人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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視点:


一匹狼 “楓”は、メモを貼った。
(a1) 2023/03/07(Tue) 7:03:27

【赤】 一匹狼 “楓”

[本当に正しいだろうか。>>*0
 守りたいだけなら、ただ殺したくないだけなら、離れるのが最善ではなかろうか。
 なのに人間だった頃の暮らしにしがみつき続けるのは……?]


  ……絶望なら、とっくにしてる。


[彼女の願いに答える声は、淡々としていた。それが当たり前のことで、何の感慨もないとでも言うかのように。
 人狼となって故郷に帰り着いたあの日、誰もが食料に見えたときを越えるような絶望を、この先の生で彼が味わうことはないだろう>>1:*42
(*1) 2023/03/07(Tue) 10:01:00

【赤】 一匹狼 “楓”

[ちらりと彼女に……いや、彼女の唇に視線を向けた。
 昨日目が離せなかった理由が、もう思い出せなかった。今思うのは、裂いたら同じ色の血が流れるだろうことぐらい。

 それを思ったら、彼の手は自然と彼女の頬に伸びた。
 拒む様子が少しでもあればすぐに手を引っ込めるつもりだったが、受け入れられるのならばそっと頬を撫で、身を屈めて唇を寄せるだろう。
 口づけを望んでいるように見えるかもしれないし、一旦はそうするだろうが、彼が本来意図するのは彼女の下唇に牙を立てて血を滲ませることだ。

 彼女に嫌がるそぶりがあれば、どの段階でもすぐに中断して離れるだろうけれど]**
(*2) 2023/03/07(Tue) 10:01:24

【赤】 一匹狼 “楓”

[彼女は拒む様子も無く唇を交わらせ、牙を受けた。>>*3
 軽く滲ませるだけのつもりが、存外深く貫いてしまったのかもしれない。
 舌を這わせて口の端から溢れた赤を受け止め、拭う。それから唇を離し、暫し目を閉じた。

 舌に残るのは“狼”でも変わらない、
                  ひとのちのあじ。

 美味いかどうかまでは、感想が浮かばなかった]
(*5) 2023/03/07(Tue) 13:06:13

【赤】 一匹狼 “楓”

[しばらくの間、彼女と瞳を覗き合っていた。>>*4
 声も囁きも発する気が起きないまま、彼女の呼吸だけを聴いていた。

 彼女は何を思っているのだろう。
 瞳の奥に見えることがあるだろうか。

 じっと覗き込む間に響く呼吸の音が変わり、彼女がゆっくりと瞬いた]
(*6) 2023/03/07(Tue) 13:06:24

【赤】 一匹狼 “楓”

[問いかける呟きを聞いて、彼の視線は僅かに逸れた]


  ……いや、


[殺す気は無い……無かった、少なくとも今は。
 けれど食べたかったような気はするのだ。

 その感覚が意味するところを考えてみても、答えは簡単には見つかりそうにない。一番食べたかったひとがうっすら脳裏に浮かぶだけ。その狂おしさともまた違うように感じた。

 彼は椿からゆっくりと離れ、姿勢を戻し、朝食のとき座ったソファへと足を向けた。呼び止められでもしなければ、そのまま身を横たえるだろう]**
(*7) 2023/03/07(Tue) 13:06:38

【人】 一匹狼 “楓”

[扉まで戻り椿を迎えた後>>1:134、楓が向かったのは朝食のときに使ったソファ。>>0:445
 そこに身を横たえ、緩く脚を組んだ。
 
 肩が触れ合うぐらい近くに付き従う気配を感じて>>28、視線を軽くそちらに流し、すぐにまた天井に向ける。
 眠りたいわけではなかった。
 起き上がっているのが面倒になっただけ]
(29) 2023/03/07(Tue) 16:06:14

【赤】 一匹狼 “楓”

 
  怖くないのか。


[すぐ隣の気配に尋ねる。
 彼女の行動がとても不思議だった。

 殺意を否定はしたが、不意に血を流させた相手だ。
 寄り添ってくる意味がわからない。

 けれど、怯えずに傍にいてくれる人の存在には安らぎを感じた。
 人間でなくなった今、人間の命を奪い続けながら生きている今、自分がいるべきはこういう人の傍なのではないか。]
(*11) 2023/03/07(Tue) 16:08:02

【赤】 一匹狼 “楓”

[“在るべき場所”とは、



 ……どこなのだろう。>>1:*43
(*12) 2023/03/07(Tue) 16:08:25

【人】 一匹狼 “楓”

[窓の外はどんどん暗くなっていく。
 照明をつける気は起きなかった。
 室内が闇に包まれ始めても、ずっと暗がりにいたせいか、何も見えないというほどではなかった。

 普通に生活していれば夕食の時間だろうか。
 何を食べようという気も起きないが、何年ぶりかで酒を飲みたい気分ではあった。
 といっても、楓はろくに飲めない。
 だから言い出す気にもならず、黙して薄暗い天井を眺めていた]**
(30) 2023/03/07(Tue) 16:08:56

【赤】 一匹狼 “楓”

[彼女の素っ気ない言葉に寂しさを覚えた。>>*13
 死が怖くないのだろうか。
 死を望んでるのだろうか?

