人狼物語 三日月国


52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】

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視点:


【人】 帝国新聞  



  「祝い事でしたら、月の綺麗な日が良いでしょう。」
  寡黙な女が唯一零した要望はたったのそれだけ。
  叶えない理由が皆無、二つ返事で日取りは決まる。

  楽団が賑やかな曲を奏でる中で、
  王族や貴族、司祭、彼らに仕える騎士までもが
  平民たちから搾り取った税で作られた祝い酒を浴びていた。
  今宵は無礼講だと言わんばかりの宴の中でも女は座った儘、
  料理も酒も、一口も口にすることも無く一点を見つめていた。

       「宴の後、私の部屋へ来るように。」

  美酒に酔いしれた王が耳元で告げた言葉は
  城内に響くことこそないが、誰もが気づいていただろう。
  常日頃から彼女に触れる手つきが粘り気を帯び、
  下心が隠せていない有様なのは周知の事実だったのだから。

        かの王の目当ては女研究者の身体である、と。


 
(17) 2020/12/02(Wed) 2:36:15

【人】 帝国新聞  



  「王城 
に染まる
   王族貴族含め城内■■■人全てが死体で発見
             祝賀会の後の犯行か?」

         「件の女研究者 姿見当たらず」


  首都機能を失くした帝国は混乱の一途を辿っていた。
  その国の名のみを抱えた新聞が少ない情報を知らせている。
  いつしか独裁国家でまとめられていた地は細かに分裂し、
  小さな田舎町が転々と存在する独立区域へ姿を変えた。

  獣化人間による最強の戦争大国は、
  あっけなくその幕を下ろしてしまったのである。


 
(26) 2020/12/02(Wed) 2:39:34

【人】 亡国の歴史書  



  一夜の内に起きた悲惨な大量殺戮事件。
  一部の遺体は獣に食い荒らされたようにぼろぼろで
  形さえも判別できない有様だったという。

  滅びた筈の月光病患者の悪夢を呼び戻したようだと
  どこかの誰かは例えたのだというが、
  何れ人々はこの出来事に名前を付けた。

                   
リヴァイアサン

              ──────
לִויָתָן


  この国の終焉を知らせる獣の仕業だったのだろう、と。*


 
(27) 2020/12/02(Wed) 2:41:32

【人】 平民の日記  



  今日の朝、
  いくら待ってもお城の鐘が聞こえなかったわ。
  朝になればいつも大きな音が響いてくるのに。
  お陰でいつもその時間に
  病死した母さんに祈りを捧げる習慣だったのに
  少し遅れちゃったの。ごめんね母さん。

  ……あ、でも今日、変なものを見たの。
  お城から真っ黒で不気味な馬が飛んでいったわ。
  そのまんまお空の向こうへ消えて行っちゃったの。

            あれ、なんだったのかしら?

 
(95) 2020/12/03(Thu) 19:36:18