人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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視点:


一日目

村人:1名、共鳴者:2名、霊感少年:2名、囁き狂人:2名、黙狼:1名、童子龍:2名

【人】 ほおずき色の絵描き鬼 エニシダ


 ……むにゃ……ぁああ、寝てもーてた。
 ん、うん……夢見てたねんよ、──ちゃんが面白い雲を見付けて……
 あれ?──ちゃんは……?

 ……あ、あぁ、そっか、

 まだ、うちのお腹の中におったんか。

 ふふ……元気に、はよ出ておいでや。
(0) 2020/09/29(Tue) 7:00:00

【人】 アジダル


[ 公僕のくせに碌な扱いを受けていないらしい。>>100
 彼の置かれている環境は聞けば聞くほど傭兵の色が濃いのか、己の知る警備官や戦争屋のそれと悉く乖離していた。無論、彼の出自──保護者となる親族から距離を置いていた環境を思えば当然なのだが。

 今ならンなとこいなくてももっとましな職場はある、とはこれまでに何度か伝えたはずだ。けれど強要するわけでもなければ窘めるわけでもない言葉は押し付けるタイミングを逃し、幾度となく酒の空気に流れていった。
 踏み込むか踏み込まないかの際、どうせ川辺の小石のように降り積もったりしないのだと開き直っているのだ。彼が何度となく告げた自分の影響力などは少しも自覚などしていないのだから。

 そして今夜もまた同じように、ようやること、と、口にすれば、グラスに落とした氷がからんと軽い音を立てた。 ]


  は、……わかったの? そういうのは早く言えよ。


[ 自力で行き当たったのならばそれこそ本職の出番だろうに。小さく見開かれた目はじろりと細まる。

 彼が身内探しに乗り気でないのは承知の上。暫しの沈黙を越え、まあ誤魔化すでもなく正直に言ったからいいかとため息を吐いた。 ]
 
(1) 2020/09/29(Tue) 7:33:44

【人】 アジダル


[ 先ほど手繰ったメッセージルームには件の探偵とのやり取りもある。少なすぎる情報から始まった人探しはけれど仕事中毒の気がある彼にとって垂涎の案件だったらしく、調べ上げた結果が定期的に送信されていた。
 ……途中から多すぎて受信エラーが発生するほどに。

 土地環境や歴史さえ紐づけて調べ上げる彼のことだ。もう一つ情報を落としこんでやれば標的に気づかれることすらなく、隈の浮いた目で笑いながら詳細を掴み取ってくれるだろう。

 男は目を眇めたまま、向いの人物を見つめ続けた。 ]


  まあ、明日にでも詳しく聞くよ。
  どうせ今から纏めても奴さん起きてねえだろうし。


[ 押しつけがましいなどとは今更。安堵とも期待とも取れない温度を胸の内に覚えながら、意地悪そうに笑みを浮かべた。 ]
 
(2) 2020/09/29(Tue) 7:33:51

【人】 アジダル


[ そうしていつも通り会話を繰り返し、空になったグラスを満たそうとすれば、取り上げた瓶が随分と軽くなっていることに気が付いた。

 いま、何時だろうか。
 慣れていない室内を見渡せば窓辺にある置時計はそれなりに深夜を指し示していた。なるほど頭がぼんやりするはずだ。 ]


  ……そろそろ寝るか。
  シャワー浴びてきな。


[ 二つ分のグラスを取り上げて流しに置く。話し込んだ気はしなかったが、見送りが欠伸交じりになるほどではあったようだ。
 彼が視界から消えている間に部屋着から真新しい寝間着へ。今更ながら人と寝る時だけ服を着る、という状況に奇妙な矛盾を覚えつつ。

  (……戻ってきた彼が寝る場所をごねるなら、さんざ悩んでから同じ布団に招き入れる心算ではある。
 そうでないならそっちで寝なさいバンビーノ。) ]
 
(3) 2020/09/29(Tue) 7:34:01

【人】 アジダル



 [  微睡み、意識を蕩かした先は、
     霧がたちこめたような白い空間の中。  ]**

 
(4) 2020/09/29(Tue) 7:34:11
アジダルは、メモを貼った。
(a0) 2020/09/29(Tue) 7:38:53

志隈は、メモを貼った。
(a1) 2020/09/29(Tue) 7:46:31

【人】 在原 治人

 


   ……ぇ、?!



[答えは簡潔で>>0:104
 聞き間違える要素も
 取り違える要素も無いというのに
 まるで理解できなかった。

 美しさは損なわれるどころか
 増しているようにしか、思えなくて。]
 
(5) 2020/09/29(Tue) 8:02:33

【人】 在原 治人

 
[美しくない者は
 所有してはならぬ‥という理屈なら
 在原の方がよほど相応しくない。

 というのに、
 鍵の場所まで伝えてくる始末。>>0:106
 意味不明なままだ。]



   …………



[まだ何も分かっていないのに
 もう用は無いとばかりに閉ざされる唇と瞳。

 いつも、いつも、
 この異邦人は
 俺を置いてけぼりにする。

 結局、こっちの気持ちなんか
 一欠片も考えていないのだろう。]
 
(6) 2020/09/29(Tue) 8:03:38

【人】 在原 治人

 
[素知らぬ顔を崩してやりたくて
 髪を整えようとしていた
 その指で、もう1本針を手に取った。]



   お前が納得いくまで
   俺が美しく仕上げてやるよ



[無視できない痛みを
 ただ与えたいだけじゃない。
 己が感じている美を否定されたのも
 気に食わない。

 ぎゅっとキツく左胸の尖りを摘みあげ

           そして─────…]*
 
(7) 2020/09/29(Tue) 8:05:21

【赤】 在原 治人

 

[右胸と寸分たがわぬ角度で
         真一文字に貫いた。]*

 
(*0) 2020/09/29(Tue) 8:06:22

【人】 志隈

[あの人の故郷はまだ電気機器などの発展も乏しく、
比較的貧しい国だった。>>1
少年兵は使い捨てられるまではいかないが、贅沢な支給などはない。
傭兵の色は確かに濃く、
志願すれば親の承諾もいらず、働く事が出来る。
とは言え、それは向こうの話であり、平和なこの国は快適な職場だ。
身体能力くらいしか持たないものが活かしやすいそこ。
この職を気に入ってはいるから、言われても変えないが、
少し悩みはする。
普通からは欠けた所があるのは自覚があるから、
あんたに言われればそういうものなのか、とはよくなる。]

…択一報告必要だったか?
名前がわかったら言う気だった。

[甘えるな、探せ。と促されたと認識してるものの、
それを相手が気にしているとは思わなかった。
会おうが話そうが、経過はいらず、成果のみを報告しようと考えていた。
乗り気では無いが、探さなかったらそれはそれで嫌そうに呆れるだろうから、探さない選択は特にない。]
(8) 2020/09/29(Tue) 8:39:02

【人】 志隈

[明日にでも聞くと言われれば、再度頷く。>>2
奴さんが探偵の事だと気付いても、
また何か頼むのかとは不思議に思い、疑問は特に出さずに、
再婚してるかの情報が得られるなら助かるなくらいは考え。

酒を呷り、杯を重ねる。
近況だとか、
パルミジャーノチーズを口にして、これ好きなのかとか
他愛ない気になった事を問いかけたりすれば、
時間はすぐに過ぎていき。

年長者に一番風呂を譲るものじゃなかったか、なんて朧気な知識は言えずにいる。
促されるまま、シャワーへと向かい、
寝間着なんて拘ったものではないラフな服装に変えて。]
(9) 2020/09/29(Tue) 8:39:09

