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![]() | 【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム[ 貴方に報告する私はきっと嬉しそうにしてたはず。 そうして二人で予定を決めた。 私はとても楽しみだったの。 貴方の演奏を聴けることも 海へ行けることだって。 何より、貴方と病院の外で会えることが。 ] (-92) 2022/02/15(Tue) 12:22:22 |
![]() | 【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム その日は私も普通の女の子になれる。 そう、夢を見ていたの。 病気なんて忘れて、好きな場所へ行ける ただのアンネロズになれるって。 貴方の傍に居られるって、思っていた。 きっとその日なら、病気のことを聞かれても 私は答えたんだと思うの。 貴方の決意を、聞くことが叶っていたなら…。 (-93) 2022/02/15(Tue) 12:23:09 |
![]() | 【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム[ 本当に楽しみにしていたのに。 二人にとって大切な約束が 貴方に消えない傷をつける結果になるなんて。 ]** (-94) 2022/02/15(Tue) 12:23:37 |
![]() | 【人】 患者 アンネロズ*** [ 約束をした日が迫ってきたある日。 その日は、お母さんが見繕ってきてくれた 服を試しに着ていたの。 黒を基調にした裾にフリルのついたワンピース。 胸元にリボンがついていて、それを後は結ぶだけ。 そんなときに病室のドアが開いたの。 訪ねてきた人が貴方だと分かった時は それはもう、びっくりしたわ。 だって今日は来ないと思っていたんだもの。 ] エド……!? な、なんで、っ……。 (74) 2022/02/15(Tue) 12:24:46 |
![]() | 【人】 患者 アンネロズ[ いつもの病衣姿じゃないことに 気づかないわけ、ないわよね。 貴方との約束の日に着ようと思っていて 当日までのお楽しみにしたかったのに。 予定外の訪問で貴方に見られてしまって。 少しだけ唇を尖らせて拗ねたように、 ] ……この服のことは当日まで 秘密にしようと思ってたのに。 [ なんて言って、ふい、と目をそらした。 ] (75) 2022/02/15(Tue) 12:25:51 |
![]() | 【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム[ でも、見られてしまったのなら どう思っているのか、聞きたくなるでしょう…? だから私は、置いてあったリボンを結んでから 貴方の前に行って、少し裾をつまんで見せて。 ] ねぇ、エド。 この服、可愛いでしょう? [ そんな風に笑いかけたの。 似合ってるって思ってくれていたらいいな。 ]* (-95) 2022/02/15(Tue) 12:27:08 |
![]() | 【独】 患者 アンネロズ/* 演奏聞けた方が丸く収まりそうとか考えていたんですが聞けないパターン美味しいので最高だなって思いました(頭悪い感想 (-96) 2022/02/15(Tue) 15:49:57 |
![]() | 【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム[ 普段病衣ばかり見せていたから。 私だって、気にしていたのよ。 可愛いって、思われたいから……。 頬を染めた貴方から自分のためなのかって 問いが返ってくれば、ふふっと笑って。 ] そうよ、貴方と出かけるときのために。 [ 自惚れなんかじゃないわ。 貴方の前では可愛い女の子でいたい。 手で顔を覆い隠している貴方を見ると 私まで、頬が赤くなっていくの。 だって、恥ずかしいじゃない……。 ] (-102) 2022/02/15(Tue) 23:17:56 |
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![]() | 【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム[ そのあとは、その服を着たまま、 いつものようにお茶会を始めたはず。 ずっと頬を染めている貴方が珍しくて いつもより貴方の事を見つめてしまっていたから 看護婦さんが微笑んでいたのには気づかなかった。 似合ってるって言ってもらえたことを 心の中で反芻しては終始笑顔で過ごしたの。 ]** (-104) 2022/02/15(Tue) 23:19:18 |
