【独】 医者 ノーヴァ (-0) 2022/11/10(Thu) 0:12:21 |
【人】 給仕 シロタエ[いつの間にやら、あたりはすっかり日も落ちて だけど街頭は灯らない、家々の明かりも灯らない そんなこともお構いなしでみんな好き勝手やっている もちろん、この娘も] だーかーらー! 興味ないって言ってるでしょー!! [こうして絡まれるのも今日何度目か 手にした角材はすっかり真っ黒で、少し、いやかなり歪んでいた だって、本当に言っても聞かないやつばかりで 殴ったくらいじゃ止めやしない! 絡む理由はそれぞれ違う モデルになれとか、実験台になれとか、やらせろとか ああ、無言で殴りかかって来たのもいたっけ それらをうまく躱してきたのは単に ]娘の運がよかっただけのこと (2) 2022/11/10(Thu) 0:44:18 |
【人】 給仕 シロタエ[ああ、 イラつく 、むかつく、こんなロクデナシがいるなんて気持ち悪いだけど、だからこそ、それを黙らせた時は気分がいい 気分がいいから 加減なんかしてあげないわ! ]あはっ [相手が今だ向ってくるのに楽しげな声が零れる だって逃げちゃったら殺せないもの、ねえ 「何がおかしい」って目の前の奴が言う 何がかしら? 何もかもね! 何もかもみぃんなおかしいわ!] あははっ [向かってくる男に角材を振り下ろす めき、と鈍い音がして角材が折れた] (3) 2022/11/10(Thu) 0:49:30 |
【人】 給仕 シロタエ あーあ、これじゃ殴れないわねぇ [折れちゃった、と地面に打ち付け折れた先を切り離す 隙ができたとばかりに男が懲りずに向かってきた その目元に 折れて尖った角材を突き立てる] やぁね、こうすれば役に立つじゃない [ぐり、と抉るように動かしたなら悲鳴を上げて転がるものだから そのまま、体重をかけて串刺しにするように押し込んでやった さすがに地面には刺さらなかったけど] 殴るものが無くなっちゃった 何かいいものないかしらぁ? [倒れて今だ呻いている男にはもう興味はなくて 娘は新たな「殴れるもの」を探しに商店がある方へと向かった**] (4) 2022/11/10(Thu) 0:53:53 |
【人】 警備員 ジュード── 夕方:北西の路地にて ── あっ、あ あアあありがとうございますっ!? [気持ち悪い>>1:101、変態>>1:100、それらの言葉は 普段であればショックを受ける言葉だっただろう。 しかし今、それらの悪印象を気に掛ける余裕はない。 赤い布を口に巻いた彼女が、 此方を警戒したままでいながらも ここを通り過ぎようとするような動きを見せてくれた。 その様子に男は逃げる事を許されたような気持ちになって、 怯えつつ、支離滅裂な事を口走った。] そっ、そう、ちがう、変態じゃないんですけどっ おれはへいきなんですっ、ガライカの、いきものだから でもっ、でもほかのひとは ── [こわいけど、話にこたえないとひどいめにあうのかも、と、 男はかろうじて理解した言葉に対して早口に喋りながら 通り過ぎようとする彼女とは逆の方向へとじりじり後ずさる。] (5) 2022/11/10(Thu) 1:01:17 |
【人】 警備員 ジュード[それはある程度── 例えば、何かがあっても 赤い布の彼女は咄嗟に逃げる事が叶うだろう程度に── 男が彼女から離れた頃だったか。 男の後ろで、路地に面した住居の戸が開く。 戸を明けたのは、先程娘の死体を持ち去った 家主らしい壮年の男だった。>>1:95 彼は返り血を浴びたまま、目の前にいる男… …の尻尾を見下ろしてにやりと笑うと、 瞬間、その尻尾を掴みあげた。 ……彼は這う物たちの蒐集家であった。 ]家の至る所には爬虫類や両生類のホルマリン漬けが並び、 更にはそれらの特徴を持った獣人の写真も飾られていた。 かつて飛び降りた娘は、彼が娶ったのだろうか。 それとも、飼われていたのだろうか。 彼女がすでに浴槽の近くで 皮を残して”処理”されている以上、 その真実を語る者はいない。 (6) 2022/11/10(Thu) 1:01:52 |
給仕 シロタエは、メモを貼った。 (a1) 2022/11/10(Thu) 1:02:34 |
【人】 警備員 ジュード[粘液で滑る尾を素手で掴む事は難しいだろう。 しかし”慣れている”らしい蒐集家は、 しっかりと左手に滑り止めの革手袋をはめていた。 突然の行為に驚き逃げようと暴れる男の尾を、 蒐集家は強く、強く両手で握りしめて。 そのまま、彼の家へと引き摺り込もうとする。] ひっ、な や、やだっ や、 あっ ごめんなさい!ごめんなさいはなして、 やです、や、たすけ、いたいっ 痛いです!いたい、いたいいたいいたい っ……! [男だって非力なわけじゃない。 だけど、踏ん張るにも、何かに掴まるにも 自らの粘液で滑って上手く力が込められなくって。 わあわあと叫びながら、何とか戸の縁に腕を引っかけて、 家の中に引き摺り込まれないよう耐えている。 ……その様子をもし女が見ていたのなら、 彼女が毒に抱いた疑問に対する いくつかの答えがあるかもしれない。] (7) 2022/11/10(Thu) 1:02:52 |
【人】 警備員 ジュード[蒐集家は確かに左手には手袋をしていた。 ── しかし、右手は”作業”の為に素手のままだった。 その素手のままの手や、暴れる男の粘液が付着したらしい 蒐集家の四肢、胴、そして顔はみるみる内に赤く腫れて、 皮膚にはいくつもの水膨れが浮かびだした。 それはちりちりとした耐え難い痒みを伴うらしく 蒐集家は男を左手で抑えながらも、 時折右手でばりばりと身体を掻く。 だが、体を掻くほどに、その表皮に傷を作る程に 潰れた水疱や引っ掻き傷から毒は血管を巡り、 身体の深く、深くへと侵入する。 やがて内臓まで膨れ上がったらしい蒐集家は 炎症と酸欠に全身を赤黒く腫らして、 ひゅう、ひゅうと、苦しそうに気管を鳴らし始めた。 蒐集家は、何もしなければそう遠くない内に 床へと倒れ伏す事になるだろう。 そしてそうなれば、解放された男は一目散に 女のいる方向とは逆に逃げ去ろうとするのだろう。 その様は、”触れない方が良い”と人に知らしめるには 十分であるだろうか。**] (8) 2022/11/10(Thu) 1:05:38 |
医者 ノーヴァは、メモを貼った。 (a2) 2022/11/10(Thu) 1:06:25 |
警備員 ジュードは、メモを貼った。 (a3) 2022/11/10(Thu) 1:07:33 |
警備員 ジュードは、メモを貼った。 (a4) 2022/11/10(Thu) 1:08:43 |
【独】 警備員 ジュード/* 毒はいろんな毒っぽい要素を混ぜた架空の毒なので 解毒法とか効果とかふわふわだったり、現実的ではないのが現状……! ところでヴェレスくんのお話ばっと読んだんですけど あの あの アァ 逃亡成功してたら、燃えた館を見て 友達しんだかもしれん!ビャーーーーッ!(大号泣)ってしたい気持ちもあるのですが 欲望とか〆の事も考えるとどう転がすのがよいだろうか。なやましいです。 (-2) 2022/11/10(Thu) 1:16:14 |
【独】 給仕 シロタエ/* 次は鉄パイプが欲しいです先生! あるのかこの世界( とりあえずやりたかった「折れた角材で目を抉る」ができたので満足です(お前は では寝る (-3) 2022/11/10(Thu) 1:22:47 |
