人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

「どうだか。
 ……キミは本来、もっと違った生活を好んでたはずだけどね」

今とは違うあなたを知っている。それはお互い様の話だ。
昔の自分はもっと純粋で、日々を過ごすのもあなたと遊ぶのも楽しかった。
道が分かれてしまってからというもの、互いに味のしないガムを噛み続けているようなもので。

「必要がある時は薬だって飲むさ。
 心配性って……あぁ、同期テオドロの事かい。確かに彼はいつも世話をやいてくれるけどね」

同僚たちは皆、お節介だ。
とりわけ同期の二人は距離が近い、けれど。
エルヴィーノは彼らを友人だとは思ったことがなかった。
身内だと認識はしてるものの、友という存在を増やしたいとは思っていないのだ。
(-367) 2023/09/09(Sat) 8:27:03

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「……、俺の元には結構色んな噂が流れてきてねえ。
 そっちの仕事は最近物騒なことをやり始めてるらしいが知ってるか?
 危険思想を持ってる奴を何やらしょっ引くだとか。
 エルは俺が悪い事をしていたら腕を引っ掴んできそうだが……ついうっかり眠くて見逃してくれんかね?」

空になったグラスを眺めながらまた追加で注文する。
先ほどよりも度の強いそれと速さ、この調子だと酔うかもしれないがルチアーノとしてはいつもの飲み方だった。

「そうだ、テオドロ。お前の知り合いだからって俺に会いに来たんだぞ?
 いい同僚に恵まれてんだから素直に言うこと聞いて、安心させてやれ。危なっかしいんだよ今のお前は」
(-370) 2023/09/09(Sat) 9:47:24

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

>>52
紙袋の中には一人分では食べきれないようなパン。そしてお酒。
あなたの働く先で売っているものもあれば、別の店で買ったものもあった。
少なくとも一人で食べる様子ではなかったが、ルチアーノが誰かと食べている姿もあまり見たことも無いだろう。
黒眼鏡やペネロペと話す姿を見かけるかもしれないが、共に食べるよりかは食への注意をしているだけだ。
お前まで、といった言葉には十分な経験が入っているようだった。
しかしその日中は背中で無言を語るのみ、次に話すのは陽が落ちてからだった。


その日の夜、だいぶ夜も更けたその時間にあなたの携帯へと連絡が入った。

『ロメオかー? すまんな、こんな時間に。
 今から言う住所のところに車乗ってきてくれえ。
 今日は部下連れてこれなかったんだ』

電話のことも内容もだが、ものを頼むことも珍しいというのに、直属のアソシエ―テに頼むような雑用をあなたに伝えるのもかなり珍しいこと。
声色は普段の雑談をするようなものであり、目的はもしかしたらこちらなのかもしれない。

『あと重要なことがある。
 なんかのアレルギーがあんなら薬持って来いよ、それじゃ』

電話は勝手に切られる。
そうして細い道の多い住宅街、夜の店とは程遠い不可思議な場所にあなたは呼び出されてしまっただろう。
(-371) 2023/09/09(Sat) 10:03:30

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

こんなに沢山買ってどこに、なんて考えるけれど。
誰かと食べるにしても相手が思いつかないのだし。
その時は、少し首を傾げるだけに留まっただろうか。

それから、その晩。

『はあい』
『……あい。そこすね。了解』
『え?あ、』

約束の通り電話を取る。
珍しい頼み事でも断る気は無いが、珍しいなと思う気持ちはもちろんあった。そこに加えて伝えられた言葉にハテナマークが増えたところで、勝手に電話は切れてしまって。

「……ええ。何だ?」

疑問、興味。いまいち何のつもりなのかが分からない。
とはいえ無碍にすることも無い。
ロメオは伝えられた通りに車で、伝えられた通りの場所へ行く。アレルギーの類のものは持っていないので、持ってきた薬は結局なんとなく胃薬だけだ。

車から降りて、一つ息を吐いて辺りを見回す。貴方の姿は見えるだろうか。
見えなければ到着した旨を伝えるために電話でもかけよう。
(-374) 2023/09/09(Sat) 10:46:07

