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【人】 蕃神 雷恩― 桜花と ― 俺の場合と、桜花の場合はきっと違うよ。 ――何度も、何度も困らせても 許してもらえる信頼関係が、きっと。 桜花と羅生の間には、あったのだね。 [それを羨ましいとは思わない。もう、 そういった感情は持たないようにしなければならないと 自分は決めてしまったから。 桜花と羅生の間に何があったかは知らないが こうして、己と会話している君を見れば 何となく、根拠はないが。 それでも君は彼に愛されている。と実感するのである。 誰からも愛される君が 己とともにあることは、心地よかったのだと知れたのは とても良いことであった。己に、とって。] (10) 2023/11/27(Mon) 20:38:23 |
【人】 蕃神 雷恩 そうか。だとしたら ――嬉しいよ。 [うれしいよ。君がそう思ってくれることが。 手の甲を撫でる君の親指は、大きさは同じくらいなのに 己のものより細く嫋やかだ。 咲かす者の手だ。愛を知る、手だ。 それでも、嘗て ――羅生が彼を手で撫でているのを遠目から見たとき 嬉しそうにしていた、君の幼いころの手。 ふくよかで、色白で。柔らかそうな。 触れたら壊れてしまいそうなほど、きれいな 「紅葉」のようだと思ったのを、覚えている。] (11) 2023/11/27(Mon) 20:38:44 |
【人】 蕃神 雷恩[彼の話を聞く。 少しばかり疑問に思ったことはあったが。それはさておいて。 彼の話が、途切れるまでは口を挟まず。 そして、途切れた時に――開く。 言葉で、考えを伝えよう。君に。] (12) 2023/11/27(Mon) 20:39:09 |
【人】 蕃神 雷恩 羅生が桜花をあきらめる、か。 青天の霹靂にしか思えないが。 ……大丈夫、と君は言うが。 本当にそれでいいのか?桜花。 [ゆっくり、言葉を選んでいた君は 多分悩み、自分で自分を納得させようとした 或いは、させたのだろうことは理解したけれど。] きっと、羅生は桜花の親だから。 どんなことがあっても、君を見捨てやしないよ。 余計な世話かも、しれないが。 多少強引に。こうあって欲しいと願うのも。 悪くはないとは、思うぞ。 (13) 2023/11/27(Mon) 20:39:32 |
【人】 蕃神 雷恩 少なくとも――俺は、メディウムがここから出ると死ぬ。 とかでない限りは、根差せる最高の場所を 見つけるために連れまわす、つもりだから。 [ここに残るというよりも。どうせならと、 彼女を楽園から、連れ出す気満々だったのは、余談である。*] (14) 2023/11/27(Mon) 20:39:47 |
【人】 蕃神 雷恩 ……。 確かに、そうだ。 彼らAIは新人類がこの世界に適合して 大地を再生させるために存在している。 ―――と、定義されて旧人類の研究者に造られた。 だからといって、彼らは与えられたプログラムや ルーティンだけを用いて過ごすだけでは、ないだろう。 自身の「考え」は、前提としている条件はあるだろうが 持つものだと、思う。 そうでなければ。羅生が己と疎遠となることもなかったろう。 不適合と認識した、それでも基準値はきっと満たしていた だからこそ、その矛盾にエラーを起こした。 その結果の行動が、己から距離をとることだった。 と、俺は思索し、分析している。 それは、ある意味では「役割の放棄」だ。 ――なあ、桜花は、この事実をどう思う? [言語化するのは難しい、けれど。 役割以外を求めることを酷と考える気持ちも理解しているけれど。 羅生を例に挙げれば。このような行動をとることもあるのだと暗に。] (50) 2023/11/28(Tue) 21:22:08 |
【人】 蕃神 雷恩 それにな。 直青と話を、したのだけれど。 きっと。俺たちが不適格でも。 直青は見捨てやしないよ。 ――俺は、そう、思った。 [扱いは変化するだろうけれど。それでも 若しかしたら。枠からはみ出ることで俺たちは 彼らと新たな関係を作ることだってできるかもしれないな。 と、言い添えよう。 それでも、君の気持ちは痛いほどわかるから。] (51) 2023/11/28(Tue) 21:22:22 |
