【置】 篝屋に来た カジヤマ『あンの野郎、自分で酸被って殴ってきやがった!!』 『俺ちゃんはまだ死んで――』 小さな声がどこにも届かない。 それは身体から発されていない。 自分が本当に死んでないのかこの暗闇ではわからない。 外の声も聞こえない、稀に己に反応してくれた人間が 生きているか死んでいるかもわからない。 まるで黄泉をさ迷う亡霊のようだ。 いつかは どちらかに 行ききるのだろう。ふざけたことばっか頭によぎる。 死んだら家族に会えんのかなーとか。 後輩や大学面子に怒られそうだなとか。 先輩たちは呆れていい気分にはならないだろうなとか。 あの子は敵じゃねぇっていってくれたのに、 あの人を敵のままにしてやりたくないのに。 なんでこの身体は動かねぇのかなとか。 『死んでも声届くならセーフ?』 んなわけないか、無理に笑って闇雲に黒の世界を走った。 (L6) 2022/06/07(Tue) 14:50:07 公開: 2022/06/07(Tue) 14:50:00 |
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