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【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「意気地なしか……そうかもね。 でも、大事な人には幸せに生きて欲しいと、思ってるだけだよ」 当時の僕は、感情が歪むほど耐えられなかった。 大事な人を作ると、その人に不幸が訪れるから。 あなたも、ラーラもそうだったから…… これ以上そういう人が出来るのを避けてきた。それだけだった。 「……ふぅん」 あなたの情報を聞いて、なるほどねと頷く。 イレネオが強硬的な思考を持っていることはわかっていた。 上手く手綱を握れなかったのは、先輩である自分の責任かもしれない。 ニーノについても、あの性格でスラムから養育院という子供時代を送っていたと聞いたから、そういうこともあるだろうかと理解はできた。 納得はもちろん……できない。 「聞けば聞くほど法律が間違ってる。 そんなのが認められたままだと国が沈むね」 ▼ (_0) 2023/09/20(Wed) 21:55:14 |
【魂】 花浅葱 エルヴィーノふぅ、と息をついて、あなたをじっと見つめた。 「………夢の中で情報屋に会った……って言ったら、信じるかい?」 まことしやかに語られる都市伝説。 三回だけ聞くことができるその情報は、必ず真実で正確だというものだ。 給料4.5ヶ月分に匹敵するかはわからないが、貴重な情報であることは間違いあるまい。 「危険なことをしないのにプラスしただけ温情だろう? まぁ聞きなよ……信じる信じないは、キミに任せる」 「アリソン・カンパネッロは……」 「アレッサンドロ・ルカーニア…… 通称”黒眼鏡” ……キミの上司。そして、うちの後輩を逮捕した……張本人さ」 (_1) 2023/09/20(Wed) 21:57:05 |
【神】 花浅葱 エルヴィーノ「……うそ、だろ」 流石に、静かにしていることが出来なかった。 後輩に続いて、あの皮肉屋で生真面目で仕事が出来る同期が。 ちょっとしわくちゃな顔で書類と向き合っていても、問題行動を起こしたりはしなかったその幼馴染が。 逮捕されるなんて……ありえないじゃないか。 「これ以上、逮捕者を出し続けたら……街の治安維持だって難しくなりますよ」 どうすると言うんだ、本当に。 法律といいながら、ただの私刑でしかない。 #警察署_朝礼 (G2) 2023/09/20(Wed) 22:03:16 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「刑の決定までその効力が及ぶようじゃ、この国は本当に終わってしまうね。 マフィアにも人権があるのは当然だけど、これはあくまで取り調べ。諦めて真面目に受けろ」 わざとらしく肩をすくめて返した。 「確かに。キミの逮捕と取締法は関係はないね。 キミの逮捕については……僕の後輩が無理を押した結果だ。 ……ま、それで目をつけられて自分も逮捕されてるんだから世話ないけどね」 違わないけれど、そんな口車に乗せられてはやらない。 聖人君子でないことはとっくに解っているけれど、あなたは血の掟を交わしたカポ・レジームではなかったのか。 「法律は金の力はあるとは言え、正当に可決されてしまったものだね。 金自体違法献金だけど……キミだって、これが相当に異常な法律になってることはわかってるだろ。 しかも摘発チームに入ってまで……念入りじゃないか。 僕が聞きたいのは、そうまでしてどうして仲間を裏切る事にしたのかってことだよ」 納得がいく理由が知りたいだけだが、何を言ってもこの男はちゃんと語る気がないらしい。 だからといって、暴力で語らせるのは悪手。 そして牢の中に入ってしまうのは、約束に反することになる。 故に、語ってもらえぬ現状に、大きく息をついたことだろう。 (-23) 2023/09/20(Wed) 22:33:28 |
【神】 花浅葱 エルヴィーノ「……警部まで捕まるなんて、本当に、どうしたらいいのかますますわからなくなってきたな……」 直属の上司。 現場指揮をする人ではないとはいえ、署内でまともに会話できる上層部に近い人間は、彼くらいのものだったのに。 「アリーチェとダニエラは……絶対に隙をみせたら駄目だよ」 何が起こるか、もう全くわからない。 #警察署_朝礼 (G6) 2023/09/20(Wed) 22:37:31 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ「ぬ……がせろって、ことかい?」 勿論、服の上から撫でる趣味なんてあるわけがない。 やるなら直接やらないと、自分であったって果てることはできないだろう。 下穿きごとずらされたなら、固くなってしまっていたものが姿を表してしまう。 あなたより早く兆してしまったのは、首筋に刺激を与え続けられていたせいだ。 「う……」 固くなってきてる……のかな、と。 導かれたまま服の上から撫でたり軽く握ったりしていたが、揶揄われてしまっては乗らざるを得ない。 ちょっとだけ、むっとした顔をして、「そんなことない」と、同じように下穿きとスウェットに手をかけて、ゆっくりと下ろしていくだろう。 (-29) 2023/09/20(Wed) 22:49:25 |
