【人】 路地の花 フィオレ>>+3 テオ 「違うわよ、ホントは手作りしたかったんだけど」 「全部焦がしちゃったから」 まずくはないという事が伝えたかっただけらしい。 そんなことを言いながら、もう一つサンドを取り出した。 分厚い鶏モモ肉の挟まったもの。 「ローストチキンサンドもあります」 「いくつか持ってきたから、好きそうなの差し入れしようと思って」 そういえば家に行った時も、食べ物買いこんでいったなあ……と思っている。 食いしん坊だと思ったことはないし、グルメな印象もないのだけど。なんとなくそういう風向きなのかも。 美味しいものをたくさん食べられるのは良いことだ。 「バカなこと言わないでよ。あげなーい、って自分で食べるような女に見える?」 「ほら、口開けて」 今日も手が不自由そうなら、食べさせるつもりで来ている。 というか。そうじゃなくても自分の手で食べさせるつもりのように見える。 (3) 2023/09/23(Sat) 23:48:31 |
路地の花 フィオレは、メモを貼った。 (a6) 2023/09/24(Sun) 0:08:30 |
フィオレは、ていうか今バカって言った? (a7) 2023/09/24(Sun) 0:33:48 |
【人】 門を潜り ダヴィード朝。 起き出して、顔を洗って、着替えて、朝食。 そこまではいつも通り。 家を出て鍵をかけ、街中を歩きだす。 背中に嫌な視線を感じた。 悪意ある、棘のある視線。 ひりつくようなそれを引き連れてアジトへのこのこと向かうわけにもいかない。 「さて、頑張るかあ……」 男はため息をついて、とりあえずは人の多い街中へと足を向けた。 #街中 (5) 2023/09/24(Sun) 0:37:50 |
ダヴィードは、約束を守れる男になりたい。 (a8) 2023/09/24(Sun) 0:40:35 |
【人】 路地の花 フィオレ>>+5 テオ 「そう。……分かったわ。 テオが気を遣ってくれるなら、それ以上突かないでおいてあげる」 あっさりと引く。どうしても共有してほしいわけではない。 耐えられるものであるなら、自分だけで背負っている方が楽なのだろうし。 女も、その一線を踏み越えたりはしない。 気遣っているんだとしても、拒絶していたんだとしても。 あなたが線を引き直すまでは。 「何度も言わなくたって分かってるわよ」 「世話を焼くのが性分で、お節介を焼くのも性分だって言ったでしょ? 物好きが勝手にやってる事なんだから、感謝しろなんて言わないわ」 牢の隙間からサンドを差し込んでいる。 そうしながら、普段は聞かないであろう内容のそれに。 ぱち、と眼鏡の奥で瞬きを一つ。そして、にまと唇が弧を描く。 「そういうのは、女に言わせるものじゃないのよ」 「でも、テオがこういうこと聞いてくれることなんてもうないだろうから…答えてあげる」 ふ、と微笑んで。 「花を愛してくれる人を、好きにならないわけないでしょ?」 首元のネックレスを取り出して、揺らしてみせた。 (6) 2023/09/24(Sun) 1:41:21 |
フィオレは、これじゃ足りないかしら、なんて言って。首を小さく傾けたりして。 (a9) 2023/09/24(Sun) 1:41:50 |
corposant ロメオ(匿名)は、メモを貼った。 2023/09/24(Sun) 1:51:46 |
corposant ロメオは、メモを貼った。 (a10) 2023/09/24(Sun) 1:56:45 |
【人】 傷入りのネイル ダニエラ仕事帰り。 いつものジェラート屋。 近くバタついてあまり訪れられなかったここを、数日ぶりに訪れる。 「イチゴをお、コーンでえ」 間の抜けた明るい声。 会計を済ませ暫しして、薄紅色のジェラートが差し出された。 通り雨もあるかもしれないと聞く女の手には傘がひとつ。 食べ歩かずに今日は食べて帰ろうと、パラソルの下のテラス席にちょこんと座った。 #specchio (7) 2023/09/24(Sun) 2:27:51 |
【人】 無敵の リヴィオ>>7 ダニエラ 今日は君との 約束通り 、男は午後から休みを取っていた。そうして約束通り、 明日に君へ元気な姿を見せる──訳ではなく。 「……やぁ、ダニエラ君」 何の要件か。 こうして今、君の元を訪れたのだった。 名を呼びながら身を屈め、パラソル下の君に微笑みかける。 そこに浮かぶ笑顔はやはり、いつもと変わらない姿。 「偶然だね。いや、出会うのは必然だったのかな。 こうして午後も君に出会えて嬉しいよ」 「……あぁ、すまない。こうして話していては、 せっかくのジェラートが溶けてしまうね。 ここでさようならをするのもひとつだが」 ──少し、君と話がしたいんだ。 そう付け足して、 図々しくも同じパラソル下の席へ座ろうとする。 最もここで嫌な顔をされようが座る気満々。 どこかへ立ち去る様子もないのでどうか許して欲しい。 #specchio (8) 2023/09/24(Sun) 2:51:49 |