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

車から降りれば昼間とは違う大きな鞄を持っている男の姿。
共に何やらか細い声が、『なー』『フーー!』『にゃーん』いくつも。

「おー。終わったら洗車予定の車が来てくれたぞー」

座り込みながら閉じたゲージに話しかける男はあなたの疑問に見えるままの姿で答えることにした。
成人男性、大きな鞄、三匹の猫。なんとも奇妙な取り合わせが深い夜の空の下に集合している。
(-395) 2023/09/09(Sat) 13:09:14

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「は?」

──鳴き声で状況は把握出来た。貴方の姿も確認できた。
けれど頭上のハテナマークが消える事は無かった。

「……………」
「猫……すか」「なんで猫?」

なるほど、アレルギーとは猫アレルギーのこと。
それはわかったけれども。

「ええーと……そいつら乗せてくんすか? どこに?」
(-396) 2023/09/09(Sat) 13:17:29

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

「何処か置ける場所に心当たりはあるか、ないなら一晩ぐらい」

続く言葉はあなたの部屋だろうか。
ついでに思い出すのはルチアーノの部下にはひどい猫アレルギーのアソシエーテがいた気がすること。

「冗談。んあー、で、猫のことか。
 こいつらは怪我や病気をしてたやつらでな、病院帰りなんだ。
 もう野良に戻れねぇから飼い主探してやらないと早死する。
 これでも数匹はけてんだ、無愛想な奴らが残っちまったな」
(-407) 2023/09/09(Sat) 14:10:25

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

「あぁ……聞くね、最近。
 所長代理が赴任してから過激な人が増えたのは確か」

元はと言えば所長を殺した犯人が悪いのだが。
とはいえそれはノッテの誰かが犯人と決まったわけではない。マフィアはこの縄張り外にいくつもあるしマフィア同士の小競り合いも日常茶飯事だ。
証拠がなければ捕まえることなどできないから、苛ついている人間は特に上層部に多いと言えよう。

「当たり前でしょ。
 キミが何かしたなら、僕が責任持って逮捕する。他の誰かに捕まったりしたら許さないから」

つられたように追加のカクテルを注文して、目を細め。
浮かべた笑みからは冗談なのか本気なのかは掴みづらいかもしれない。
明日は互いに二日酔いになっているかもしれないが、それはそれで構わないと決め込んで、届いたグラスにまた手をかけた。

「彼がわざわざ? たまたまではなかったのかい。
 確かに彼は悪い人間ではないけれど……僕が危なっかしいとは聞き捨てならないかな」

少しばかり尖らせた唇は、あなたの前でくらいしか見せない幼さの象徴だ。
(-413) 2023/09/09(Sat) 14:32:49

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

/*すみません。
見直してたら所長まだ死んでませんでした。てへぺろ。
なんか前回の流れで襲われて死んだのだと思いこんでいた……。
何にしろ倒れて、新しい所長代理が来てから空気変わったという事でお願いします。
(-434) 2023/09/09(Sat) 19:00:08

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「はあ。なるほど」

説明を受けてようやく合点がいったような表情と返事。
しばらく浮かんでいたハテナもここでやっと消え失せた。

「や、オレんとこでもいいすけど。全然。うーん……」
「こないだバイト先の奥さんが保健所で猫貰ってきたんすよね。
そこ行けば保護でもしてくれそーではあるし」
「てかパン屋に張り紙でもしときゃ受け取り手出てきますかね。
 そんくらいならオレやれますよ」

そう言いながら片手間に携帯端末を操作し、ほらここ、と貴方に見せたのは保健所の位置。ここからはさほど遠くない場所にあり、それこそ車で行けばすぐ着く位置だ。

「……まあ、それするならどちらにせよ日中の方がいいすか。
 今晩はあんたの言う通りオレん部屋でも」

いーんじゃないすかね。
ケージを見てから、貴方の方を見た。
(-438) 2023/09/09(Sat) 19:40:00

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「他の誰かにって、なんだそれは。
 随分と熱烈な告白をしてくれるなあ……」

