情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 杓谷 薫「人は沢山の失敗をしてしまうものですからね。 そこから学べたのなら良いのかもしれません。 …甘えたい、とか。許されたい、とか。 そんな気持ちを抱えているのは否定できません。」 >>22問いかけにふふ、と笑いながら。 今できたばかりのフレンチコネクションを軽く掲げてから口にした。 不思議な世界の住人は、けれど秘めた心を隠してる。 喉を灼くアルコールの強さに目を細めた。 「けれど…こう、大人になると難しいですよね。 だからこそ、飲んでしまうんですけど。 でも、ちゃんと自制はしていますよ。」 むやみやたらに甘える事も、自暴自棄になる事も今はない。 お酒に逃げるだけの日々はもう無い。 けれど、その分勇気に欠ける日々が続いている。 そんなことを思うと、胸に寂しさが宿るけれど。 (25) 2023/04/10(Mon) 23:43:42 |
【人】 杓谷 薫「…そう言えば。 私、薫です。」 自分は彼女の名前を知っているけれど、名乗ったことはない。 そう思い、コースターを裏返すとそこに自分の名前を記した。 杓谷薫、と。** (26) 2023/04/10(Mon) 23:44:01 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「確かに。ラムコークなら家でも作れるけれど、マリブは…うん、こういうところで飲むならこっちね。」 少し特別感のある香り。官能的といわれるのも確かに納得がいく。 オーダーの事やバーでの仕事の内情はわからないにしても、彼女の話の一端からだけでも、 一部の男性客相手の苦労は何となくしのばれた。 飲みの誘いや、個人的なことを聞き出されるのは確かに気分はあまりよろしくないだろう。 下心交じりであれば特に。 「なるほどね。自分で作ったものの味はわかっておきたい、そりゃそうだ。 …そっか、うん。あなた、結構モテそうだもんね。 私も似たようなものかもしれないけど。」 女性が恋愛対象。それに応える代わりに、自分の事を小さく付け加えた。 正確には恋愛対象がはっきり女性というわけではない。女性でも抱ける、抱かれられるという程度のもの。 昔付き合っていた相手は男性だったし、恋愛を介しないにしても、ほとんどの相手は男だった。 もっとも、その記憶は大半ないのだけど。 女性は1人だけ。しかも恋愛関係ではなし。ただ、決して悪くはなかった。 精神的な満足という意味では、ある意味男以上だったかも。 なんてことをふと思う。 (27) 2023/04/11(Tue) 6:23:34 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「まあ……ね。酒の席での失敗は本当にいろいろしたわ。 学んだよ、すごく。 そっか。…そうよね。そういう事もあるもんね。」 甘えたい。許されたい。許されたい、というのはどういう気持ちだろう。 アルコールを言い訳にしたいと思うことは私もあったけれど、そういうことだろうか。 彼女のグラスから漂うアーモンドとアプリコットの香りは正に杏仁豆腐のもの。 フレンチコネクションの名前は知らなくても、この香りは一度嗅いだら忘れない。 乾杯とは言わないにせよ、私も軽くグラスを掲げてマリブコークを呷った。 「わかるよ。…うん、大人になると、素直に人に甘えたりするのは難しいよね。 飲んでも、自生制が効かないこととかあって、失敗したりして、なんとか立ち直って…」 今はもう、サークル時代みたいな失敗もしないはず。 失敗して失うものは大きいし。 寂しさを我慢するほうが容易いからそちらを選んだ。 (28) 2023/04/11(Tue) 7:00:56 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮ごくりと喉を鳴らしてグラスを傾けマリブコークを飲み干す。 ふと、差し出されたコースターに書きつけられた名前に目が止まった。 「薫さん?杓谷さんね。 そう言えば、いつも私のオーダー、先に準備してくれてるよね。 ありがとう。って、前から言いたかった。」 彼女、薫さんの整った顔を見つめて目を細める。 それから空になったグラスを差し出した。 「私にも、あなたが飲んでるのと同じもの。もらえるかな?」* (29) 2023/04/11(Tue) 7:16:29 |