 唇の感触と血の味を思い返すと、どうしても彼女が“食べたい”気はしてくるのだが……。
 殺したいわけではない──肉を味わいたいという感覚は少し違う。
 抑え切れないほど食べたかった相手に感じていた狂おしさとは通じるものがある気がしても、そこまでの衝動でもない。
 ではこれは、なんなのだろう。

 考え事の種がいくつも頭の中を廻っていく]
(*16) 2023/03/07(Tue) 18:15:52

【赤】 一匹狼 “楓”

[彼女が一度離れた後、湯を沸かす音がしていた。>>*14
 それから、何か探す音。
 彼女が立てる物音に、楓はじっと耳を傾けていた。

 やがてテーブルに何か置かれたのに気付き、視線を向けると、紅茶の用意がされている。
 彼女が毒と言いながら掲げる瓶には“ラム”の文字>>*15


  ……少しだけもらう。
  たくさん入れんなよ、吐くから。


[下戸を申し出ながら身を起こし、ソファに座り直した。
 彼の馴染みある飲み物は紅茶ではない。だが、今は味わってみたい気分だった]**
(*17) 2023/03/07(Tue) 18:17:04

【赤】 一匹狼 “楓”

 
  うるせェよ……昔は飲めたんだ。


[可愛らしいと揶揄われ、楓はぼそりと抗議した。>>*18
 『昔』が何を意味するかは彼女ならわかるだろうと補足しないまま、用意してもらったカップに手を伸ばす。>>*19
 カップに何が描かれているのか、この暗がりでは楓には見取ることができなかった。元を知っていれば白い筋が何なのか想像がつくのだろうけれど。

 床で膝を抱える彼女をちらりと見下ろしながら、カップに口をつけた。慣れない芳香に混じって、アルコールの匂いが微かにあった。これだけ少量なら気分を悪くすることは無いかもしれないが、酔いを感じる可能性はある。
 人狼に成ってからというもの、極端に弱くなってしまったから]
(*21) 2023/03/07(Tue) 21:51:50

【赤】 一匹狼 “楓”

[彼女の『怖い夢』の話に、じっと耳を傾けた。>>*20
 見慣れた人が深い水底へ引きずり込もうとする夢……。

 自分の悪夢が『殺す夢』なら、
 彼女の悪夢は『殺される夢』なのだな、と内心で思った。
 それがそのまま最も恐れることなのだろうか。

 同意を求めるような視線に気付くと、楓は暗がりの中でじっと彼女の瞳を見つめ返す。その瞳の色がどうなのかは、今は記憶に頼るしかない]


  ……オレがあの夢の話したのは、椿だけだ。
  だからまだわかんねーな……。


[人に話すぐらいで見なくなる夢とは思えなかった。それでもいくらか気が楽になったと感じる部分はある。
 彼女には、今まで誰にも話せなかったことをいくつか話している。楓にとって、自分が人狼であることを明確に明かしたのは二人目。心の内をこれだけ語れた相手は初めてだった]
(*22) 2023/03/07(Tue) 21:52:04

【赤】 一匹狼 “楓”

[カップの中身をちびちびと舐めるように飲んでいるうちに、だんだんと体の芯に熱が灯されるような感覚を得始めた。ほんの少し混ぜてもらったラムによるものだろう。>>*18
 同時にどことない怠さを感じ、改めて自身の変化が身に沁みる。彼の喉からは自然とため息が漏れた。

 一方で、動くのが億劫なのはほどよい加減とも言える。
 今から何かする気は起きそうにない。
 外をうろつく気も、……労力のかかる食事をする気も。

 彼女の様子はどうだろうと隣の様子を窺った。
 進んで『毒』を口にするぐらいなのだし、自分より弱いことは無いだろうと思いながら]**
(*23) 2023/03/07(Tue) 21:52:17

【赤】 一匹狼 “楓”

[“そういうもの”>>*24……誰かの命を脅かす者。だから自分に危機が及ぶのは怖いのだろうか、と楓は考えた。当然と思っている前提が覆される恐ろしさなら、彼にも理解が及ぶ。
 彼女の言葉を聞きながら、膝に寄りかかってきた頭を感じる。片手を伸ばし、彼女の髪をそっと撫でた]