【人】 蕃神 雷恩 でも、なるべくなら。 ――彼らが望むこと、叶えてあげたいなぁとは思っている。 今迄与えられた分を、返したいと。 「嬉しかった」から。 それは、お前に貰ったものも含まれてるよ。 だから結構、ではなく とても、好きだよ。俺の弟。 (52) 2023/11/28(Tue) 21:22:40 |
【人】 蕃神 雷恩 ――だから。俺は、いずれ来る終わりまで。 できることなら 桜花や直青らと一緒にいたいと思うよ。 それにさ、「今」変化は難しくても 未来は誰にもわからない。 安直、浅慮かもしれないが 俺たちだって成長できたんだ。 彼らだって、変化することはあるんじゃないかな。 それとは別に、我儘を言うのは子供の特権だから。 かなわずとも、思いを告げることは 大事なことだと思う。お互いにね。* (53) 2023/11/28(Tue) 21:22:51 |
【赤】 蕃神 雷恩― 後日談 ― [己は、新人類としては植物の割合のほうが多い。 人の部分は感情方面に関しては未熟であり 肉体の成熟度は青年といって差し支えはなかったが 殊更、欲求というものに関しては覚えたことがなかった。 ――所謂生殖行動の教育に関しても 桜花は手取り足取りだったらしいが自分は放置だ。 いや、教科書1つだったといっていい。 知識は知っている。だがそれが必要になるかどうかは理解していなかった。 なので。彼女の行動に関して最初に思ったことは。 胸より二の腕のほうが柔らかいのだな。という 単に機能評価のこと。 あと、植物をあまり感じられないのは脂肪分がおおいからだろうか。 次に、思ったのは。 ――あ。>>*1] (*13) 2023/11/29(Wed) 18:52:04 |
【赤】 蕃神 雷恩[己の指を、食む姿。 たどたどしく、要求を告げて誘う娘に対して。 愛でたいという思いと もっと求められる姿が見たいという相反する感情を抱いた。] (*14) 2023/11/29(Wed) 18:52:21 |
【赤】 蕃神 雷恩 ただ、俺はどのように触れればよいのかわからないから。 君が、教えてくれないか。今度は。 どうすれば、「メディウム」はもっと 人としての部分も、花開く? [食まれた指で、頬肉を内側から緩くなぞる。 くちゅり、 と。 分泌しかき混ぜられた唾液の音が彼女の鼓膜を震わせるだろう。 そのまま歯列を指腹で撫でつつ、名を再び呼んで促しを。 教科書通りにしたら良いのだと、理解している。 だが、それでは彼女から求める姿はあまり見られないだろう。 それは、あまりよろしくない。 君が恥じらいながらももっと俺を求めるのを。 ――もっと依存させるにはどうすればよいのか。 小さく笑みを浮かべながら、彼女の羞恥を煽りながらも 内心は。常に思索を巡らせる。*] (*15) 2023/11/29(Wed) 18:52:53 |
【人】 蕃神 雷恩― 桜花と ― [桜花が、感心したように。 感嘆したように、紡ぐ。] ――すごくは、ないよ。 でも、変化するのは俺たちだけじゃないと 今、桜花は知った。 なら、桜花だって世界が開けて 変わるものも、あるんじゃないかな。 [彼も、また。 己の考えを聞いてどう変わっていくのか。 君の沈黙と、零れた言葉とを耳にしながら 俺は君を見ている。 ――人の父親、については己も知らないけれど。] (103) 2023/11/29(Wed) 19:06:33 |
【人】 蕃神 雷恩 そうだな。父親は。 俺たちにとっては直青たちで。 きっと、どんな理想の親があったとしても 俺たちの父親は、彼らだけだ。 ……まあ、群鷺は、そうだな。 [その時君に、誰の顔がよぎったのかはしらねども。 それでも君は、考えることを知った。 諦めないことを、知った。 それだけでも、きっと君は、変わった。] (104) 2023/11/29(Wed) 19:06:44 |