【人】 志隈


こっちで寝た方がいいのか。
……おやすみ、アジダル。

[戻ってくれば、そちらのベッドに入るスペースは無さそうだった。
共に寝たい気持ちはあれど、
鬱陶しがられて会う口実が無くなることの方が嫌な事で、
一度だけ確認して、大人しくもう片方のベッドに潜り。>>3

挨拶をしてから、室内が暗くなれば、
背中を向けて布団を被り丸くなる。
相手に対する思いは全く関係なく、
ナイフを懐に抱えて寝たい僅かな気分を自覚すれば、
一人寝と変わらず、
やはり練習にはなって無さそうだ。

そこに何か感情を覚えることは無い。
慣れなければ、
続ける理由にはなるとそんなくだらない事を考えながら、
目を閉じて微睡みに落ちていく。]*
(10) 2020/09/29(Tue) 8:39:18

【人】 二年生 小林 友



   月は、この言葉をきくと黙ってしまいました。
   なんといって答えていいか、
   わからなかったからです。
   それほど、世の中なかには、
   あざらしばかりでなく、子供をなくしたり、
   さらわれたり、殺されたり、
   そのような悲しい事件ことがらが、 
   そこここにあって、一つ一つ覚えては
   いられなかったからでした。

   ─────『月とあざらし』
            小川未明

 
(11) 2020/09/29(Tue) 8:45:00

【人】 二年生 小林 友

[然しながら人生は、ままならない事ばかり。

 ようやく手紙の相手が「アキナ」と分かって
 (ほら、確定で女子じゃん)
 相手の顔も分からないまま、本を介した
 奇妙な文通が始まった。

 アキナは本人の言う通り、
 本はあまり読まないのか
 (ちなみにこうぐしじゃなく、やしだぜ
  酷い引っ掛けだよな)
 けれど、その率直な物言いは
 俺にはない新鮮な視点で。

 叶うならば目の玉ひとつ借りて、
 彼女の目を通して世界を見たいと思うほど。]
(12) 2020/09/29(Tue) 8:45:34
志隈は、メモを貼った。
(a2) 2020/09/29(Tue) 8:45:44

【置】 二年生 小林 友



  人魚は香具師に逢わなければ幸せか、って
  聞かれたら、否だね。
  痛い手を我慢しながらロウソク書いて
  奥座敷に閉じこもったまま。
  そんな彼女を気遣う人間は
  街のどこにもいなかった。

  母親の望んだ明るく楽しい人間の街には
  最初から人魚の場所なんかなかったんだ。


 
(L0) 2020/09/29(Tue) 8:46:14
公開: 2020/09/29(Tue) 8:50:00

【人】 二年生 小林 友



  [だから、より良いものとして
    彼女の目に映りたくって。]

 
(13) 2020/09/29(Tue) 8:47:16

【置】 二年生 小林 友



  ……けどそれは物語の中の話でさ。

  こないだ彼女にフラれた時なんか
  同じバスケ部の連中がアイス奢ってくれて
  カラオケでわーっと騒いだんだ。

  悲しいことがあり過ぎて見えなくなるけど
  そう、悪い所じゃないと思うんだけどね。


 
(L1) 2020/09/29(Tue) 8:47:52
公開: 2020/09/29(Tue) 8:50:00

【人】 二年生 小林 友



  [俺は今日もまた、明るく気さくな
   “ユウ”を演じている。]*

 
(14) 2020/09/29(Tue) 8:48:42
二年生 小林 友は、メモを貼った。
(a3) 2020/09/29(Tue) 8:54:23

【人】 アクスル

 
[W大切なものを奪われたW
 彼の痛みを、身体に教えられた。

 刺された場所は赤色の涙を零し
 ジクジクと熱を持ったままだ。]
 
(15) 2020/09/29(Tue) 9:36:21

【人】 アクスル

 
[悪かったと思う。

 幸い、拝借したあと
 とても丁寧に扱ってきたから
 取り返しのつかない僕と違ってあの蝶、
 フランツィスカは美しい姿を残している。

 返せばそれで満足するだろう。
 そう思っていたのに――、空気が変わる。>>7
 
(16) 2020/09/29(Tue) 9:36:33

【人】 アクスル

 
[慌てて目蓋を持ち上げれば
 彼の掴む凶器が鈍く輝いていた。>>7



   ッ いっ……!



[摘み上げられる左胸の先が悲鳴を上げる。
 この先は────、これの比ではない。
 貫かれる苦痛をもうよく知っているから
 瞬時に顔が青褪め、瞳が潤んだ。]
 
(17) 2020/09/29(Tue) 9:36:52

【人】 アクスル

 

   やめ……ッッ


[どうして僕が、こんな目に。**]
 
(18) 2020/09/29(Tue) 9:36:58

【赤】 アクスル

 
[ぶちぶちぶち……ッ、と
 皮膚と乳腺とを裂き破る音が
 僕の体内と、針を持つ彼の指にだけ響いた。]



   
あぁああぁ……ッ!!




[左胸の先を灼熱に灼かれながら
 情けのない悲鳴をあげ
 両目と新たな傷口から泪を零す。]
 
(*1) 2020/09/29(Tue) 9:37:05

【赤】 アクスル

 

   ……っう、く……っ、ぅぅ……っ


[意識を飛ばせたならどれだけ良かったか。
 鮮烈な左の苦痛に呻きを漏らしながら識る。

 人は案外気を失えないらしいこと。
 いま受けたものに比べたら、
 先に受けた右の痛みは少しだけ鈍くなっていること。]
 
(*2) 2020/09/29(Tue) 9:37:59

【赤】 アクスル

 
[彼の言い分はまるでわからない。
 仕上げる>>7だなんて――、
 醜さが増しただけじゃないか。]



   ……っまた、壊した……っひどい……っ
   っく、返す、って言ったのに……っ
   いったい、なにがしたいんだよ……っ
   も、離して……離してよ……帰して……っ

   これ以上、僕を、醜くしないで……っ!!



[嗚咽して、肺が上下し、
 左右の銀色に響くから、苦しみが増す。
 わかっているのに、涙と主張は止まらずに溢れた。]
 
(*3) 2020/09/29(Tue) 9:38:40

【赤】 アクスル

 
[視界の中心、僕の命を握る彼の表情は
 ぼやけてしまってよく見えず。
 ぐちゃぐちゃだ。顔も、髪も、心も。**]
 
(*4) 2020/09/29(Tue) 9:38:47

【赤】 在原 治人

 
[思惑通り、無視出来なくなって
 青い瞳も形の良い唇も
 再び開かれ
 俺が為すことに強い反応を示す。>>17>>18

 静かで厳かな、ふたりだけの空間に
 悲痛な叫びは酷く反響した。>>*1

 それは、やはり
 自分が望んだことなのに
 望んだものと違う、と眉を顰める。
 込み上げてくる反発を
 押し止めることは出来なくて、]



   醜いとか言うな…!

   こんなに美しいのに
   何でお前には分からないんだ…ッ、

   ザルモクシスオオアゲハには
   盗むくらいに魅了されたくせに、何で、どうしてッ



[思い切りぶつける。]
 
(*5) 2020/09/29(Tue) 17:25:37

【赤】 在原 治人

 


   はだけたシャツの隙間から覗く色素の薄い肌、
   その透けるように真白なキャンバスを彩る紅の体液、
   針で留め置かれた両胸の尖りも、
   震える艷やかな唇も、
   宝石のような両目から止めどなく零れ落ちる泪も、
 

   全部、全部
   どうしようもないくらいに美しいだろうが、ッ


   なのに、これを理解出来ないなんて
 

   俺が
したいのは
   お前のその
歪んだ価値観
の方だ…!!