【人】 杓谷 薫「ふふ、辺見さんは美人さんですからね。 美人な常連さんは大事にしたいですから。」 >>29喜んで貰えたならと笑みを返す。 けれど、追加オーダーに目をまるくする。 先程は酔わない程度の、と言っていたのに。 「結構強めですよ。」 けれど、その一言を添えて断りはしなかった。 空いたグラスを下げるとフレンチコネクションを手早く作りはじめる。 全てを入れてステアして、からりと音を鳴らして彼女の前へ。 「どうぞ。フレンチコネクションです。 度数はおよそ30度。 甘いですが強いカクテルです。 1971年に公開されたアメリカ映画の フレンチコネクションから命名されました。」 差し出しながら蘊蓄も一応添える。 映画のタイトルにして、その内容は犯罪絡みの組織の事だ。 けれどその風味はとても甘く、それでいて強く。 自分の分のグラスを手にしてまたそれで口内を潤した。 (30) 2023/04/11(Tue) 18:06:02 |
【人】 杓谷 薫「甘えたかったり、弱音を吐きたかったり。 もしそうなら、お話し伺いますよ。」 そして会話の中から、これくらいならとつい口にした。 仕事のこと。恋のこと。人生のこと。 カウンター越しにお客様から語られる言葉を、店員として受け止める為に。 バーテンダーはそんな事も仕事なのだ。 癒されたい誰かにお酒を提供しながら、吐き出される悲しみや寂しさをそっと受け止める。 でも。 もし、機会があるのなら。 「…もし良ければ、お店の外ででも。 辺見さん、とても素敵な方ですから。」 こんな事を言うのは、女性が恋愛対象だと言った後では悪手だろうか。 でも、冗談で済ませられるよう。 ウインクしながら、グラスを傾けた。* (31) 2023/04/11(Tue) 18:06:18 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮美人、と容姿のことを言われるのはよくある。 仕事柄もあり、身だしなみはきっちりしているつもり。 でも嬉しいものだ。 「んー?ふふ、ありがと。 薫さんも私以上に綺麗だと思うけど。 …大丈夫、少し強めくらいなら。 それより、貴女の飲んでるものに興味が出たってことかな。」 両手で頬杖をつきながら、薫さんの手際を観察させてもらう。 アマレットとブランデーだったっけ。混ぜ合わされればブランデーの豊潤な薫りにアマレットの杏仁の芳香。合わさって芳しい。 薀蓄に耳を傾けつつ、一含みすれば口内が満たされる。 (32) 2023/04/11(Tue) 19:06:02 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「へえ、犯罪組織の映画… ホントだ、30度。強いわけだわ。でも…いいね、これ。 うん、気に入ったかも。」 もう一度口に含めば久々の強いアルコール。体の奥に熱が入るのを覚えた。 薫さんから、話を聞くと言ってくれたのはそのあたり。 グラスを軽く揺すりながら、少し苦笑い。 「弱音か。…そうなのかな。 …そうかもしれないね。 わかっちゃうんだろうな、こういうの。」 合わせて添えられた言葉>>31に、ふと顔を上げ、ウインクと視線が合った。 (33) 2023/04/11(Tue) 19:06:37 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「あはは。ありがとう。…でも、いいの? ゆっくり話を聞いてもらえるのはありがたいけど…」 ただの客にそこまで付き合ってもらうのは悪い… と言いかけて、言葉を止めた。 もちろん、ただの客にそこまでする道理なんてないはずだ。 だから、彼女は私のことをただのバーの客とは見なしていない。 彼女は自分に言い訳したくて、私は思いを吐き出して甘えたい気持ちがあって。私は彼女に興味を惹かれた。 なら、答えは一つしかない。 (34) 2023/04/11(Tue) 19:11:13 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「ううん、なんでもない。 明日は休みだし、薫さんが良ければ、お仕事終わりに 外ででも話を聞いてもらえたら、嬉しいなって思うわ。」 ウインクに応えるように、頬杖のまま小首を傾げてみせた* (35) 2023/04/11(Tue) 19:13:33 |
【人】 杓谷 薫そう。 認めてもらいたい。許してほしい。 自分の身体を。この器を。 願えば、体にメスを入れてどちらかの形になることは出来た。 実際に精巣はこの体には害になる可能性があるからと除去する事を薦められる事もあった。 でも、私は選べなかった。 生まれたままの自分の形を、それを誰かに受け入れてほしいと願っている。 この形が私そのままなのだと、わたしはこのまま生きていきたいと思っている。 戸籍は男性。 性自認は女性に近く、恋愛対象は今となっては女性に傾いている。 男性に抱かれた事もあった。 けれどこれは違うと思ってしまったし、現に上手くはいっていない。 女性と恋愛した事もあったけれど、長くは続かなくて。 >>33そう、今この瞬間だって許されたい。 それを、過去のように自暴自棄になるのではなく、叩きつけるのではなく。 受け入れてもらえずとも、ただ在ることを認めてもらえたなら。 (36) 2023/04/11(Tue) 20:56:59 |