【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>8 リヴィオ 「…あー。リヴィオさあん。」 到底上司に見せるとは思えない仏頂面。 尖らせた唇でその名を呼んで、前髪を見て、ジェラートを見て。 そのヘアピンは、何の変哲もなければ飾り気のひとつもないシンプルなヘアピンで。 だけど不思議と他の似たヘアピンでなく、 それ なんだろうと思えた。「あたしは明日お会い出来た方が嬉しかったですけどお。」 拗ねた顔のまま拗ねた声でいう。 こういうとき、女が告げるのは本心だ。 けれど、まあ。察しが悪いわけでも決してなかったわけだから、自分を納得させるための溜息だけついてまたその顔を見上げた。 「…まあ、いいですう。」 「なんですかあ、話ってえ」 微かに形作った笑顔は歓迎の証。 どうぞどうぞ、寧ろお座りくださいな。 それに関しては本当に、嫌な顔ひとつせず。 #specchio (9) 2023/09/24(Sun) 3:12:29 |
【赤】 無敵の リヴィオ懐から月桂樹の葉をモチーフにしたブローチを取り出す。 つける勇気はなかったんだ。 だけど、お守り代わりにはなっていたよ。 未来が、 それなりに 惜しくなるほどに。「狡をしている気分だな……」 それだけではないとしても、破滅願望を理由にここにいる。 誰かを傷つけるように選択した人間が、 何かを掴むことなど、許されるとは思わない。 ……だけど。 「…俺を甘やかす人間に文句を言って欲しいね」 冗談めかすように笑いながら、独り言ちる。 その言葉を聞く者はいないから、本当にただの独り言。 手の内でブローチを弄んで、考えるように手を止めた後、 テーブル上に置かれた小箱の中にそっと仕舞う。 お守り代わりではあったが、この先に持っていくには壊れそうだ。 家主の留守を任せるように、それは置いていくとしよう。 代わりに、彼女から最初に貰ったヘアピンで前髪を飾り、 さっさと床にでも 寝転がってしまいたい気分を抑えて立ち上がる。 (*2) 2023/09/24(Sun) 3:24:02 |
【赤】 無敵の リヴィオ「……エルにはなんて謝ろうか」 手伝うって言ったのにな。また嘘を吐いてしまった。 まぁ、彼は優秀だし上手くやるだろう。 そう思っておかないと許容範囲超えで頭がおかしくなりそうだ。 おかしくなるついでにぶっ倒れてそのまま、 最悪目を覚まさない可能性がある。 もうかなり約束からの気力だけで何とかしている。 これがアドレナリンってやつ?医者に怒鳴られそうだ。 考えるのはやめよう。頭の痛さが増してしまう。 懐から電源を落とした端末、 それから素敵な先輩が渡してきたマフィアから押収した銃。 それらをもう一度確認してからスーツ内部に押し込んだ。 ポケットの中の袋も……ある。忘れ物はなさそうだ。 流石にこれを持って面会はまずいので、 午後の予定を片付けてから取りに戻るとしよう。 「………どの面下げて、という話だが」 己を慕ってくれている後輩を思い浮かべて、 深いため息が零れていく。 今更会いに行くのもそうだが、彼にも沢山嘘を吐いた。 (*3) 2023/09/24(Sun) 3:49:50 |
【人】 路地の花 フィオレ>>+12 テオ 「それもまた、今更でしょ」 言い続けてきたことだ。 花を丁寧に育てるあなたに惹かれたと。 変わらない。ずっと変わらないことだ。 「そうね」 「でも、あなたのその言い分はちょっと変だわ。 だって静かに咲いていようとしていた花に近付いてきたのもあなたじゃない」 ちょっとだけの言いがかり。 けれど、あなたの方から歩み寄ってきたこともあったでしょう? 柔らかなパンとしっとりした肉が噛み千切られるのを見て、嬉しそうにくすくすと笑って。 この女はやっぱり、あなたがそうやって拗ねていたって楽しそうにしているのだ。 「あら、それって」 「私のこと、特別に見てくれるってこと?」 嬉しい、と都合よく受け取るのもいつも通り。 甘い甘い毒を押し付けて、絡めとってしまって。 いつか、その毒が回り切ってしまえばいいと思う。 面倒を見ることを放り投げないのは優しさなのか、使命感なのか。 どちらにせよ、こちらには得しかないことだ。 だからこちらは笑って。 「本当に、難儀な人!」 (10) 2023/09/24(Sun) 4:51:05 |
【人】 無敵の リヴィオ>>9 ダニエラ 「はは、そう言われるんじゃないかとは思ったよ。 だけどね、今日 だったから 必然なんだ」仏頂面にも怯まず笑顔のまま席へと座る。 そうして腕を組み、首を僅かに傾けながら口を開いて。 「……で、だ。こういうのは単刀直入に話そうと思う」 ジェラートは食べながらで構わないよ。 溶けてしまってはジェラート屋の店主が可哀想だ。 話しかけた側が何を言っているのかという話だが。 いつもと同じスーツのポケットの内側、 そこから小さな袋を取り出して、 君にも見やすいようテーブル上へと置いて見せる。 万が一のため、その袋に左手は添えたままだ。 きっと君には──いや、君なら、見覚えがあるはずだ。 #specchio ▼ (11) 2023/09/24(Sun) 8:05:45 |