【人】 蕃神 雷恩 ずるくない。 ……ずっと胸の中にあって 言葉にようやくできた、だけだ。 だから。伝えたかった。 一番最初に、片割れに。 [だから教えた。と くっくと喉を鳴らして。] (105) 2023/11/29(Wed) 19:06:55 |
【人】 蕃神 雷恩[座り込んで、顔を膝で隠す君は 迷子の子供が、漸く導を見つけて安堵するかのよう。 おにいちゃん、はそれを見守りながら。 じっと君の言葉を、きいている。] それは、俺のほうが先に造られたからな。 ――なら、 もう少し、探してみよう。 皆が一番きれいに咲ける場所。 まだ、俺たちは成長しきるまで時間が必要だもの。 何時かの時に 寂しさと、感謝で別れられるように。 [まだ、必要なのだと心が叫んでいるのなら。 いつか来る終わりが避けられないとしても。 子供の特権、利用してしまおうか。と 君の耳元でささやいて、小さく笑った。*] (106) 2023/11/29(Wed) 19:07:09 |
【赤】 蕃神 雷恩[君の中を、探るように。確かめるようにしていた指は 君の分泌物に濡らされたまま外気に排出される。 彼女の拙くも直球めいた誘いから推察はしていたが メディウム自身も生殖行為に関しては あまり詳しくはない、ようだ。 自分がリードする、と見栄を張らない当たり 動揺しているようすが具にわかり面白い。 ふむ、と思案しながら、 君に導かれるまま自室へと案内されようか。 袖を引く手は白く、細く。 彼女の手から上。 ゆったりした服に隠された肌の下で脈打つ葉脈。 一体どんな美しさを孕んでいるのだろうか。 植物同士で交わる際には、ただ絡んだ根と、 彼女の中の「貴女」とが 視覚ではなく触覚で愛を交わしあったものだから。 実際、じっくり観察するというのは初めてのことに思う。] (*20) 2023/11/29(Wed) 21:57:14 |
【赤】 蕃神 雷恩[彼女の部屋は、自分の部屋よりもまだものがある。 人に近しければ自己が保有する物は増えていくのだろうか。 という感想は胸の内に留めておいた。 ところで。 保健体育の教科書(直青監修)によると、人間同士の生殖行動は まずは互いの肌に触れあう行為をするのだという。 それにより肌の相性を確かめ合うのだとか。 促しに応じてベッドに座って向き合えば 1つ、また1つと重みが加わる際に軋むスプリングの音。 ――どうも、肌を見せ合うことを メディウムは疎んでいるようだ。と気づく。 保健体育の教科書、しょっぱなから躓いているのだが直青。 どうするんだ。と内心考えつつ、口を開いた。] (*21) 2023/11/29(Wed) 21:57:27 |
【赤】 蕃神 雷恩 見せたくなければ見せなくて構わないよ。 ただ。俺は―― 君と交わる中で君の中の「貴女」も愛でたくはある。 君は疎むかもしれないが。貴女を孕んだ君は美しい。 [もともと植物に近い己に容姿を卑下する彼女の思考は あまりトレースできてはいないのだが。 彼女の意思を無碍にすることはない。 嫌なら、それ以外で君を見せてもらおうか。 君の手に、己の手を添えて続きを促そう。 服を脱がなというのなら、どう君が動くのか。 興味は尽きない。ああ、これが「 楽しい 」というものか。*] (*22) 2023/11/29(Wed) 21:57:47 |
【赤】 蕃神 雷恩[見惚れた。>>*23 白い肌に浮かんだものは、血管のような走行を見せている 薄っすら彩るライトグリーンの葉脈が美しい。 思わず手を伸ばす。 胸より上。鎖骨より、下。手を置いて、 そのまま葉脈を肌の上からなぞる。 吐息とともに。綺麗だ。とうっとりとした声音で。 彼女の自虐も意に返さずに。 ――と。 しばし堪能していたかったのだが 彼女の言葉に我に返った。>>*23 「一応」彼女に教えてもらうということになっているのだ。 躊躇わず上の服を脱ぐ。こちらはというと普通の人の肌をしている。 根を張る時には蠢き、生えてくるのだけれど。 わかるか?と尋ねられて 「知識としては理解している」けれど――] (*24) 2023/11/29(Wed) 22:32:37 |