【神】 花浅葱 エルヴィーノ (G10) 2023/09/20(Wed) 22:52:04 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ小さく呻いた。 だって、思ったより、大きい。 体格の差があるから、自分のよりは大きいだろうな。……くらいは考えていたものの、いざ見てみるとちょっと怖くなった。 まだまだ大きくなることを知っているし、これを受け入れることが可能なんだろうかと、考えてしまうのは仕方のない話だ。 「……ん、……っ」 今度は直接、勃ち上がり始めているそれを、やんわりと撫でてみた。大丈夫そうなら、握ってしまわないように手で包んで刺激を与えてみる。 子供ではないのだから、自分で自分のものに触れてみたことは勿論ある。自分でやってたように……やればいいのだけど。 思ったように刺激を与えてやれないのは、自分にも同じだけの刺激を与えられているからだ。 どこに触れても震えているから、良い場所を見つけるのは少しだけ難しかったかもしれなくて、それでも一番先の部分や裏側の筋張った部分に触れたなら、より大きく肩を揺らした。 それがなんとなく耐えられなくて、うつむいたまま。 頭をあなたの胸に預けながらも手を止めないように、あなたのそれを育てていくだろう。 (-72) 2023/09/21(Thu) 0:45:23 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノ (1) 2023/09/21(Thu) 0:54:59 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ「ん、な、……に……っ?」 刺激を与えられるたび、だんだんと熱を高めていく吐息を洩らして。 頬に触れた手に導かれてその顔を上げて。 上気した頬が隠しきれなくなってしまったが、どうしたのだろうと首を傾げた。 あなたに手を動かすのを止められたなら一旦刺激を与えるのをやめるだろうし、包み込むように一緒に握らせられたならその瞳を一瞬丸くさせて驚くだろう。 どちらにせよ、抵抗の意志はないようで、されるがままに受け入れるに違いない。 「ふ、ぁ……、ッッ」 思わず口をついて声が出てしまった。 2つを合わせたら少し流れ出てただろう先走りが合わさって、滑りがよくなったかもしれない。 一緒にすり合わせて感じる強い快感は、淡白だったはずの身体にも強い影響を齎した。 (-94) 2023/09/21(Thu) 1:56:16 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ一度許したことを反故にはしない。 強引とは言え、快楽を与えられる側になるというのは初めてのことで戸惑いは大きいけれど。 むしろ戸惑いがあるからこそ、その間にあなたはその強引さで事を進めている。 抵抗など、やってる間もなく波が押し寄せている気さえしている。 「〜〜〜〜〜っ」 最初に首筋に噛みつかれた時から、口づけなんてしてこないのだと思っていた。 驚いて漏れ出た吐息も全部飲み込まれてしまって、脳から酸素を奪っていく。 擦り合わされる強い快楽が、脳から思考を奪っていく。 身動きすらとれず、苦しさも相まって目尻に生理的な涙を浮かべた。 別に、優しく女のように扱ってもらおうなんて思っていない。 華奢だとはいえこの身体は男で、警察ゆえに最低限は鍛えてあるのだから、そんなに軟ではない。 ただ、なんでも”待て”をして伺いを立てる、あなたの性格をそれなりに知っていると思っていたからこそ、その強引さに少しの驚きを感じているだけだ。 そうなってしまうくらい、好意をもたれているということなのか それとも本当はそれほど好感はなく、優しく扱う必要はないと思われているのか、それはよくわからないけれど。 でも、そのどちらであっても、男はその強引さを最後まで受け入れるだろう。 男はどうあっても、自分の身よりも相手の幸を優先して考える人間だった。 (-131) 2023/09/21(Thu) 7:42:08 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「そう願いたいよ。 僕は早く、罪もなく逮捕された仲間たちについては……早く出してやりたいし」 僕に関わる人間には不幸が訪れて、いつか僕を一人にすると、本気で思っている。 