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エルナトは、本音を冗談の皮で隠して笑った。 (a38) 2022/05/08(Sun) 2:06:03 |
エルナトは、人が にしか見えない。 (a39) 2022/05/08(Sun) 2:06:23 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン決して君が悪いわけじゃない。 少年は元から、誰とも関係を深められない。 だって、他人と自分を対等に見れないのだから。 例え長く交流をしていたってきっと、誰かの特別にはなれない。 少年はきっと、救われる術が存在しない。 「うん………だいぶましになった………」 「ごめんね、僕………ご、ごめんね………」 ペットを虐待してしまったような気分だった。 可愛がっていたのに、つい衝動的に。 申し訳なくて、とりあえず傷口を抑えて。 でも、出来るのはその程度で。 「どうしよう………トットくんがいればな……」 「このままだと死んじゃうかな……医務室まで運べるかな……」 床に広がる血が、したことの重さを物語る。 直ぐに安静な場所まで運ぶからね、と声を掛けつつ。 大人を呼ぶか、と思案を巡らせた。 (-134) 2022/05/08(Sun) 2:48:08 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン「それは」 「そうだけど…………。」 その為に人を傷つけてしまったことも。 血を飲むことに、何一つの抵抗が無くなってる事も。 傷つけたのに、心の底からそれを悪いと思えない自分と。 色んなものが申し訳なく感じて、言葉尻は下がっていく。 いずれ自分は、本当にただの怪物になってしまうのではないか、 そんな不安を、抱えて。 「……うん…………わかった。」 「聞いてみる……けど、今はあんまり喋らないで……」 体の負担だから、とぐっと傷口を抑えて。 多少痛いだろうが、我慢してもらうほかない。 きっと後程大人を呼んで、しっかりとした器具で運んでもらうはずだ。 「……トットくんの血を飲むと、回復力が上がるんだって。」 「だからきっと、それを飲めばすぐよくなると思うんだけど…」 本人から聞いた話。 どの道、今はまだ姿が見えないから、叶わぬ話。 (-149) 2022/05/08(Sun) 12:45:24 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「……トットくん。」 ちらりと見かけた姿は、昨日とは若干変わっていて。 なんとも華やかな右目になっていた。 人によっては怖さすら感じるビジュアル。 「………大丈夫?」 昨日までは、ころころ表情が変わっていたのに。 今は夢見心地な笑顔だけな君に、声をかけた。 (-150) 2022/05/08(Sun) 12:55:09 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット流れのない水たまりに浮いた花弁のような動き。 花の蜜みたいに甘ったるい声。 可愛らしいけど、ちょっぴり不気味。 「うん、昨日帰ってこないから心配してたんだよ。」 「無事………ならいいけど。」 本当に無事かはおいておいて。 掲げられた紙袋に目を向けた。 お腹が減った。 「それは……大丈夫なのかな?」 「……お花の位置も変わってるけれど……」 「その目の花は、抜けないの?」 ちらり、見えてるかもわからない右目に視線を移し。 (-152) 2022/05/08(Sun) 13:10:28 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「副反応………」 と聞くと、最初に思い浮かぶのは薬だが。 何か、されたのだろうなというのだけがわかる。 ……気にしても仕方ない、そう思う。 どの道何かしてあげられることもないし。 きっと、望まれてもいない。 「戻るならまぁ、良かったかな。」 片目だけじゃお勉強もしにくいからね、と微笑んで。 それから、差し出された紙袋を受け取って。 ふわっと、花の香り。 大事なご飯。 「うん!ありがとう、すっごく欲しかったんだ。」 「………俺達って、前も言ってたけど。」 「君以外に誰かいるの?」 (-156) 2022/05/08(Sun) 16:25:03 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット夢見心地、がきっと一番正しい表現。 脳みそまで溶けてしまってるんじゃないかというほどの。 そんな印象を、抱いてしまう。 それで、君の言葉を聞いて。 指すものを見て。 想像することが正しいかどうか、分からないけど。 蛞蝓に寄生して、脳を乗っ取る虫がいるように。 君にとっての花が、そうなのかなとか。 だとしたら、それを食することは。 急に腕の中のものがなんだかおぞましく見えて。 それを。 ▼ (-161) 2022/05/08(Sun) 17:09:03 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット…手放すことが出来ないくらい、 少年はもうずっと、追い込まれているから。 紙袋の中に手を入れて、掴んだ何かも分からない花弁を。 口に運んで、舌先で転がして。 よく噛んで、飲み込む。胃が僅かに満たされる。 「…うん、とっても美味しいよ………」 「…君達の事、大好き…………」 熱っぽい瞳と声でそう告げる。 お腹が減った、満たしたい、満たしたい。 「本当は、その目の花も………」 「君自身も、食べちゃいたいくらい。」 君から出るご飯を、すべて食べたらお腹いっぱいになれるだろうから。 でも、そんな事をしたら気持ち悪く思われる。わかってる。 分かってるから、紙袋のもので我慢しなきゃと、また一つ、口に運ぶのだった。 (-163) 2022/05/08(Sun) 17:14:20 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット一方でこちらも、多幸感に満たされていた。 食べられる、満たされる。 食べられるものをいくらでも、いくらでも。 それがどれだけ、嬉しい事か。 花が咲いた瞬間をみれば、それが皿の上に載せられた 最高級の料理のようにも思えて。 だからもう、我慢なんてできなくて。 顔を近づけて。 咲いた花を直接齧って、引きちぎる。 「あぁぁぁ………っ!」 嬌声にも似た声をあげて、満たされる胃袋をさすって。 取り出されたものに、視線を動かして。 ▼ (-186) 2022/05/08(Sun) 19:34:10 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「………いいの?」 指を絡めるようにして、その薄い刃を取る。 手が震える。 恐怖じゃなくて、………過ぎた幸福感から。 「いいの?」 荒くなる呼吸。 まるで、ソフトクリーム食べ放題の機械の前に立たされた子供みたいに。 好きなものを、好きな時に、好きなだけ。 それより幸せなことがあるだろうか? 「いいの?」 エルナトは、人が家畜にしか見えない。 だって、全てが自分の餌を生み出す存在だから。 だから。 家畜からご飯を得ることに、何の躊躇を持つことも無くて。 「いいの?」 だから、そんな事を言われてしまったら、もう。 ……我慢なんてできない。 君の肩口に刃を宛がって。 思いっきり、引き裂いた。 そうして、君を抱きしめたまま、かぶりつくだろう。 (-188) 2022/05/08(Sun) 19:40:06 |
【置】 司書 エルナト大人達に連れられて、どこかに連れてこられた。 園芸部の管理する場所の一つ。 「…………はい、僕がやりました。」 ぼや騒ぎも。 初等部の子への悪質な悪戯も。 2名への 常軌を逸した加害行為 も。「…だって、ただの家畜じゃないですか。」 「あの子達も、貴方達も。」 「ただのご飯じゃないですか。」 ご飯を得るために行動をして、何が悪いのか。 エルナトはまるっきりわからなかった。 エルナトは歪んでいる。 エルナトは、人間を家畜にしか見れないから。 エルナトは、人に、家畜に思う以上の感情を抱けない。 大人達が溜息をつくのを、不思議そうに眺めた。 フゴフゴ、という音が聞こえた。 (L4) 2022/05/08(Sun) 19:45:19 公開: 2022/05/08(Sun) 20:45:00 |
【置】 司書 エルナト───家畜と人が違うという事を、学びなさい。 大人達がそう言って、部屋を出て行った。 意味が分からなかった。 ようやく暗闇に視界が慣れてきて、 ここが豚の飼育小屋である事に気付いた。 「………気持ち悪い。」 エルナトにとって、人が家畜であるならば。 本来の家畜は、何一つの益ももたらさらない、 ただの気持ち悪い生物でしかなかった。 臭いし、不味いし、可愛くないし。 人はあんなに可愛いのに、なんでこいつらはこんなに 気持ち悪いのだろう、と常々思っていた。 「……?な、なに……?」 豚たちが自分に擦り寄ってくるのを見て、壁際に後ずさった。 (L5) 2022/05/08(Sun) 19:49:00 公開: 2022/05/08(Sun) 20:50:00 |
【置】 司書 エルナトガン! と強く体当たりされて、つい尻餅をつく。そこに、自分よりずっと重い生き物が、覆いかぶさる。 「さ、触らないでよ、きもちわる………っ!?」 なんて、悪態をつき終わる間もなく。 視界に入ったものをみて、ひっと小さく喉から声が出た。 「や、やだっやだやだやだ!!なにするの!?!」 「や、えっやめて!僕はお前と同じじゃない!」 「きっ気持ち悪い……!やだっ!やめろ!!」 おかしいと思った。 此処に入る前に、服を脱がされたことも。 何かを体に塗られたことも。 今、こいつらが興奮していることも。 その興奮の象徴を、大きく主張していることも。 人が家畜を食べ、少年が人を食べ、家畜が少年を食べる。 「い”っ…!痛いいたいいたいいたいイタイ!!! ぐっぎ、………ぃぃいいい!!!」 叫び声も、ミチミチと何かが無理に広がる音も。 獣が獣らしく動く音も、それに合わせて出る苦悶の声も。 どこにも聞こえることはなかった。 少年は、人と家畜の違いを知れた。 (L9) 2022/05/08(Sun) 19:56:10 公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット咲き乱れた花を食べる、食べる、食べる。 全部、ひとつ残らず、一つ逃さず。 口の中に、腹の中に収めては、悦に浸った声を出す。 君の声が、肉の焼ける音にすら聞こえるくらい、 もうエルナトは、君を食べ物にしかみれなかった。 「トットくん……好き……好きだよ………」 「君のご飯……美味しくて、気持ち良いよ………」 という愛の言葉も。 ただ、そう言えば、今までの"ご飯"はより多くの食べ物を 出してくれたからというだけの。 経験に基づく捕食行動でしかなくて。 強く強く抱きしめる。 傷口から血を絞り出すかの如く。 強く吸い付いて、互いの熱を伝え合う。 「もっとちょうだい?もっと……もっと………」 「壊れて何にも考えられないくらい…気持ちよくなって………?」 互いの快楽のために身を寄せ合う様は。 性交と何一つも変わらない様相で。 まだまだ、足りないから。 胴体をザクザクと突き刺した。 満足できるまで、ずっと。 (-204) 2022/05/08(Sun) 20:28:53 |
エルナトは、もう動かなくなった"餌"を、自室に持ち帰った。甲斐甲斐しく手当てをしよう。 (a57) 2022/05/08(Sun) 20:58:15 |
エルナトは、人が家畜のお世話をするように。 (a58) 2022/05/08(Sun) 20:58:32 |
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