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【人】 上原 隆司 そんなに気にすることはないよ。 [問題があったとすぐに反省ができるのなら、良識はある子なのだろう――上原は素直にそう認識した。 それにしても、上原が恋愛も結婚も「面倒臭そう」と感じてしまうのは、普段仕事で見聞きする話題のせいなのか。 1年縛られる間に自分に出会いがなくなろうが、実際に困ることはあまり無いような気はしていた。 それでも軽はずみに受ける話題ではないのだけれど] (55) 2021/02/28(Sun) 13:58:48 |
【人】 上原 隆司[クッキーをかじってチョコレートを味わってから、コーヒーをまた一口。 >>53 >>54彼女の答えを聞きながら、上原がなんとなく思ったことは] 距離が近すぎたのかねえ……。 [そばにいるのが当たり前の……例えば、家族。 夫婦で恋心を抱き続けるのは難しいと聞く。兄弟姉妹に恋はあまりしないだろう。 彼女たちの実情はもっと複雑だったのだろうけれど、そこまで聞かない上原が出した結論はそんなところだった] 恋は駆け引きってよく言うしな。 惚れさせる努力ってのはいろいろあるんだろうな。 [そこまで言うと、上原は一度煙草に手を伸ばした。火をつけっぱなしで溜まった灰を落として、軽く煙を味わい、座席の背にもたれた]* (56) 2021/02/28(Sun) 13:59:09 |
【人】 矢川 蛍 まあ、そうでしょうね……。 [距離が近すぎた。それがきっと1番の問題だ。 傍に居るのが当たり前。隣に居るのが当たり前。 お互いに両親が仕事で忙しくて不在がちだったから 互いが互いの家族のようだった。 それなのに恋心を抱いたのが間違いなのか。 それはきっと、確かに恋だったのに。] (57) 2021/02/28(Sun) 14:15:15 |
【人】 矢川 蛍 んー……、でも。 確かに、私が恋人や彼氏欲しいって言っても絶対に じゃあ俺と付き合ってみる? にはならなかったんですよね。 でも、っ……私が誰かと付き合ったなら妬くなんて そう言われたら、期待、しちゃうじゃないですか。 [一瞬、言葉を詰まらせたのは 誰かと付き合ったらではなく、エッチの時の話だから。 流石にそこまで言えないと言葉を選んで くぴ、とコーヒーの苦味を喉に流し込む。 そう、わかっているようで期待してた。 でも、期待しながら、わかってた。 恭介にとって私とお付き合いする未来図がなかったこと。 ……告白すれば変わると思っていた。 それがただ変わらなかっただけ。] (58) 2021/02/28(Sun) 14:15:57 |
【人】 矢川 蛍 ……それは、新たな恋を見つけたら頑張ります。 好きな人に振り向いて貰えるように。 ……そんな時、自分の告白は後なんですかね? [惚れさせる努力をしてから? 告白して振られてから惚れられても、 なんだか違う気がして眉を寄せ首を傾げる。 相変わらず美味しいケーキとコーヒーが 泣きそうな心を寸でのところで踏みとどまらせていた。*] (59) 2021/02/28(Sun) 14:16:14 |
【人】 上原 隆司 告白から始まってもいいと思うけどな。 相手が前向きに受け取ってくれることもあるだろ。 相性はあるからな。 告白もなくなんとなくで両想いになる人たちもいる。 告白されるまで眼中になくて、それから付き合って いつの間にか円満って例も聞くし。 [短くなってきた煙草を灰皿で揉み消し、コーヒーを一口飲んだ] (61) 2021/02/28(Sun) 14:40:04 |
【人】 上原 隆司 気に入っている相手に妬くと言われたら、 期待するのは人情だよな……。 けど……応える気は、そいつに無かったのか。 [言い方に悩みながらも、上原は釈然としない部分を繰り返した。 どうにも不条理に感じる。 いっそ体目当てだったと思うほうがすっきりするくらいだった] 正解が決まってないから難しいよな。 人間関係ってのはさ……。 [同じ行動でも、ある人には喜ばれ、ある人には疎まれる。 努力をしなければ結ばれない人より、自然に通じ合える人がいればそのほうがいいのだが……そう簡単に見つかるものでないのは、上原は実感していた]* (62) 2021/02/28(Sun) 14:40:27 |