【独】 給仕 シロタエ/* あ、イメージ曲がやっとまとまったわー 結局複数になってしまった UP-BEAT「PARADISE ?」 https://www.youtube.com... ポルノグラフィティ「ラック」 https://www.youtube.com... 谷山浩子「三日月の女神」 https://www.youtube.com... (-4) 2022/11/10(Thu) 1:40:49 |
【人】 略奪者 ラシード[ 祖が、しろがねの誇りが、 海の果てに囚われ続けていると知った。 美しき獣、稀少な宝物として。 畏怖の象徴、伝説として。 人喰らいの怪物という脅威を克服した、 トロフィーとして額縁に掲げられている事実を。 其れは平凡な、そう、 大陸であれば何処にでも居るような 不幸な奴隷として貶められた獣人にとって。 憤怒であった。悲嘆であった。絶叫であった。 隷属の首輪で締め付けられた喉笛で、 遠吠えは夜を劈き、それでも彼は孤独だった。 その血族は、もはや途絶える寸前だったのだから。 故に鎖を食い千切り、狼の仔は闇の中へと 希望を求めて抜け出した。 ] (9) 2022/11/10(Thu) 2:31:46 |
【人】 略奪者 ラシード[ けれどもそれは、 道化の顔したお医者様のせい、だけじゃない。 略奪者達がペンを走らせ 計画を張り巡らせた紙面の余白で、 ありとあらゆる因果が重なった結果だから。 燃える筈の無かったお屋敷が燃えました>>1:61。 港に向かうからくり車が火の雨>>1:92を避けて、 本来通る筈だったルートを逸れました。 人口密度の低い道を通る予定が、 賑やかな通りを通らざるを得ず。 狂乱を避けた血溜まりの路地>>1:84 で、 同胞の証>>1:94を身に付けた尼を避けようとして ぬめる血液で車輪をスリップさせました。 首魁と合流するはずだった、 その地点への到着に───間に合わなかった。 だから仔狼は余計な距離を奔ることになって、 其処にちょうどよく、 石ころが飛び込んできたのだから。 ] (12) 2022/11/10(Thu) 2:34:10 |
【人】 略奪者 ラシードあ、 [冷たい地面に倒れたまま、 身を起こす猶予もなく───人狼は己の肩越しにそれを見る。 あのしろがねを取り戻す為に命を使うと決めた。 至高の祖の為に島ひとつを滅ぼすと、 その為なら利己の獣になっても良いと、 幾ら命を踏み躙っても良いと己に刻んだ。 正義も罪も、集団が秩序を保つためのまやかしだと断じ、 己の血の誇りはそれを上回る尊きものだと、信じていた。 祖のために。 そのために。 その、 ために。 きらきらと、赤い視界の中で銀の毛が舞う。 皺を眉間に刻む程度に年月を生きたであろう学者たちが。 分厚い眼鏡を掛ける程には勉学に没頭したであろう若き研究者たちが。 我先と、掴み取る。引き千切る。ずたずたに刻む。 しろがねの誇りを。彼の生きてきた意味を、理由を、 まるで菓子を奪い合う子供のように、 無邪気に、楽しげに、しあわせそうに、罵り合いながら この島を呪うに値するほど───── 彼が、欲してやまなかった、 たからものを。] (14) 2022/11/10(Thu) 2:36:21 |
【人】 略奪者 ラシードあ、 あ、あああ、 あ、 うそ、 う そだ、…… そんな、 [震える声。否、それは声なのか? 痙攣する喉笛は歪な音を漏らす。 その口にも鼻にもまだ、呪香から肉体を守る まじないの赤は当てがわれているというのに 寧ろその色は死人めいて蒼白になった 肌の色を浮き上がらせている。 見開かれた目。ぶるぶると乱れる瞳孔は乾いて。 唇は断続的に何か紡ごうとしては、はくはくと上下するばかり。 標本箱に鋲を打たれ、 。]翅を広げられた蝶のように。 未来を奪われ。尊厳を奪われ。 生気無く引き攣って、 抜け殻めいた形を残して静止した、 或る男の望んだ、絶望の形 (15) 2022/11/10(Thu) 2:37:34 |
【人】 略奪者 ラシード[ 其の一瞬の変異は、例えるのならば 内臓が皮膚を食い破ったかのようにすら見えただろうか。 白い皮膚が裂け、赤い筋肉や黄色の脂肪が飛び出し。 銀の毛の塊をその隙間からざわざわと蠢かせながら 人間をひとまわり、ふたまわり超えた体躯へと肥大化する。 ごき、ごきん、ぱきん、 と圧し折る音は 砕けるよりも寧ろ、殻を破って成長を繰り返す地虫のよう。 口元を覆った赤い布がぱさりと落ちれば、 其処には鋭く、白い牙が並ぶ口が長く飛び出す。 じぶじぶじぶじぶ。肉に焦げ目を付けるようなざらつく音も よくよく見れば滲出した体液が少しずつ、 巨大化した身体に皮膚を形成して覆っているのだとわかる。 毛虫が這い上がるかの如く其処に被さっていく銀の毛皮は、 研究者たちに撒き散らされ、ちらちらと大気を舞うそれとよく似ていた。 ぼろ雑巾のように小さく千切られてしまった毛皮を 血だらけの指でなお奪い合う学者たち。 その1人がふと、若い獣人だったモノの方に視線を向け。 上げたのは、 歓喜 の声であった。 ] (17) 2022/11/10(Thu) 2:39:31 |
【人】 略奪者 ラシード[ 喜びの声は色を変えぬまま、断末魔へと変わる。 それでも尚、楽しげに飛びついていく学者達は 次々と、次々と、小さな肉塊へと分解されていく。 彼等が無邪気に分けあい、奪い合った、 たった一枚の毛皮のように。 欲望に染まった檻の中。 噴出した銀色の殺意は───人狼は暴れ狂う。 その遠吠えは昇る月に捧げられるかの如く、 高く、遠く、火の粉舞う夜空へと響き渡っただろうか。 ]* (19) 2022/11/10(Thu) 2:43:44 |
略奪者 ラシードは、メモを貼った。 (a5) 2022/11/10(Thu) 2:57:22 |
略奪者 ラシードは、メモを貼った。 (a6) 2022/11/10(Thu) 3:00:01 |
【人】 住職 チグサ[男性の御遺体はまだ温かく、凍える夜に湯気が立ち上っておりました。 読経を読み上げる間にも、その温もりは徐々に空気に溶けだしていきます。夜が更けていけば、御遺体も、血だまりも凍ってしまうでしょう。 いったい幾人の手によってこの悲しき海が造られたのでしょうか。 夜空には満天の星々、血だまりに映しだされ、間に挟まれた私は宇宙の中に放り出されたかのようにさえ感ぜられました。] (20) 2022/11/10(Thu) 21:03:29 |
【人】 住職 チグサ[不意に、足元の星空が大きく揺らぎ、波紋と共にかき消えました。 衝撃が体を襲い、落ち葉のように吹き飛ばされました。 一瞬意識を失っていたのでしょう。ぴちょん、ぴちょん、と雫の垂れる音が、物悲しくあたりに響き、その音ではっと気が付きました。 体は酷く痛みましたが、まだ動きました。 何が起こったのかと見やると、血だまりに足を取られたのでしょう。からくり車が横転していました。 金属でできているのでしょうか。重たいからくりは先程まで私がいた場所、その壁に突っ込んでいます。 そうです。私が一心にご冥福をお祈りしていた、お二人の仏さまがおられた場所です。 凄惨な様相は言葉にするのも憚られるほどで、最早、生前のお知り合いが仏さまをご覧になっても、それが人であったと断じられるかすら怪しい有様です。 私はあまりの胸の苦しさに、あの壁と車の狭間に在るのはもしや私の体ではないか、既に肉の体を失って、意識だけがあたりに霞のように浮いているのではないかとさえ感ぜられました。] (21) 2022/11/10(Thu) 21:04:06 |