【人】 杓谷 薫「…直ぐ上がりますから。」 >>34何かを言いかけたようだった。 >>35けれど、小首を傾げて誘いを受け入れる彼女を見て、思わず頬が緩む。 クイッとグラスを呷ると甘いアルコールが喉を灼く。 マスターに声をかければ、仕方ないわねと言ったふうに笑顔で解放してくれるはずだ。 今日は新人くんもいるし、それでいてお客様も少ない。 それでも、ある程度引き継ぎや片付けで待たせる事になっただろう。 奥に引き、戻ってきた私はパンツスタイルの私服に着替えて、彼女の元へ。 「お待たせしました。…どこに行きましょう? カフェでも良いですし、 私の部屋も近いですよ。」 お客様を部屋に連れ込むとは、と言われるかもしれない。 けれど、職業柄ある程度アルコールは揃えてあるし、簡単な肴も作れる。 二次会に使われる事自体はよくある話なのだ。 けれど、深夜にやってるカフェで話すのも悪く無い。 彼女を連れて外に出ようとしながら、囁いた。 (37) 2023/04/11(Tue) 20:57:20 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「ん、そうなんだ。 じゃあ、このまま待たせてもらおうかな。」 どうやら、私の勘違いというのではなかったらしい。 それに、社交辞令というわけでもなかった。 くいっとグラスを煽るのに合わせて、私も。互いにカクテルを飲み干せば、アマレットの香りと強い酒精が喉を灼く。 薫さんの声をかける先、>>37マスターの方に視線をやれば、快諾してくれた様子。 他の客も少なければ、そのくらいは融通が利くのだろうか。 しばらく待っていれば、私服に着替えた彼女が現れる。 (39) 2023/04/11(Tue) 21:58:36 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「ううん、そんなに待ってないよ。 どこがいいかな。 私はこの辺はこのバーとランチを食べるようなところしか 普段立ち寄らないし… カフェもいいけど。……でも、そうね。 薫さんの部屋でもいいなら…… お言葉に甘えさせてもらおうかな。 ゆっくり話をさせてもらうなら、そっちの方が いいかもしれないしね。」 囁きに小さくうなづいて返す。 わざわざ部屋にあげてくれるというのなら、断る理由はもうない。 私の部屋は家具と本棚とベッド程度の殺風景なものだけれど、彼女はどうだろう。 自宅をバーカウンターのようにしている人も中にはいるらしい。 そういうものだったりしたら、そうでなくても面白そう。 だから、彼女の部屋を、と。そう所望した。 (40) 2023/04/11(Tue) 21:59:25 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮歩きながら、隣の彼女に視線をやる。 彼女といったのは結わえた髪と女性らしさをしっかり感じるフォルムのせい。けれど、こうして近くで見ると顔立ちは少し中性的なものを感じなくもない。 短髪にしたら一瞬迷ってしまう可能性もある。 けれど、私の印象では彼女はやはり女性だった。 こうして私を誘ってくれる人は、なんだかんだで時々いる…というか、実際今日も所長に飲みに誘われたりしたわけで。 それらは全て男性だったのだけど、彼らと今隣にいる彼女の間には、うまくは言えないけれど何か違うものがある、気がした。 もっとも、最終的にはそんなに違いはないのかもしれない。 違うとしたら、多分それは私の感じ方なんだろう。 その正体はわからないけれど、ただ、彼女が私に興味を持ってくれていること、私もそんな彼女に興味を持っていること。 それだけはどうしたって確かだった* (41) 2023/04/11(Tue) 22:08:34 |
【人】 杓谷 薫私の部屋は1LDKだ。 寝る部屋と、食事をして寛ぐ部屋。キッチンはカウンター式になっているものの、普段はそこを活用することはない。 カウンターになっているだけで、テーブルを出すのが面倒だからとそこで食事をするだけの場所になっている。 しかしこうして人が来た時は別。 ただの客と店員でもないのに、カウンター越しに話したりカクテルを作ったりもできるのだ。 ただし、この配置は食事をしながらテレビを見たい時には不便だったりする。 テレビは其の向こう側、ソファの方に向けられているから。 そんな部屋に、最近気になっていた女性を招待する。 少し緊張するけれど、人を誘える程度には片付けていてよかったと安堵もした。 彼女を連れてやって来た私の家は、店から数分のマンションの中。 共通エントランスを開けて、エレベーターで三階の角部屋に向かう。 (42) 2023/04/11(Tue) 22:29:10 |