呆れたように返す口調はあなたの言葉を冗談として受け取っている。
自分を捕まえるやつが知り合いなんて心から御免被りたい。

「責任なんて簡単に言うもんじゃねえよ。
 捕まったら元の生活に戻れないかもしれないのに」

社会的にも体裁的にも悪いものになれば、自分の立場はまだ切り捨てられる位置だ。
部下ができているとはいえ、血の掟をしていない以上いざという時には使い捨ての駒扱いを受けても仕方ないだろう。

「客観視してみれば、俺たちのほうがしっかり者に見えるんだろ。
 ……そう拗ねるな」
(-444) 2023/09/09(Sat) 20:00:43

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

「元の生活ってどっちなのかな。
 子供の頃のような普通の生活? それとも今の」

別に冗談で言ってるつもりはないんだけど。
そう受け取ったならそれはそれで良いと、訂正する気配は見せない。
罪の度合いによるだろうが、少々の事なら刑務所に放り込まれることまではならないだろう。
元の生活にすら戻れないとなると、それは相当な大事件を起こさなければならない。

「その言い方、まるで危なっかしいと思ってるのはキミではなくて彼のようじゃないか」
「僕だって別に……今の身分に縋りついてるわけじゃない。
 やりたいことのために丁度いい仕事だってだけさ。彼ら同僚とだって……無駄に遠ざける理由がないってだけで、……」

言葉の割には、それなりに身内だと位置づけているのだが。
今のところそれを口にして認めるようなことはしないようだ。
ただ……、そう言っている間に、また、酒が増えた。
(-446) 2023/09/09(Sat) 20:45:27

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

「保護所はあんまり使いたくなくてな、貼り紙や伝の方を頼むことになりそうだ。
 今晩がどうにかなれば連れていける場所はあるからな……」

保健所の場所を聞いてメモはしながら、つられてゲージを見て、あなたと目線を合わせる。『なーん……』。

「じゃあ今から部屋に行くとするかあ。ちなみにお前は?
 どうせ困ると思って聞いてるが、なにか飼ったりしたいと思わないのか」
(-468) 2023/09/10(Sun) 1:37:48

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「……両方だな」

「今の暮らしを続ける為にも信頼ってやつがいるんだ。
 一度の逮捕でパーになっておかしくない、……お人好しの上司が雑用係としてなら拾ってくれるかもしれんがな」
「子供の頃みたいな生活は、……できればしたくないが。
 もう俺は、社会の表から見られない人間がいるのを知っちまった。
 何も知れない頃には戻れないし、この手段を簡単に手放すつもりはねえんだよ」

マフィアに入った一番の理由の中に家族の死の真相を知りたかった幼心が存在した。
方法は他にもあっただろう、それでも無力な一人の子供には一番早く確実に手を伸ばせるところで。
今でも様々な伝は自分の身の回りを整えてくれていて、そこから見放されてしまえば今更何処にも行けやしないと本当に思っている。

「そうだが? あいつが心配してる話だ。
 案外そばにいるとわからないものなのか?」

「随分愛想悪くなったな、お前こそ。
 愛嬌撒いて隣の家で菓子を焼いてもらっていた頃を思い出せ、随分おねだりがうまかったぞ」
(-469) 2023/09/10(Sun) 2:15:55

【人】 口に金貨を ルチアーノ

「今日は少し遅かったなマスター。
 いいメニューが入ってるじゃないか」

来店の音を鳴らし行きつけの店に足を踏み入れる、看板の見慣れない魚を珍しげに見やり特別メニューを注文をした。
席に着けば脱いだばかりのコートををじっと見つめて、埃のようなものを叩き取っていく。
はたから見れば几帳面で綺麗好きのそれは男に時々時折みられる行為であった。