【人】 住職 チグサ[遠い耳に、うめき声が届きました。からくり車の中から、ずるずると人が這い出して来ると、血だまりの中に倒れ伏します。 私はようやっと、車があれば、運転されている方がおられるという当たり前のことに気が付きました。] ああ……大変。 お加減は…… [問いかけた息にむせこんで、私自身も無事ですんではいないことに気が付きました。 いったい体がどのように変容してしまったのか、自分では見れませんが。 それでも、今目の前で苦しんでおられる方に近づいていけました。]* (22) 2022/11/10(Thu) 21:04:47 |
住職 チグサは、メモを貼った。 (a7) 2022/11/10(Thu) 21:09:23 |
【人】 医者 ノーヴァ[開業医という肩書きも、己が生まれ持っている能力も、正しい努力の末に持ち得たものではないと知っている。 父より昔の代の時、未だ刻印持ちの魔神が檻の中で暮らしていた頃。狡賢いシップマンは島の主人と取引をした。 自分達の医学知識と島の現状をうまく応用すれば、壁の外へは行けるだろう、と。 どれだけ綺麗に偽ったって、地位も名声も、その上に貼られた“コレクション”というラベルの上では馬鹿らしい張子でしかなくて。 いっその事、見えない枷の着いたこの肉体を捨て去ったしまえばどんなに自由であることか。 …………生まれた頃から縛られたサーカスの獅子は、檻の外へ逃げ出すことを知らない。港の船にさえ乗る術を知らない。] 貴方だって、苦労をした身でしょう。 病魔に苦しみながら終わるのは良くない。 仏の慈悲は、貴方にこそあって然るべきだ。 [努力のひとつもしてこなかった自分にとって、彼女の言葉への返事の仕方が分からなくって。>>1:21 悩んだような素振りを見せてから、主語を相手に置き換えて事なきを得た。数時間後、発言を有言実行することになるとは思っても居なかったのだけれど。] (23) 2022/11/10(Thu) 22:11:12 |
【人】 医者 ノーヴァ[切磋琢磨する者は、それをするだけの理由がある。 生き甲斐が、根源があるからこそ、人は逞しく生きていられる。 それはきっと、目の前の老婆にも言えること。 額をつきあわせる時に、毎日のようにそれらのヴィジョンは浮かんできていた。きっと、歳の数だけ抱え込むものだってあるだろう。 捨て去ることの出来ない、尼の生きた証を刻む記録の一部だとも言える。] [僕にはそんなものがない。 失い難いものなど何ひとつない。 けれど、それは悟りの証左にはなり得ない。 きっとそれはひとつの欠陥品というだけで。] [自我も執着も、全てを捨て去った仏というのは、果たして人と言えるかどうかも……自分には理解の及ばぬことだ。 自分でさえも疎かになってしまうのだとすれば、それは。大層な愚人に等しいものだとさえ思う。] (24) 2022/11/10(Thu) 22:11:19 |
【人】 医者 ノーヴァ[命。誇り。歩み。宝。 失うことへの恐怖心は、 なによりも清らかで愛しい人間の印だ。] [人間らしさを持たない僕は、 それに触れたくて手を伸ばす。 どんなものかを知りたくて。] (25) 2022/11/10(Thu) 22:11:24 |
【人】 医者 ノーヴァ[因果が幾重に重なっていようと、きっかけがなければ始まらない。大きな爆弾でもスイッチがなければ爆発することがないように。 白銀の光が宙に舞えば、まるでドミノ倒しのように狂気の字が連鎖する。初めて見えた未だあどけない青年の顔も、手脂に汚れたうつくしいものが切り刻まれてゆく様も。>>13 ひどく哀れで、おかしくって、笑えてきちゃって。 けれども君の目からは光が消えて、引き攣って。>>15 君の全ての源が、壊れていくのを理解する。 生き甲斐が、努力が、苦労が、水泡へと消えていくのを認識する。 人の欲とは留まることを知らない。彼は良くも悪くもその香の持つ危険性を見誤ってしまった。 そう言って仕舞えば収まりは良いのだろうけれど。 それでも、嗚呼。] (27) 2022/11/10(Thu) 22:11:33 |
【人】 医者 ノーヴァ[……其れは、一つの執着からの解放のようにも思えるものだったのです。>>16 忌まわしい肉の袋から抜け出したモノが暴れ、壊しゆくさまは。>>17 長らく縛られ、自由を奪われた籠の鳥には酷く魅力的で、輝かしいもののように思えてなりませんでした。 傍若無人に振る舞うさまは、自由気ままに歩き回る森の獣のようで。血腥くて恐ろしい光景のはずが、まるでエデンでも見ているかの如く、僕の顔はどこか恍惚としていたのかも知れません。 羨ましい。妬ましい。愛らしい。狂おしい。 …………可能性の芽を摘み取った先に見たのは、果てしない絶望の新たな形だったのです。] [はあ 、と大きな息を吐く。舌を出す。 昂りを覚える股ぐらの反応を抑え込んで。 ふう 、と残りの息を吐く。精を出す。 ……なんて醜いことでしょうか。] (28) 2022/11/10(Thu) 22:11:42 |
碧き叡智 ヴェレスは、メモを貼った。 (a8) 2022/11/10(Thu) 22:13:03 |
給仕 シロタエは、メモを貼った。 (a9) 2022/11/10(Thu) 22:22:55 |
【人】 医者 ノーヴァ[其れは一種の地獄絵図。 真白の月とは反射的に、地面が赤黒く輝く夜。 セレネに捧ぐ慟哭と断末魔のアンサンブルを聞き届けたなら、ずり落ちかけた看護婦の身体を背負い直す。 この悲劇に果てしなく無関係な彼女を置いておく訳には行かなかったから。 人狼の宴の場と化した大通りを避けるように路地裏へ入る。 酔って倒れた男の持つ最後の酒を蹴り倒しながら歩いていく。 掴まれた足を振り払うように靴先を壁にぶつければ、枯れた声で発される悲鳴と指が数本粉砕される音がした。 ………………医者のくせに気にすることも、悔やむこともない。 どこにも行き場がないように見えて、その行先はただ1点を目指して。] (29) 2022/11/10(Thu) 22:23:29 |
【人】 医者 ノーヴァ[救いが欲しかったのかもしれません。 人間なのだと分かりたかったのかもしれません。 ……心のどこかで慈悲による自由を求めていたのかさえ 今はもう分からずじまいだけれど。 その足取りは、かの尼僧が駐在していた寺の道へと。 正常なようで、香に浸されたその存在が行くべきでは無い場所へ。]** (30) 2022/11/10(Thu) 22:26:52 |
医者 ノーヴァは、メモを貼った。 (a10) 2022/11/10(Thu) 22:30:51 |
【独】 医者 ノーヴァ/* 中身はラシードチップ大好きおじさんなんですけど、おじさんのせいでラシードが可哀想な目にあってるの控えめに言って悲しくて興奮してる…心が二つある……(最低なハチワレ) (-12) 2022/11/10(Thu) 22:50:02 |
【独】 警備員 ジュード/* まじで今起きたんですけど簡易メモの勃◯って書いてあるしたに 『起/ホニャホニャ〜』ってかくのすごい伏字の意味をころしてるきがするな? (-13) 2022/11/10(Thu) 23:00:03 |
【独】 住職 チグサ/* ノーヴァセンセきてくれたのうれっし 歓迎したいがオババは絶賛轢かれ中である、後先考えなかったばかりに。 山道登れるのんか?エンカウントしたいなぁ (-15) 2022/11/11(Fri) 7:05:06 |
