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![]() | 【人】 夜を越えて 編笠>>33 夕凪 「残念だけど夜凪の旦那との関係は、 夜凪の旦那との関係だけなんだよ。 同じように、夕凪の姉さんとの関係も、 夕凪の姉さんとの間のものだけだけど。 だから、俺にとっては…… どっちだって欠けがたいもんなんだよ」 それは。 幼馴染三人の誰一人、 何一つ手放す勇気を持てなかったのと同じで。 今まで何かを支えてきた人が居るなら、 今度はそれになりたがったっていいはずだ。 どうせここが夢なんだとしたら。 夢みたいな話をしたって構わないだろう。 そしてその夢を現実にするために、 少しばかり頑張ってしまうのが男という生き物なんだ。 大切な誰かの夢を叶えてほしいから、 方法を迷わないのが、男なんだ。 そうだろう――夜凪の旦那。俺たちやっぱ、似てるかもな。 (34) 2021/08/21(Sat) 0:18:55 |
![]() | 【人】 茜差す方へ 編笠言いながら、自転車に跨った。 もう、後ろは振りむかない。 後ろに置いていくんじゃない、前に迎えに行くために。 だから、ここでは、さよならしなきゃな。 少年の残滓を置いていくようにして、 自転車のペダルに足を置いた。 「さあ、伝えてくるか。 ――今度は、俺の番だ、アカネ」 世界の何処にいたって一番最初にはきっと、 お前を見つけてやる。何回でも。何十回でも。 そう思いながら、自転車に跨った。 お前のことが好きだと。 今どこにいても伝えにいってやるからな――。 (36) 2021/08/21(Sat) 0:23:11 |
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