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イクリールは、いつものようにサルガスに笑い掛けた。彼等は確かにそこに居る。 (c89) 2021/05/30(Sun) 1:21:22 |
【秘】 目明き ブラキウム → 籠絡 イクリール「……なんだか僕の考えが全部が君の言う通りみたいで癪だな。 とても小等部とは思えない。 どんな生き方をして来たら君みたいな人間が出来上がるんだろうね」 そこにあるのはもう、嫌悪でもなんでもなくて驚嘆だった。 「知らないだけだろうから、知らせてやろうと思ってたんだけどね。 そういう次元の話じゃ無かったし、本当に……はぁ〜〜〜〜」 完全敗北だった。 もはや人間の領分を超えているじゃないかとすら思った。 結局、大それたことは関係ないままふたりのこどものじゃれ合いだったのだろうか……。 「あれだけいろいろ知ってて好きなものを知らないってどうなの……まぁいいや。 好きなもの、好きなもの……ん、甘いものは好きだよ」 (-297) 2021/05/30(Sun) 1:48:37 |
【秘】 甘夢 イクリール → 目明き ブラキウム「あら、ごめんなさいね。 でも、わたしはわたしよ。 ブラキウムがブラキウムであるようにね。」 形ばかりの謝罪と共に、冗談めかして笑う。 ブラキウムがイクリールの歩んできた道を知らないように、 イクリールもブラキウムの歩んできた道を知らないのだ。 その口から明かされた事以外は。 「案外、知れば考えも変わるかもしれないわ。 試してみる前から諦めてしまうのは もったいないと思わない?ブラキウム。」 考えは変わるかもしれない。 けれどやっぱり、イクリールは変わらないのだろう。 これからもずっと。 「……じゃあ、いつか… 今やらなければならないことが、落ちついたら。 好きなお茶請けを持ちよって、みんなでお茶をしましょう。」 いつも言葉を交わす『みんな』で、和やかな一時を。 そんな淡く、脆く、甘い夢。 この約束は、守る事ができるだろうか。 わからない。けれど、イクリールは信じている。 (-304) 2021/05/30(Sun) 2:12:30 |
【秘】 目明き ブラキウム → 甘夢 イクリール「そういうところが、本心なのかはぐらかされてるのかわからないんだ。 それが真っ白な仮面から出てきた時の恐怖はなかなかだったよ」 もちろん恐怖も既にないけれど。 盲目には少し刺激が強かった。 これから段々と慣らしながら隣を歩めば触れられるかもしれない。 「僕もたった数日で随分と変わった気がする。 はじまりは一人だったけど、少しずつ増えてきた。 それくらい、ここはもったいない場所だと思える。 いつか君みたいに……みんなを好きになれるかな。」 この手であなたを変えてしまうことが無くて、こちらばかりが負けてしまったようなほんのちょっぴり残念な気持ちはあるけれど。 変わってしまったあなたはきっと好きじゃない。 だからこれで良かった。 変わらない方がいいものもある。 「そうしよう。 みんなが集まったら賑やかでそれはそれは、楽しそうだね」 みんなのかおを思い浮かべる。 僕の好きなもののために。 なりたい自分になるために。 ふたりのこどもは同じ夢を見る。 (-358) 2021/05/30(Sun) 13:37:02 |
【秘】 甘夢 イクリール → 目明き ブラキウム「そういう子も居るって、わたし知っているわ。 だから、しかたないことよ。でも… ブラキウムは、それがわたしの『ほんとう』でも きっと、もう怖くはないでしょう?」 言葉にできるような根拠なんて、何処にも無いけれど。 それでもイクリールは、あなたがもう恐れない事を ただ、心から信じている。 「たった数日……そうね、たったの数日なのね いろんなことがあって、みんな疲れてしまっているけど… でも、悪いことばっかりじゃなかった。」 そうでしょう? そう言って、ブラキウムに笑い掛けた。 この数日で変わってしまったものは、きっと少なくはないだろう。 それでも、変わらない日常もまた、確かにそこにある。 願わくば、それがブラキウムの愛せるものであるように。 「きっと、できるわ。 ブラキウムはもう、みんなのことを こうして確かに、好きになりたいと思えるのだもの。」 答え合わせは、その時に。 夢の続きは、その目で見れば良い。 指きりをしましょう、ブラキウム。 そう言って、イクリールは変わらず微笑んだ。 (-374) 2021/05/30(Sun) 15:04:25 |
【墓】 甘夢 イクリール>>82 夕方の屋上 レヴァティ 「あら……ごめんなさい、レヴァティ。 無理に起こしてしまったかしら。うなされていたものだから」 未だ微睡みの中にはあるけれど、 確かに自身の声を認識していた彼に、声の主は僅かに瞠目した。 いつかの朝食の席では、『見えないもの』を 『見えないもの』として、扱っていたように見えたから。 「それからもうひとつ、ごめんなさいね。用はないの ただ……こんなところで寝ていたら、 風邪をひいてしまうと思って。」 既に、陽はとっぷりと暮れている。 まだ冬は遠いけれど、秋風はやっぱり冷たくて。 或いは既に手遅れなのだろうが。 (+68) 2021/05/30(Sun) 15:10:35 |
