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【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ 各地に隠れ住む、背信の烙印を押された反教会派の人々を探した。 その者達は人も魔も忌避し静かに生きることを望んでいたが、 痣を見せて自身の体験と教会の真実を語れば、 ある程度の協力を望むことが出来た。 自分が生きている限り生まれない筈の新しい勇者に出会った時、 説得を試みた結果逃してしまい、教会に裏切りを知られたのは失態だ。 教会に新たな嘘の筋書きが加わる。民が魔族に耳など貸さないように。 人類だけが武器を振るっていたのではない。 どんな考えがあろうとも、魔族の歴史もまた血に塗れている。 “血を流さず言葉で全てを解決する“笑える程の理想論。 元より無かった可能性は、ゼロに等しくなってしまった。 ] (*23) 2020/10/26(Mon) 19:05:30 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ 背信者の数は、教会と争うにはとても足りない。 魔族という戦力を投入すれば、説得力が消える。 教会に攻め入らねば真実を明らかに出来ない、 しかしそうするには勇者を生み出す教会を止めねばならない。 数多の矛盾が足止めとなった。 激しさを増していった人類の攻撃、戦いの負担も比例した。 根の破壊を試みるにも、人類は当然強く抵抗し各地で争いは続く 長引けば長引く程勇者は強くなり、魔族の首を刎ねていった。 一人の勇者が土に還らなかったことにより、 その力を多少後退させられたとは思われるが 元より一代が十年続けば随分生きたと言われる程度の儚い存在 すぐに遅れを取り戻す、至るべき領域へと育まれていく。 見つけた種は一向に芽を出さず、 あの木だけが豊かな土の元、天を目指して伸びてゆく。 ] (*24) 2020/10/26(Mon) 19:05:56 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ そうして裏切りから百と十数年後。 ────「最後の勇者」が生まれてしまった。 圧倒的だった。 まだ少年時代の面影を持った齢で、たった一人で魔王領に踏み込み 阻まんと立ち塞がった幹部は、ほぼ壊滅。 生き残ったのは自分と、鎧の如く堅い身体の獣人 それに元より能力が戦闘向きではなく前線に出ない参謀のみ。 竜族リヴァイアサンは、王を守る為に命を賭け、没した。 王妃となる前は戦場で牙を振い女将軍と呼ばれていたという。 凛として聡明で多くを語らない、夫たる方によく似た性格だったが 最期に撤退の命に従わない頑固さを見せた。 ] (*25) 2020/10/26(Mon) 19:06:15 |
【赤】 裏切りの勇者 フォルクス[ そして、既に敗退し勝ち目の無い生き残りの配下達に 死するまで仕えることを決して許さずに、 城から離れた人狼の隠れ里へ転移させたメフィストもまた。 ────今思えば あの方にとって、それも計画の一つだったのかもしれない。 世界を救わんとするような、魔王らしくない気持ちもあったのだろうか それ程に「奴」は異常であったから。 ] (*26) 2020/10/26(Mon) 19:25:24 |
【人】 魔王軍幹部 フォルクス[ 400年目の記念式典、聞こえでは長く続いているように響くだろう。 しかしこの地はかつて、魔王が討たれた後に激しい戦いが行われ、 明らかになった真実により、再興の声すら十年以上出ることはなく ヤドリギ諸共永遠に封印されるかと思われていた。 聖都が忌まれたからだけでなく、世界が変革を迎えていたことも要因。 新しい形で都が動き出してからも、 条約の取り決めや対談ではなく祝の為に各国のトップを集める場は、 中々に実現が難しかったらしく、ごく近代から始まった試みだ。 現在も開催は毎年ではなく、世界情勢により中止になることもある。 更に魔族の出席が許されるまでには時間がかかった。 硝子の破片を怪我をせぬように拾い上げ、形を整え繋ぎ合わせる。 人類が現在している苦労は、そういったものかもしれない。 教会がしていたことはただの悪と断じられるものではない。 その威名が崩れ落ちたことによる不利益も、確かにあった。 ] (51) 2020/10/26(Mon) 23:30:35 |
【人】 魔王軍幹部 フォルクス[ 人類の王侯貴族達と並び、用意された席に腰を下ろしている姿を 距離の離れた場所から他の幹部らと共に眺めていた。 それでも自分達は、広場の中にいる。 厳重な警備により、民の立ち入りは許されていない。 しかしその外側から式典の様子を見ることは出来る。 拡声魔法により、声も届くだろう。 我らが王同様の、戦争を知らない人類達は どのような気持ちでこの光景を見ているのだろうか。 同行する度にこの時間、同じようなことを考えている。 ] (52) 2020/10/26(Mon) 23:30:55 |
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