達はいるけど、荒れていた頃の子ばかりだから
遊びに出かけたこともあんまりないです。
だからいっぱい教えてください。
新しく出来た好きなこと、教え続けるので。
そんな風に笑いながら。 ]
[ 月のお休みは大体これくらいです、と教えたシフト。
多分、世間一般の会社員よりもぎゅうぎゅう詰めで
欠勤が出たら増やすこともままあるけれども
一人で家にいるよりは、と入れすぎた節もあり。
今後はちゃんと出来る範囲で調整しますと宣言して
旅行にいくとすれば、なんて未来予想図には ]
──取ります! 絶対!
……長くても三日とか、四日が限界、かもですけど
[ せめて新しい人が増えてくれたらなぁ。
という期待は、意図せずして直近にて叶うことになるが。
一駅分。いつもと変わらない距離のはずなのに。
ゆっくり歩いても、どうして短く感じるんだろう。 ]
……………… …… ぇ、
[ 固まった。
一瞬別の意味。全部食べて欲しい。べつのいみ。
ご飯以外? ええと、つまり、し、したごころ?
ふと頭を過る、カウンター席、男性陣の恋愛話
ち、ちが、ちがうんですいえちがうこともないんですが
そんな そんな ……あの、その、
確かに言われてみれば、主語が抜け落ちているような
その意味を理解出来ないほどお子様ではない、ので。 ]
[ 顔を隠すように手を振り踵を返す貴方の服を掴み、
迷路みたいにぐるぐる回転する頭で導いた答えは。 ]
あ、あのっ、 ぃ……いやじゃ、ないです
だから懺悔とか、しなくてよくて…
……おぼえておく、ので
いやじゃないことも、憶えておいて、ください
じゃああの今度こそおやすみなさい!!!
[ 何言ってるんですか私。何口走ってるんですかわたし!?
引き留めてまで言いたいことも要領を得ないくせに
白うさぎは脱兎を決め、家の中へ駆け込んだ。
ずるずるその場へ座り込むと、まっかな顔を覆って ]
[ 真白と書いて、ましろだから、白が好き。
でも白色ってね 何色にも染まっちゃうんですよ
──いつか遠くないうちに
貴方の色に、染めてほしい です。* ]
― アスパラガスの日にて ―
[ 速崎と話し合おう、と大咲は思っていた。
連日何かと慌ただしく、思うように顔も合わせられず
ようやく被った出勤日。
仕込みの用意や時間が奇跡のすれ違いを見せ、
結局大咲はここまで声どころか挨拶も交わせないまま。
何かに空回るような速崎を見てしまえば
勝手に傷付いただけの大咲が、声を掛ける余地もない。 ]
(……ど、どう、どうしよ)
[ そうこうしているうちに衝撃の告白が聞こえ
結局あの日以来、礼も言えていない葉月が来店し
「なんでもない日」ではなくなった一日の幕開け。 ]
…………けいちゃん
[ 大咲に出来ることは、ない。
恋の実が色付かずに落ちる瞬間を見聞きしてしまっても
今この場の大咲は、幸せと美味しいご飯の、白うさぎ。
なんで、と零した先日の自分を思い出す。
過去なんかひとつも教えなかったくせして
どのツラ下げて傷付いたとか言えるんだろう。
でもこの三年、一緒に笑い合って料理をして
あの記憶と日々が全部、壊れてしまう気がしたんだ。
──けれど、言い切らずに話し合おうとする速崎は
クッキーを作った日の記憶と、どこか、重なる。 ]
[ その時すでに神田は店内にいたか。
或いは幸か不幸か、この騒動を知らないか。
今日のうさぎの穴はなんだか、少しだけ苦しい空気。
それでも営業は閉店時間まで終わらない。
大咲は過日のように動揺を露にすることなく
しかし今日ばかりは空気になるしかないと気配を消した ]
(なんかもう、感情も考えもぐちゃぐちゃだけど
私はやっぱり けいちゃんと終わりたくないな)
[ だって、信じたいってあの時確かに、思ったから。
────だから今は見守りもせず