[息吐く暇も与えぬ勢いで捲し立てた。]*
 
(*6) 2020/09/29(Tue) 17:31:19

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[便箋に嘘の名前を書いた>>0:L5直後、ぶぶっとスマホが震えた。通知の窓が開いて、最初の一行だけ見える。『アキナ』。
 メッセージはハルカからだった。ハルカはいつも、細切れにメッセージを送ってくる。だから開かなくても、通知だけで全ての内容が分かってしまう。
『もうすぐチア復帰だって』『それと』『気にしないでってさ』
 小さく唇を噛んで、スマートフォンを見つめる。通知が鳴りやんで、画面が暗くなってから、思い切って手に取った。
『ありがとう』『心配かけてごめんね』
 それだけ返信して、電源を落とす。画面が暗くなる一瞬前に、もう一つ通知が出た。『ナツキは来ないの?』]


 ……どの面下げて……?


[チア部にも、アキナにも。]
(19) 2020/09/29(Tue) 21:18:46

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[長い長いコロナ休みが明けて、久しぶりのイベントが新入生歓迎会だった>>0:39
 久しぶりに会った部員たちと、やっと発表できるね、あんなに練習きつかったのに、ずっとできないと恋しくなるもんなんだねって笑いあって。
 一年前に私が心を奪われたみたいに、新入生にもチアの魅力を知ってもらえたらって、鈍った体を少しずつ慣らしていった。
 だけど、歓迎会の二日前、急遽中止になった。
 部員が熱を出したから。

 私が熱を出したから。

『みんなにお願いしたい。誰かが熱を出しても、決して責めないでほしい。そしてこれからも、体調が悪い人がいたら、隠さずにすぐに教えてほしい。イベントが無くなってしまうとか、迷惑をかけるとか、いろいろ考えるかもしれないが、みんなの命を守るという選択を取ってください』
 顧問はみんなにそう言ってくれたらしい。

 PCR検査の結果は陰性だった。]
(20) 2020/09/29(Tue) 21:21:28

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[誰にも責められなかった。
 誰も悪くない、悪いのはウイルスだ。呪文のようにみんなが口にする言葉。
 それは分かっていても、準備しても準備しても中止が続くと、少しずつ空気が濁っていく。

 私はいつも以上にがむしゃらに練習した。顧問に頭を下げて、難しい新技に挑戦した。

 シングルベース・エクステンション。ベースは私。トップはアキ。
 たった一人の右腕で、一人の人間を持ち上げる、想像できないほどの力を必要とする技。この技の時、重みを分散させてくれるハルカとフユミは居ない。
 この技は、男女混合のチームではよく見られる。ベースは男で、トップは女。

 だけど私はそれがやりたかった。どうしても挽回したかった。

 天に向けて伸ばした私の右手に、奇跡的なバランスでアキが乗る。テーピングだらけの右腕と、アキの体に、一本の芯が通る。私たちは繋がっている。
 丁寧なバランスを保ったまま、アキはゆっくりと右足を逸らす。頭を高く保ったまま、さそりが尾を持ち上げるように。
 アキのスコーピオンは、この世で一番美しい。180度に開脚し、そらした足を頭上まで上げる大技。その芸術的なバランスを、みんなによく見えるように、私の右腕が掲げ上げる。
 右腕はテーピングだらけ。腕だけじゃない、身体中に貼られた湿布、腰を支えるコルセット。

 やった、と、思った瞬間、

 アキナを、落とした。]*
(21) 2020/09/29(Tue) 21:23:14
(a4) 2020/09/29(Tue) 21:33:40

Marguerite シャーリエは、メモを貼った。
(a5) 2020/09/30(Wed) 1:04:23

志隈は、メモを貼った。
(a6) 2020/09/30(Wed) 1:35:47

【人】 アジダル


[ 柔らかな拒絶を示しても縋る手はなかった。適切な距離に近まった二点の隙間を眺め、これで『人の気配があっても熟睡する』練習にはなるだろうと、薄く笑んで首肯する。 ]


  それでいい。
  おやすみ、……シグマ。


[ 認識に齟齬があるなど少しも考えないで、黒髪を乱すように手を滑らせた。そうして呼べない名の代わりにとなる就寝の挨拶を告げる。
 ……告げられることは幸福なことだ。本当に。手を取って共に踊れるような日は当たり前にあるものじゃないのだから。

 彼が来る前にはシャワーを済ませていた体は、冷えた空気に晒されても未だ熱持っていた。アルコールに浸った胸は距離感における喪失など一切合切感じ得ずに天井を向いて、 ]
 
(22) 2020/09/30(Wed) 6:07:13

【人】 アジダル



 [ 次に眼を開いた時、その部屋の中は
  静まり返ったダンスホールだった。

  熊を追いかけて辿り着いた森の奥、
  カスタネットを鳴らし合って踊り狂った彼らは
  やがて疲れ果てて朝露の中に伏せていた。

  しとどに濡れた黒衣より
  したたり落ちる温い赤滴。

  嗅ぎ慣れた硝煙の香りに眼を見開いて
  強烈な既視感に襲われて、

  背中を引いていた筈の重力が突然下に落ち、
  強烈な眩暈に額を押さえて踏鞴を踏んだ。


  ……その背中に声がかけられることを知っている気がする。
  揶揄いの主は自分と違って汚れの一つもなく、
  文句を言うはずだった唇を閉ざすしかないのだと、
  知っている、気がした。
  

──これは制圧の日だ。 
]

  
(23) 2020/09/30(Wed) 6:07:31

【人】 Cucciolo アジダル


                     
cucciolo

   はいはい、どーせ僕はグズですっとろい仔犬ですよーだ。
   ボスみたいに真っ白なまま帰るなんて夢のまた夢だぜ。


 [ 不貞腐れた感情を隠しもせず歯を剝き出しにする。
  銃創が散乱し穴だらけになった床を、倒れ伏した人間から
  溢れる血が静かに覆い隠していった。

  その溜まりを強かに踏みつけたというのに、ボスの靴は
  少しも汚れることなく艶めいたままだった。
  己にはその姿が穢れない救世主のようにも見えていたが、
  彼女の手が血と罪で真っ黒に染まっているのを知っている。
                  
疵 モ ノ の 小 悪 党

  軽い笑い声を洩らしたブロンドのスカーフェイスは
  獣道を進むかのように奥の小棚へ近づいたのだ。
  よく覚えている。


  覚えて、いる? ]

  
(24) 2020/09/30(Wed) 6:09:47

【人】 Cucciolo アジダル



[       20にも満たないような姿の青年は、その小屋の中で
困惑したように首を擦った。
ふと入口の方を、……観測者の姿を目にすれば、
手にした拳銃を躊躇いなく向けただろう。 ]



    誰だお前。
    どうしてこの場を知っている?