この逮捕もまた、彼らに少しでも心を預けてしまった、そのせいかもしれないと、怯えて。 「本当に……理屈を並べるのは上手いことだ。 その手腕で所長代理に甘い言葉をかけたんだろ、キミは。 ……ま、過激な思想を持ってた上に、所長の椅子が空けば調子に乗るのは必然か。 これは調べてみれば所長が倒れた原因にも絡んでる証拠がとれるかもしれないな」 こんな法案は早くなくしてしまいたいからこそ、調べるべき案件を一つ、記憶にメモを残した。 これは重要な証言だ。 ▼ (-139) 2023/09/21(Thu) 8:13:34 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「……まぁ。 この取り調べは、僕が知りたいことを秘密裏に聞かせてもらってるものだから……。 その点においてだけはキミに謝らなければならないかもね。 キミの部下になる気はないけど、優秀な情報屋を使わせてもらったのさ。 なにせアリソンの情報はどれだけネットを駆使して探してもなんの痕跡もでなかったし……。 あぁ、でも情報屋に聞いたのは、うちの大型犬に手を出した人物を聞いたんだよ? そしたらたまたま。アリソンであってキミが浮上してしまったと言うだけの話さ。 恨むなら、彼が僕に懐いていた不幸にしておいてくれよ」 ごめんね、と小さく謝る様子は全く悪びれていない。 とはいえ正当に逮捕してしまうかは、確かにこちらのさじ加減。 そういうのを判断したいという大義名分はあれど、本当の所は聞きたい理由は別の話だ。 手をかけていた格子から、静かに離れて、ひとつ。息をついた。 「……ノッテを恨んでいたのか。 キミ、本当は別のマフィアの人間だったりするのかい? でもそうか……怨恨と女と聞けば、少しだけ親近感が湧いたよ。 僕もね、大事なものを奪っていたマフィアが、大嫌いだから」 「もういい加減……アイツを、ルチアを返してほしいな」 ――なんて言っても、 それを判断するのはルチアーノ本人であって、あなたではない。 (-140) 2023/09/21(Thu) 8:14:53 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ自分からやるのと、人からやられるのとでは、こうも感覚が違うものだということを、初めて知った。 口内を弄る舌を追いかけるので精一杯で、呼吸をする余裕がない。 頭が少しくらりとしたところで、離れていってしまったから、ヒュウ、とか細く息を繋いだだろう。 涙を舐め取る仕草が思いの外優しくて、強引さとのギャップを感じて、きゅう、と心臓が掴まれてしまった気がする。 「……っは、ぅ、ん」 「も、だっ、」 苦しくないわけがない。 こんな、ひどく卑猥で、暴力的な快楽を与えられるのは初めてのことだから、同じように眉をしかめて耐えている。 もう、いつ限界が来てもおかしくないところに、手の動きの勢いが増したから、ぶんぶんと頭を振った。 あなたがそのまま、果てさせようとするなら。 程なくして互いの白濁が、スウェットをたくし上げられた下にある腹に吐き出されてしまうのだろう。 は、はっ……と肩で息をすると、支えられてるとはいえ膝立ちのままでいられなくて、ふらりとした身体はそのままあなたに凭れかかってしまった。 (-186) 2023/09/21(Thu) 12:42:38 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「それは否定しない。 なんであんな人物を据えたんだというのは誰もが思ってるはずだよ」 所長代理に同調している一部の上層部以外は、だが。 ジト目をあなたに向けながら、どっちもどっちだと頭を振った。 「とはいってもキミがやったことも、所長代理がやったことも立派な犯罪だからね。流されないよ。 うちの忠犬もよくキミを相打ちに持っていったことだ。しつけはともかくその強さは褒めてあげないといけないかな」 ふん、と鼻を鳴らして。 ▼ (-190) 2023/09/21(Thu) 13:03:28 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「ノッテも一枚岩ではなかった……ということか。 この法が撤回され外に出れたとしたら、キミはどうする気だい? まぁ、違法献金の罪でキミは釈放されないかもしれないが……少なくとも、ノッテは裏切り者を殺しにくるんだろうね」 ――そのため息を聞いて、口元は弧を描く。 わかってるんだよ、そんなこと。 「おや。常連客の可愛いお願いじゃないか」 それくらい素直に聞いてくれてもいいだろう? と、くつくつ嗤う。 「本人には何度もその意志は伝えてるさ。 ただ……ルチアにも家族を捨てられない情があるし……キミが気に入った部下だけは連れて行ってしまう可能性はないわけじゃないだろ?」 釘くらい差したくなるものだよとと言って、手を伸ばす。 身を乗り出したその顔に届くなら、腫れ上がった顔を、ひと撫でして。 「まぁ……キミが聞かないというんなら、信じておくことにしようかな」 (-191) 2023/09/21(Thu) 13:04:25 |