![]() | 【人】 患者 アンネロズ*** [ エドとの約束の日。 私は朝からずっとそわそわしていたわ。 いいえ、前の日の夜から、ずっと。 綺麗に髪を梳かして いつもはしないお化粧だってして 褒めてもらった服を着て。 貴方の演奏が聞ける って、子供のようにはしゃいで待っていたの。 ] (82) 2022/02/15(Tue) 23:19:47 |
![]() | 【人】 患者 アンネロズ[ 貴方から連絡を貰った後、 私は窓の方に立って、貴方が来るのが見えないかと ずっと景色を眺めてたの。 舞い上がってた気持ちは、胸の痛みに邪魔される。 ] いっ……いた、い……。 [ 昨日まで、私の体調は安定していたし 今日だって、大丈夫だろうと言われたから この日をずっと待っていたのに。 嫌だ、嫌だ、約束があるのに。 立っていられなくなって、胸を抑えながら倒れ込む。 近くで待っていた両親が慌てて ナースコールで医師を呼んだ。 ] (84) 2022/02/15(Tue) 23:22:42 |
![]() | 【人】 患者 アンネロズ[ エドとの約束を破りたくない嫌だ、 そんなふうに心が叫ぶ一方で。 死が迫っているのを感じたの。 死にたくない、って強く思う。 ] (85) 2022/02/15(Tue) 23:23:15 |
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![]() | 【人】 患者 アンネロズ[ きっとそれは音にはならなかった。 最後に名前を呼ぶことさえかなわず。 苦しくて、目をつぶれば、脳裏に浮かぶのは貴方の顔。 会いたいな……。 それが叶わないとどこかで思ってしまったのは 死期を、悟ってしまったから。 自分の身体のことは自分が一番わかる。 そんな言葉の意味を死ぬ直前で知ることになるなんて。 私は薄れゆく意識の中で、 遅すぎる 後悔 をしていた。 貴方に病気のことを伝えればよかった。 貴方にもっと我儘を言えばよかった。 ] (86) 2022/02/15(Tue) 23:25:26 |
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![]() | 【人】 患者 アンネロズ[ 後悔なんてしてもすべてが遅い。 ねぇ、エド。 もし、私が秘密を抱えず、 全部貴方に打ち明けていたのなら。 何かが変わっていたのかしら。 私には、わからないの……。 ] (87) 2022/02/15(Tue) 23:27:48 |
![]() | 【人】 患者 アンネロズ[ 私が意識を失った後も 医師は処置を続けてくれていたけれど。 貴方が病院にたどり着く前に 私の心臓は止まってしまった。 ] (88) 2022/02/15(Tue) 23:28:20 |
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![]() | 【人】 患者 アンネロズ *** [ 貴方が到着したとき。 私は病室のベッドの上で永遠の眠りに落ちていた。 何が起こったのか、空気でわかったかもしれない。 わかっていてもいなくても、 私の父が、震える声で娘の死を伝えたはず。 母はずっと泣いていた。 でも、貴方に気づいたなら ] 「 ごめんなさい…もっと早く、言えば…。 」 [ そんなことをずっと、繰り返したでしょう。 両親は私が貴方に病気のことを伝えていないと 知っていたし、伝えるべきか悩んでいた。 でも、娘の意思を尊重して、 自分の言葉で伝えるのを待っていたのだ、と。 そんな説明を聞いたら、貴方はどう思ったのかしら。 説明すら、聞く余裕もなかったかしら。 ] (90) 2022/02/15(Tue) 23:30:05 |
![]() | 【人】 患者 アンネロズ[ 私の両親は娘を喪った悲しみに暮れながらも 貴方のことを、ずっと心配していたはずよ。 私の想い人だと、知っていて。 もう付き合っているとすら思っていたはずだから。 そして、どこかのタイミングで 貴方にこう告げるの。 ] 「 今まで沢山気にかけてくれてありがとう。 アンネのことは、もう忘れていいのよ。 」 [ それは、両親の気遣いだった。 でも……。それが貴方にとって 果たして、慰めになったのかしら、ね。 ]* (91) 2022/02/15(Tue) 23:32:36 |
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![]() | 【独】 患者 アンネロズ/* 書き方とシチュエーションの作り方が好みすぎるのに 描写力とセンスで殴ってくるしなんかもう色々犯罪級にしんどい……。 (-123) 2022/02/16(Wed) 3:09:53 |
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