[           ひどく情熱的な敵意に満ちた視線の先、
彼の背後の扉を潜る前は
なにか、べつのことを考えていたような気がするが
───もう一度通り抜ければ思い出せそうな気がするが、

塗り替えた今はそんな思考に至らないまま、
長い金髪を括った女を庇い立てるように
血だまりで靴を汚した。


夢の中、靄の中で、
この奇妙な景色を目にした時の事、
夢を夢とも知る事なく、彼に背を向けたまま
寝惚け眼で迂闊に足を踏み入れたこと等は
すっかり頭から抜けていた。 
]*


  
(25) 2020/09/30(Wed) 6:13:18

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[チア部には顔を出せないまま、数日が過ぎた。
 あの本には相変わらず便箋が挟まったままで、私とゆう君をつなぐ奇妙な力も宿ったまま。
 
 この本は、というか、大抵の本は初めてで、>>0:L6
 絵がたくさん無いときつい、っていうのは、もはや漫画以外読めませんって意味。
 だけどそんなことは黙っておこう。

 ちょっと背伸びをしたいのは、あなたと話したいからで。]
(26) 2020/09/30(Wed) 6:15:12

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 なにそれ>>L1! 友達に恵まれすぎでしょー
 私なんか、「そらフラれるわ」だよ、酷くない!?


 
(L2) 2020/09/30(Wed) 6:15:55
公開: 2020/09/30(Wed) 6:20:00

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[ユウ君は読書家なだけあって、言葉をよく知っていた。私がノリと勢いで押し切る表現に、丁寧に名前がつけられていく。

 ……写実的、なんて言葉>>0:L6授業以外で使えるんだ。
 電子辞書で「写実的」を調べてみても、結局よくわからない。
 
別にネットでも調べられるけど、
スマートフォンを見たくないのは、
現実に呼ばれてしまうから。

(27) 2020/09/30(Wed) 6:17:16

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[見えないものを本から感じ取るのは、私にはできやしなくて。
 せめてもの訓練に、便箋のすみっこに、ゆるいイラストを描いて遊んだ。

 例えば、野ばらから尻を突き出したミツバチ。
ちょうど、国境のところには、
誰かが植えたということもなく、
一株の野ばらがしげっていました。
その花には、朝早くからみつばちが
飛んできて集まっていました。
──「野ばら」



 たとえば、目を細めて針の穴をみつめるおばあさん。
おばあさんは、もういい年でありましたから、
目がかすんで、針のめどによく意図が通らないので、
ランプの灯に、いくたびも、すかしてながめたり、
また、しわのよった指先で、
細い糸をよったりしていました。
──「月夜と眼鏡」


 目の玉を一つ貸し出すことはできなくても、読書音痴な私に見えているものを、少しでも伝えたかった。
 ついでに、自分では気づかない読み間違えを指摘してもらえるメリットもあった。

 香具師にお線香を持たせてみたら、全然お香は持っていないらしい。
 そしてこうぐしじゃなくてやしだった、日本語難しい。
「月とあざらし」を書いた時は、あざらしのつもりでラッコを描いていたことに、指摘されるまで気づかなかった。ほんと、なんで間違えたんだろう。]
(28) 2020/09/30(Wed) 6:19:15

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[ユウ君に言葉を教わるうちに、少しずつ生活に言葉が滲んでいく。
 例えば、夜明け、生卵を飲みながら、ぼうっと窓の外を眺めているとき。
星の光は、だんだんと減ってゆきました。
そして、太陽が顔を出すには、
まだ少し早かったのです。
──「ある夜の星たちの話」

 
 例えば、林の中をランニングしているとき。
おたけは、ふるさとの林の景色を目に描いて、
雪の降る時分になると、
山から、うさぎが落ちているしいの実や、
いろいろな木の実を拾いに来ることなどを話しました。
──「しいの実」


 紅葉もまだの林の中に、雪景色と、それから突き出した長い耳を見た気がして、
 ああ、確かに綺麗だ、と、思う。

 日常に流されて取りこぼしてしまう風景を、ユウ君はあの本から受け取っていたんだろうか。
 風景だけじゃなくて、「もんにょり」で流して、無かったことにしまう感情も。]
(29) 2020/09/30(Wed) 6:20:15
Cucciolo アジダルは、メモを貼った。
(a7) 2020/09/30(Wed) 6:20:59

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[バスケ部にユウって人いるのかなって友達に聞いてみたら、たくさんいた。ゆうたろう、ゆうき、ゆうと、ゆうや、ゆうすけ、あたりまで来たところで、調べるのをやめた。

 別に、バスケ部のユウ君と話したいわけじゃないし。
 手紙のやり取りが楽しいから、それだけでも十分。

 ……だけど、テーブルと飲み物をはさんで、向かい合っておしゃべりをするのには、ちょっとだけ憧れるかな。

 ……ソーシャルディスタンスで斜め向かいになっちゃうけど。]**
(30) 2020/09/30(Wed) 6:22:27

【赤】 アクスル

 
[一度収まったかに見えた彼の怒りが
 また爆発したようだった。

 理由の解らぬ暴力に嗚咽を漏らせば
 彼もまた顔を顰める。>>*5

 自分でしたことに納得していない――、
 そんな表情に見えた。]


   (……解らないよ)


[いったいなぜ、そんな顔をするのか。
 どうして、僕の胸が締め付けられるのか。

 訳がわからずに居ると、
 彼の唇から想いが奔流のように溢れ出す。
 それは鼓膜を叩き、凝り固まった思考を砕いていった。]
 
(*7) 2020/09/30(Wed) 8:07:40

【赤】 アクスル

 
[こんな僕のことを
 彼はまた、美しいと言ったのだ。>>*5



   ……っ、……、……



[今度こそ、聞き間違いではない。
 心の揺らぎを示すように瞳が大きく揺れる。]
 
(*8) 2020/09/30(Wed) 8:07:48

【赤】 アクスル

 
[血液を零す左胸の激痛が
 これは夢ではなく現実だと教えてくれた。]
 
(*9) 2020/09/30(Wed) 8:07:54

【赤】 アクスル

 
[ごくりと唾を飲み込んだ。
 胸がずきずきと痛む。
 これは、内側からの痛みだ。
 彼が感じているだろう憤りの片鱗が
 僕に伝播した痛み。]



   ……っ、……ほんとう、に……?



[淡い色の唇が動き、訊ね返す声は震えていた。

 否定されてしまえば
 簡単に崩壊してしまいそうな弱々しさを
 隠すことも忘れた無防備な心で

 彼の言葉を望んでいる。]
 
(*10) 2020/09/30(Wed) 8:08:47

【赤】 アクスル

 

   こんな僕でも、良いの……?


[相変わらず潤んだ両の瞳
 けれど在原治人というひとを確と捉えた。**]
 
(*11) 2020/09/30(Wed) 8:08:59

【人】 志隈

[深い蒼のパジャマに身を包む姿は毎度の事律儀と感じる。>>22
最初、見た時にはまじまじと見つめてしまっただろう。
衣装が変われば新鮮だとは思い、
何故か若干嬉しいの気持ちも湧いていた。

その口から呼ばれるのは好きだった。
シグマであっても、もう一つの別名であっても、構わない。
伸びた手に黒髪を乱されれば、心も同じく乱され。
普段は素っ気ないのに、
たまに優しいのに乱される事にしておこう。
その色合いがあるから、練習を止めたくないのだと。

何時、その手が伸ばされなくなるか。
親として分けられなかった愛情を
多少なり注ごうとしてくれてると仮定しても、
それは脆いものだ。
男を男として見つめていて、親子ではありはしないのだから。


乱れる幅はさほど大きなものでは無い。
何時かを当然の事のように認識している。

背中を丸め、伏せた目。
閉じた意識の中、白い世界の扉を開く。]
(31) 2020/09/30(Wed) 8:10:54

【人】 志隈

[扉を開いた、と思ったが、
何処からそんな物が現れたのかは覚えてない。
現実感が無い事に夢かと思えば、曖昧さは気にならなくなる。

だが、聴覚や嗅覚に訴えてくるものは随分リアルだ。
血と硝煙の匂いは嗅ぎ慣れたもの。
てっきり向こうの国での夢かと思えば、見慣れない登場人物。
何処かで見た事のある年若い青年と知らない女性。
辺りには事切れた人間達もいただろうか。