顔見知りが居るかどうかを見渡しつつ、マスターの視線がこっちに向くのを見れば笑みを返して。

「そうだ丁度いい、ひとり身で寂しそうなやつがいたらこれ渡しておいてくれるかあ?」

そういってチラシのようなものをエリカへと渡せば届いた白身魚に舌鼓を打ちはじめた。

#バー:アマラント
(116) 2023/09/10(Sun) 6:02:52

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → マスター エリカ

渡したチラシ>>116は猫の里親募集の広告だ。
怪我をしていた保護猫の引き取り手を探しているよう。

綺麗な黒と白の猫が残っていて病院で検査済。
すぐに引き渡しが可能であることと、ルチアーノではない連絡先と名前で取引はされている旨が記されていた。

#バー:アマラント

/*こういうチラシを配っていたRPですので返信不要です!
(-475) 2023/09/10(Sun) 6:09:16

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

「何も知れない頃に戻れないのはお互い様だよ、ルチア」

薄く笑う。
失ったものは決して戻ってくることはない。
それが奪われたものだったなら、その罪は贖ってもらわなければ。
そう心に決めて今の身分になったことを後悔する気はさらさらなかった。

「愛想笑いは今でも得意さ。
 今でも世話をしてもらってばかりだ……お節介の集団だからね、あそこは」

そうして少しの間押し黙るように、揺れる水面を見つめた。
いくら幼馴染とはいえ、言わない言葉というものは存在する。
それは例えば、あなたと違う立場をもって調べられるものもあると勝手に動いていることだって、そのうちの一つだ。

「何にせよ……逮捕しなきゃいけないほどの事をしないで欲しいと言ってるんだよ」

これでもキミの幸を願っているのだと、花浅葱の瞳を細めた。
(-483) 2023/09/10(Sun) 8:38:25

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「お節介集団……ね。どんな奴がいるんだか」

「……わかってるさ、皆までいうな。
 警察の世話になるような事をすすんで行うのは愚か者がすることだ。
 それぐらい承知している。だから、エルお前も」
 
思い出したようにオリーブオイルが香る野菜とチーズに手を出して表情を取り繕う。
今日の貴方はどうしたのだろう、一体何を聞きたいのだ。
その態度と口ぶりで読み取るには隠し事が多すぎる。

「どんな幸せの形でも押しつける覚悟ができてから語るんだな。
 仕事以外で悪いやつに関わるような真似は愚策だぞ」

それは少なからず今のあなたには、自分の道を変えさせる力は無いのだろうと判断した僅かに拒絶するような言葉であったか。
(-528) 2023/09/10(Sun) 19:39:44

【人】 口に金貨を ルチアーノ

>>137 ペネロペ

「やぁ、ペネロペ。
 流石アマラント一の味見係、既に調査済みとは。
 勿論マスターの味付けに文句の付けようはあるまいよ、魚料理はどんなものでも好ましいが柔らかさや塩気が特に申し分ない」

顔見知りの掃除中の店員に手を振って、適度な雑談をする声量を投げかける。
泊まらなくなることをわかっていた故に頼むのを後回しにしていた酒を漸く今になって注文して。

「ああ、それか。一押しの黒と白のお嬢さん方を、な」

マスターが許可を出したそのチラシ、覗き込めばあなたにもその内容が目に入っただろう。

#バー:アマラント
(144) 2023/09/10(Sun) 19:56:22

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

そのチラシ >>116 >>144 は猫の里親募集の広告だ。
怪我をしていた保護猫の引き取り手を探しているよう。

綺麗な黒と白の猫が残っていて病院で検査済。
すぐに引き渡しが可能であることと、ルチアーノではない連絡先と名前で取引はされている旨が記されていた。

#バー:アマラント
(-529) 2023/09/10(Sun) 19:57:38

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

「昼一食は確実に取らされてるから、しばらくは死ぬことはないんじゃないの」

そういうお節介の集団だ。
いや、忘れちゃうんだよね……食べるの面倒くさくて。なんて呟いて、また酒を煽った。
ちなみに、つまみの類は一つも置いてないから、この男は空きっ腹に酒を入れている。

「ま……わかってるならいいよ。
 幸せを押し付ける覚悟なんてね、……とっくに決まってるから」

その為なら誰に拒絶されようと、
無関係の誰かが不幸になろうと。
例え、国が滅ぶことになろうと別に構わない。
あなたの前では可愛げを見せていようが、男はそういう思想の持ち主でしかない。
いい子などでは決してなかった。