本人たちにとって良い結末へ向かえるよう祈るだけ。 ]
[ 貴方が来店のベルを鳴らすなら、
「いらっしゃいませ!」といつものように明るく笑って。
それとも貴方が既に、うさぎの穴へいたのなら
お仕事中の白うさぎは、自然な動きで
貴方の声を拾うため 近くへ移動することになる* ]
[下心を見せれば、怯えさせてしまうかな、とは少し思っていた。
けれど零しておかないと、いつか爆発して傷つけてしまいそうで。
「全部食べて」に違う意味がないことがわかっていても、
下心のある男にはそう響いてしまうことがあるから気を付けなよ、と警戒を促す意図も込めて。
居た堪れなさに逃げ出そうとしたら、逃げ足の速い白うさぎさんは捕まえるのも上手だった。]
っくぅ……
君は、本当にもう……
ずっるぃ、
[今日一顔が赤くなったと思う。
降参。オーバーキルです。
早速勝ってるよ]
忘れらんなくなるでしょ!
[「いやじゃない」と繰り返された。
「憶えておいて」の打ち返し。
そうやって言葉にしてくれるところが好きだから、
今日だけで何度も彼女に堕ちている。]
[繋ぐ手がないことがもう寂しい。
連れて帰るうさぎクッキーを代わりに掌に収める。
住んでるところが女性向け物件で良かった。
実家の場所が曖昧なのは、独立して母親と縁を切ったということか。
2個下。
まだ若いかな、と思う程度には自然と彼女の家族になる自分を思い浮かべている。
相槌を打って、血液型はもしもの時の為に調べておくことを勧めておいた。
刃物も火元もある職場だからね、心配させてほしい。
20cm弱の身長差、声も届きやすい。
体重は何キロでも構わないけど、密かにお姫様抱っこには憧れてるから鍛えておこう。
真白から「白」を選んだのは君。
「白」を見たら「マシロちゃん」に全部繋がるようになったのが僕。
彼女が自分の好みを変えたという話の何が狡いのかその時はよくわからなかった。
別れ際に言うことになるとはね。]
[休日はもっとメイクが濃い?
と少し立ち止まって覗いてみたり。
飲食店勤務だからと好きなことでも控える姿勢を尊敬する。
我慢しなくて良い日に思いっきり「かわいい」マシロちゃんに逢わせて。
それをデートのテーマにしよう。
力は強くないから、買い物の荷物は片手で持てるくらいにして。
片手は繋ぎたいから。
音楽は流行を追う。お揃い。
洋楽にはあまり詳しくない。
カラオケはすごい上手い訳でもすごい下手な訳でもないと思ってる。
この声を好きでいてくれるなら、2割くらい上手く聴こえるのかな。
試すのが楽しみだ。]
[彼女をひとつひとつ知って、自分と過ごす彼女を想像する。
「食べることが好き」以外のプロフィールを知りたい人がいるなんて思ってもみなかったけれど。
『それもおそろい』
『好きな子のこと知るの、すっごい好き!』
探せばきっともっとある、「おそろい」。
違っていても、お互いきっとそれを尊重できる。
「つまらなくないかな」って不安にならずに話せる相手がいるっていいね。
まるで恋愛初心者のような口ぶりは、過去の交際ではそれを実感できなかったと伝わるか。]
[横を歩く真白はずっと笑っていて。
自分もずっと笑っていた。
「ナンパでも歓迎」って言われたあの時、お互いが自分が相手の範囲外と思っていたのは今後も折に触れて笑い話になるだろう。
あの時はお互いの本心に気づかなかったのだから、演技は上手くいっていたということか。
これから先は下手になる一方だと思うけれど。]
[最後の恋にして、と言われた。
「うん。約束する」
と、即答した。
この恋を失ったら、きっともう恋なんて出来ない。
絶望で塗りつぶされて、どこを探しても白が見つからない、そんな世界、耐えられる気がしない。*]