  仕方ねェんだ、オレにとっては
  “最初からあったもの”なんだから。


[人間だった頃に得ていたもの。
 人間でなくなったときに“失った”もの。
 失ったことを認められず、しがみついている。けれどもう、そこは自分の居場所ではない……きっと、そうなのだ]


  ……オレは、自分が変わったことを
  受け入れられてないのかもしれない……。
  もうそこはオレの居場所じゃないのを……
  認めるのが怖い、のかも……しれない。


[失う覚悟ができていない。そういうことなのだろう。既に失った後ではあっても、まだ向こうにはそうと思われていない。だから自分も周りもごまかし続けている。何年も。多くの命を犠牲にして]**
(*25) 2023/03/08(Wed) 11:58:05

【赤】 一匹狼 “楓”

[自分はもう人間ではない、人間だった頃の居場所に留まることはできない。
 そう考えたとして、では、次にどうするというのか。

 人間でなくなったからこそ、新たにできるようになったこともある。
 それでも去らねばならないのだろうか。

 彼女が身動ぐのを感じて腕をソファの背に移動させると、彼女はそのまま隣に座ってきた。>>*26
 膝に載せられた手に目を向け、それから彼女の視線の先を思い描いた]
(*27) 2023/03/08(Wed) 16:05:16

【赤】 一匹狼 “楓”

[やがて彼が向けた視線の先には、彼女がテーブルに置いたカップがあった。
 意味などない視線のやり場としてほどよい位置にあった。それだけの理由だ]


  正しいかどうかが道を選ぶ理由になるのか?

  正しくたって間違ってたって、
  やりたかったらやるし、
  やりたくなかったらやらないだろ。


[正しいかどうかは判断基準のひとつではあっても、意思を決める最終的な理由にはならない──それが楓の感覚だった。
 そしてやりたくないこと、やりたいことを整理したら、どうしても楓は現状維持にたどり着いてしまう。それが最適解に思えてしまう>>1:*36。だから何年も続けていると言えるのだが……]
(*28) 2023/03/08(Wed) 16:05:34

【赤】 一匹狼 “楓”

 
  ……他に、なんかあるとしたら。

  ……狼なのを明かしてみるとか、
  ……狼でないものになる、とか?

  狼のまま暮らせる場所を探すとか……、
  どこかに隠れるとか……?


[現状維持以外の何かがあるとして、なんなのか。
 考えただけでやめてしまったことも含めて、いくつか言葉に表してはみたが。

 彼が名案だと思えるような、すぐ飛びつけるようなアイディアなど出ては来ない。出てくるなら、とうに試している。

 ──“死”だけは、浮かばなかった]**
(*29) 2023/03/08(Wed) 16:05:48

【赤】 一匹狼 “楓”

 
  ……今もどこかにあんのかな。


[彼女の同意が得られると、それが正しいことのような気がしてしまう。>>*30
 それが平易な思いつきでも。

 ヒトでないものが集って暮らす場。
 そういう場所が本当にあったとして、そこで安定して食料が得られる保障など無いのだが……。
 探して旅をしてみる、という道もあるだろうか。

 だが、そのためには今の日常を捨てる必要があるだろう。
 長い間しがみつき続けた暮らしを捨てる。そういう意味ではやはり、簡単に選べるものではなかった。

 それでも、いくつか思いつきを並べた中では一番良い道のような気がしてくるのは……ほのかな酔いのせいなのだろうか。]
(*32) 2023/03/08(Wed) 21:04:10

【赤】 一匹狼 “楓”

>>*31彼女が腕にもたれかかってくるのを感じ、少し迷った末。
 楓はそっと彼女の肩に腕を回し、緩く抱き寄せた。

 このまま彼女と共に過ごす日々が続いたら。
 戯れにそう考えてみても、やはり日常が思い浮かぶ。

 自分の日常に彼女を迎え入れることはできない。自分という狼一人を御するのにも苦労しているぐらいなのだから。

 もし彼女と共に在ろうとするならば、日常は捨てることになるのだろう。そう、例えば、先ほど思いついた旅路に共に出るような。独りきりで旅に出るよりは心強いものになるかもしれない、……厄介ごとも増えるかもしれないが。

 彼女の思いも知らないままの思いつきをいくつか巡らせた末、ほんの少し残っていた紅茶を飲み干してカップをそっとテーブルに置く。
 それからソファの背に改めて凭れたときにも、まだ椿は隣にいるだろうか。

 早々に感じた体の重さが次第に頭にも及んできたようだ。ずっと彼女が寄り添っていてくれたなら、夜の静けさと彼女の体温がこのまま楓を眠りに落とすだろう]**
(*33) 2023/03/08(Wed) 21:04:29