眉一つ顰める事はなく、
先に何処かで見たような方から観察。

不貞腐れて歯をむき出しにした姿は、
どう考えてもアジダルに似ている。
子供は娘だと思っていたが、息子もいたのか、
それとも本人か。
数ヶ月前に10以上も若返って大はしゃぎのアジダルが
目撃されたそうだが、生憎とその時の記憶はこちらにはない。
そもそも幾つかも知らない。

若いアジダルと言えば件の水着で悩殺[語弊あり]した姿を
朧気に考えた時に想像はしたが、
もっと淑やかで色気のあるような姿で
自分の想像から出来たにしては眼の前の存在は齟齬している。

共に寝た時、話に聞いた時は世話役だったか。
件の水着を彼が手にした時よりも、若くはあるのだろう。
若いと言うか、感じる印象は青い。]
(32) 2020/09/30(Wed) 8:11:03

【人】 志隈

[不意にその青年がこちらの方に気付く素振りをする。
拳銃を突き付けられてるのにも構わず、
周りを見回したが、該当する登場人物はいなそうだ。
俺に言ってるのか?と不審な目を向けて、
一応無抵抗を示すように両手を挙げる。

弾を避ける、或いは支障のない所に受けて、
接近戦に持ち込んだら勝てる確率はどれくらいだろうか。
最近は平和な国に来ていて鈍っているし、
訓練感覚でやってみたいとさえ思ったが、
2対1が不利なのは明らかで、まずは様子を見る事にして。]

シグマ、だ。
扉を開けたらここにいた。

[質問内容にのみ答えた。
納得はしないだろうが、
嘘ではないしこれ以上聞かれても此方も困る。
お前が誰だ、と聞きたいのは抑えて、青年の後方に視線を向け、
些か無遠慮に上から下まで一周した。

彼女はボスと言われていたか。
野郎ばかりの軍部しか見てこなかったから、
上に立つ女性と言うのは──強い女性は多少新鮮だった。]*
(33) 2020/09/30(Wed) 8:11:12
志隈は、メモを貼った。
(a8) 2020/09/30(Wed) 8:22:40

【人】 二年生 小林 友

[花も恥じらう陰の者である俺だけど
 別に、会話自体嫌いなわけじゃない。

 道聞かれれば答えるし
 状況によっては雑談も可能。

 何が嫌かというと、相手の顔色窺うのとか、
 空気や行間を読んで
 対応しなくちゃいけないのとか。
 相手のにっこり笑顔の裏に潜むものを
 ふと頭の中に思い浮かべただけで
 俺はもう、何も言えなくなる。

 つい要らない気を使って、余計なこと言ったり
 それで結局相手を不快にさせてしまって
 嫌われたり、距離置かれたり。

 たった一言、言えば済む話なのに
 その一言のために頭を必死に働かせて……
 割に合わなすぎて、俺は話すのを辞めた。
 話し合うのを、辞めた。]
(34) 2020/09/30(Wed) 11:16:31

【人】 二年生 小林 友

[だから、アキナとの便箋越しの会話は
 久しぶりに楽しかった。

 踏み込まれても、嘘でコーティングした心は
 痛くもないし、怖くもない。
 まるで俺が本当に根っから明るい人間にでも
 なったかのような、不思議な感覚。

 誰もいない図書館で本を開く時だけ、
 自分の部屋でそっと便箋にインクを置く時だけ、
 俺は束の間、心から安らげるんだ。]
(35) 2020/09/30(Wed) 11:16:49

【人】 二年生 小林 友

[例えば、便箋の端に描かれた落書き>>28

 老いた者が生き残り、若く前途ある者が死ぬ
 無情な戦火の下に咲いた『野ばら』の暗さを
 まるで感じさせない、ばらとミツバチの絵。
 ミツバチが運んだ野ばらの花粉は、
 何処か戦火を逃れて、穏やかに咲くんじゃないか
 ……なんて、ちょっと希望が見えそうな。

 目を眇めて針先を見つめるおばあさん。
 ここから眼鏡をかけたことで
 思いもよらない世界に巡り合うんだと思うと
 なんだか、ちょっと微笑ましい。

 目玉は勿論借りられないけれど
 イラストを通して、アキナの瑞々しい感性が
 俺の中流れ込んでくる気がして。]
(36) 2020/09/30(Wed) 11:17:06

【人】 二年生 小林 友

[香具師、の読み間違えのせいで
 人魚が線香持った輩に連れていかれる図は
 流石に理解するまで時間がかかったけど。

 ……月の下、ラッコが太鼓を叩くのは
 さらに時間がかかったけれど!

 でもそんな彼女の眼を通した世界を
 読み解く時間は、全然、嫌いじゃなくって。]
(37) 2020/09/30(Wed) 11:17:21

【置】 二年生 小林 友




  「そらフラれるわ」て。
  何したんだ一体……。



(L3) 2020/09/30(Wed) 11:18:10
公開: 2020/09/30(Wed) 11:20:00

【置】 二年生 小林 友


  俺の感想で、人魚が報われるとか、
  正直、考えたこともなかったよ。

  アキナはすごいね。
  触れれば跳ね返って、切れば血が出るような
  「生きてる」って感じの感性で。
  俺には無いものだから、ちょっと羨ましいや。


(L4) 2020/09/30(Wed) 11:22:18
公開: 2020/09/30(Wed) 11:20:00

【人】 二年生 小林 友



[そう、書いてから、俺はくすりと笑みを漏らす。
 ……ホントに、人と関わって笑うことすら
 俺にとっては、本当に久しぶりのことで。

 もしかして、会って話しても
 こんな風に話せるんじゃないか、なんて
 淡い希望を持つのも、時間の問題だった。]*
(38) 2020/09/30(Wed) 11:22:32

【人】 二年生 小林 友



  「準備体操、二人組を作るように」


[体育教師の号令と共に、クラスメイト達は
 わらわらと相方を求めて動き始めている。
 いつもは棒立ちのこの時間、今日の俺は少し違った。]


  あ、青柳……
さん

  く、み……ない?


[待っているだけじゃダメで、
 誰かにどうにかしてもらうとかじゃなくって、
 自分で声を上げてみたのだ。

 みっともなく語尾は震えて
 目は大波に浚われたように泳ぎ
 手はみっともなく体操着の端を
 ぎゅっと握りしめていたけれど。

 振り返る青柳の切れ長な目が、
 すっと俺に注がれる。
 そうして、青柳は屈託のない笑みを浮かべて]
(39) 2020/09/30(Wed) 16:32:02

【人】 二年生 小林 友




  「あ、ごめ。
   オレ今瀧と組んだとこ。」


[俺の一世一代の勇気を振り絞った誘いは
 そのままつんのめってドブに落ちた。]
(40) 2020/09/30(Wed) 16:32:33

【人】 二年生 小林 友

[差し出した手のやり場もなく
 ただただ消え入りたくなる俺を他所に
 青柳は周りに声をかけて、半端なやつがいないかどうか
 ちゃんと俺の相方を見つけてくれた。
 流石イケメン、アフターサービスも充実ゥ!

