【人】 空閑 千秋─桜の間─ [それは チェックアウトの一時間半ほど前 の時間。約束通りその部屋を訪れて コンコンコン、三回ノックをして返事を待つ。 彼女はそこにいただろうか。 返事はあったのだろうか。 返事があれば、千秋です、と。 こちらもその身の上を明かそう。]** (9) 2020/08/17(Mon) 13:12:56 |
空閑 千秋は、メモを貼った。 (a1) 2020/08/17(Mon) 13:15:41 |
【人】 空閑 千秋─桜の間─ ……ふふ、まあ、そうですね。 あと一週間くらい有給つかって のんびりしたいくらいには。 [彼女に部屋の中に誘われ 湯飲みを差し出されながら私は軽く冗談を言った。 実の所、有給は有り余っている。 使うタイミングを逸しているだけ。 それはともかく、右隣に正座する彼女をちらと見て わたしは手荷物の中からいくつかの道具を取り出した。 マーカー、ニードル、消毒液にニプルピアス。 乳頭につけるのは初めてだから ストレートタイプのシンプルなものだ。 念のために滅菌ガーゼも傍に置いて。] (15) 2020/08/17(Mon) 16:44:25 |
【人】 空閑 千秋でも、本当に良いの? わたしとお揃いにするなんて。 ……縦、横、斜め。 どんなふうに貫こう? [何でもないことのように言って首を傾げた。 もし問われたら、私は横、と伝えるつもり。 理由は、特に。 真横に貫通していた方が、 リングピアスが似合いそうな気がしたからと言えばそうで その説明も求められたらするつもりだった。]** (16) 2020/08/17(Mon) 16:44:40 |
【人】 空閑 千秋─桜の間─ [ちなみにこれらの物は全て私物だった。 それだけ、縫い止められたい気持ちは強く。 形を留めておきたい気持ちが強く。 でも、というあともう一歩の勇気が湧かないから きっとこれは良い機会。 彼女に脱いで、とお願いをしながら ワタシはマーキング用のペンの蓋をあける。 左の乳頭の根本に地面と水平になるようにマーキングして 一度それをしまうと今度はニードルを取り出した。 普通のピアッサーでは針が届かない。 だから事前に調べていたようにより長い針を使う。 チューブから取り出した軟膏をニードルに塗布して そっとマーキングした場所に針をあてがう。 その反対側には真新しい消しゴムを。 自分の耳にすらあけたことのないピアスの穴を 人の、胸の先に開けるなんてなんだか不思議だ。] (20) 2020/08/17(Mon) 18:44:55 |
【人】 空閑 千秋……いくね。 [そう、宣言して。 彼女が止めない限りは、その針が曲がらないよう 一気に力を込める。 ツプッ、と皮膚を貫く感覚。 それが思うよりも長く続いて、微かに眉を寄せた。 反対側の消しゴムで針の先をうけとめて、 針が貫通したなら針を突き刺したまま手を離す。 ほう、と肩の力が抜けていた。] ………針を刺して、15分位おいとくと ピアスが着けやすいらしいって。 [それまでに止められたら? それならそれで、仕方が無いとすぐに引いた。 無理につけることはないのだから。 けれどどちらにしても、私は私で ジャケットを脱ぎ、シャツのボタンを外して。 陽の光の下に晒すのは恥ずかしいけれど 下着も外して、胸を晒す。 そして新しい、けれど同様の道具を 彼女に託すだろう。]** (21) 2020/08/17(Mon) 18:45:15 |
【人】 空閑 千秋─不思議な晩から、─ [あの、不思議な出会いの晩から日常に帰り 二ヶ月程が経過しようとしていた。 私は普段の多忙極まる生活に戻っていて、 それでも私はほんの少しだけ 自分が自分であることに自信を持てるようになっていた。 男扱いされても、以前より塞ぎ込む事はなく 穏やかな心持ちで仕事に臨むようになっていた。 そんなある日のこと。 当直上がりの定時帰りの日。 最近調子が悪いな、と病院を目指して 欠伸を噛み殺しながら急ぎ足。 先ず目にしたのは道路に飛び跳ねてくるボール。 それを追いかけてくる小さな子。 はしゃぐ声、誰かの悲鳴、そして。] (38) 2020/08/17(Mon) 20:59:27 |