【秘】 目明き ブラキウム → 甘夢 イクリール「……その言い方はずるくない? 僕は君みたいに何でも受け入れららえる訳じゃないんだよ。 期待には応えられるように努力するけど……僕みたいな人間には気を付ける事だね」 暖簾に腕押しなのは確実だがせめてものな抵抗を見せた。 根拠がなく信じられたり、理由がないと嫌いになれなかったり人間の感情は一枚の仮面では納まらないほど複雑だ。 「あぁ同感だね。 それじゃあお言葉に甘えて頑張ってみますよっと」 冗談めかす。 それからあなたの指とブラキウムの指を絡ませて指切り。 仮面の灯が柔らかく揺れたから応えるように微笑んで。 「ね、イクリール。 僕も君のこと好きになれたよ」 だから、また今度。 ギムナジウムで会いましょう。 (-384) 2021/05/30(Sun) 15:43:09 |
【秘】 甘夢 イクリール → 目明き ブラキウム「そうね、今まではそうだったかもしれないわ。 でも、ブラキウムは変われたのだもの。 きっともう、大丈夫よ。」 やっぱり抵抗しても手応えらしい手応えは無い。 そんな事は今に始まった事ではない。 あなたにはもう、イクリールはそういうものだとわかったはずだ。 「わたしのことを好きになってくれて ありがとう、大好きなブラキウム。」 ブラキウムの言葉に心の底からにっこりと笑って、 絡めた指は、やはりあたたかかった。 (-388) 2021/05/30(Sun) 16:35:47 |
【墓】 甘夢 イクリール>>85 夕方の屋上 レヴァティ 「とさつごっこ?」 ただ何となくそこに居て、 ただ何となく、夕暮れの空を眺めていたイクリールは 唐突なレヴァティの言葉をなぞり、首を傾げた。 「………うぅん…むずかしい話はあまり、得意ではないけれど… 殺してしまった子は…悪気はなかったのかもしれないわ。 殺してしまったのは、どうしてかしら。 ただ間違えてしまっただけではないのかしら。 それとも、その子のことを嫌いだったの? 嫌いなら、どうして嫌いだと思ったのかしら」 イクリールにしては珍しく、うんと悩み 少しずつ、訥々と言葉を返していった。 「それもわからないのに、許すとか、許さないとか そんなことを決めてはいけないわ。 他のみんなは違うかもしれないけれど、 わたしはそう思うのよ。」 悩み考えるイクリールは、レヴァティの様子には気付かない。 (+70) 2021/05/30(Sun) 16:46:54 |
【墓】 甘夢 イクリール>>88 夕方の屋上 レヴァティ 「……そうかしら。 ううん、レヴァティがそういうなら、きっとそうなのね。」 その声色は、自分に言い聞かせるようなものではなく ただ純粋に、そう納得しただけのようで。 それから、慌てた様子のレヴァティに目を瞬かせた。 「…ねえ、レヴァティ。 たとえ悪気がなくとも、よくないことはよくないことよ。 殺してしまったことも、『なかったこと』にはできないわ。 それはきっと、たしかなことよ。 それでも、それがよくないことだと、正しいやりかたを 知らなかったことが悪いことなんて」 そんなの、あんまりよ。 きっと、誰も教えてくれなかっただけなのに。 「一度許されないことをしてしまったひとは、 いつまでもずっと、 許されないままでなければならないのかしら」 昏くなりつつある空は遠く、暮れる夕陽を眺めてぽつりと零す。 その手帳はきっと、レヴァティにとって大切なものなのだろう。 ただそれだけの事だ。イクリールはそう結論付けた。 (+71) 2021/05/30(Sun) 17:30:25 |
【墓】 甘夢 イクリール>>98 >>99 夕方の屋上 レヴァティ 「……そう。レヴァティがそう言うなら、そうするわ。 ごきげんよう、レヴァティ。どうか元気でね。」 立ち去る背中を追う事は無い。 寂しくなった屋上に、びゅうと一つ、冷たい風が吹いた。 「…わたしにだって、ゆるせないことはきっとあるわ。 まだ知らないか、それがとっても少ないだけで。 だれにだって、ゆるせないこと、ゆるしたいことがあって きっと、それだけでいいのにね。」 一人ぼっちのイクリールは、寂しげに微笑んだ。 この世界は、どうにも上手く行かない事ばかりだ。 きっと、誰が悪いわけでもないのに。 (+72) 2021/05/30(Sun) 19:43:11 |
【独】 甘夢 イクリール消灯時間の少し前、寮の自室。 変わらず机へ向かって、両親へ宛てた手紙を綴る。 ブラキウムとの些細な『喧嘩』で、大騒ぎになってしまった事は 手紙に書く事は無かったけれど。 恐らくは、大人達によって両親へと伝えられているのだろう。 「……次は…ああ、そうだったわ。 もう、聞いてはいけないのだものね。」 大人達から、もう深く生徒の事を詮索してはいけないと そう言われていた事を思い出した。 それでもイクリールのする事は変わらない。 大人達から聞く事ができないなら、本人の口から聞くだけだ。 『こうなって』しまう少し前、ブラキウムにそうしたように。 (-420) 2021/05/30(Sun) 19:49:46 |
イクリールは、レヴァティを見送った。たとえそれが届かずとも (c125) 2021/05/30(Sun) 19:54:03 |