 結局、俺は弓道部の佐々木(イケメン)と
 組むことになった。
 本当は、青柳と組んだら、聞こうと思ったんだけど。
 この学校に通う二年生の「アキナ」のこと。

 華やかな顔立ちの青柳と違って
 佐々木は力強い眉をしたイケメン。
 ハウル系と、アシタカ系。
 ……俺?さあ。]


  佐々木…クン、あのさ……


[恐々、あまり話したことのないイケメンに話しかけると
 彫りの深い目が、こちらを向いた。]
(41) 2020/09/30(Wed) 16:32:50

【人】 二年生 小林 友




  全然、授業とか、関係ないけど……
  「アキナ」って子、聞いたことあるかな……?
  二年生で、あの……
  

[逢ったことない子だから、外見も知らない。
 尻すぼみになった語尾を追って
 佐々木はしばらく沈黙していたが、やがて]


  「……オレ、あんまり女子詳しくないから」


[と、囁くような声で答えてくれた。
 別に俺も女子に詳しくなりたくて聞いてるんじゃない。

 ただ一人、会ってみたい子がいるだけで。]
(42) 2020/09/30(Wed) 16:33:14

【人】 二年生 小林 友


[青柳だったら「なんだコイバナ?!」なんて
 茶化しながらでも話を聞いてくれたかもしれないけれど
 高校二年生にしていぶし銀みたいなイケメン佐々木は
 それ以上口を開くこともなく、
 淡々と、粛々と、柔軟体操をこなしていった。

 「いっち、にー、さん、し……」と
 掛け声響くグラウンドを吹き抜けた風が、 ふさり、

 『祝 チアリーディング部 2019年度全国大会 優賞』

 の横断幕を、誇らしげに揺らして見せたのだった。]*
(43) 2020/09/30(Wed) 16:34:11
花の名 リフルは、メモを貼った。
(a9) 2020/09/30(Wed) 21:12:35

【赤】 在原 治人

 
[一気に想いを吐き出しすぎて
 脳がくらりとする。

 虚ろだった青い瞳が
 迷うように揺れて見えるのも>>*8
 そのせいだろうか。
 それとも…、己の切望が見せる幻か。

 諦めの気持ちが大半を占めているのに
 目は離せない。

 食い入るような眼差しの下、
 造形の神が形作ったような喉の隆起が上下して>>*10
 それから、

 信じられないことが起きた。]
 
(*12) 2020/09/30(Wed) 22:00:24

【赤】 在原 治人

 


   ……っ、



[乾ききった触覚や脚は脆い。
 下手に触れば
 折れてしまいそうな
 そんな儚さを隠しもせずに>>*10
 震える声が訊ねてくる、────俺に。]
 
(*13) 2020/09/30(Wed) 22:00:33

【赤】 在原 治人

 

[そう。
俺に
、だ。]

 
(*14) 2020/09/30(Wed) 22:00:42

【赤】 在原 治人

 
[水気を帯びても
 鱗粉が落ちてしまう心配の無い
 ふたつの青い輝きが、
 己をしっかりと捉えている。>>*11

 それを自覚した瞬間、震えが走った。
 今まで感じたことが無いくらい
 深く。鋭く。


 興奮と喜びが綯い交ぜになって
 酷く満ち足りたこの気持ちを
 何と呼んでいいのか分からないけれど、

 目元は柔らかく撓み、頬は緩む。]
 
(*15) 2020/09/30(Wed) 22:00:56

【赤】 在原 治人

 


   ああ、良いに決まってる

   頼むから…さ
   ”こんな”とか、もう言うなよ

   どこもかしこも魅力的で
   俺を魅了して止まないっていうのに
   良くない訳がないだろ

   俺の手で、その美しさを
   更に際立たせてやりたくて
   今も、どうしようもなく、うずうずしてる



[愛おしさを隠しもしない
 甘い声音で、諭すように静かに囁いて

 それから、少し遠慮がちに
 座面で乱れている金色の毛先を一房
 そっと掬い上げた。

 先程は拒まれてしまったけれど、
 今度は構わないだろうかと問いかけるように。]*
 
(*16) 2020/09/30(Wed) 22:01:16

【赤】 アクスル

 
[泪が一時的に止まっていたから
 はっきりと見えた。

 僕を見つめる彼が、微笑むのが。>>*15


   ……ッ


[――母さんは、顔に皺が寄ることを気にして
 余り表情を変えようとしないひとだった。

 誰かの心からの笑顔を見たのは
 もしかしたら、初めてだったかも知れない。]
 
(*17) 2020/10/01(Thu) 1:38:46

【赤】 アクスル

 
[トクトク、心地よく胸が鳴っている。
 草木が芽吹くようなこの気持ちを、
 僕は知らない。
 貴方なら、知っているんだろうか。]
 
(*18) 2020/10/01(Thu) 1:39:55

【赤】 アクスル

 
[愛おしさが全面に載る声の囁きは
 鼓膜からするりと滑り込んで
 砕かれたばかりの心の傷を癒してしまう。

 金の髪ごと救い上げられて
 心の奥底からこれまで感じたことのない歓びが
 胸の奥から泉のように溢れて、溢れ出して

 目元から透明な雫となって発露する。]



   …………………うん



[うずうずすると言った貴方の
 思うが儘にして欲しい。
 そんな想いを込めて、頷く。

 優しく細めた左右の瞳から
 ぽろぽろと温かい雨が降り落ちた。**]
 
(*19) 2020/10/01(Thu) 1:40:47

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[ユウ君と話すことで、少しずつ言葉を覚えていく。
 一度間違えた言葉は、かえってよく記憶に残った。特に香具師。
 お香売らないなら「香具」なんて漢字使わないでほしい。
 ……まぁ確かに、なんでアロマ屋さんが人魚を欲しがるんだろ、生臭そうなのに、って、ちょっと不思議には思ったけどさ。]
(44) 2020/10/01(Thu) 6:07:51

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[あざらしとラッコを間違えた理由は分かっている。

「SEA OTTERS」。
 クマとか水牛とか、他のチームはもっと勇ましい動物の名前を借りてるのに、うちはラッコ。
 海にぷかぷか浮かぶ、のんびり癒し系動物、ラッコ。
 せめてスイミングだったら分かるけど、陸の競技で、ラッコ。

 名づけについて、部員たちの間で囁かれている逸話がある。
「チア部を立ち上げた部員が、雲を泳ぐラッコを見たんだってさ」
 いくらなんでも無理があると思う。
 せいぜい、雲みたいなラッコ、だろうに。

 と、言いながらも、私はちょっとだけラッコの絵が上手くなってしまった。
 あざらしだったはずなのに、おもわずラッコを描いてしまったのも、きっと癖みたいなもの。

 だいいち、私だって初代のことを笑えない。
 雲を泳ぐラッコなんて、よく思いついたよねって笑ったけど。
 ユウ君との不思議なやりとりだって、きっと「よく思いついたよね」って笑われるような妄想話。
 それとも、「頭大丈夫?」って、心配されるかな。
 楽しいから、何でもいいけど。]
(45) 2020/10/01(Thu) 6:09:01

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 何って……
 誇りを守った!