「マフィアなんて辞めてしまえなんて思ってるのはこっちの話。
 だけど辞められないだって知ってる。……だからさ、今はこうして飲んで話せるだけで、僕はいいよ」
(-536) 2023/09/10(Sun) 23:10:13

【人】 口に金貨を ルチアーノ

>>149 ペネロペ

「良いじゃないか、食いしん坊。
 マスターにもそう覚えて貰えれば事あるごとに口の中が新作だ」

先程までは冗談だった声色を今時だけは本気の様子を変えておく。
自分から見たあなたの食生活が、他人によって豊かにされていくのは心地よいことだからだ。

「そうだろう、しかしいつまでも手元においておけないんでな。
 早めに捌けさせて手放したい。
 チラシはまだ余ってる、好きなだけ持っていってくれ」

#バー:アマラント
(169) 2023/09/11(Mon) 9:34:27

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「んあ〜……っすか。ならそーします。
 ツテもまあまああるんで」

そう言うのならば、と頷いてから。
「オレ?」とまた首を傾げる。

「や〜……猫飼うのは考えた事無かったすね。
 オレ独り身だし、うっかり死んだら猫が困るし。
 猫はかわいいすけどねー」
「行く当て無かったら、まあ……飼えますよ。一匹は」

そんな事を言いながら車の鍵を開けて、後部座席のドアを開く。
車内は最低限の物しか積まれていないから、きっとゲージを積む事も容易だろう。
(-552) 2023/09/11(Mon) 14:55:30

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「俺と真逆だ、周りはみんな飯を気にしない。食わせようとする俺が異端みたいじゃねえか」

互いに遠慮しない飲み方は言葉にせずとも伝える信頼感ともいえるのだろうか。
貴方の覚悟という言葉を聞いたか酔いが回ったか、する、とグラスを取り損ねてテーブルに音を立てた。

無言のままゆるりと首を傾げて言葉を探す、なんとなく今日一番貴方が知れる言葉を聞いた気がした。
時に男はいくつもの言葉に可不可で非情に答えを出すが、誰に対しても態度も好感も変わっていない。


「……ほお」

「どこかの国では猫を飼うと婚期が遅れるらしいなあ」

甘い声を伸ばしながらあなたの真似をして目を細め、ふ、と口の端をあげつつ頬杖をついて微睡む。

「エルが呼べば酒でも旅行でも何処にでも付き合ってやるよ。
 ――俺は金なら十分にあるからな」


気分がいいのは酒と料理のせいにして、もう一杯頼んでしまおうかと思いつつ貴方の言葉を待っている。
酒量の限界は分かっているつもりだ、羽目を外すのも自分で調整している、だからもう少しは耐えられるのだが。
今更のタイミングになっているのも然り今日もこのペースでは街をぶらつくのは難しいなと、漠然とまっすぐ無事に帰る方法に思考を巡らせていた。
(-566) 2023/09/11(Mon) 18:57:59

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

「……」『にゃーん』

「ひとり身で一人暮らしの男は猫を飼うのを断るんだな」

口ぶりからして、同じような別件があったのはうかがえるだろう。
実際このようなことをするのはもしかしたら一度や二度ではない、迎えまで必要としたのは初めてだったが。

「それでもありがたい、助かるよロメオ」

そうして返ってきた貴方の返事と態度に安心したように頬を緩めて笑みを浮かべた。



「因みに何色が好みだ? 今日のは写真映えがいい美人揃いだ。
 白に黒にグレー、より取り見取り」

足元に置いた普通のカバンにはあなたへの差し入れの食事や猫の世話グッズ。そのまま渡すつもりである。
遠慮なく荷物とゲージを乗せていき、後部座席に自分も乗り込む。
出されてはいないものの無事に三匹に囲まれ、動じていないどころか慣れて居そうな雰囲気を醸し出していた。
(-567) 2023/09/11(Mon) 19:17:20