【人】 碧き叡智 ヴェレスきっと幾度となく間違えて来たのだろう。 発展の代償に何かを失い、知識を得て歴史を重ねる。 地図上から永久に消えた国、 現在では再現不可能となった資源物質、 絶滅し伝承のみの存在と化した種。 それでも人類が止まる事はないだろう。 この島の成り立ちこそが呪いなのだから。 (32) 2022/11/11(Fri) 9:12:21 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス──── 暗夜;『学星院』一階エントランス [下層は既に沈黙によって支配されていた。 贄として送り込まれた若き学者の殆どは 自ら命を絶った痕跡を色濃く残している。 彼等もまた『真理』を得てしまったのだろうか。] (33) 2022/11/11(Fri) 9:12:38 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[込み上げる吐き気に胸を抑える。 夥しい死と血によるものではない。 此処までの道を急ぐ際、吹き荒れた風に掬われて 呪布の隙間から僅かに吸い込んだ空気は 鼻腔の奥に張り付いたように腐臭を孕んでいる。 ポケットに隠した刃に思わず伸びた手で、 今度は、火を灯す為の魔道具を正しく握り直す。] ( 此処でただ自刃したとして、 行方不明で都合良く片付けられるのが関の山だ。 持ち直せ、考えろ…… ) (34) 2022/11/11(Fri) 9:13:16 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[青い火の揺れるランタンを片手に、 静まり返ったエントランスを進む。 元来、学者以外の出入りが制限されている施設だが 島の外から訪れる客人を迎える為に 高い天井と豪奢な装飾が施されている。 数歩も歩けばその度死体に行き着いた。 椅子に腰掛けたまま解剖されている者、 被検薬のオーバードーズで死に至った者、 自らの眼球の裏側をスケッチしながら息絶えた者。 その殆どは知の民たる地人のものだった。 嘆き、戦き、狂い、 終いには裏切られた事すら忘れ 好奇心に踊らされた末路たち。 その、微かに生温い死体を物色する。 若い研究者ばかりでは期待は持てなかったが、 それでも。] [まだ、懲りずに期待を掛けようと していたのかも知れない。] (35) 2022/11/11(Fri) 9:13:31 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[暫く歩き回っていれば、 この下層に何が起きたのかは察しがついた。 当然、地位のある者の遺体だけは見付からない。 エントランスを抜け、一つの部屋への入る。 広いテーブルが幾つも並べられているその場所が、 学星院の机仕事を担う場所だと推理するのは容易い。 その一角に、写真立てを見付ける。 目を凝らせば写っている二人のうちの、 片方が父であると分かる。 それは情報統制室長のものだった。] [写真機は自分の発明品だった筈だ。 改良に改良を重ねて漸く今のサイズになったが、 この写真はそれより画質も彩度も上回っている。 誰かが技術を盗用したとしか思えない物品を前に、 どんな反応をしていいかも分からなかった。] (36) 2022/11/11(Fri) 9:13:44 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[室長の机の引き出しを開ける。 鍵が掛かっている段は無理矢理にでも。 少年はその中から、分厚いファイルを見つける。 赤い帯に“実験体履歴”と書かれたそれを捲れば、 一ページ目から自分の名前が目に入ってしまう。 ああきっと、二十余年を人の形のまま過ごしているのは 自分だけなのだろう。他は恐らくもう────…… そんな考えが脳裏を過る。 何度も追記、修正を重ねられた機密の片端に 愛情の痕跡の一欠片でもあったのなら。 あったのなら……どれほど。] (37) 2022/11/11(Fri) 9:13:57 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス『 院長の決定により該当実験体を学星院内部へ移送し 長期的かつ計画的なレッドアイスの生産を行う プロジェクトが進められています。 当情報はカテゴリ4未満の職員には秘匿され…… 』 [あの葬儀に彼女の遺体が無かったのは その状態が酷かったからじゃない。 骨格だけを遺し、全て石に代わったからだ。] (38) 2022/11/11(Fri) 9:14:10 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[自分より優れた才能が見付かったから 道具へと落ちぶれたのではない。 いつまでも、誰よりも優秀だったからこそ 学者の傲慢さが牙を剥いたのだ。 権力者は有能かつ己には及ばない後継者を欲しがる。] (39) 2022/11/11(Fri) 9:14:25 |
【人】 碧き叡智 ヴェレスはは…………今更、か 彼女も苦しまずに終わって正解だった。 何を今更、くやしがる……って、 くそ…… (未来なんて初めからなかった。きっとどこかで父の傲慢な権威を損なったから。 だが手段を選ばない所まで、本当によく似ていた筈だ。僕はこの日の為に計画 してまで母を殺した。世間の同情を得る為に。それがどうだ?こうなってしま っては未来的に彼女を救ったという大義名分が生まれてしまう。あんなにもつ らくて死にそうな思いをしたのに。心より愛していた。その上で彼女を突き落 としたというのに何なんだこれは? 誰が僕を人間として見ている?一体誰が 道具としてのカテゴライズを固定された僕を正しく認めてくれる? この時代 のかみはすでにああああああああああああああああああああああああああああ (40) 2022/11/11(Fri) 9:16:32 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[統制室の研究員通路から、火の一つでも投げ込んでやれば 地下にある紙の情報は全て燃え尽きた事だろう。 資料も、歴史も、技術も、論文も、何もかも。 衝動的に硝子蓋を開けたランタンから、 青白い炎を放り出す事さえ出来ずに座り込んだのは まだ、一抹でも、普段通りの明日を生きる人々の 必要とするものを思い浮かべたから。 道具である己の功績は決して記録されない。 それどころか、発案者の名を変え 誇りを貶められながら後世に伝わる事だろう。 ────それでも構わない。何でもいい。 燃えようが、残ろうが、どちらにしても。 写真という技術がいつか一般化された時代に、 自分が大切にして来た人々が、その子孫が、 額縁の内側で美しく残るのなら。 それは褒められるべき、美徳と言うべき動機でなく 何もかも投げやりになったが故の結果。] (41) 2022/11/11(Fri) 9:17:16 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[自分が人間で居られたのは、 父が気紛れに測量器を己に持たせたほんの一瞬。 自分の半身を周囲に自慢したくなった、 瞬く間に過ぎる欲望の日々だけ。 だのに、学者として生きる道の最高点は此処でしかない。 外の世界を知らず、思考することを止められない自分に 他の場所で生きる手立てはない。 それに、ここまでやったのだから。] (42) 2022/11/11(Fri) 9:17:33 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[他のページには手をつけないまま、 閉じたファイルをそっと机の上に戻す。 ステンドグラスが月影に浮かぶ夜、 遠くからは狼の遠吠えが聞こえる。 表舞台を去るべき時が来た。 音もなく、エントランスを通り過ぎる。 点々と、赤い靴跡を残しながら出口へと向かう。 終わるべき場所は、此処ではないから。]** (43) 2022/11/11(Fri) 9:17:59 |
