人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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視点:


【赤】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 
 あまり手の入っていない、雑木林の中を分け入って少し。
 今はもう、誰も参る事の無い、寂れた神社。

 その高欄に腰掛けて、一人ふらふらと足を揺らしていた。

 何かが欠けているような、輪郭の不明瞭な感覚。

「……ああ、そっか」

「あの人は来てくれなかったんだ。」

 ぽつりと零して、それでもいいと思い直した。

 今は来なかった。けれどいつかは来るのだから。

「それに、キミが来てくれたんだものね?」

 欠けているものがそれだけのはずがないのに。

 
(*0) 2021/08/14(Sat) 21:04:09

【赤】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 
「誰だって、楽しい時間はずうっと続いてほしいはず」

「でもねきっと、それってみんなで居るから楽しいんだ」

「ねえ、みんな!」

みんなは誰と遊びたい?


「アタシ達、きっとみんなが連れて来てほしい人を連れて来るよ」

「一番に遊びたい人を呼んで、それからいろんな事をして遊ぼう」

「──いつまでも!」
 
(*1) 2021/08/14(Sat) 21:24:47

【赤】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

/*
という事で本日の墓下のお二人に襲撃先のアンケートなのじゃ!

とは言っても妾、黙狼どのの襲撃先は自由にしてほしいと思っておるからの
だから絶対に連れて来る事ができるとは言えないのじゃけど、
妾一人で決めてしまうのも勿体無いから是非お聞かせ願いたいのじゃ!

あくまでも参考にしたい程度のものじゃから
ロール的にはこの人が居てくれたら嬉しいな、くらいで
あまり気負わず答えてくれると嬉しいなのじゃ!
妾、このままみなを連れて来れるかの〜!?
(*2) 2021/08/14(Sat) 21:26:09

【赤】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 
 歪だらけで矛盾だらけ。

 今居る『アタシ』はこの村を愛していたあの人の
 その面影を滅茶苦茶に継いで接いで作った張りぼてだ。
 自分も嘗てはそうだったけど、もうそんなふうには居られない
 そう言って捨ててしまったものを、もう一度拾い集めて。

 自分に自信が無いから取り繕う。
 自分はこの場所がそんなに好きではないのかもしれないと
 そんな不安を塗り潰す為に人の殻を借りる。
 借り物だらけで不格好、そんな一人ぼっちの王様だ。
 
(*3) 2021/08/15(Sun) 3:28:40

【赤】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 
 それの何が悪いというのだろう?

 人はいつか絶対に、誰もが見て納得するような
 きれいな形に収まらなければならないのだろうか?
 きれいな形になれない人は、決して存在してはならないのか?
 ああ都会では確かにそうだった、でもここではそうではない。

 どんなに不安定で不格好でも、今こうして
 ここに立つ事ができているのだからいいじゃないか。

 この場所で、こうして変わらずに在り続ければ
 きっと、何も憂鬱に思う必要なんて無いはずだ。

 それを正しくないと切り捨ててしまえるのは、
 歪で正しくないその支え無しでも立てるから。
 欠けた四角形、正しい形を失った自分達は─
 
(*4) 2021/08/15(Sun) 3:36:35

【赤】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

「………あれ?」

 雑木林の中、ふっと現実に引き戻された、ような錯覚。

 失ったものなんて、無いはずだ。
 思い出の中そのままの村があって、
 成長こそすれど、その優しさは何も変わらない皆が居て。

 皆の中の、自分の知らない一面が顔を覗かせるのは
 彼らが何処か遠くへ行ってしまったようで怖かった。
 それでも変わらない一面もあって、だからそれで良かった。

 自分にだって、変わった所が無いとは言わない。
 けれど、歪な支えに頼らなければ立って居られないほど
 何にも代えがたいものを捨て去ってしまった覚えなんて無い。

 その上で今、


 自分の傍に無いものと言えば 
姉の存在
くらい で、
(*5) 2021/08/15(Sun) 3:38:38

【赤】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 
そんなはずがないんだ

 
(*6) 2021/08/15(Sun) 3:48:35

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 黒地の女物の浴衣。
 白の花々が散るそれに赤い帯を締めて、
 これまた赤い鼻緒の下駄をからんと鳴らして
 祭りに浮き立つ村の中を行く。

 涼風の祖母に尋ねれば、やはり今日は祭りがあるようで
 ならばと今日も皆を誘って回るのだ。

 後頭部のやや高くで括った髪を揺らして、
 目に付く限りの人に、一緒に遊びに行こうと
 明朗に声を掛ければ、ほら、大丈夫。

 こうしていれば、まだ呼子鳥と同じで居られる。
(16) 2021/08/15(Sun) 17:47:06
百千鳥は、そんなふうに「また明日」を言える夜長の事が羨ましかった。
(a4) 2021/08/15(Sun) 17:51:15