| [ 顔色、変わらない方だと思ってた。 酒が入っても、なにかに追い詰められていても。 じわ、と実感が生まれれば、 とくとく、という規則正しい音から、 どっどっ、という滝の流れるような音に変わり、 徐々に体温が上がってくる。 目の前の君といえば、余裕のありそう 笑みを一つ漏らして、手元の作業 >>388を 再開したか。 ] (455) 2023/03/08(Wed) 22:13:30 |
| [ 既に届いて一度しか口をつけていない ビールを、流し、ややあってから こちらも食事を再開した。 おいしい、大丈夫 味します >>316 届いた順番にすべて、食い尽くして いるわけではないから、卓には、 ビール、鰯のトマト煮、たまごふわふわが並んでいる。 トマト煮は既に半分ほど、胃に収めて しまったが、ビールの後、また一口 手を付けて、 ] んん、……うまぁ [ 相乗効果はいかほどか。 すかさずビールを流す、というループが 完成してしまったので検証は不可能かも。 次は日本酒もいいかもしれない。 丁寧な仕事をしている彼は土鍋 >>390を使って いるし、炊き込みご飯と言っていたから。 ] (456) 2023/03/08(Wed) 22:14:18 |
| うわぁ、すごい本格的 ありがとう
[ ぐだぐだと次に何を飲もうか悩んでいる間に、 調理を終えた那岐が土鍋を卓へと、置く。
まずは、蓋を開いた。 途端、立ち上る湯気、そしてたけのこの香り。 ああ、これは ]
……酒じゃないな、お茶を一つ 手が空いたら、お願いします。
[ 相乗効果もいいが、メインに楽しむなら 酔わずに楽しみたい故に。 ] (457) 2023/03/08(Wed) 22:15:00 |
| うん、今日はゆっくりだから デザートもいただくよ。
[ 土鍋で炊かれたご飯に、端のほうから しゃもじを入れ、持ち上げるとまた、暴力的な までの良い香りが漂う。丁寧に、器に盛り付け まずはたけのこを、口に入れた。 ]
あぁぁぁ……うまぁ………
[ 言う、というより自然とこぼれ出した言葉。 これぞという物に出会った時ほど、 勢い良く皿を空にしていく方なのだが、 じわじわと旨味が襲ってくるので、 大事に、少しずつけれど確実に、土鍋の中身を 減らしていった。* ] (458) 2023/03/08(Wed) 22:15:23 |
――アスパラガスの日――
[ゲイザーがあの日早退したのは、元からの家庭の事情というところまでは聞いた。
去り際に店内が少し妙な空気になった理由を真白は知っているようだが、恐らくまだ解決には至っていないのだろう。
というのも、教えてもらったシフトを元に何度か来店しても、ゲイザーの姿は店内になかったから。
ゲイザーを気にしているかのような、少し元気のない様子は気になるし、話して楽になることならいくらでも聞くけれど、真白は解決してから話すつもりだろうか。
自分が出来るのは、真白が話したいと思った時に傍にいることだけだ。]
やあ。空いてる?
[いつもの台詞で店内に入る。
前はこっそり立ち位置を確認していたけれど、もう隠さない。
常連は自分達の関係が変化していることをもう知っているし、新規客がいたら牽制しないといけないので。
自然な動き?
うさぎさんがぴょんと跳ねている幻覚が見えるな?]
[来店したのは少し遅めの時間帯。
一緒に帰りたいと思ったら、前と同じ早目の時間だと食後に席を埋めることになるから。
この店は普段から食事が終わっても急かしたりはしないけれど、彼女の働く店で自分が困った客になるのは避けたい。
その結果、
幸か不幸か三角関係の告白劇は見逃していた。
カウンターには明らかに限度を超えて飲んだと思われる酔客の姿。]
うーん、今から美味しく食べたいから、
今日はテーブルにしとこ!