【人】 矢川 蛍 免罪符、なんでしょうね。 幼馴染って。 隣に居るのが当たり前だから。 それが続くのが当たり前と思われても。 [そう。恋人として応える気はなかったのだ。>>62 わかってる。幼馴染として、甘えてきていた。 幼馴染として私も甘やかしていた。 けれど、そう言われて言葉を詰まらせた私は 別の言葉で言い換える。 免罪符を得ていたから。 そのつもりがなかったんだろうって。それに。] 私が、可愛いとかそういう子じゃないのも いけないんでしょうね……。 [私も甘えていた。 可愛くもないのに幼馴染の免罪符で隣にいた。 それだけで、好きになってくれるはずもない。 ギュ、とカップの取っ手を握りしめる。] (63) 2021/02/28(Sun) 15:09:25 |
【人】 矢川 蛍 まあ、……私も幼馴染離れしないと、ですね。 新しい恋見つけて、なんですけど。 ……まあさっき言ったように高校生活中は ちょっと我慢しないと、ですね。 [自分に降り掛かる奇妙な縁の二人を思い出し はあああ、と大きくため息が漏れた。 トラブルにまきこみたくない、巻き込まれたくない。 心配かけたくない、幸せであって欲しい。 でも私だって幸せになりたい。 そういう意味で、学校とは無関係の上原さんは 都合の良い距離感なのだった。 社会人で、大人で、彼らが手を出しにくい人。 学校で勘繰られても平気な人。 ……まあそれは私視点であって 上原さん視点では大迷惑だろうけど。] (64) 2021/02/28(Sun) 15:09:47 |
【人】 矢川 蛍 ……上原さん。連絡先、交換しませんか? またお話聞いて欲しいです。 [だからせめて、そんな提案をしてみる。 スマホを取りだしてじっと見つめてみるのだ。*] (65) 2021/02/28(Sun) 15:10:00 |
【人】 矢川 蛍[可愛らしい子、とは。 つい御世話をしたくなるような子のことだ。 虫やおばけにキャーッと叫び声をあげて 怯えることのできる子だ。 それでいてふわふわの砂糖菓子が似合うような子で 素直に泣いたり笑ったりできる子。 自分にはそのどれも欠けていると思う。 どうしたって恭介の前では泣けなかった。 泣いたら心配かけると思ったから。 ……素直に泣けるような子だったら、 何かもう少し、変わったんだろうか。] (68) 2021/02/28(Sun) 16:52:09 |
【人】 矢川 蛍 でも、私の世界はまだまだ 学校が中心なんですよ、上原さん。 新しいアルバイトも探したいけど受験もあるし サックスだけ吹いて暮らすわけにもいかないし。 って、あ、良いの? [あっさりと連絡先交換に応じてくれた相手に こちらの方が目を丸くしてしまった。 けれど、交換が成ればえへ、と照れ笑いが浮かぶ。 幼馴染と、部活仲間と、バイト仲間と友だち。 学校と両親を除いて、初めての連絡先だ。] お花見、は、まだ早いですよね。 お花見なら気合い入れてお弁当作るのに。 あ、ネモフィラ畑見に行きたいかも? [花より団子。……ではなくて。 行きたい場所を口にして笑う。 それだとまるでデートみたいだから きっと別の機会になるとは思うけど。 恭介のことを少し吐き出せたからかすっきりして 私はつい、調子に乗ったことを言ってしまう。 ごちそうさまでした、と軽く手を合わせた。] (69) 2021/02/28(Sun) 16:52:29 |
【人】 矢川 蛍 今日はありがとうございました。 ちょっとスッキリしちゃったし チーズケーキ美味しかったです。 また今度……? [連絡しますね、と結ぼうとした。 けれど、急に誰かに肩を掴まれて驚いて振り返る。 そこにいたのは、禿(かむろ)くんだ。 以前は他の女子に粘着していたのに 何故か今は私に粘着して なんでチョコをくれなかった、と 恨みつらみの手紙を渡してきた相手。 その彼が、憤怒の形相で私を見下ろしてきていて 私はサアッと青褪めた。] (70) 2021/02/28(Sun) 16:52:43 |
【人】 矢川 蛍 え、え、なに、……痛、離して! [ぐい、と引っ張られたから思わず声をあげる。 それに驚いた顔をしていたけれど、 なおも自分の方に引っ張ろうとする動きに 私は思わず上原さんの方を見てしまった。 相手が無言なのが、また怖くて。**] (71) 2021/02/28(Sun) 16:52:59 |