【魂】 花浅葱 エルヴィーノもっと取り乱したような反応を見せるんじゃないかと思っていたのに。 それでも、ひどく落胆したような、血の気が抜けたような顔をしてもたれこんできたあなたを、倒れないように背に腕を回して支えた。 食事を録に取らぬ身体とは体格の差があるけれど、警察として全く鍛えてないわけじゃないから、危なげなく抱きとめることは出来ただろう。 「うん……わかった」 「それなら僕の部屋にくるかい?」 「今は僕よりキミが眠ったほうが良さそうだから……頭を撫でていていてあげようか」 僕になにか、キミのために出来る役割があるのだとしたら。 それはきっと、止まり木になることなのかもしれない……と、ふと思い至った。 休みたくなったら訪れて休める場所。 安心して素を出せる場所。 力が戻ってきたなら、その背を押してあげられる場所。 そんな、実家のような役割だ。 断るわけがない。 大事な人のためにあるこの両の腕が、あなたを抱きしめていていたいとせがんでいるかのようだ。 どんなに立場が違っても、この人だけは絶対に自分を裏切らないという確信めいたものが、僕の中にも確実に存在している。 だからあなたが頷くなら、手を引くように連れて行くんだろう。 ――殆ど、無理やり寝ることにしか使ってない、自分の部屋へ。 (_3) 2023/09/21(Thu) 13:45:59 |
【魂】 花浅葱 エルヴィーノあなたに言うことを聞かせようとか、そんな意図はなかったけど。 驚くほど従順に手を引かれてくれたのに、口には出さずに少しだけ、内心驚いた。 「必要ないよ、部屋に合わなすぎるでしょ……。 珈琲でも飲む?」 現代的でシンプルなデザインの部屋だ。 アンティークを好まないわけではないが、手入れが面倒なものを置いておくのは億劫だ。 ひとまずあなたをソファに座るよう勧めて、インスタントの珈琲を淹れた。 特に何もこだわりが無いから申し訳ないなと思いはするが、急に色々は準備出来ないから仕方ない。 これ以外には酒しかないし、昼間から飲むものでもないだろう。 「何もない部屋で悪いね。寝るか本読むくらいしかすることもないから」 必需品の家具や電化製品のほかは、ノートパソコンと本棚に推理小説とチェスの本くらいしか存在していない。 ただ、ノートパソコンを置いたデスク上に、折りたたみの写真立てが一つおかれている。 (_5) 2023/09/21(Thu) 15:56:13 |
【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「寝るために酒飲んでるんだから……仕方ないでしょ」 「寝れたら楽になるんだろうけど……寝てもすぐ起きてしまうんだ、夢を見るから」 最終的には諦めて本を読んで過ごしたりしているが、そこは特に語ることはない。 あなたがデスクの写真立てにある写真まで認識したならば、そこには幼い頃のあなたとの写真と、ラーラと三人で撮った写真が入っているのがわかるだろう。 「ごめん。 でも、キミの情報との対価なんてそれくらいしかなかったし……ノッテにとっては重要な情報だろう?」 彼との間に上司と部下の絆があることは知っている。 どれほどの信頼関係を築いてたかまでは知らないが、悪い関係ではなかったことは想像に難くない。 それでも、マフィアには血の掟がある。 それを破った人間はノッテには居られないし、命を狙われる。 警察は犯罪者をみすみす逃がすようなことはしないが、彼はこれからずっと、自分が育てたファミリーに命を狙われることになるんだろう。 「そうだよ。 イレネオとの関係、組織を裏切って、名を騙ってまであんな法律を作らせた理由。 それはちゃんと、知っておきたいからね」 あなたとの約束のおかげで、さんざん悪態をつき続けられることになろうとは、この時の自分はあまり良く考えてはなかったが。 大丈夫、決して牢の中には入らないし距離を取って話すよと、苦笑した。 (_7) 2023/09/21(Thu) 17:40:53 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「わかってる」 「キミがいい上司であり続けたことも、イレネオが無茶をしてることも」 彼の強引さは、僕自身その身に受けたことがあるからわからなくはない。 マフィアにとってはきっと、それは邪魔な存在なんだろう。 「だからちゃんと言うさ。 