【人】 給仕 シロタエ[娘は父親のことをほとんど覚えていない 居なくなったのが幼いころだったというのもあるが、そもそもあまり家にいる人じゃなかった 仕事のせいもあったかもしれないが、一緒に遊んでもらった記憶もない ロクデナシと思ってはいるけれどいい思い出もなければ悪い……手を挙げられたという覚えもなかった でも、と娘は思う 黙っていなくなったせいでしなくていい苦労をした その原因を作った父親はロクデナシに違いないのだ、と そう思わなければ「どうして?」ばかりで動けなくなりそうだったから でも、でもだけど] (44) 2022/11/11(Fri) 22:11:10 |
【人】 給仕 シロタエ[そんなことはない、娘は母親のいう事をよく聞いた 内心で鬱陶しく思っていたとしても 母親の周辺の人にだって笑顔で接することは忘れなかった 内心で顔を合わせたくないと思っていても 母親に願われるままにその仕事についていって覚えようとだってした 内心でこんな仕事はしたくないと思っていても 母親が死んだときは本当に悲しくて、トラウマで海にも入れなくなった 内心でもう海に入らなくて済むと思っていても 娘は誰が見ても母親思いのいい子だった 内心でそれらに舌を出していても ]アタシは、ああいう人たちとは違うもの [だから片付けるの、見なくて済むように 自分の本当の顔を忘れているうちに *] (46) 2022/11/11(Fri) 22:14:54 |
【人】 給仕 シロタエ―― 商店街? ―― [商店の立ち並ぶ通りは、他の場所以上に混沌とした臭い どこか落ち着いて見えるのは、もはや略奪を尽くされた跡だからかもしれない 遠くから聞こえる何かがぶつかって壊れる音>>21にはもう驚きはしないけれど とっくに閉店時間のはずなのに、それでも呼び込みの声は其処彼処から 店先に鍋を出し「おいしいスープ」と呼ばれたそれは、近寄っただけで咽て目が痛くなるほど 真っ赤 だし何が入ってるかわからないほど どす黒い 煮物からは酷い臭いがするしその向こうの総菜屋からは山のような揚げ物が店の外まで溢れていて、よく見れば食材が尽きたのか、靴やら鍋つかみやらまで調理されている] 探してるのはご飯じゃないんだけどー [と言いながらちゃんと食べられる揚げ物を摘まむ お代はどこに置けばいいんだろう? 店主にお金を差し出したなら、それさえ衣をつけて揚げ油の中へ あらあら、と思いながらもう一つ摘まんで探し物 何かいい「殴るもの」はないかしら?] (47) 2022/11/11(Fri) 23:46:10 |
【人】 給仕 シロタエ[目に留まったのは改装中の大きなお店 工事の職人がでたらめに板を打ち付けているその足元に「いいもの」を見つけた 持ちやすい太さと振り回しやすそうな長さ、ちょっと重いけどまあいいか! ほらちょうどいい感じに嫌な笑いを浮かべた男が寄ってくる あぁ、酒臭い 食欲の後は性欲ですかそうですか みっともないロクデナシ!]よいしょぉぉ! [襲ってきたと言って酔ってふらついていれば避けるのは簡単で その後頭部に振り下ろしたのはピッカピカの鉄パイプ ごんっ ごきっ ぐしゃっ うん、思った通りいい感じ!] あははっ [楽し気な娘の声に重なるように、獣の咆哮>>19が風に溶けていく**] (48) 2022/11/11(Fri) 23:52:09 |
給仕 シロタエは、メモを貼った。 (a11) 2022/11/11(Fri) 23:54:26 |
【人】 医者 ノーヴァ 僕等がどこで何をしようと、 月は等しく地上を照らす。 静かさを失った下界に対して蒼褪めているように。 天の神が無力に涙を流すのであれば、 果たして僕はどこに縋れば良いのだろうか。 どうすればこの乾きはなくなるのだろう。 (49) 2022/11/12(Sat) 1:02:28 |
【人】 医者 ノーヴァ[幾ら身体を鍛えていようと、力の抜けた人間ひとりを抱えて歩くのは易くない。行き先が人里離れた寺であるのなら尚更。 まるで棒にでもなったような足を必死にひとあしふたあし進み続ければ、腿が震えて今にも膝がつきそうになる。 大きく息を吸い込めば、湿った空気が喉奥を満たす。腐臭が肺に絡みつき、痺れるような痛覚を刺激する。怪我をしていないのに口の中も鉄臭かった。 歩けば歩くほど、行き倒れる人も遺体も数を減らす。 欲と執着から距離が離れる象徴のようにさえ思えた。 暗闇の中で同族の気配がなくなれば、自然と孤独を覚えることが摂理である筈だったのに、今の己はやけに安らかで、心穏やかにさえ感じる。] [背中の未だ暖かな重みがあるせいではなかった。 ……それは檻を抜け出し、野生に戻った獣の心情そのもの。] (50) 2022/11/12(Sat) 1:02:31 |
【人】 医者 ノーヴァ[暫く歩き続ければ、途方もない時間の果てに漸く門戸が見えてくる。木板を軽く拳で叩き、血走る喉を震わせて、「開けてください」と何度も叫んだ。 “寺には結界が張り巡らされている。” >>1:76 内部事情を存じぬ男は知る由もない事実であるが、 尼僧が取り決めた法に従えば、侵入するのは易かった。>>1:78 欲に眩んだ者が、寺の門など叩くわけもない。 網戸の隙間を潜る虫のように、全体が覆されていく。 元から狂った人間にとって、常識なんてものは存在しなかった。 教え通りに小僧が門を開けたなら、困ったような笑みを浮かべることだろう。 「被害者」の振りをするときは、重傷者はいい隠れ蓑になるものだ。其れが誰の手でされたものであったとしても。] (51) 2022/11/12(Sat) 1:02:44 |
【人】 医者 ノーヴァすみません……少し、休ませてください。 ああ、僕もよくわからないのです。 助手が重傷を負ってしまいまして…… 必死でここまで逃げてきたのです。 数時間だけで構いません。 どうか、どうか、少しばかりな安息を。 …………っ、ありがとうございます! この御恩は必ず……! [呪布など持っていないと言うのに、 健常者のふりが異常なほどにうまかった。 真の恐怖は日常の中にあるというのに 気づかなくなるくらいには。]** (52) 2022/11/12(Sat) 1:02:52 |
医者 ノーヴァは、メモを貼った。 (a12) 2022/11/12(Sat) 1:07:11 |
【人】 警備員 ジュード── 夜:街のどこかで ── [蒐集家の手から逃れた>>8男は、 どうにか身を隠せる場所を探そうと 狂気に飲まれた街の中を走っていた。 けれど、隠れるのに良さそうな物陰には すでにもつれ合うひとびとがいたり、 死体を弄んだりする先客がいるもので。 巻き込まれそうになっては踵を返すから、 なかなか落ち着ける場所は見つからなかった。 場所を探す間にも、男は欲望のままに動く人々の 予測できない動きに戸惑い、衝突して。 接触した相手を汚しては、苦しめてしまった。 ぶつかってしまった彼らのうち、 何人が喉を詰まらせて倒れ伏したか、 患部を洗う水を求めて水場を汚したか、 毒の付着に気づかぬまま他人に接触したか、 見る暇なんてなかったから、その数は定かではない。] (53) 2022/11/12(Sat) 6:29:55 |