 
(L5) 2020/10/01(Thu) 6:09:31
公開: 2020/10/01(Thu) 6:10:00

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[『乳より先に肩を褒めろ』って言ったらフラれた、とは言えなくて隠す。

 元カレたちと長持ちしてたら、手をつないだり、キスをしたり、その続きもしたのかもしれないけれど、そのまえに別れてばかり。
 だって、「喧嘩したら負ける」とか「ワンパンで人殺せそう」とか「足太くね?」とか。

 もっとか弱い方が女の子らしいのは分かってる。
 だけど、私の強さに目をつぶって、女の部分だけを求められるのが気持ち悪かった。

 私のこの大きな体は、メンバーを支えたくて、チアでみんなを笑顔にしたくて、死に物狂いで手に入れたもので。
 喧嘩のためとか、誰かを傷つけるためのものじゃない。
 だから、この体じゃモテないのが分かっていたって、卑屈になるのだけは、絶対に嫌だった。]
(46) 2020/10/01(Thu) 6:10:12
(a10) 2020/10/01(Thu) 6:13:40

【赤】 在原 治人

 
[俺の言葉を聞いて
 表情が柔らかく変化していく。>>*19

 まるでその様は
 雲間から光が差し込んで
 七色の橋が架かる瞬間を目の当たりにしているようで

 目だけでなく、心も奪われた。]
 
(*20) 2020/10/01(Thu) 16:22:50

【赤】 在原 治人

 
[彼が生きているからこそ
 見ることの出来る、嫋やかな変貌に
 感嘆のため息が止まらない。]



   ああ……、本当に凄いな

   先程まで在った最上を
   易々と超えて
   更に高みへと昇って行ってしまう

   今の、その顔、 堪らなく綺麗だ…



[青いふたつの泉から
 零れ落ちる雫に
 どうしても触れてみたくなって、
 金色の房をそっと降ろすと
 両方の掌で濡れた頬を包み込んだ。]*
 
(*21) 2020/10/01(Thu) 16:23:54
花の名 リフルは、メモを貼った。
(a11) 2020/10/01(Thu) 21:42:30

志隈は、メモを貼った。
(a12) 2020/10/01(Thu) 21:53:29

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 やった、読書家のユウ君にほめられた!
 だけど、俺には無いもの>>L4だなんて、変なの。
 ユウ君だって生きてるのに。



[図書館で出会った影を思い出して、ちょっと自信が揺らぐ。]


 ……生きてるよね?

 

[むしろ、私の方が幽霊だと思われていたりして。
 ちょっと想像して、くすりと笑った。]
(L6) 2020/10/01(Thu) 22:36:46
公開: 2020/10/01(Thu) 22:40:00

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月


 すっごい変なこと聞くんだけどさ、
 ユウ君、図書室で、私のこと見てびっくりしてなかった?
 意味わからなかったら、全然スルーしてほしいんだけど!



[なんて、そんなこと聞いてみたり。]**
(L7) 2020/10/01(Thu) 22:37:42
公開: 2020/10/01(Thu) 22:40:00

【人】 二年生 小林 友



  なんでも、しんとした、
  澄みわたった夜が、星たちには、
  いちばん好きなのです。
  星たちは、騒がしいことは好みませんでした。
  なぜというに、星の声は、
  それはそれはかすかなもので
  あったからであります。

  ─────『ある夜の星たちの話』
             小川 未明

 
(47) 2020/10/01(Thu) 22:50:26

【人】 二年生 小林 友

[結局「アキナ」の情報もないまま
 家に帰ってきてしまった。

 顔色を覗き込むような母親の顔から逃げるように
 自室に籠って、俺はまた本を開くだろう。

 読み慣れた本の世界に、ではなくて
 目に見えない女の子との会話に夢中。

 いっそ、ソシャゲの推しを引くために
 ウン万つぎ込んでる、とかの方が
 親も心配しなかったかもしれない。
 ……なんて、部屋の外から話しかけてくる
 か細い母さんの声を聞いて思うんだ。]
(48) 2020/10/01(Thu) 22:50:44

【人】 二年生 小林 友


  「……ねえ、リビングでお茶しようよ」

  …………。

  「あなたが好きだった、裏のケーキ屋の
   バームクーヘン、あるわよ」

  …………。

  「ねえ、友。何かあったら話した方がいいわ」

  ……何も無いよ。今、本読んでる。

  「何も無いなら、それでいいから。
   一緒に顔みてお茶飲もうよ」

  ……本、読んでるから。

  「…………そっか、ごめんね」
(49) 2020/10/01(Thu) 22:51:33

【赤】 アクスル

 
[それは例えば寝癖で一束だけ跳ねた髪を
 見つかってしまったときや
 声を上げて笑ってしまったときに
 吐き出された溜め息とは
 質が異なるものだ。>>*21

 温かい吐息と彼の言葉が
 開かれたワイシャツの間の肌を撫ぜ
 熱を持つ二粒とその奥の心を震わせる。]


   ……、……


[脂汗を噴き出させる痛みは
 相変わらずあった。

 けれど、味わったことのない幸福感が
 次から次に溢れてもいて
 痛みによる辛さと綯い交ぜになる。]
 
(*22) 2020/10/01(Thu) 22:51:38

【赤】 アクスル

 
[新しい自分に変わっていく。
 けれど、不思議と怖くはない。

 
────かの男も、復活を遂げる前には

 
手足を貫かれて磔られ、痛みを伴ったものだ。


 生まれて初めて吸った空気は彼の――、
        在原治人の、匂いがした。]
 
(*23) 2020/10/01(Thu) 22:51:41

【赤】 アクスル

 
[濡れる顔を包むように触れられれば
 混ざり合ったそれらはいよいよ
 結合してしまったのだろう

 嬉しい、正の感情だけが残り

 とろりと蕩けた瞳で
 彼の左目、……右目、…また左、と見つめ
 頬は血色を取り戻し淡く色づいていった。

 同じ色の唇を、ゆっくりと動かす。]


   ……、……


[けれど、饒舌になった彼とは裏腹に
 僕の口からは言葉が出てこない。

 貴方のことをもっと知りたい。
 僕のことを知って欲しい。

 そんな欲が確かにあるのだけれど
 音に換えることが出来ない。
 頬に伝わる温もりに、声を奪われてしまって。]
 
(*24) 2020/10/01(Thu) 22:51:45

【赤】 アクスル

 
[七週の間、
 何度焦がれ、何度妬んだことだろうか。

 あの標本を作り上げたこの掌に。]



   (あったかい……)



[安くはない代償を払って
 危険な海の外に出て
 最期には泡になって消えてしまうだなんて
 馬鹿のすることだと思っていたけれど

 W声を犠牲にしてでも逢いに行きたいW

 その気持ちが少しは理解出来た気がする。]
 
(*25) 2020/10/01(Thu) 22:51:48

【赤】 アクスル

 
[言葉で教えて貰うのではなくて
 この世界一の職人の掌を通じて
 教えられたい。

 贅沢にも、そう願ってしまう。]


   ……。


[唇を結び直せば、緩く弧を描かせて
 ふ……、とただ微笑みを浮かべた。

 貴方に仕上げられることを
        望むだけの作品だ。**]
 
(*26) 2020/10/01(Thu) 22:51:51

【人】 二年生 小林 友

[─────昔、小学校の頃
 俺はいじめにあっていた。

 嫌なくじ引きに当たった……みたいな
 特に深い理由もなくそれは始まった。
 朝一番の「おはよう」に誰からも返事がなくて
 それを切っ掛けに、靴が無くなり
 教科書やノートも消えた。

 友達だと思ってた人達が、
 ある日突然敵に変わる。
 何故?と問うても誰も答えない。

 それで……少しだけ、堪えてみようと思った。
 何が原因かは分からないんだから
 少し待てばまた前みたいに友達になれると思って。

 待って、待って、待って、待って、
 待って、待って、待って、待って……
 でも全部元通りになるより先に
 俺の心が折れる方が先だった。]
(50) 2020/10/01(Thu) 22:52:00