僕の無茶を止めておいて自分はやるなんて暴挙は飼い主としては許せないしね」 あなたは軽く言ってはいるが、本当に、危険な話だ。 ▼ (-224) 2023/09/21(Thu) 18:02:39 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「あぁ、ごめん」 「この事はもう、ルチアにだけは話してる」 悪びれない。 「彼がどうするかはわからないけどね……。 胸の内で止めておいてくれるかどうか、祈っておくと良い」 まぁ。男としては、これを内密にする気はない。 これは所長代理を引きずり下ろすための重要な鍵でもあるのだから。 わざわざ言葉にはしないものの、これに関しては諦めてもらう他ないだろう。 「そんなこと……わかってるさ。 別に、今まで本気でマフィアをやめろって言ったわけじゃないし……。 ルチアが大事にしてるものを奪えば、生きる意義まで奪ってしまいそうだし……」 あなたのことを話して力を失ったルチアーノを見たから。余計にそう思う。 それは怖いし、死なれたくはない。絶対に。 僕らはお互いが、取り残されるのを恐れている。 「……って、幼馴染にそんなことするわけないだろ。 ……はぁ、僕は別に、キミに泣き言を言うつもりでここに来たんじゃないけどね?」 でも。 僕には多分、もう少し。 強引に手を引く意思が必要なんだろう。 それは今、あなたに教えてもらった。 (-225) 2023/09/21(Thu) 18:03:45 |
【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「色々やったけど酒が一番楽で…… 黒眼鏡から買ってた睡眠薬なら無理やり寝れるけど、効かなくなったらまずいから限界が来た時とか大事なときだけ使ってる」 「え。毎日隣で寝てくれるのかい?」 ちぐはぐ故に本気で言ってるわけじゃないんだろうと、笑いながら言う。 酒を使ったとしても夢は見るし、睡眠時間が足りているとは言えない。 だから、あなたと一緒に寝た時、朝までぐっすり寝ていた事が本当に奇跡のようだったのだ。 あとはもう、寝る直前まで無理をして、気絶するように寝るくらいしか方法はあるまい。 それくらいは色々試してあった。 「残念だけれど……この情報は使わないわけにいかない。 警察だってあの法案は早くなくなって欲しいって思ってるし、あの所長代理を引きずり下ろす材料になるだろ。 だから、アイツの証言が必要なんだ」 まぁ、情報については仕方ないから横流ししてあげるよと頷く。 男も上司とのやりとりについてはバカ正直にホウレンソウをしているから、確かに似ているのかもしれない。 置いていかれる事を恐れるところまで含めて。 「それより……夜になったら仕事があるんだろ。 今はゆっくり寝たらどうだい?」 あなたのそばに腰を下ろして、あの日のように手を伸ばす。 柔らかな髪に触れて「ほら、こうしてるから」と、目を細めた。 (_9) 2023/09/21(Thu) 19:23:30 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ二人分の精が、腹の上をつぅ……とつたって、やがてシーツに染みを作っていく。 高鳴ったままの心臓が落ち着くまであなたに体を預けて、頭を撫でられて。 やがて「手を拭いた方がいい」と、ベッドの側にあるティッシュ箱を指した。 当然、これで終わりなんて思ってはいない。 だからこれで寝れるとも思ってはいない。 よほど安心できる相手の添い寝であれば寝れた経験はあるものの、あなたはどちらかというと、どうしても緊張してしまう。 だから多分。 「……、」 「寝かせて……くれるんでしょ」 「だったら……もっと、して?」 言い訳を正当化する。 こうでも言わなきゃ、あなたは多分まだ、我慢をする。 「僕が……、気絶してしまうまで」 キミならきっと、僕を抱き潰してしまえるだろう? (-238) 2023/09/21(Thu) 19:45:59 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「僕が彼の教育係だったんだ、新人のときね」 「信頼っていうか……」 「…………まぁ、懐かれてるかな」 どこまでも犬を相手してるような言い方だけれども、間違ってはいまい。 いいよと言うまで待てをする。そんな忠実で元気な犬のような男だと思う。 じゃれつかれて僕が折れるところまで含めて。 「ていうか、牢屋の中になんで飴なんて持ち込んでるんだよ。自由すぎ」 ダメ出し返しだ。 ▼ (-268) 2023/09/21(Thu) 22:04:09 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「取り返しつかないことされるのは困るな。 一緒に……、か。 