[勿論、彼が決壊してしまうなら、同業者のよしみで介抱するつもりではある。]
たけのこ!おいしいよね。
てんぷらがいいな。穂先多めで。
あとねー、アスパラを鶏肉で巻いたのが食べたい。
マンゴーはタルトだって?食べないわけがない!
[黒板を見つつ「いつも通り」の声色で意気揚々と注文する。
飲み物はホット烏龍茶にしよう。
ゲイザーがいて、もし今日真白と話をするなら――
遅くなった時に二人共を車で送れるように。*]
| あいつ、酔ってる? [ それは誰に向けた言葉でもない。 敢えて言うなら本人に >>452向けてか。 店内であった、あれこれ。 葉月が最後までがんばったあれこれも 敢えて聞こうとはしなかった。 が、これは耳に入ってしまったので。 そしてこれも。敢えて見ようとは しなかったけれど目に入った >>454もので その時近くに居た店員に、 ] (462) 2023/03/08(Wed) 22:30:13 |
| そのままにしといてやって。 最悪の場合、俺が送ってくから。 多分そう遠くないんだ、俺の家から。 [ そう言っておいた。 店員や店長に送らせるわけにもいかんだろうし ]
仕方ないよね、友達だから。
[ 俺も友達の一人、に数えてほしいからね。* ] (464) 2023/03/08(Wed) 22:30:35 |
| (a81) 2023/03/08(Wed) 22:36:12 |
| ―― 起こり得なかった話し ――
お前、明日泣くぞ?
[ 特にこちらからなにかするつもりはない、が お前絶対起きて、後悔して泣くだろ。 ]
手ぇかかるなぁ葉月。 はぁぁ、任せてお父さん、どうにかするから 心配しないで。
[ 酔っ払いの戯言ひとつ、二人で笑って 片付けられたと、思うんだけど。
このビジュアルのお母さんってどうなの。
それとね、別に教えたくなかったわけじゃなくて その秘密、誰にも話したことがなかったから、
一番最初に、本人に教えたかっただけなんだよ。* ] (484) 2023/03/08(Wed) 23:28:20 |
| ありがとう、シャミちゃん。 そうだね、歩いて帰れなさそうだったら そうしよっかな。 こいつ担ぐの、楽しくも嬉しくもないしね。 [ 以前誰かに担ぐって言ってたって? 状況と相手によりけりでしょ、そんなの。 飲食店側としては、暴発だけはなんとしても 避けたいと思うのは至極当たり前で、 やたらと手際のいいシャミちゃん >>483には さすがだなぁと思うばかり ] 頑張っちゃったんでしょ、多分。 このまま少し休ませてやって。 閉店までこうだったら、タクシーお願いするね。 [ それでも、葉月が眠りこけていたりなんかしたら 嫌がらせのようにお姫様抱っこで運んでやっても いいんだけどね。鍛えといてよかったなぁ。* ] (492) 2023/03/08(Wed) 23:40:09 |
| [ 友達に数えて欲しいのは本当なんだけどね。 腕を引くこともそうだし、 どうして俺、 葉月持ち帰ること になってんだろうね まだ好きな人すら、持ち帰ったことないってのに。 まぁそういう縁巡りなんだろうね。 いつかネタにして、弄ってやろうと思うの 別にそこまで、意地悪じゃないよね?* ] (500) 2023/03/08(Wed) 23:43:50 |
[ 葉月が速崎を気にしているのは知っていたけれども、
速崎が栗栖に好意を持っているなんて気付かなかった。
けれど貝沢も栗栖が好きで、栗栖も満更ではなさそうで
……その時点で全員幸せのハッピーエンドは存在しない。
顛末として、明らかな深酒も気にかけてはいたけれど
今日ばかりは致し方あるまい、と止めることはなく。
あの日の妙な空気の理由は、
気付いていないならまだ教えてはいなかった。
栗栖の過去を無断で教える羽目になりかねないし
全部が終わった後、話せるところだけ聞いて貰おう、と ]
────あ、神田さん!
いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ!
[ それはともかく、貴方の幻覚は実際その通り。
白うさぎはこの空気感からの寄る辺を見つけ、
ぱっと笑顔で、ぴょん、と跳ねては彼を迎えた。 ]
[ この店の、お客様と雑談をしても良し──どころか
和気藹々とすることが寧ろ持ち味ということもあって
まあ、変に勘違いをする人も、いないこともない。
故に彼の牽制は実際功を為しているのだが、
そちらは大咲が知る由もなかった。
最近厄介なお客さん減ったなぁ、くらいの気持ちだ。
少し遅い時間帯の来店の理由には察しがついている。
てっぺんまで飲む、と決めるような日なら別でも
夜のご飯を楽しむだけなら時間が余るのは確実で。
気遣いながら通ってくれる彼の優しさが、うれしい。 ]
前みたいにカウンターで事故っちゃったら、
今の葉月さんだと大変ですしね〜?
[ なんて揶揄って、笑い声を一つ。
その頃には店内も幾分か明るさを取り戻していて、
ご機嫌な瑞野というレア中のレアまで見た後となれば
絶対"アレ"じゃん!…と、野次馬しそうになるものの ]
[ いつも通りの声音、普段と変わらない笑顔。
連日の出勤と今日も開催された騒動で疲弊した心に、
恋しい彼の"普段通り"が安心感を与えてくれる。 ]
はーい、承りました!
たけのこの天ぷら、穂先多めと……アスパラの鶏肉巻き。
マンゴータルトはですね、今日、瑞野さんが──
[ 作ったんですよ、と言いかけて、つい。
やっぱり堪えきれない大咲は、瑞野のいる方を見た。
何故か新人を息子にしたらしいご機嫌な瑞野。
私の方が! 先に!
お兄ちゃんみたいに慕ってたんですけど〜〜!?
……とは、言わない。大人なのだ、大咲は。 ]
……なんか瑞野さん、ご機嫌なんですよねー、今日。
デザート以外は、私が作りますね。
今なら手が空いててすぐ取り掛かれますし
ちょっとだけ待っててください。
[ 見詰める大咲の顔は、仕事の為のナチュラルメイク。
あの日教えた「お休みの日はラメを使うのが好き」という
些細な、好きなことのひとつ。
万が一でも料理に入ると困るから、勤務中は使えない。
でも、私服は可愛いを常に気にするようになった。
理由は──言わなくても、分かりますよね?