【人】 空閑 千秋危ないッ!!! [反射的に叫びながら飛び出していた。 車のクラクションにブレーキ音。 子供を抱えて転がって、 幸い車にはねられることなく済んだ。 泣き叫ぶ子供。 駆けつけてくる大人達。 ほっとするとともに私は顔を顰めて お腹を抱え込んでその場に蹲っていた。] (39) 2020/08/17(Mon) 21:00:21 |
【人】 空閑 千秋……使用済みだから、捨てる? とか? [人肌に触れるものだし、 衛生面がどうかは分からないが そう言われれば仕方がないかもしれないと。 とにかく、わたしは首輪の金具に手をかけて その留め具を外そうとしていた。]* (47) 2020/08/17(Mon) 21:34:28 |
【人】 空閑 千秋─桜の間─ ……ん、みぎにするの? [自分の中に消えない傷を穿つ。 そのことに緊張しながら、用意された手順に パチパチと目を瞬かせていた。 どうしてだろう。 どちらが良いなどはなかったが、 もし理由があるなら何となく知りたくて。 でもそれよりも針があてがわれれば緊張する。 お絞りはありがたく受け取って噛み締めた。 必然的に鼻呼吸になって、 ふ、ふ、と少しばかり煩く感じたかも。 深呼吸して、彼女のカウントダウンを聞く。 つぷ、と皮膚を破る感覚にぎり、とお絞りを噛み締めた。] (48) 2020/08/17(Mon) 21:47:34 |
【人】 空閑 千秋ッ、…………つ、ぅ…………! [耳よりも厚く、硬い皮膚。 貫通する距離も長いからなかなかに痛いし その痛みも引かない。 ジンジンよりもズキズキ、と 心臓の動きに合わせて痛みが響く。 じわ、と涙が滲んできたのを感じては 矢張り彼女はそれも感じなかったのか、と。] ふ……、これで、お揃いですね。 落ち着いてきたら、可愛いのつけましょうね。 [誰かとお揃いなんて、なんだか擽ったい。 だからふふ、と笑いながら彼女にピアスを渡す。 ストレートバールのそれがファーストピアス。 もし頼まれればつけてあげるし、 それで飾られた彼女は今までよりもほんの少し、] (49) 2020/08/17(Mon) 21:47:52 |
【人】 空閑 千秋……エッチに見えますね。 [豊かな胸の先を彩る金属。 陽の光にきらりと煌めいて、 なんだか非日常が続いているようだった。]* (50) 2020/08/17(Mon) 21:48:13 |
【赤】 空閑 千秋─桔梗の間─ ですよね。……無理は、させたくないし。 [だから良いんだ、わかってる。 そう言いながら私は いつかの時のように笑う彼に肩を竦める。 妥協できないなら、折れることができないなら、 お互いに譲り合えないなら。 それは無理が生じて折れてしまうだろう。 だから、と彼の頭をまた撫でる。] (*8) 2020/08/17(Mon) 22:55:35 |
【赤】 空閑 千秋あぅっ? ぎっくり腰に歳は関係ないですよ。 油断してるといつかグキってしますからね? [小突かれて、唇を尖らせてみたけれど すぐにおかしくなって笑ってしまった。 けれどそこから始まるかつての話に 私は静かに耳を傾ける。 ああそうか、大事な人とは別れてしまったのか。 一度生じた軋轢はなかなか解消できないもの。 その話し合いが苦痛なくらいにすでに無理が生じていて もっとそうなる前に話し合えたら、なんて後の祭り。 でも、大切だったからこそ辛くて きつかったんだろうな、と。 そう思ったから、手に擦り寄る彼の頭を ギュ、と抱きしめて胸に埋めた。 窒息しない程度に埋めて、よしよしと頭を撫でる。] (*9) 2020/08/17(Mon) 22:55:55 |
【赤】 空閑 千秋敦久さんって、プライド高そう‥っていうか。 甘えるの、下手そうですよね。 甘えるのが下手だから 辛いとかしんどいとか 本当に大切な人に言えなくなっちゃう、みたいな。 そんなふうに思えてしまいました。 [大切な人だからこそ、傷つけたくなくて。 無理をして、でもその無理が辛くなって。 辛くなったから逃避してしまう。 そんなことは自分にも覚えがあるから。] だから、甘えて良いですよ。 いろいろ頑張りましたね、敦久さん。 ………たまにはこんなのも、良いはずです。 [誰だって甘えたい日はあるもの。 何もかも許された赤ん坊の頃みたいに。 だから、私はしばらくそのまま 彼を抱きしめ、撫でていようと思っていた。]* (*10) 2020/08/17(Mon) 22:56:17 |