【人】 警備員 ジュード[なんとか見付けた屋内外の暗所、 例えば、ベンチの影や家棚の中、ベッドの下に 潜り込んでみたこともあったかもしれない。 しかし、どんな場所でも男の不安は解消されず。 休憩くらいはできても、長く落ち着く事はできなかった。 ── 本人は理解していなかったが、 男の望みは厳密には隠れる事ではないのだから、 満たされないのも仕方がない。 男の望みの本質は、命を脅かされないこと。 死の危険のない、安心できる場や人の傍に その身を落ち着けることだった。 そして、この島に男が安心できるものは、殆どなかった。] (54) 2022/11/12(Sat) 6:31:06 |
【人】 警備員 ジュード[島で暮らす中で、“傷付けるかもしれない” “汚してしまうかもしれない”という不安が 男の中から消える事はなかった。 かつて友人と昼飯を食べていたとき>>1:110も、 彼の食事を相変わらずと眺める傍らで、 男は食事中には可能な限り言葉を発さず。 スープの器にも貝の乗っていた皿にも 唾液の混じる汁の一滴さえ残らないよう、 卑しく見えるかもしれない程にパンで拭って。 少しでも事故が起こる可能性を 減らそうとしていただろう。 そんなに気を使って無害に努めようとするのも、 偏に、死の恐怖を遠ざける為。 他人を害さぬ善性を認めて貰うことで、 かつて己課せられた”死の責務”を放り出す事を、 誰かに許して欲しいからだった。] (55) 2022/11/12(Sat) 6:31:25 |
【人】 警備員 ジュード── いつかのこと:ある港町の路地で ── [その夜も男は闇の中を走り、 鞄に仕舞い込んだ『兄』と共に 逃げるべき道を探していた。 男が路地に張り巡らされたパイプの間を 跳んで、潜って、駆け抜ける後ろを、 白衣のような制服を着た人々が 何かを叫びながら追いかける。 男を追う制服の人々は、かの国から送られた交渉役。 言い換えれば、研究用資材の回収用職員だった。 ……かの国は、かつて己の作る兵器で 侵略した土地や自国の内に不毛の地を作った。>>0:139 しかしかれらは後にそれを悔い、 汚れた地を直し、侵された人々を治す為 治癒に重きを置くのだと方針を改めた。] (56) 2022/11/12(Sat) 6:32:05 |
【人】 警備員 ジュード[悪事を改め、反省を示す。改善する。 解決のために犠牲を伴うしかないのなら、 大衆を救う為に、ほんの少しの命を使用する。 かれらはそれを仕方のないことだと断じて、 逃げ場の少ない自国の港へと男を呼び出し、 彼に"実験への協力者"となる事を求めたのだ。 自己犠牲は美徳。正義は善良、絶対であり、 命の価値に貴賎はなく、利益を得る人の数に定められる。 侵された多くの人の死と一人の死。 どちらかを選び取ることは苦しくとも、 いずれは決断しなければならない、と、 (対象が自ら”決断”できるように情報を規制し 『犠牲者の記録』を活用することも正当な交渉の一つだと) そう、かれらは定めていた。 ……だが、男はそれに応じなかった。 あまつさえ、呼び出しの為に男の元へと送られていた 『悪行の証拠』を手に逃亡したのだ。 ただの関係者だった男はその瞬間、 苦しむ民を見捨てる酷薄な裏切り者となった。] (57) 2022/11/12(Sat) 6:32:34 |
【人】 警備員 ジュード[”近い遺伝子の毒を「ひとり分」 それさえあれば、不毛の地を、君たちの毒を、 解毒することが叶うかもしれない 君の力によってたくさんの人が助かるのだ 私達は間違えた。故に、やり直す必要がある 君のお兄さんの分までの贖罪の義務がある 君は英雄になる、多くの人の救いになる” 交渉役はそんな風に叫んでいたけれど、 男にその言葉は届かないし、響かない。 男は、死にたくなかった。] (58) 2022/11/12(Sat) 6:33:06 |
【人】 警備員 ジュード[男は、崇高な生きる意味や使命を持ってはいない。 でも、苦しみの中で死ぬ事は恐ろしかった。 かつてのかれらを知る男には、 『一瓶の滓』になるまで兄を消費した上に、 毒の抑制に加えてひどい目眩や頭痛を齎す まるで支配の道具のような防毒魔術をも作りあげた かれらの言葉が信じられなかった。 だから男はかれらの言葉に頷かず、 辿り着いた港にあった楽園行きの船に飛び乗った。 そして不可侵のこの島へとたどり着いてからも、 『兄だったもの』を収蔵品に捧げて内部へと入り込み、 警備員としてそれを守る役目を果たす事で 『じぶんたち』を守る事を選んだのだ。 ……それが、肯定されざる欲なのだとしても。] (59) 2022/11/12(Sat) 6:33:26 |
【人】 警備員 ジュード[── たとえば、英雄譚に描かれる生贄の神子は、 多くがその運命を受け入れ、悲しげに微笑む。 献身の美徳を具えるそれは憐憫を誘い、 「殺すなんてとんでもない」と 見る者の心を揺さぶるのだろう。 事実、兄はそうであったように思う。 ならばもし、その神子が男のように臆病で、 死にたくないと逃げ出したなら、 人々はそれを憐れむだろうか。 もし男が読者の立場になった時、もしくは 神子に救われる筈だった立場になった時に、 その臆病者へ石を投げずにいられるだろうか。] (60) 2022/11/12(Sat) 6:33:56 |
【人】 警備員 ジュード["謙虚"で"かわいそう"に見えなければ、 ひとは毒虫に林檎を分け与えず。 怯えてその果実を投げつけるのだろう。 使命を果たさないのならば、猶更。 それは彼らが侵されず生きる為の 正当な権利だろう。自己防衛策だろう。 それでも、侵されぬ事を、ひとの仲間に入る事を、 "安心"を、求めてしまったのだ。 ……いつか、書架で作家を目指す者たちが語っていた。 ]"役割を持たぬ背景、役割を持たぬ登場人物は、 よい物語には登場させるべきではない。 粗雑な扱いをするくらいなら 生まれないほうが、その者のためでさえあるのだ。"と。 その言葉は役割を放棄する男の意識の深く刺さり、 いつまでも、取り除くことが出来ずにいる。 (61) 2022/11/12(Sat) 6:34:33 |
【人】 警備員 ジュード[殺さないでおいてもらえる、罪を赦してもらえる それだけの同情の余地を得る為に 男は非合法なルートで仕入れた薬で心を塞ぎ、 憶病な己を偽って善良であるように努めた。 人並み以上に努力して、努力して努力したつもりで、 気を緩めず、無害であることを証明しつづけた。 かつて定められた責務とは別の役割がある事を願い続けた。 全ては、己の欲望のために。 ── そうして積み上げた日常も、今や崩れ去り。 *]成れの果ては無残にも、男が歩いただけの道に転がっている。 (62) 2022/11/12(Sat) 6:35:05 |
警備員 ジュードは、メモを貼った。 (a13) 2022/11/12(Sat) 6:44:50 |