百千鳥は、卯波のように愛情深くはなれなかった。
(a5) 2021/08/15(Sun) 17:51:22

百千鳥は、結局誰のようにもなれなくて、それでも姉の面影をなぞり続ける。
(a6) 2021/08/15(Sun) 17:51:30

百千鳥は、今日も皆に声を掛けて回る。「一緒に遊びに行こう!」
(a7) 2021/08/15(Sun) 17:52:03

【赤】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 
「………みんなを連れてこないと」

「みんなを連れて来ればきっと、」

「きっと、みんなとここで待っていれば」

呼子お姉も来てくれるはずだから

 
(*7) 2021/08/15(Sun) 18:00:42

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>21 編笠

 掛けられた声にちらりと視線を上げて、
 新たにベンチに掛かった体重を感じながらりんご飴を齧った。

 今は祭りの喧騒はずうっと遠くにあって、
 何処か疎外感すら感じさせるほどだった。
 道行く人々は自分達など眼中にないように過ぎ行くばかりだ。

「…うん、
も少し疲れてきたとこ」

 下駄を突っ掛けた足をふらふらと揺らしながら。
 浮かべた笑みは、思ったよりも淋しげなものになってしまった。

「疲れるんだね、夢を見るのって」
(27) 2021/08/15(Sun) 19:23:08

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>28 編笠

「あはは」

 最後の一口を口に運んで、食べ終わったりんご飴の串を玩ぶ。

 どんなに甘くて酸っぱくて、
 食べるのが勿体無いくらいに綺麗なこの食べ物も
 そう思えるのは、食べている間だけ。
 食べ終えてしまえば、忽ち全ては夢のように消えてしまう。

そんなこと知ってたら、こんなことしてないよ


 祭りの喧騒は近くて遠く、
 自分達の声なんて誰も聞いていやしない。
 だから今だけは、同じような愚かを働く子供同士で居られる。

「でしょ?」
(35) 2021/08/15(Sun) 20:01:28

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>37 編笠

「どうせなら、もっと早くに叱ってくれたらよかったのにね」

 ベンチから立ち上がる姿を視線で見送って、
 すぐ傍らに置かれた水鉄砲を手に取った。
 皆ではしゃいだあの日は、もう遠い昔のようだった。

「せめて落とさないようにしなね、どっかの誰かさん」

 本当にその笑顔を見たかったのは自分ではないだろうに。
 そんな事を思いながら、遠ざかる背中に言葉だけを投げ掛けた。

 花火も祭りもこの夢も、終われば全てが色褪せるばかり。

 その中に敢えて置き去りにするのならいいけれど、
 もしそうでないのなら、せめて両の手に収まるものくらいは
 今あるものは、そのまま持っていた方がいい。
(46) 2021/08/15(Sun) 22:00:27

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 祭りの喧騒の中を、どこか他人事のような気持ちで歩いていた。
 昔はあんなに特別だったりんご飴も、焼きそばも、かき氷も
 色褪せた夢の中では、
一人では
何もかも味気なかった。

 人間の腕が二本しかない理由。
 どう頑張っても、伸ばせる腕の数しか持てないように。

 お利口なのは、その時抱えきれる分だけを手に取る事。
 賢いのは、幾つか纏めて袋に入れて提げてしまうこと。

 どちらでもない
には、順番に手に取って回る事が関の山。
 そうしてその全てを噛み締める暇も無く飲み下して。

 ああ、粗末に扱ってしまったな、なんて思うのだ。
(53) 2021/08/16(Mon) 1:05:47

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>59 鬼走 【四日目/夏祭り】

「………あれっ、」

 不意に名前を呼ばれて、下駄を鳴らして振り向いた。
 その声と呼び方には覚えがあったけれど、
 自分に声を掛けるような用事があっただろうか、そんな疑問。

「鬼走さん!
 ううん、約束はしてるよ。
 先に行っててって言われたから適当にぶらついてただけ!」

 涼風と、一緒に行こうと約束したのは事実で
 先に行っていてほしいと言われたのも事実だ。
 独り歩きの違和感、その理由にはならないかもしれないけど。
(63) 2021/08/16(Mon) 5:13:14

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>67 鬼走 【四日目/夏祭り】

「……あー、うん」

 頬を掻いて一度、返答のなりそこないのような声を発した。
 とはいえ何か言葉に詰まるような事があるでもなく、ただ
 そんなふうに見えているのか、という思いがあるだけで。

「うん、つまんないよ。
 …てよりは、寂しいかなあ。
 一人でご飯食べるのって味気ないじゃない?
 多分、そういうことなんだと思う」

 それが本来どんなに楽しい時間でも、一人では味気ない。
 それがあなたにとって共感に足る心情かはわからないけど
 一般論としては理解の及ぶものではあるはずだ。

 そんな例題を一つ挙げて、だから大丈夫と笑って見せた。
 だってもうすぐ、一人ではなくなるから。
(71) 2021/08/16(Mon) 16:10:43
百千鳥は、その手を握って、喧騒に背を向けた。
(a27) 2021/08/16(Mon) 18:56:02

百千鳥は、ずっと前から、全ては夢だと知っていた。
(a28) 2021/08/16(Mon) 18:56:16

百千鳥は、見ないふりをしていただけ。
(a29) 2021/08/16(Mon) 18:57:31