【人】 杓谷 薫「特に面白いものもないですけど…。 ゆっくり寛いでくれて構いませんから。」 鍵を開けて、彼女を誘う。 私の部屋も余計なものはあまりない。けれど、部屋には甘やかなラベンダーとオレンジの香りが仄かに漂う。 部屋ではリラックスできるようにと、常用しているアロマの香りだ。 部屋に写真の類はなく、マガジンラックにはカクテルやアルコールに関する書籍が入っている。 この部屋には大きめのソファに、サイドテーブル。 カチリ。と、鍵を閉めてしまったけれど、…良いよね? 彼女をソファに案内して、私はキッチンに向かう。 簡単につまめるものと、何か飲み物を用意しようと。 (43) 2023/04/11(Tue) 22:29:24 |
【人】 杓谷 薫「どうしましょう、まだアルコール飲みますか? ノンアルコールももちろん用意できますけど。 …食べるのはクラッカーとチーズ、 それにピクルスならさっと出て来ますよ。」 もちろん、時間をかければ他のものも作れる。 けれどカロリーも気になる時間帯かと、あれこれ準備しながら問いかけるのだ。 それにしても。 (…期待しても、良いのかな?) 自分は、女性が恋愛対象だとはっきり伝えている。 それなのに、と少しばかり期待してしまう自分がいる。 でもそれは、自分を女性として見て、なのだろう。 いつもは自分自身、女性として生きて暮らしている。 立派に育った胸を隠すつもりはないし、気に入ってもいるからだ。 でも、それなら。 (44) 2023/04/11(Tue) 22:29:41 |
【人】 杓谷 薫(…そうなってから、伝えても良い…よね。) つきり。ほんの少しの罪悪感。 悟られないように、飲み物とおつまみとを携えて、彼女のもとに行こう。* (45) 2023/04/11(Tue) 22:29:56 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮リーリエから歩くことほんの数分。 エレベーターに乗って案内された3回の1LDKの部屋は、私の間借りしている部屋よりは洒落た感じになっていた。 通されたソファに腰かける。 「お邪魔しまーす…… いい香り。 ラベンダーと…オレンジね。 ううん、そんな事ないわ…十分面白い。 私の部屋はもっと殺風景だし。来てよかった。」 少しぶしつけかなとも思いつつ、ざっと眺めた部屋はさっぱりしていたけれど、大きめのソファに、カクテルやお酒についての本を収めたラック、カウンター式のキッチン。 確かにこれなら、人を誘って飲みなおすにも不便はないだろう。 彼女の人となりは信用できると感じているし、誰の邪魔も入らない。カフェよりもこっちでよかった、と自分の選択の正しさを内心誇った。 鍵を閉めた音>>44は特に気にならなかった。 (46) 2023/04/11(Tue) 22:48:59 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「そうね… アルコールはもういいかな。 もしソフトドリンクかノンアルコールの何か… あれば一杯だけ。 おつまみはそれで充分かな。お願いしてもかまわない?」 薫さんに応えながら>>44、彼女が準備する様子を眺めていた。 こうして誘いがあって部屋に通してもらっているし、恋愛対象は女性だとはっきり聞いている。 だから、話をして、場合によってはその先だって十分考えている。 彼女の秘密だけはこうしていても知る由はないけれど。 自分に言い訳したいのだとしたら、まさに今こうしている誘いの事だと思っているから。 (47) 2023/04/11(Tue) 22:49:34 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮薫さんが飲み物とおつまみを持ってきてくれたら、 「えっと… そうね。まず乾杯する? 何にって話だけど……二人の健康とか、 ……出会いは…ちょっとくさいかな? まあ、でも…乾杯。ね?」 なんて話してみるのだ。私の話はそれからでもいいはず。 聞かれたら、少しずつ話し始めよう* (48) 2023/04/11(Tue) 22:50:42 |