【独】 警備員 ジュード/* ああソロながすぎ ソロながすぎ 兄だったものは毒物や人工物ではなく本当に残り滓でしかないので、 温度管理の必要な生物及び遺骸分類になって水晶宮のバックヤードの棚とかに ひっそり入ってるかな?と思うんですがどうなんだろう。 [どくどく奴が生物の多く存在する場にいくと 沢山の遺産が失われそうだよな……取返しがつかないな…… 後々すごくつらいだろうな……という下心もなくはない……] (-17) 2022/11/12(Sat) 7:02:06 |
警備員 ジュードは、メモを貼った。 (a14) 2022/11/12(Sat) 7:03:56 |
住職 チグサは、メモを貼った。 (a15) 2022/11/12(Sat) 10:23:02 |
【人】 住職 チグサ[彼の口元を覆う布は、血に染まってはおりますが、おそらくは元の色も赤いのでしょう。彼もまた、裏切りの証を身にまとっておられました。 彼の命は、急速に終わりに近づいていました。 島を混沌へと堕としてなお、まだ心残りがおありなのでしょう。それは、未だ誓願が果たされていないことを表していました。 うわごとのように繰り返しておられるのは、誰かの名でしょうか。 死の淵から、絞り出すようにして繰り返しておられるその名を、私の耳では聞き取ることができませんでした。 あるいは、祖の銀皮を求め、犀の角のようにただ一人歩まれた首魁、その理想に縋っておられたのかもれません。 あるいは、持って生まれた魅了性に、その気は無くとも周囲を狂わせてしまわれた良家の御子息を、案じておられたのかもしれません。 目の前でまさに息を引き取られようとしているお方の背景など、私には知る由もありませんでした。] (63) 2022/11/12(Sat) 12:02:18 |
【人】 住職 チグサ[ふと、いつもお世話になっているお医者様の、空のように捉えどころのない笑みが思い出されました。 もしも私が医師であったならば── もしも私に、目の前の命を繋ぐ技術があったならば。 あるいは、繋ぐことは叶わずとも、巧みなる死の技術があったのならば。 肉の苦しみを抜き、楽を与えることができたのに。 けれど、叶えようが無い妄想に囚われるなど、智慧ある者の行いではありません。 諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教 仏の教えを思い起こして、肉の苦しみを抜くことは諦めて、彼の心に平穏をもたらそうとしました。] (64) 2022/11/12(Sat) 12:03:23 |
【人】 住職 チグサ聞えますか。私の声が、聞こえますか。 あなたは今、長い眠りに就こうとしておられます。 無念でしょうか。無念でしょうね。 あなたに与えられたお役目は、この路地で果てることではなかったはず。 けれどそれも仕方のないことです。 さぞかしお辛いでしょうが、今は残されたわずかな時間を善きものとしてください。 そして私に、そのお手伝いをさせてください。 最期に思い残したことがあれば、私がお伝えいたします。 果たせなかったお勤めも、あなたの同志が引き継がれるでしょう。 また願い叶わずとも、あなたのご意志は遺された方の心に波紋を残し、行いで表していかれることでしょう。 さぁ…… [私自身の血で、彼の体を濡らしながら、耳を口元に近づけます。 このような傷を負った体では、お約束を本当に果たせるかは分かりません。 分からないけれど、同志に託せるか、その前に私が死んでしまうかは大きな問題では無いのです。 今、目の前で苦しんでおられる彼の心に安心をもたらすために、そのようにお伝えしました。] (65) 2022/11/12(Sat) 12:04:14 |
【人】 住職 チグサ[もはや声も出ないのでしょう。 耳を近づけても、彼の喉からはヒュウヒュウと木枯らしのような死の笛が響くばかりでした。 けれど声を失っても、口の動きで、お母さまに安心を求めておられることを教えてくださいました。 もしかすると、彼のお母さまははるか昔に亡くなられたかもしれません。または、もっとお若いのかもしれません。けれど、ここに在るのは私の身一つです。 ならば老いさらばえたこの身ほど適した体は無いでしょう。 一つ頷いて、彼の頭の傍に正座をすると、その頭を膝の上に乗せました。 今この瞬間、目の前で終わろうとしている一つの命。 その命は、自らの胎を通じてこの世に産み落とした我が子であると、心に定めたのです。] (66) 2022/11/12(Sat) 12:05:43 |
【人】 住職 チグサよく、頑張りましたね。 赤い布を身に纏い、汚名を着てでも、あなたは誓願を成し遂げようとした。 あなたは何恥じることも無い、私の自慢の息子。 お勤め、ご苦労様でした。あなたは十分に働きました。 後のことは、もう後の方にお任せしましょう。 どうか母の膝で、安らかに眠ってください。 [膝に乗せた頭はすっかり脱力しきっておられ、足の血が止まる程に重く、全く安定しないがために何度もずり落ちかけました。 その額に手を当て、冷えた掌を強く握って、今ここに在る母の熱を伝えます。] (67) 2022/11/12(Sat) 12:05:53 |
【人】 住職 チグサ[──やがて。 彼の指に力が入り、私の手が握り返されました。 次の瞬間に力は抜け、静かな笛の音が鳴りやんで、一つの命が終わったことを悟りました。 虚空を眺める瞳に既に意志は感ぜられず、涙に磨かれた眼は、ただありのままを映しておられます。 やがて渇きゆくその瞳に手を当て、瞼を重ねると、舎利礼文、と唱えます。 命潰えた路地に、単調なお経だけが響き渡りました。]** (68) 2022/11/12(Sat) 12:07:16 |
【独】 警備員 ジュード/* 事態が収束した時に改めて数えるつもりなのですが、 現時点で毒つけちゃった人(間接的なものも軽度のものも含む)の数を仮に出してみたい。 以下は話の展開によって変わるかもしれないし変わらないかもしれない。 92+1(蒐集家おじさん) (-20) 2022/11/12(Sat) 17:37:24 |
【独】 警備員 ジュード/* パンの事とかプロ中の挨拶の事とか、いろいろと 個人の推測で「これやると良いんじゃないかな?」って思った事をやってるけど 本当は「それやんない方がええで」って事をやっちゃってるみたいな そんな感じのからまわりがちな善性を意識している……というメモ。 汚れた子猫を拾って善意から洗ってあげるんだけど低体温で殺しちゃうみたいなね (-22) 2022/11/12(Sat) 18:10:11 |
【人】 給仕 シロタエ[街灯もなく、周りの行動が時間を忘れていれば、今がいつかなんてわかりはしない 道端で転がる姿はあるけれど、眠っているのか死んでいるのか どちらにしても娘には関係ないこと 今が何時でここがどこか、そんなことは今はどうでもよかった ただ気分がよかった 誰の顔色も伺わず 誰にも遠慮することなく 思うままにいられることが それが本来道を踏み外すことだとして そうしたいと思っていたのは紛れもない娘自身] でもね、みんなロクデナシが悪いのよ! 迷惑だから片付けるの、アタシは何も間違ってないわ! [あはは、と笑いながらふらふらと彷徨う 転がる誰かを迷惑なロクデナシと踏みつけて] (69) 2022/11/12(Sat) 23:09:04 |
【人】 給仕 シロタエ[娘は運がよかった、或いは何かの本能なのか 酷い争いの現場にも、突進してくるからくり車にも遭遇せず 誰かが仕掛けた筈の罠にも、誰かがまき散らした毒にもかかることはなく 路地裏から不意に現れる者にも会わず 敵わないほどの力の差があるものは無意識に避けて 自分こそが正しくて強いのだと思い込んで まともなら娘こそが片付けられる側だということも 娘など取るに足らない存在と一蹴するものがいることも きれいさっぱり忘れ切って 底なしの泥沼がそこにある事さえわからない] (70) 2022/11/12(Sat) 23:10:46 |