【人】 空閑 千秋─桜の間─ そこは。 …抱きしめた時にカチッと響き合うのも オツ、なのでは? [堂々と彼女にした反論の結果は、如何に。>>51 そこにお互いお揃いのものがあってぶつかり合う。 そこに自分たちだけの秘密があるなんて。 とも思ったけど、確かに発想が恥ずかしいけど。 それはまた会おうね、という遠回しな約束。 会ったらハグして、キスしながら触れ合うのも きっと貴方となら嫌じゃない。] [そうして私の胸を飾ることになったピアス。 まだズキズキ痛いけれど、 お揃いと思うと少しだけ痛みが軽くなる気がした。 服を着直しながら、照れ笑い。] (56) 2020/08/17(Mon) 23:04:12 |
【人】 空閑 千秋もし、なにかあったら。 何かなくても、連絡して。 これから仲良くできたら、嬉しいな。 [彼女に私の名刺を渡す。 所属する地方裁判所、裁判官だとか判事補だとか それに名前と電話番号、メールアドレスの記載された ごくシンプルなそれを 彼女は受け取ってくれたろうか。]* ピアス、落ち着いたら。 一緒に可愛いの、買いにいきましょう? (57) 2020/08/17(Mon) 23:04:33 |
【人】 空閑 千秋─入院した時のこと─ [あの、お腹の痛みは忘れられない。 忙しさにかまけて、周期なんて気にして無かったから。 交通事故、に近いものがあったから 救急車で搬送されていく。 どろり、と脚の合間に垂れる感覚。 あの時ほど悲しくなったことはない。 その理由を先生に聞いた方が良かったかもしれない。 だけど、わたしは、聞きたくないと耳を塞いだ。 その代わり、念の為に綺麗にしておこうと お腹の中を掃除された。 あの時ほど、全身麻酔で眠らせてほしいと 願った時も、なく。 ……一晩入院して、翌日。 わたしは二度目の美鶴荘の予約を 必死になってとろうとしていた。 でも。 なかなか取れなくて。 やっと取れても、……………。 でも、せめて、お祈りだけは。]** (59) 2020/08/17(Mon) 23:22:04 |
【人】 空閑 千秋─麗央さん─ ……麗央さん、まるで、プロポーズみたい。 [素直な感想を口にして、クスリと笑う。 別にからかいたかったわけではない。 詰め寄ってきた彼に>>72視線を向け直して 受けた言葉>>73に返すのは少しの沈黙。 ……ほんの少しだけ首を傾げた。] 麗央さんがほしいのは、 奴隷や物としての私かしら。 それとも、一人の人間として? [そうして真っ直ぐに彼を見つめ返しながら そんな問いかけをした。 ズキズキ、胸を飾ったもので痛みが響く。 そうして私は形を変えてしまっている。 たったこの一晩の間だけでも。 朝日を受けて煌く彼の髪は、 薄く金の光を纏って綺麗だった。]** (82) 2020/08/18(Tue) 7:14:26 |
【赤】 空閑 千秋─敦久さん─ そうですか? それは、相手の人にカッコつけなくて良いから、では。 大事な人にはカッコよく見せたいでしょう。 カッコよく見せたくて、無理するでしょ。 [つまりはそういうことですよ、なんて笑う。 そんな風に甘えを見せられる、 甘えて甘やかせる程度の関係が心地よかった。 今後またどこかの駅で会うかも知れない。 若しかしたら仕事の時に。 法廷で出会ってしまったら? そこは私情を挟まずに、公平にね。 そんなところで出会わない方がきっと良いけれど。] (*19) 2020/08/18(Tue) 13:25:57 |
【赤】 空閑 千秋…………ふーーーーーん? [セクハラで訴えて買ってやろうかとも思ったけれども 彼が私を運ぶ間。 首筋に、鎖骨に、耳元に、 強く吸い付いて紅の華を散らしてあげましょう。 ……ダイエットしなくては。 目方を増やすのは、よくないから。 そんな一つ、また忘れられない記憶を呼び起こされての 意趣返しというもの。]** (*21) 2020/08/18(Tue) 13:26:38 |
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