【人】 杓谷 薫ノンアルコール、とのことなのでスポーツドリンクをチョイスする。 ただのミネラルウォーターより身体に浸透しやすく、二日酔いを避けるのに好都合だからだ。 グラスに氷を入れて冷やし、そこに注いでいく。 トレイに二つのグラス、そして平たい皿につまめるものを乗せて彼女の元へ。 サイドテーブルにトレイを置いて、グラスを持つ。 彼女の隣に腰を下ろして、グラスを軽く合わせる前に。 「そうですね、乾杯…。 2人の平穏に、とか? 健康も確かに大事ですけど、 心の平穏も同じくらい大切ですし。 健康とか言い始めると思う以上に年齢を感じちゃいますし。」 多分彼女も同じくらいの歳だろう。 歳を重ねるのは悪いことではないけれど、若かった頃は〜とそちらの話題ばかりになりそうで、つい笑ってしまう。 年齢のことをまだ笑えるうちは、まだまだ自分も若いのかもしれないけど。 くすくす笑いながらグラスを合わせ、ゆっくりと水分を補給していく。 まだ酔うまではいってなかったけれど、それでも確かにアルコールを摂取した体に瑞々しさが宿る気がした。 (49) 2023/04/11(Tue) 23:03:29 |
【人】 杓谷 薫「ところで、辺見さん…、華蓮さん。 華蓮さんのお話、早速聞かせて頂けませんか? 寂しかったり…甘えたかったり? 大丈夫、いまは私しかいませんから。」 グラスを置いて、にっこりと笑みを浮かべる。 彼女が話しやすいように、と真っ直ぐには見つめないけれど。 伸ばした手を彼女の膝の上に乗せて。 ぽん、ぽん、と軽く叩いて促した。* (50) 2023/04/11(Tue) 23:03:44 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮差し出されたのはスポーツドリンク。ちょっと意外ではあったけれど、確かに酔い覚ましにはこういうのがいいのかもしれない。 手に取れば、グラスの冷たさが心地良い。 薫さんが腰を下ろすのは私の隣。ソファだから当然とはいえ、こんなに短時間でこんなに距離が縮まっていることにも、 それに特に違和感を感じていない自分にも驚いた。 「ふふっ。そうかも。健康はちょっとまだ早いかな。 薫さんも…まだ20代かな。私もまだ28だし。 うん、じゃあ二人の平穏に、かんぱい。」 今より若かった頃、というと学生の頃だろうか。 確かに懐かしいし、あの頃の話なら楽しいこともいっぱいある。 話したくないこともあるにせよ。 グラスをかちりと小さく合わせて、喉に運ぶと多少とも火照った体に潤いがしみ通っていく気がした。 (51) 2023/04/11(Tue) 23:22:48 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「いただきます。…うん、おいしい。いつも、夜はおつまみくらいであんまり食べないから。」 口に運ぶのはクラッカーに乗せたチーズの小片。もう少し何か食べたかったお腹にはちょうどいい。 もう少し飲んだところで、薫さんの方から話を促されてそうだった、とグラスを置いた。 「ごめんね。そうだった、こうしてるのが楽しくてついつい。 私の話、聞いてくれるんだったもんね。」 膝の上に置かれて、先を促すように軽く叩く手にふっと緊張が解かれて表情を崩す。 にこりと笑う薫さんの方に視線を向けながら口を開いた。 (52) 2023/04/11(Tue) 23:23:03 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「といっても、具体的に何がってわけでもないんだけど…… 寂しさと甘えたさっていうのは確かにある、のかな。 そんな大した話でもないんだけどさ。 私ね、学生の頃はもっといっぱい飲んでて。酔い潰れるまで飲むのが普通だったんだ。 それでいろいろトラブルなんかもあったりして…まあ、今更いうのも恥ずかしいけど、お持ち帰りみたいな。 でも、私はその事ほとんど覚えてなくて…また同じような事を別の相手とやっちゃったりして。 そういうのが続いて、さすがに痛い目も見たから泥酔するまで飲むのはやめて… 今はもう本当にやめたんだけど。 (53) 2023/04/11(Tue) 23:33:49 |
【人】 行政書士 辺見 華蓮「逆にお酒が入ってないと、 なんかうまく人とプライベートに付き合えないっていうか、 なんかうまくいかなくて…… ずっと誰かと付き合うとかそういうのもなくて、 このままずっとそんな感じで生きてくのかなって。 それも悪くはないけど、なんかね…… たまにそれが無性に寂しくなったりもする、みたいな。 そんな感じ。」 なんだか思ったよりまだ酔っているのか、あまり脈絡のないような話になってしまった。 でも、聞いてくれると言ったんだし、構わないかなって。 「…うん、大した話でもないかもしれないけど。 薫さんは…そういうのもなさそうだよね。」 なんて、ふと話を聞いてくれている彼女のことを尋ねてみた* (54) 2023/04/11(Tue) 23:34:32 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新