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【人】 高等部 ラピス普段通りに食堂に顔を出す。 人が足りないことがいつも通りになっていることには苦い気持ちが混ざるのだけれど。 「………?」 連れてきた下級生たちのトレイに配膳をして、席まで送る。 自分の分もゆっくりと準備をしながら、 分かりやすく落ち着かない様子のクロノを見て思案げにしていた。 (3) 2022/05/06(Fri) 21:28:50 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット『不思議ですね』 含みなく返される言葉に、また同じく首を傾げた。 視線が自分の手に向けば、まじまじと眺める。 器用ではない青年の仕草は、どこか好ましい。 いつかは話さなければならないだろうと思っていたそれについて話すために、黒板に言葉を連ねた。 『これが病気だから です』 短くそれだけ答えて、ゆっくりと黒い布地に手をかけた。 現れた素肌は日に当たらないせいで真っ白。 ただ、それよりも異質なものがあった。 部分的に、深い青色の鉱石が肌を覆っている。 そこだけ夜空を切り取って貼りつけたような青色が、あなたの視界に入るだろう。 まるで、ラピスラズリのような。 (-10) 2022/05/06(Fri) 21:36:57 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピスまずは、拒絶されなかったことへの安堵が勝っただろう。 それから目に見えたものをうまく認識できず、反応が返らなかった。 指で、美しい色彩を拾い上げて。微かな木漏れ日に照らして、首を傾げた。 青色は張り付いているのではなく、人体と一体化しているのだ。 「……きれい……」 呟いた言葉に嘘はないものの、少しだけ眉はひそめられた。 手袋に包まれた指先でつついて、ひっかいて。 合間合間から見える真白い肌色を引っ張って、関節のあたりを曲げてみる。 手付きは無遠慮だ。そうした配慮は、あまりできるほうではない。 「痛くない?」 (-14) 2022/05/06(Fri) 21:55:04 |
ラピスは、食事をとりながら、青年の言葉を静かに聞いていた。 (a12) 2022/05/06(Fri) 22:29:43 |
【赤】 高等部 ラピスからり、扉を開く。 準備をするより前に訪れていたクロノを目にとめると、数度瞬きをして。 食堂から早くに居なくなったのは知っていたけれど。 この上級生は、特にトットの不在に動揺した気配はない。 (*1) 2022/05/06(Fri) 22:30:16 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット病を綺麗と形容されるのは不思議な心地がした。 自分もこれを初めて見たなら、同じ感想を抱くかもしれない。 触れてみれば、硬い質感が返ってくる。 確かにそれは鉱石に類似した何かであるらしかった。 指が曲がるのに合わせて、青色も追随して動く。 無理に可動させなければ特に痛みも生じないだろう。 痛くない、と告げるように頭を振った。 身体が部分的に鉱石のように変質していく病なのだと少女は語る。 声が出ないのも病が原因であると添えて。 今は投薬で進行を抑えている。 根本的な治療法は、まだ研究中であるそうだ。 (-21) 2022/05/06(Fri) 22:33:37 |
ラピスは、昨日から小さな花を胸ポケットに挿して過ごしている。 (a13) 2022/05/06(Fri) 22:38:05 |
【赤】 高等部 ラピス「………………。」 伝えるべきか、迷いはした。 でもいずれ知ることになると思ったから。 『昨日が』 『トットくんの番でした』 胸ポケットに飾られた花。 それが、 誰がトットを連れて行ったのか を何よりも明らかに語っていた。 (*3) 2022/05/06(Fri) 22:46:31 |
【赤】 高等部 ラピス/* スゥーーーーーッ ということで実質最終日ですの トットくん……ウッウッ 我ら小さいものクラブ 墓と地上に別れようと最後の時まで一緒ですわ……… 本日で決着がつかなかった場合、自動的にコミットで狼を吊ることになりますわね。 まあ9割方コミット進行になると思いますので……差し支えなければ提案がございまして。 (*5) 2022/05/06(Fri) 23:25:08 |
【赤】 高等部 ラピス/* 後追いの上から襲撃をかけられるクロノちゃん二重に命を散らしていて心がボロボロになりますわね まあまあ最終日 殺りたいこと殺ったもん勝ち青春ならですわ 承諾いただきありがたき幸せ よろしくお願い致しましてよ…… (*8) 2022/05/06(Fri) 23:42:21 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス見た目には美しいそれは、けれども美しいばかりではないのだろう。 触れた石は暖かくはなかったから。青年の頭でも、確かにわかることだった。 つるつるとした手触りを、なにか確かめるように触れて。 「……戻らない?」 美しい瑠璃色は進行性のものだと今聞いた、では。 退行して元の身体を取り戻すのは、難しいのだろう。 少なくとも抑制するだけが精一杯の今は。 それがなんとも寂しくて、小さな手を自分の膝の上に乗せて。 体温を移すように、ぎゅうと頬で挟んだ。固い感触が、時折あたる。 (-40) 2022/05/07(Sat) 0:11:56 |