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「行く先考えずに飼うのは無責任ですからねー」

その方が逆に猫の為でしょ、ともロメオは言った。
別件の人物と同じ理屈かは分からないが。

「お安い御用すよ、これくらい。死体処理より数倍マシ」

やや皮肉めいた笑みを返して、少し肩を竦める。
もちろん処理だって断った事はないけれど、頼まれ事に好き嫌いを抱いては居るようだった。

「色すか。うーん……」
「……じゃあ、白かなぁ」

少し悩む時間を置いてから質問に答える。
ちらりと見えた鞄の中身に少しだけほっとした。
猫の世話の道具も自分で買うつもりだったので。

「なんか慣れてないすか?あんた……」
「割とこういう事やってます?」
(-568) 2023/09/11(Mon) 19:32:17

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

「猫売りかあ? それとも人タラシかあ?」

態度で是の回答をした。
自分の夜の徘徊は主に怪我をした猫を探していると。

いつかの過去もそうであるのなら、夜の散歩は趣味というよりはなにかのきっかけで慈善活動に目覚めているようにも見えるだろうか。

「……ここは悪くない町だけどなあ。それでも野垂れ死ぬ猫はいる。
 そんなやつを拾って勝手にまわしてる……誰かさんの真似事だ」

拾ったくせに面倒見きらずに消えていった誰かさんのな、と。
空に言葉を投げ捨てながら目を閉じる、しばらくして三匹の静かになった猫と一緒に寝息が聞こえてきたそうな。
(-573) 2023/09/11(Mon) 20:16:58

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「アーハハ。ふうん……」

その時点で一度や二度ではなさそうだと察して、笑い声を零す。
全ての荷物が積まれれば、行きよりも乗客が増えた車は発進した。

「良いことじゃないですか。天下のマフィア様が見上げたもんです」
「ああ、いや、嫌味とかじゃないすよ。普通にすごいす。
 中々そんなことしようったってやる人少ないですからね」

「……よくやりますねー。ホントに」

抑揚のない言葉はそれでも感心が滲んでいた。
少し経って静かになれば、寝顔でも拝んでやろうかとバックミラーをちらりと見た。
それで貴方の寝顔が見えたかどうかは、さておいて。

「──ルチアーノさん。着きましたけどお」
「車内泊すんなら金取りますよ」

ウソですけど。
駐車された車の後部座席を覗き込んで到着を告げる。
答えを聞く前に動き始めて、猫のゲージを回収しに。
(-576) 2023/09/11(Mon) 20:34:44

【人】 口に金貨を ルチアーノ

「……やっぱりクリーニング出すか、流石に遊び過ぎたな」

つい先日に洗濯に出したばかりであった上着を広げ眉をしかめる。
ぱっと見ならば目につかない服の汚れや埃、理由が理由もあり身だしなみは気にしすぎたほうが良いと男は思っているようだ。

「黒眼鏡の旦那の前なら十分な格好だがなあ。
 部下や子猫ちゃんたちには気遣わないとな」

手帳に書かれてる昼間の予定は誰かに会うものばかり。
そこにプライベートなものまで入れれば嫌でも誰かにこの姿は見られている。
ポケットから端末を取り出しワンプッシュで通話を繋ぎ、その間に外に出る準備をすれば向こう側から聞こえる声を待つ。

「Pronto,フィオレ。今時間は」

片手で携帯を、もう片方で服の入った袋を。
断られたら一人で行くかと、一番長く付き合ってる部下へと連絡をしながら自室の扉を開けた。
(188) 2023/09/11(Mon) 20:47:50

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

部屋に泊めろ
……」

話の途中に突然落ちるほどあなたを信頼しているのかそれとも疲れていたのか、はたまた両方か。
ゲージの猫と同じ扱いを所望。

「三匹が四匹に増えたところで変わらんだろ」

最悪追い出せばノロノロと動いたが、押せばいけるか?と調子に乗っている男は、適当な椅子や硬い床で寝るのも慣れてるから気にするなという言葉を置いてしばらく部屋に居座っていた。
(-579) 2023/09/11(Mon) 20:54:54