【人】 給仕 シロタエ[辿り着いた一角は住宅地「だった」場所 うち壊され崩れた家、炎がちらつき煙を上げる家 「ここは俺のものだぁぁぁ!」と叫んで男が窓から投げ落とす住人らしきものを避けて 緩慢な動きで扉を、壁を叩き壊す男を見つけた] あらぁ、悪い人! [でも、もしかしたら頼まれたのかもしれないし、ロクデナシというのは違うかしら? 娘は思う 勝手な判断で殴り倒せそうな相手だけを選んでロクデナシにしていたように 勝手な判断で敵いそうにない相手を避ける理由を付けて それでよかった、今までみんな自分のことだけで 娘がどう反応しても気にしなかったから、娘も好きに対応できた だけどその時、その「悪い人」は確かに娘に反応した あからさまな怒気と狂気を全身から溢れさせて*] (71) 2022/11/12(Sat) 23:13:43 |
【独】 給仕 シロタエ/* 終わりの始まりをポイっとして更新を待つ 最後はエピで落とそうと決めてるので 相変わらず独りよがりな文章だなおい( エピで謝ろう…… あとおいらの発言でやりにくくなった人がいるかもしれん、というかいるだろうな…… やっぱり謝ろう (-23) 2022/11/12(Sat) 23:18:54 |
【人】 娼婦 セツナ…扨。 私は、求めたその宝を得られたのかといえば、叶わなかった。 だって私の身を守るのは、心許ない赤い布一枚。 それは何かの拍子にいとも容易く奪われてしまう。 それは何かの拍子に外れてしまう。 それは、何かの拍子によって。 そして今の私は路地裏に転がっていた。 赤い布どころか、身に纏っているのは何一つない。 身体のそこかしこに痣やら噛み跡やらが刻まれ、身体中が何かの体液に塗れた状態で、今もその身体は男たちに弄ばれている。 胸を。髪を。尻を。手を。腋を。口を。喉を。 そして勿論膣も使って欲望を吐き出されている私は、ただひたすらそれを受け入れていた。 だって。 だって、わたしは、どうしようもなく。 (72) 2022/11/12(Sat) 23:43:06 |
【人】 娼婦 セツナ愛しいあの人が私に何かを求めているくせに、私に何も返さないのを知っていた。 それでも、恩人だから、愛する人だから、何にも変え難い人だから。 その願いを叶えることを至上の喜びにして生きてきた。 あの人のためだけに生き続けることを願っていた。 でも。 知っている。知っているの。 あの人の為に身も心も魂も捧げて生き続けてきた私。 私は、心の奥底ではそれをもうやめたかった。 だって、あの人は私を振り返ってはくれない。 決して私を愛してはくれない。 私の想いを知りながら、あの人はひたすら私の主人で、対等に生きていけるはずがない。 なのに私は身を粉にして働いていた。 あの人の願いを叶える為に、宝を得ようとした。 あの人の望むものを、手に入れられるように。 (73) 2022/11/12(Sat) 23:43:28 |
【人】 娼婦 セツナでも。 心の奥底ではずっともう辞めたくて。 娼婦なんて辛い。 身体をあの人以外に明け渡したくないのに。 あの人の事を思っていたいのに。 愛しい愛しい愛しい貴方。 でも。 身体を開け渡したくないとか触れられたくないとかそれよりももっともっと深い場所からの私の願い。 それは。 もう、何もしないで眠りたい。 任務も仕事も何もかもやらないで、無責任に自堕落に過ごしていたいの。 仕事は疲れた。報われない想いを抱き続けるのも疲れた。 疲れた。疲れた。あー疲れた!!! 触りたい? 勝手にすれば良い。 痛いのは好きじゃないけど、SEX自体は気持ち良いは気持ち良い。 後先考える? 面倒面倒。 勝手に私の体を使えば良いよ。 私は好き勝手、その気持ちよさだけ味わって。 時々吐いてしまうけど、喉の奥を突けば仕方ないよね。 お尻を何も解さずに突けば便意が来るけど、トイレ行くのもめんどくさい。 臭いけど仕方がないや。尿意だって仕方がない。 鼻水も涎も。撒き散らして仕方がないよね。 だってトイレに行くのも面倒なんだ。 実は生きてるのも面倒なのかもしれない。 (74) 2022/11/12(Sat) 23:44:18 |
【人】 娼婦 セツナ気持ちよかったり、痛かったり、私の反応は薄い。 あたりは男たちの精液や私の漏らした便や尿、吐瀉物なんかで凄まじい臭い。 それでも、わたしはなーんにもする気がない。 だって面倒。面倒なの、何もかも。 妊娠しちゃうかも? 病気になるかも? しーらない。 そんな面倒なこと考えたくもない。 とある路地裏。 肌の打ち合う音、荒い呼吸、それに混じって私のくぐもった声。 そんな音が、途切れなく続いている。 音が途切れるとしたら、正気に戻った時か。 私の声だけ消えたとしたら。 それは私が、生を手放した時。** (75) 2022/11/12(Sat) 23:44:40 |
【人】 警備員 ジュード[彼以外にも、気にかけてくれる人はいた。 自分を信用して頼ってくれる人もいた。 その過程で家にあげてくれる人も。 簡単に気を緩める事は出来なかったとはいえ、 彼等から与えられる”害さない”という意図は、 男も理解していた筈だ、と思っていた。 彼の言葉にだって、食事の後になったかもしれないが、 ”みんなやさしいですよ!”と答えただろう。>>1:111 ……それでも、 皆、どこかでは未知を恐れたのか。 何をやる必要がある訳でもなく訪ねる事を許されたのは 特別なことだったから。>>0:118 汚れた身体で今後彼が長くを過ごすだろう場所へ 行ってしまってよいのかと、普段なら考えただろうが 今はそれよりも、安心できることを求めていて。] (77) 2022/11/12(Sat) 23:57:28 |
【人】 警備員 ジュード[期待はあっけなく打ち砕かれ それに代わり、抱いた希望を凌駕する 絶望感が、不安が、男の心に流れ込む。 彼の着けていた赤い布と>>0:52 あの時、人々が着けていた赤い布。>>1:25 その関係を知らぬものだから まさか、友が逃げ延びているとは思わず、 男は、彼までもが炎に巻き込まれ 死んでしまったと思った。 また、死の予感を見過ごしたのだと 見殺しにしたのだと思った。 周囲にも延焼したらしい炎の熱波の中 かつての館の前の道にへたり込む。 流れる涙に、粘性はない。 恐怖を感じた時にのみ毒は混入する。 であれば、後悔と悲しみに流れたこれが 粘性を孕まないのも道理だろう。] (79) 2022/11/12(Sat) 23:58:06 |
【人】 警備員 ジュード[粘液に塗れた男の衣服や髪には 幸い、火が付く事はなかったが、 炙られ気化する毒は 青酸と泥炭の混じったような匂いを伴う。 それは致死的な気体ではないが、 頭痛や吐き気を誘引するには十分な毒素だろう。 ……どれだけ、状況を悪化させた後だろうか。 男はゆっくりと立ち上がり、 今度は走る事はなく、緩慢な足取りで 更に北を目指し始める。 何かを壊した子が、肉親に慰めを求めるように、 縋るもの、安心できるものをもとめて 『兄』を収めた水晶宮へと。*] (80) 2022/11/12(Sat) 23:58:15 |
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