【人】 四谷 隆史― 1年前 ― [ある日の保体の授業で。ゴリ松が言ってた。 本来であれば学生がするようなもんじゃない。 相手を大事にするというのなら待て。 待てないのなら、絶対に避妊をしろと。 男と女の体の違い。受精から出産に至るまでの内容。 エッチー!とかくすくす笑う声。女子は聞かないふり。 男子はゲラゲラ笑って碌に聞いてなかった。 だってそうじゃん。気持ちいいからする。 触れたいから、触れる。 ゴムとか買うより、そのお金で揃いでアイス買って食べる。 ラブホなんて行ってばれたら大変だからと、 使用してない旧校舎の、埃臭いシーツとベッドがある 人気のない備品庫で、互いの手を握って、交じり合った 夕日が差せば、舞った埃がきらきらって輝く シーツとおんなじように乱れた黒髪が、額に汗で張り付いてる あいつは、俺の名前を愛しそうに呼ぶ。 俺も、あいつの名前を呼ぶ。 好きだよ。大好きだよ。愛してるよ。 肉欲の免罪符。 その時楽しければいい。3年になってから増えた全国共通模試。 受験のストレスだって2人で溶け合っていれば忘れられた。] (88) 2022/08/09(Tue) 22:11:37 |
【人】 四谷 隆史 「ねぇ、隆史君。 私ね、生理きてないの……」 [梅雨が明けて。珍しくあいつが模試で悪い点とってんな。 って。図書館のデートの時に聞いて思ってたら。] は? え。 [子供ができるなんて思ってなかったんだ。 何度も交じり合ったから、健康な男女なら。 そうなるのは理解できたはずだったんだ。でも何故か。 俺らは大丈夫だって思ってた。 ――浮かんだのは困惑。それから拒絶。 あいつを好きなのは確かだけど。俺が父親? そんなんなれるわけないじゃん。学生だぞ。 今からどんどん本格的になる受験勉強だってある。 どうすんだよ。金だってそんなないし。 親になんて言えばいいんだよ。] (89) 2022/08/09(Tue) 22:12:18 |
【人】 四谷 隆史 堕ろそう。だって俺ら、まだ学生だよ。 わかっ [お前なら理解してくれるだろう? ――俺とおんなじ、学生で、同級生で。 受験勉強控えてるんだし。なぁ。] [いつも俺の言葉に笑顔で頷いてくれるあいつが。 初めて、快楽じゃない涙を零した。*] (90) 2022/08/09(Tue) 22:13:29 |
【人】 四谷 隆史 は? [電気が消える。 何も見えない、何も聞こえなくなる 暗闇。まるでそこだけ夜に飲み込まれたかのようだ。] ちょ、まってくださいよ冗談きついっス。 チハヤさん……チハヤさん!? [呼んでも。叫んでも返事は聞こえない。 見当たらない。どこにもいない。 まるであいつと、あいつの腹にいたアレみたいに。] ひ、っ。 う、うわあああああああ!!!! [逃げ出した。一目散に暗闇から。 部屋から顔を背けて。見ないふりしてさ。 ――また逃げ出した。親としての責任も恋人としての責任も 何もかも放り投げて、気づかれないのをいいことに 秘密は永遠に秘密になった。はずなのだ] (108) 2022/08/09(Tue) 23:28:44 |
【人】 四谷 隆史『お前』が殺した。 『貴方』が殺した。 違う、俺じゃない。 俺じゃない。 [俺のせいだ。でも俺だけの所為じゃない。 交換したLINEで連絡を取ろうとすることとか そういったやろうと思えばできることなんか頭になく。 ただ、地下の堕胎室から遠くに離れたかった。 離れてしまいたかった。] (109) 2022/08/09(Tue) 23:32:10 |
【秘】 四谷 隆史 → 千早 結 おとう さんの おともだち? [父親に名を呼んでほしいと、願う子が 初めて別の言葉を喋る。 暗闇に消えていく刹那の間なので 届かないかもしれないが。] (-42) 2022/08/09(Tue) 23:37:13 |
【人】 四谷 隆史[幻聴が聞こえる。 名前を呼んでと呼ぶ幼い舌足らずの声 知らないものなのに、何故か痛みを覚える声。 それは多分 罪悪感 という――……]……。 は、ぁ。はぁ、 はぁ、っ。 [かひゅっ、と荒々しい呼気を吐く。 走りすぎてここ何処なんだよ知らねー。 どっかの廊下で蹲る。 地図とか見てないし。見る余裕なんてない。 耳を塞いで目を閉じて。知らない、しらない。 消えてしまったチヒロさん。 心配だし、探しに行かなきゃって思うけど 足が動かない。安心なんてないから仕方ない また1つ、言い訳。 ―― 俺は悪くない。 *] (112) 2022/08/09(Tue) 23:37:38 |
四谷 隆史は、メモを貼った。 (a36) 2022/08/09(Tue) 23:42:47 |
【独】 四谷 隆史/* 聞いてください。今チハヤさんのことをチヒロさんと 言っていたロルを発見しました マジすいませんしたぁっーーー!!(ここで土下座 (-46) 2022/08/10(Wed) 12:47:05 |
【人】 四谷 隆史― 廊下にて:生者との邂逅 ― ぁ、うっ、 ぅ…… [座り込んで。息を整えるのに時間を要す己は この廃病院の肝試しに、同じ予備校生の仲間らへのマウントの為だけに 来たことを全力で後悔していた。 思い出したくもないことを思い出す。 知り合った人もいきなり、消えてしまった。 怖い、こわい。こんなん聞いてない。 不審死とかエロいこととかあるとか そういった噂ばっかで、人が消えるとか、 過去を暴くような、そんなことが起こるなんて。 こんな場所居たくない。一刻も早く外に出なければ。 でも、1人じゃ無理だ。足が竦む。 また、そういったことが起きたら今度はどうなる? 1人だぞ。 チハヤさんどうなっちまったんだ。ここには一体何がある。 何が、いる―――――……。] (137) 2022/08/10(Wed) 12:58:36 |
【人】 四谷 隆史たす、助けて。 金髪のばけもんだけなら、まだ、夢みてぇなもんだって。 でも、こども、こどもみたいな。重なった声がして、 人が消えた。ここ、なんかいる……!!! [スーツ姿の社会人。に、見えるこの人が 何でここに来たのかとか、 そういったのには今頭まわってない。 助けてくれよ、助けてくれよ ――初対面の相手に求める言葉にしちゃあ随分勝手な、モノ。*] (139) 2022/08/10(Wed) 13:04:38 |
四谷 隆史は、メモを貼った。 (a45) 2022/08/10(Wed) 13:07:49 |
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