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【秘】 オネエ ヴィットーレ → 路地の花 フィオレ「ふふ、お買い物デートね♡ 楽しみにしてるわ。前よりいいお店にしちゃうんだから。」 未来の約束を結ぶ。 未来を手に入れてみせるという覚悟を暗に示す。 その約束は、決して今の状況には負けない、屈しないと、 己を奮い立たせる燃料となって。 「……貴方は本当に優しい子ね。ありがとう。 貴方みたいな子のお友達で、アタシは幸せものだわ。」 一つ一つの優しさが、傷ついた心に染み渡る。 ガラス越しの体は抱きしめられないけれど、 心には何も隔てるものはなく、貴方の言葉に抱きしめられた。 「……うん、頑張って。そして迎えに来て。 ……待ってるわ、アタシの可愛い家族……」 ぴとり、ガラス越しにこちらも額を当てる。 冷たいガラスが、2人分の体温で温まった。 あんまり長く話すと、貴方も疑われちゃうかも、 なんて眉を下げて苦笑を零しながら添えて。 (-109) 2023/09/24(Sun) 6:18:04 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ痛みに耳がキンキンする。 貴方の言葉を上手く噛み砕けない。 自分の指がどうなってるかの確認も出来ないまま、 ただ痛みに耐えるように丸くなる。 惨めな姿だ。大の男が縮こまって。 惨めな惨めな─── か弱い姿だ。 「……っ……何する気? 人間は…………そんなに丈夫じゃないわよ……」 割れた音、ガラス瓶の音。 昔落とした瓶を拾った時に、指を切ってしまった ことを思い出す。 乱雑に割れたガラスは……刃物と何ら変わりは無い。 (本当に…………ここで死ぬかもしれないわね…… ごめんなさい……フィオレ……アリーチェ…… 約束、守れないかもしれないわ……) 心の中で懺悔して。 後は、痛みが限界を超えて飛びかけになる意識の中、 貴方の楽しむ声と施す内容を、ただ恐怖と共に待つのみだった。 (-111) 2023/09/24(Sun) 6:25:34 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオまず感じたのは、額に濡れた感触。 何度も感じたことのあるそれは、なにをされたかなんて 一瞬で察することが出来た。 ぞわっ、と嫌悪感が身体中から沸き起こる。 憎い相手に愛情表現をされるほどおぞましい事など、 この世には存在しないのではないだろうか。 「いっ………………!」 それから、やわく少し盛りあがった唇の肉が、 プツリと音を立てて薄く切れ、まだ新鮮な赤い血が滴る。 神経の一層集まったそこの痛みは、麻痺しかけた体にも 鮮明に痛みを伝えてきた。 獣が、僅かばかりの理性で止まり。 少しの間。男は反撃をしない…………できない。 痛みによる恐怖が、腕を振り回すよりも脇を固めて 外部からの暴力に耐え忍ぶよう形をとる。 腕を開けばその分無防備になってしまう。 …………それが、怖い。 さてそうして、施される行為に。 (-298) 2023/09/25(Mon) 6:17:01 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ「ッあァァ!!ぐぅ…………!!」 手のひらにざっくり刺さる破片。 肉を、血管を、神経を引き裂き骨まで到達するガラス。 ぶしゃ、と鮮血が迸りまた床を汚す。 痛みに腕が痙攣して、あなたに握られたまま ビクビクと魚のように跳ねる。 まともな治療を受けなければ、この手はもう 使い物にならないかもしれない。 何を握ることも、撫でることも、抱きしめることも。 きっともう出来なくなるだろう。 撫でて抱きしめたい愛する家族達を守った、その代償として。 (-299) 2023/09/25(Mon) 6:21:50 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 路地の花 フィオレ「ふふ、前よりずっと素敵なお店にしてみせるわ♡」 未来に希望を持って今を耐え忍ぶ。 きっと今の状況で、何より大切な事だった。 貴方がそれをくれたから、ヴィットーレはまだ、折れずに済む。 先の見えない未来に向けて、歩くことが出来る。 「……貴方はいつだって、素敵な女の子よ。 えぇ、またね、キャシー。体には気をつけて。」 あなたに合わせてこちらも距離をとる。 今の己にできるのは、あなたの無事を祈ること、ただそれだけ。 「……待ってるわ。アタシの可愛い家族のこと。」 じゃあね、ゆるりと鎖のついた手を振るのであった。 (-300) 2023/09/25(Mon) 6:27:10 |
ヴィットーレは、痺れて感覚のないままの片手を撫でた。 (c38) 2023/09/26(Tue) 13:40:48 |
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