【赤】 高等部 ラピス『クロノちゃんのせいではありません』 『大人が決めたことです』 緩く首を振って、心に浮かんだであろう可能性を否定する。 少なくとも大人達が連れて行く彼らに関しては、 くじ引きのように決められていくだけだ。 『そろそろ』 『終わりが近づいています』 伝え聞いたところによれば、大人達の目的は達成されつつあるらしい。 だからこの集まりももうすぐ終わりだ。 もう君も、罪悪感に苛まれなくて良くなる。 「………」 飾られた花が、小さく揺れた気がした。 (*10) 2022/05/07(Sat) 0:35:47 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット『少なくとも、今は』 不可逆のものだと頷いた。 研究が進めば、或いは元に戻るのかもしれない。 外科手術で取り除いたこともあるが、それは対症療法のようなもので。 根治できなければ、また夜色が身体を覆っていく。 じんわりと、肌の温もりが移る。 感覚の消失した石部分はそれを感じ取ることはできなかったけれど、肌には確かに温かさが灯った。 感触を確かめるように微かに動かされる指の動きが青年の頬に伝わるだろう。 (-51) 2022/05/07(Sat) 1:16:08 |
【赤】 高等部 ラピス「………」 無垢できれいな手は、一度も汚れなくていい。 私が悪かったことにするためには、それがいい。 無理に仲間にされて、大人に突き出された事実があれば。 多少は疑いの目を逸らすことができる筈だから。 待ち受けている治療が少女にとって残酷なものである可能性だってある。 バレンタインのように。 だからこれは傲慢で残酷で身勝手な決定だ。 『次も、私がやります』 『ですが』 『準備があるので、また夕方に話しても良いですか』 生徒が居なくなるのは夜。 それまでは知らせない方が都合が良い。 この黙秘をどう受け取るかは、少女に委ねられている。 (*13) 2022/05/07(Sat) 1:35:35 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス他人のことは、他人が説明してくれるから。 自分のことよりもなんだか深刻なもののように感じられたのだ。 人それぞれの状況に、程度問題の差などないのだろうけれど。 ぱち、ぱちと目を瞬かせる様子は眠りにつく畜獣のよう。 甘やかな膚の香りと、つややかな指の触れる感触が。 どうしても、ひどく、――に思えたから。 ざら、と舌が指先を這って。 かりと、尖った歯が白い指に立てられた。 (-62) 2022/05/07(Sat) 2:36:15 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット「………?」 「??」 大型犬のような仕草が可愛いな、とぼんやり考えていたから、続く行為の理解がすぐには追いつかなかった。 まず歯が立てられる感覚への驚きで反射で肩が跳ねて、 それからぱちくりと目を丸くして手を見る。 一体どうしたというのだろう。 困惑の色が強い視線が向けられている。 (-72) 2022/05/07(Sat) 5:22:45 |
【赤】 高等部 ラピス「………」 俯いたままのその顔は何を考えているのだろうと思った。 きっと罪悪感だとか、不信感だとか、恐怖心だとか。 そういう様々な負の感情に支配されている。 ………そうだ。 負の感情に。 それがどれだけ大人達に都合が良いかもわかっていた。 少女を解放するために、少女に治療を受けさせる。 また、勝手なことをする。 どうしたってその不安を拭えないままで、 きっと自分が無力であることもよくわかる。 何か伝えたくて、でも言葉は出てこなくて。 チョークの先が黒板に当てられる音はしたけれど、 それ以上の、文字を綴る音はしなかった。 だから少女が振り向かずに教室を去っても、何も変わりはなかったのだろう。 (*15) 2022/05/07(Sat) 13:54:52 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノクロノが丁度部屋にいる時間。 ラピスがふらりと部屋に戻ってくる。 両手には、いつものホットミルクが甘い香りを漂わせていた。 「?」 飲む?と首を傾げる仕草で尋ねて、共用テーブルに。 恐らくは、朝にうやむやになった話について 再び話にやって来たのだろう。 /* 会議は朝の時系列で、そこで引き渡すと他の場所で以降の時系列ロールができなくなるかな、と思ったので無理やり夕方or夜にすっ飛ばしました。都合良い時系列で構いません! (-78) 2022/05/07(Sat) 14:07:01 |
ラピスは、中庭で休んでいるバレンタインを見かけた。 (a17) 2022/05/07(Sat) 17:46:52 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス愛されて、艷やかで。白色のりんごみたいにほころんだ頬。 果実に挟まれた花びらみたいな唇が言葉を発さず、表情だけを作るのを見ている。 檸檬の枝のように細い指は青く艶めいて、それだけが冷たい。 「ラピスの指は、きれいだ。 でも、僕は。生身のままのキミが好き。 青い石には、なってしまわないでほしい」 さみしいと思うのは、変化が目に見えてあるからだろうか。 他人の病気は見えないものだから、こうして明らかなものがあるから? 離れていく船を見ていくような寂寥を湛えた目はじっと貴方を見上げて、 もしくはぼんやりと、指先からつながる根本を見て。 獣のような牙が、白い肌を突き破るほどに突き立てられた。 (-85) 2022/05/07(Sat) 19:14:40 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス部屋の自分の机について ぼんやりとペンを動かしていたクロノは、 同室者が部屋に戻ってくるのを見、立ち、 共用テーブルの方へと座り直す。 「…………朝の、話?」 ぎこちない表情でそう問い掛けながら、 ホットミルクの入ったマグカップへと手を添える。 それに何かが盛られている可能性など、考えなどしていない。 /* わーい時間軸変更ありがとうございます! 特に問題なく夜の時間軸としましょうか!よろしくお願いします! (-86) 2022/05/07(Sat) 19:51:06 |