【人】 矢川 蛍[禿くんは上原さんが声を出したこと、 その内容に警察と入っていたことに驚いたようだ。 『そんな』『大袈裟』『アンタの方が困るだろ』 そんな事をボソボソと言いながら キョロキョロと目を忙しなく動かす禿くんに 私もその手を振り払って立ち上がる。 ガタッ、と、その拍子に椅子が派手な音を立てる。 思わず上原さんの方に寄りながらも 私は相手を睨みつけた。] その、禿くん、迷惑! 私たち何にもやましい事ないから、あっち行って! [そう強く言葉にすると、睨み返してきたけれど やっぱり大人の男の人は怖いのか。 上原さんが怯んでない様子に強く舌打ちすると 足音荒くその場を立ち去っていく。 その姿が見えなくなってから、 わたしはへなへなとテーブルに両手をついて脱力した。] (74) 2021/02/28(Sun) 17:55:18 |
【人】 矢川 蛍 …………………………、ごめんなさい、上原さん。 まさか、こんなとこまで……。 [たまたまだろうか、それとも? 多分たまたまだ、でなければタイミングがおかしい。 それにしても、と脱力感が激しくて 店員さんが近づいてきて声をかけてくれるのに 私は青褪めたまま、すいませんすいませんと 其方にも頭を下げていた。**] (75) 2021/02/28(Sun) 17:55:40 |
【人】 上原 隆司 俺のことは気にすんなよ、矢川さん。 あんなのに付きまとわれてりゃ気も重くなるよな……。 [クッキーを食べ終え、コーヒーを飲み干す。置いていかれた伝票を持って] 帰るか。 ……まだ近くにいるかもしれんが。 [家まで送ったほうがいいだろうかと考えながら、上原は腕時計を見た。少し長すぎる休憩になってしまったようだ]* (77) 2021/02/28(Sun) 18:13:09 |
【人】 矢川 蛍 ……あ、名前。呼んでくれましたね? [そんな中で、名前で呼んでくれたことが少し救いだった。 さっきとの違いにへら、と笑って。 私の気持ちを汲んでくれたのもありがたい。] んんん、でも、暗くなる前に帰ります。 走って帰れば多分追いつかれないですし。 こう見えて私、体力あるんですよ。 文化部でも吹奏楽部、肺活量はバッチリです! [軽く両手で拳を作ってガッツポーズ。 だから大丈夫と笑い飛ばした。 まだ顔は青褪めていたけれど あんなのに負けたくない、と言う気持ちと これ以上迷惑かけられない、という気持ちがある。 腕時計を見ている姿からも>>77 もうこれ以上時間は取らせられないだろう。 そう判断して、深々と頭を下げた。] (79) 2021/02/28(Sun) 18:55:48 |
【人】 矢川 蛍 今日は、ありがとうございました! 今度は連絡しますし、連絡してくれても。 [待ってますね、と小さく言い添える。 そうして何もなければお店を出て それぞれの方向へ歩いていくつもりだった。**] (80) 2021/02/28(Sun) 18:56:04 |
【人】 上原 隆司[会計はカードで手早く済ませて、店の出口で矢川に向き直った] 家まで送っていくよ。 家が知られたくなければ、近くまででも。 あれを見た後じゃ、独りにするのが心配だ。 [上原は真剣に矢川を見つめて伝えるが、もし彼女が固辞するなら無理についていくことはないだろう]** (82) 2021/02/28(Sun) 19:25:44 |
【人】 矢川 蛍 ……ぁ、有難うございます。 [正直、彼の申し出はとてもありがたかった。>>82 あいつの行動パターンは正直わからない。 ただ、こんな時に恭介を呼べば良いと思いながらも (だって、お隣なのだから、 帰宅まで完全に一人にならないわけで。) 恭介と今の恋人との邪魔はしたくなくて 素直に上原さんにお礼を告げた。 少しばかり肩の力が抜ける。 だから、私は上原さんと一緒に歩き出していた。 あと、思い出したように 「ごちそうさまでした」もちゃんと伝える。] ……時間、大丈夫ですか? 正直とっても有難いです。 なんなんでしょうね。 去年は別の女子に粘着してたんですよ。 ……どうして、私かなあ。 [そんな事をぼやきながら、家に向かって歩く。 高校も徒歩圏内、だからそんなにここからも遠くない。 だからとぼとぼと歩いて、ただ迷惑をかけたことが 少し申し訳なく感じていた。 話を聞いてもらって元気をもらって その上で庇ってもらってることに。] (83) 2021/02/28(Sun) 19:49:28 |
【人】 矢川 蛍 今度、お礼させてくださいね、上原さん。 何か好きなものありませんか? したい事とか。 [自分のリクエストより、お礼ならばと。 そんな事を尋ねながら帰路を二人。*] (84) 2021/02/28(Sun) 19:49:44 |
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