【赤】 蕃神 雷恩 経験はないな。 だから、教えてくれるよね。メディウム。 [囁いて、君の唇に己の者を重ねよう。 舌先で重なった部分のスキマをノックして、 彼女が絡ませようとしたところを吸って、 交わらせてしまおうとして。 ――教えてもらう、という建前だから。 こうだろうか、 と息継ぎの合間にでも無知の振りでもしてしまおう。 実践は初めてなのだ。嘘はついていない、嘘は。*] (*25) 2023/11/29(Wed) 22:33:06 |
【赤】 蕃神 雷恩[彼女が、己の裸体にどのような感情を抱いたかはわからない。 が、感触が悪くなさそうなのは 手に触れた肌から感じる脈打つ血潮――或いは、葉脈の疼きか。 それが、教えてくれる。 こんなにも、君は君の興奮を、歓びを 教えてくれているというのに 視線は逸らすんだね。 初心で、可愛らしいことだ。 ] (*28) 2023/11/29(Wed) 23:13:38 |
【赤】 蕃神 雷恩 ――ずるい? どうして。 [君の方から求めてよ。と 言葉にせずに、態度で示す。 これは確か、駆け引きというのだったっけ。 使いすぎは厳禁だけれど、 普段はつんとしたり、不器用に甘えてくる君が能動的に望んだことなれば。 彼女が積極性を「魅」せてくれるなら、 その限界を今。試すのも悪くない。] (*29) 2023/11/29(Wed) 23:13:48 |
【赤】 蕃神 雷恩 ん。 ふ、―― 、っ。 [呼気を絡めとる。 己の吐息と交じり合わせ、君の肺腑に注ぎ込む。 中から、染め上げて、撫であげて 酸素を運ぶ細胞1つ1つを俺で満たしてあげようか。 なんて、口にはださないけれど。 拙く絡んだ舌を、引きずりだした君の慾を 煽る様に水音を奏でながら、君の味蕾を舌先で嬲る。 指を食んだ際に、美味しそうな様子だった君 俺の舌は、唾液はどんな味がする? 頬肉を嬲り、歯列をなぞり。エナメル質を蹂躙すれば 酸欠になる前に一旦合わせた口を離す。 その際に腕を君の腰に回して抱き寄せて 己の膝の上に、跨らせるようにして尋ねよう] (*30) 2023/11/29(Wed) 23:14:12 |
【赤】 蕃神 雷恩 次はどう、 愛 したい? 可愛い君。 [背を指で撫であげながら囁く声を届けよう。 先程まで君を愛していた舌で、己の下唇を一度舐め。*] (*31) 2023/11/29(Wed) 23:14:28 |
【赤】 蕃神 雷恩[それはこたえじゃない、などと野暮は言わない。 言いたいこと、伝えたいこと。感情は全部伝わっている。 君が、「貴女」が教えてくれている。 嬉しい。でももっと欲しい。 ――欲張りにさせたのは君たちだから。 責任だってきっと、とってくれるよね? 熱くなった体。肌の下の「貴女」も熱くなっている? 教えてよ。 ――今は直接、交われないから。薄皮1枚隔てながら。 色濃く脈打つ背より見える君を撫で。] (*34) 2023/11/29(Wed) 23:54:44 |
【赤】 蕃神 雷恩 そう、好きなところを――…… [手は、撫でる。 掌を肌に押し付け、君の肌を葉脈に沿って。 唇は、触れる。 首筋を、葉脈に沿って鎖骨下まで甘く食みながら。 それでも「女」の部分には触れない。 自分の好きなところを、触って良いというのだから。 知らぬ部分を「好き」かどうかは判断できない。 彼女の躰の熱が全身を巡り、 下腹部に集まっても。 女の部分が濡れて求めていたとしても。 脈打つ植物と、君の肌の熱が感じられる幽明のコントラストを ただ、執拗に愛でて。] (*35) 2023/11/29(Wed) 23:54:58 |
【赤】 蕃神 雷恩 君の肌は、あたたかいね。 [囁きも、皮膚に近づけてのものだから。 それすら刺激になるのだろうか。 きざしを君から告げることを待っているのは。 己の男の部分を求めていることを君の口から聞くまでは 言って、あげない`*] (*36) 2023/11/29(Wed) 23:55:16 |
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