【人】 高等部 ラピス「………」 じっ……。 こねこねと形作られるパンたちを眺める。 パンの香りにつられて、 他の生徒たちが集まっているようだ。 率先してパン作りに興じている実習生の姿を見て、 自分もやろうかな……と厨房に入る。 気晴らしはいつだって必要だ。 手袋の上から更にビニール袋をつけて、こねこね。 まんまるの形に整えていく。 少女は固いパンが好き。 パンの固さ:43% (10) 2022/05/07(Sat) 19:57:48 |
ラピスは、ほどほどに固いパンができた。 (a18) 2022/05/07(Sat) 19:58:19 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット「──!」 声は出すことができない。 だから、喉の奥を細く息が通る音だけが出た。 牙が肌を食い破ったのなら、そこから赤い血が滲んで垂れる。 白い肌の下に巡っているそれが、確かにまだ生身が残されていることの証左だろう。 痛みを抑えるように自らの袖を握りしめた。 暫くそうやって、困惑と痛みを落ち着ける。 浅い息遣いだけが耳に届いただろうか。 青年の行動は獰猛さを纏っていたけれど、その奥にある寂しさも見えた気がした。 石にはならないよ。 何か言いたくても片手がこれでは難しかったから、 そう伝えるように青年の頭に手を置いた。 (-87) 2022/05/07(Sat) 20:05:40 |
【人】 高等部 ラピス「!」 『誰かにあげるのも良いかもしれません』 固いパンは自分用にするとして、 自分も動物型のものを作ってみることにした。 二重に手に被せものをしているせいか少し動きはぎこちないけれど。 実習生は流石そつなく作っているなぁ、と感心していた。 動物っぽさ:86 (13) 2022/05/07(Sat) 20:15:45 |
ラピスは、かなり動物っぽくできた。 (a21) 2022/05/07(Sat) 20:16:16 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノクロノが席につくのを見て、 いつものように黒板に文字を書いていく。 テーブルの上には、厨房で作ったパンが置かれている。 ホットミルクを置いた後、続けて持ってきたものだ。 固いパンと、動物っぽいパン。 もしかするとクロノの好きな動物の形かもしれない。 『お願いがあります』 『治療を、受けてほしいのです』 ホットミルクに口がつけられる前に、その言葉を見せた。 今の"お願い"と、"準備"の話。 両方から、誰が治療の対象になろうとしているのかは想像に難くない話だろう。 (-93) 2022/05/07(Sat) 20:21:11 |
ラピスは、アオツキの励ましの言葉にうんうんと頷いていた。 (a34) 2022/05/08(Sun) 0:28:11 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピスホットミルクに口を付けようとして、 並べられるパンに手を止めて。 そういえばしばらく、全然食事が摂れてないなと ぼんやり思いながら。 綴られた文字を見れば。 「っ、…………、」 目を見開いた後に、俯いた。 ▼ (-136) 2022/05/08(Sun) 3:26:37 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス──もしかしたらと、少しは思ってた。 だって、そうじゃなかったら教えて貰えない理由もない。 そりゃ、わたしが心配だから、自分だけでやるため みたいな風にも考えられたけれども、 頑張っていいように考えたら、なだけ。 俯いた手元に、白い水面が見える。 眠れない時とかにあなたが作ってくれる、 甘くて美味しいホットミルク。 ここでうん、って言わなかったら。 ラピスちゃんにも迷惑がかかるんだって、わかってる。 「…………。」 でも、言葉が出てこない。 素直にわかったと言えない。 こわい。 口を引き結んだまま、黙りこくって。 漠然と手元を見つめている。 (-137) 2022/05/08(Sun) 3:29:53 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノ素直に頷くことが難しい願いだろうことはわかっていた。 何も言わずに眠らせた方が、事が面倒にはならないのも。 でも、話しておくべきだと思った。 勝手な願望でもせめて幼い協力者には真摯でありたかった。 『全て終わらせるためです』 『あなたを早く解放してあげるには、 これしか思いつきませんでした』 治療対象になって処置されてしまえば実行者に加わることは暫くなくなる。 断られれば困ってしまうのはそうだろう。 無理やりに連れて行かなければならない。 しかしクロノの体格では、大人達が動員されればすぐに捕まってしまうだろうことも予測できる。 『こわいことかもしれません』 『でも、約束のために』 『治療を受けてはくれませんか』 交わした約束。 もしも、この治療で良くなったのなら、外へ出る日が一歩近づく。 他にも様々な理由はあるけれど、この理由も本物だった。 (-148) 2022/05/08(Sun) 12:28:16 |
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