白うさぎはオーダーを受け、おしぼりと温かい烏龍茶を
まずは手早く机へお出しして。
厨房の方に戻っていく。 ]
[ それにしても、春だなぁと思わんばかりの食材たちだ。
たけのこの天ぷら。アスパラを鶏肉で巻いたもの。
となれば前者はあっさりめで、後者には味を足そうか。
まずはたけのこを手に取り、水洗いを終えれば
穂先が多めになるよう食べやすい形へ切っていく。
穂先は柔らかい分、薄く切ってしまうと噛み応えがないから
厚めに切ることを意識して。
鍋へ水と切り終えたたけのこ、店の特製めんつゆを入れ
中火で煮汁が殆どなくなるまでいったん放置。
……という工程を一から踏むと時間が掛かってしまうので。
和食を望まれた時に対応できるよう、
ある程度は仕込んでおいた。穂先や根元は好みがあるから
指定があれば選べるよう、きちんと考えて仕込んでいる。
いや本当、その日の食材に合わせて注文を予想して
予め仕込んでおいたものが使われると、安心します、ね ]
[ 仕込んでおいた水煮のたけのこを取り出し、
器へ移して、残ってある煮汁に浸しながら広げて冷ます。
待つ間に今度はアスパラ、皮を取り除いた鶏の胸肉。
後はゴボウ、人参、干ししいたけを用意して
胸肉に包丁で切り目を入れ、開く。
塩と料理酒を全体へ振りかけて通るように軽く揉み込み、
アスパラのかまを取り
皮を剥いた(削いだともいう)ゴボウと人参を
ある程度の太さの棒状へ切れば、しっかりと茹でる。
干ししいたけは水で戻してしっかり水気を切った後、
半分にカットして。
開いた鶏肉の上へ茹で冷ましたゴボウ、アスパラ、人参の
彩り三兄弟を乗せ、タコ糸で巻いて縛った。 ]
[ フライパンへごま油を引き、
みりん、醤油、砂糖、料理酒を混ぜたものを用意して。
天ぷらと一緒に食べても引き立つように、
気持ち、味を濃く作ろうと、量を調整しつつ。
先に巻き終えた鶏肉を並べ、転がすように全体へ火を通し
一度余分な脂をキッチンペーパーで拭き取れば
混ぜ終えた調味料と一緒に再度フライパンへ移し
もう一度、今度はシイタケも加えて加熱する。
粗熱を取る間に、ボウルへ天ぷら粉と水を混ぜ
たけのこの汁気を軽くペーパーへ吸わせたら
天ぷら粉へくぐらせ、油でじゅう、と揚げていこう。
大葉も合わせるかと思い立ち、追加でそれも。
完成した大葉とたけのこの天ぷらを見栄え良く並べ。
粗熱も取れた鶏肉を一口サイズに切っていけば、
中はちゃんと綺麗な市松模様になっていた。 ]
[ 後は一緒に加熱したシイタケを見栄え良く乗せて、
いわゆる"八幡巻き"の完成だ。
……あ。いえ別に、あの、名前が同じだからとか
そんな他意は。いや。その。
無いとは、言わない。
マンゴータルトは食後だろう、と二皿を手に
神田の元へ笑顔と一緒に帰っていこう。 ]
神田さん! お待たせしました!
ご注文の、たけのこの天ぷらと……その、
……鶏肉のアスパラ巻きです!
タルト、食後にお持ちします ……ご、ごゆっくり!
[ 咄嗟に料理名に詰まって、結局言えないまま
白うさぎはいつもの癖でぴょんと背中を向け、かけて ]
[ やっぱりくるんと振り返った白うさぎは
「あの」と小声で話し掛ける。
お店の中、今は店員とお客様だと分かっているけれど
……ちょっとだけ。
しんどい気持ちを、約束で、甘やかしてくれませんか。 ]
今日、お家に泊まっても、いいですか
体調が悪いとかじゃないんです、けど
……少しだけ。隣で今日は、休みたいです。
[ そんな雰囲気もきっと、
貴方が牽制したいご新規様の心を折るのだろうな。** ]
| ―― 閉店前 ――
おら、しゃっきりしろ。 んっとに、手ぇかかる。
[ 閉店間際まで居座ること 俺も望まないし、葉月も望まない。
良きところで、シャミちゃんに声を掛け タクシーを呼び、 ]
ずいぶん、高い一杯だな。
[ 一杯ごちそうせねば、そう思ってたもんで 前後不覚の相手の鞄を漁るわけにも、いくまい。 ]
今度払わせるから今日は俺のと一緒に しといて。
[ 支払いを済ませると、担いでか 抱っこでか、タクシーへ。 好きな方、選びなされ。