二人で逃亡してどこか外国で生きる、とかかい?」 それも良いかもしれない。 別に、警察に対して崇高な志があるわけでもない。 憂いを払う必要はあるけれど、それも含めて不可能ではないはずだ。 「キミのプランは知ったことではないけど……はぁ、先が思いやられるよ。 だって、ずっと大人しくここに居る気なんてないって言ってるように聞こえるしね。 僕が悪いみたいに言うけど、元凶はキミだよ」 それでも、これはずっと繰り広げられていたチキンレースを終わらせるきっかけになるんだろう。 「それに、別に放置だってしてないさ。 どこでも良いから連れて行けって言われたから、僕の部屋でゆっくり寝かせたし。 ……そこまで、直接的なことは……言ってないけど。 けど、僕がアイツを裏切ることは絶対に、ない」 住む世界が違うなら、一方的な幸だけ与えるつもりだったけど。 僕が傷つくことで、アイツが傷つくなら、僕はそれを許してはならないから。 それなら、僕の方がその手を引っ張るしか、ない。 そういう答えに、やっとたどり着いたのだ。 (-269) 2023/09/21(Thu) 22:05:58 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 徒花 テオドロ――かちゃり。 牢の鍵が開けられ、よく見知った男が中に入ってきた。 幼馴染ではない、あなたの同期だ。 「やぁ、テオドロ。 ここの居心地はどうだい?」 皮肉は努めて明るく言うものの、その表情は重い。 僕を危険から遠ざけると言ったその矢先に、なんで先にこんなところに入れられてるのかと、憤っているのかもしれない。 (-271) 2023/09/21(Thu) 22:14:29 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ少し、考える。 男は、数人の知人から自分の身を大事にしろ、傷つくな。と約束をさせられている。 黒眼鏡と話した時は、その約束通り牢の外から話しかけた。 危険の心配などないテオドロのところでは、牢の中に入っていった。 ――さて、あなたはどうだろうか。 犯したとされる罪を思えば大層な犯罪者で危険だけれども。 男にとってはまだ、直属の上司だ。 信じられないという思いは強く、惑わされる。 だから男は、牢屋の格子というバリケードは、あなたとの会話の間に置きたくはなかった。 「……まさかこんな所で会わなきゃいけないとは思いませんでした、警部」 ――その鍵に、静かに手をかける。 (-273) 2023/09/21(Thu) 22:22:04 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 徒花 テオドロ「……そんな事を言ってるくらい元気なら、心配して損したかな」 肩をすくめて、あなたの隣に座った。 あなたとは、向かい合うよりも隣で同じ方向をずっと見てきたから、その方が僕らの関係にはあってるだろう。 「外は混乱してるよ。 警部とキミのことは流石に……現場に与える衝撃が、大きすぎた、から」 (-279) 2023/09/21(Thu) 23:22:28 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 徒花 テオドロ「前にアリーチェに少し聞いた覚えはある」 とはいえ、込み入った話に深入りするのを避けてたから、あまり詳しくは聞いてない。 エルヴィーノとは、そういう人間だった。 深入りしたら大事になるから、その人に不幸が訪れて、何処かにおいていかれるから。 だからいつも冷淡で、そっけない。 そういう態度を長年取っていたけれど、こういう逮捕が始まって本当に、肝が冷えたのだ。 「……臓器売買……え、まさかそれって」 流石に皆まで言えないが、上司の顔が脳裏に浮かんだ。 (-289) 2023/09/22(Fri) 0:49:11 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ見覚えもないような一般職員に、首を傾げながら男はここまで来ていた。 それはそうだろう。 なんの関わりもないのに、慌てて逃げるような、そんな様子を僕に見せてたんだから。 冷たい廊下を、ゆっくりと歩いて見たあなたの顔は落ち着いたものだっただろう。 「僕は警部以外の呼び方を知りません。 それに……刑が決まるまでは推定無罪。呼び方を変える理由もないです……まだ」 ――かちゃり。 鍵を空けて中に入った。 微かに香る何かが、あなたに近づけば鼻をくすぐって、わずかに眉をひそめる。 「……? 今、何かしてましたか?」 きょとり。首を傾げて。 「警部の仕事そのものは僕にはできませんよ。 ……でも、書類仕事は確かに回ってきてますね」 (-290) 2023/09/22(Fri) 1:04:20 |