住所を聞き出し、彼の家まで。 運転手さんには、自分も贈って欲しいので 待ってて欲しいと、そう伝え、未だ前後不覚の 様子なら、鍵を出させて、家の中。 ] (508) 2023/03/09(Thu) 0:02:55 |
| ベッド、どこ。
[ なるほど、シェアを言い出すくらいには 広い家。じっくり眺める時間はない。 運転手、またせてるもんで。寝具に、転がして ]
――頑張ったな、いい夢みな
[ さっさと退散した。鍵は掛けてポストか、 どこかに突っ込みタクシーへ戻る。 『鍵、みつかるとこに置いといたから またな』
そうメッセージを打ち込みながら ]
ええ、とても
[ 良いことがあったのですかと、問う運転手に 返事をした。* ] (509) 2023/03/09(Thu) 0:03:42 |
| (a87) 2023/03/09(Thu) 0:04:30 |
うーん、葉月さん、何があったんだろ……。
記事の感想言いたかったんだけどな……。
[そわそわとカウンターを見遣る。
高野が送っていくと言っているので、自分の出番はいらないかもしれない。
昔から存在を認知しているとはいえ、自分は彼の家を知らない。
高野が把握しているのは、やはりあの記事がきっかけだろうか。
自分も見に行った公開録音の様子が端的にまとめられている。
「いつもと同じ穏やかな笑み」という表現が特に、記事を読んでいる「現地未参戦」のファンにとってその様子が一瞬で思い浮かべられるだろうから秀逸だ。
その後のインタビュー部分も、高野の「今」の姿を捉えるものに焦点を絞っていて、過去の栄光を強調したり事故のことを蒸し返したりしない、とても誠実な記事だった。]
「人」を見るのが上手いんだよなぁ、やっぱ……。
[ないものねだりだが、自分には彼のように人に寄り添う記事は書けない。
共感力が圧倒的に劣っていると思っている。
彼自身は自分への評価が低いけれど、このこの記事のPV数で少しくらい自信を持ったら良いのにな、と思っている。*]
[注文した品が到着するのを待つ間、ぐるりと店内を観察しては見たものの、「何があったか」には思い至らなかった。
葉月の想いも、ゲイザーの心の向きも。
何せ高野と食事を共にした時、高野は沙弥と「いい感じ」に見えていたくらいのポンコツなもので。
ああでも「ご機嫌」な那岐が誰の方向を見ているかというのは――流石にわかる。
なるほど、話したそうな空気は読めていたということか、と一人納得。
ところで秘めた内心は隠したままなのだろうか。
ちょっとヤキモチ焼いてる彼女も見てみたいのだけれど。
それを見た自分がヤキモチを焼くとはわかっていても。]
わ〜やったー!
思ってたより早く出て来てびっくりだよ。
同じ注文の人が前にいたり?
[注文を予想して仕込みをある程度しておく
というのを聞いたら、「先見の明!」と小さく拍手した。
アク抜きまでならどの味付けでも転用できるが、天ぷらの下味はなかなか他には使いづらいのではないだろうか。]
うん。天ぷら、と。
[にこにこ。
視線は、肉巻きの中のごぼうで止まり、彼女のラメのない目元に止まり。
アスパラしか指定していなかったその「中身」に、ごぼうを入れた時点で「わかっている」と思っている。]
呼んでくれないの?
[料理名なら、その可愛い声で自分の名前を構成する3文字が聞けるかなと思ったが中々難しいか。
白うさぎが背を向けるなら無理強いはしない。]
[――と、彼女が振り返った。
まだ、「白うさぎ」でいる時間に、彼女の方からこうして至近距離に来ることは珍しい。]
うん、おいで。
[先程までにこにこと料理名を言わせようとしていた悪戯っぽい笑顔から一転、穏やかに。
理由は今は聞かない。
彼女が自分だけの「マシロちゃん」になってからだ。]
僕は布団派です。
来客用は浮かれてついこないだ新調しました。
[隣で過ごそう。
約束をして、冷めない内に料理を頂くことにする。**]
| (a88) 2023/03/09(Thu) 0:36:39 |
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
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