【人】 二年生 小林 友



  かあさん、おれ、がっこういきたくない。


[そう、勇気を出してしぼりだした時
 母さんは半狂乱になって、自分を責めてしまった。
 何も気が付かずのんきに息子を学校に送り出して
 暗い顔してても勇気を出せと言うばかりの
 何も分かっていなかった自分を。

 結局、母さんが学校に突撃して
 いじめは急速に収まったけど……
 でも元通りにはならなくて。
 というか、元通りに接しろ、なんて
 俺自身が無理だった。

 元通りに笑えないし、喋れない。
 何話していいかも分からない。
 相手の目を見た時、冷たく歪んでたらどうしよう
 ……そう考えたら、目すら合わせられなくなった。]
(51) 2020/10/01(Thu) 22:52:31

【人】 二年生 小林 友

[そうして小学校を卒業して
 中学から、高校まで。
 幸いまたいじめられることはなかったけど
 一度ついたオドオドした態度は変えられない。

 特にこの桐皇なんか、良い奴ばかり。
 ……だけど、俺だけがずっとダメなまま。

 何も心配いらないよ、母さん。
 あんたの息子は今日も
 良い奴にだけ囲まれて過ごしてた。]
(52) 2020/10/01(Thu) 22:53:04

【置】 二年生 小林 友



  今家に帰ってきた。
  数学の磯崎の宿題たるい……。
  アキナはもう終わった?

  今日のこのカニは……『大きなカニ』?
  俺が読んだ時には少し不気味な話だと
  思ったけど……このカニは可愛い。

  毎年富山のじいちゃんが
  カニの解禁の時期になると
  「帰って来い」ってうるさいんだよね。
  今年も言われると思うと気が重いけど
  カニ食ってる間だけは許せる不思議。


 
(L8) 2020/10/01(Thu) 22:54:06
公開: 2020/10/01(Thu) 22:55:00

【人】 二年生 小林 友

[他愛のない会話だって自分でも思う。
 本当に面白いやつはもっと違う話をすると思う。

 それでも必死こいてる自分を
 どっか冷静な自分が冷ややかに
 笑ってることすらある。

 それでも。]
(53) 2020/10/01(Thu) 22:55:17

【人】 二年生 小林 友



[たったそれだけなのに
 神様はひどく残酷なことをする。]*

 
(54) 2020/10/01(Thu) 22:59:27

【置】 二年生 小林 友

[そりゃあ、違和感なんかたくさんあった。]


  何言ってんの?!(笑)>>L6
  俺はちゃんと生きてるよ!
  アキナと同じ世界の人間だよ。



[図書館に返してなくっても
 便箋は更新されている、とか。]


  俺、もしかして─────
  何処かでアキナに会ってたのかな?
  ……とかいうと、なんかナンパっぽいけど
  そんなんじゃなくて、本音ね!

  てか、アキナ俺の事知ってるの?>>L7



[図書館に行ったのはあの日が最後で、
 あんだけビックリしたのは数億年ぶり。]
(L9) 2020/10/02(Fri) 0:33:13
公開: 2020/10/02(Fri) 0:35:00

【置】 二年生 小林 友



  …………アキナこそ、生きてるよね。


 
(L10) 2020/10/02(Fri) 0:33:56
公開: 2020/10/02(Fri) 0:35:00

【人】 二年生 小林 友

[俺がバスケ部でもないし陽キャでもない
 ただの卓球部のクソ幽霊部員で、
 教室の隅っこで震えてるだけの人間だって
 アキナにだけは知られたくない。
 知られたく、なかった。

 なのに、どうしても会ってみたくて、
 勇気出して陽キャに声なんかかけて。
 矛盾してるのは分かってるけど、でも。

 なのに、違和感は募るばかり。]
(55) 2020/10/02(Fri) 0:41:59

【置】 二年生 小林 友



  明日の放課後の図書館、
  童話の書架の前で、待ってる。



[生きてる俺を見れば、アキナも安心するかも……
 否、俺がただ違和感を払拭したいだけかもしれない。]
(L11) 2020/10/02(Fri) 0:47:13
公開: 2020/10/02(Fri) 0:50:00

【人】 二年生 小林 友

[だって、おかしいだろ。

 友達とカラオケも行けない世界って?

 田舎のじいちゃんが「帰ってくるな」って?

 街から人が消えて、

 世界中で戦争みたいにひとが死んで……

 おかしいだろ。ありえないだろ。

 漫画かハリウッド映画の世界みたいじゃん。]
(56) 2020/10/02(Fri) 0:51:57

【人】 二年生 小林 友



[俺は、そんな世界を知らないんだ。]*

 
(57) 2020/10/02(Fri) 0:52:40
二年生 小林 友は、メモを貼った。
(a13) 2020/10/02(Fri) 0:53:32

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 ザキイソって三年担当じゃなかった?
 先輩がめっちゃ鬼! って文句言ってた!
 私のクラスは小川Tだけど、オガちゃんもオガちゃんで鬼。


 
(L12) 2020/10/02(Fri) 6:32:35
公開: 2020/10/02(Fri) 6:35:00

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[うんと甘いコーヒーを片手に、本を取り出す。
 便箋を開くのは、ミルクを注ぐのに似ている。
 スマートフォンに見向きもしないで、マドラーを回す時間が好きだ。]
(58) 2020/10/02(Fri) 6:32:58

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 あんだけおいしそうなかに出しといて、
 食レポさせてくれないの悲しすぎる
 頭はかにでいっぱいになってるのに!
 
 富山のかにいいなぁ! 食ってる間笑う〜(* ´艸`)
 あーもうかに食べたくなっちゃったよ!
 全然うまくむけないんだけどね。身ごと折っちゃう。

 だけど、今年は行けないんじゃない?
 あんまり気にされない方なの?
 お年寄りはこの騒ぎに敏感だからさ。
 うちは九州にいて、毎年ゴールデンウィークに行ってたけど、
 今年は来るなって言われたよ。
 田植え手伝わされないのは良いんだけど、
 めんたいこ食べられないのは寂しい。めんたいこ……

 早く、落ち着いてほしいね。


(L13) 2020/10/02(Fri) 6:34:02
公開: 2020/10/02(Fri) 6:35:00

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[本を返しに行かなくても返事が返ってくるのは、正直言って驚かない。
 もちろん変だけど。
 それよりも、端々から滲む、人と人との距離の近さ。
 それは失われてしまった一年前の日常で。

 ── カラオケ行ったの? まあ、禁止まではされてないけど。
 失恋を励ますにしては、勇気のある場所チョイスだね。

 ── おじいさんに、来いって言われる?
 周りのお年寄りは、電車も怖がってたのに。

 ユウ君との会話が、少しずつ、ずれていく。]
(59) 2020/10/02(Fri) 6:34:29

【置】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月


 だよね! 2020年の今を生きてるんだよね?
 私は生きてる、今日も筋肉の躍動を感じる。

 うーん、知ってるっていうか……
 顔も声も知らないんだけど、
 たぶんそうじゃないかなって人を、図書室で見かけたんだよね。


(L14) 2020/10/02(Fri) 6:35:26
公開: 2020/10/02(Fri) 6:40:00

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[明日の放課後、童話の書架の前で。
 図書室に行って、またあの空間に行けるだろうか。]
(60) 2020/10/02(Fri) 6:35:48

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 ──── あ、


[ぴ、と紙の隅が破けた。
 何度もやりとりして、消しゴムをかけるうちに、少しずつ痛んだ紙は、とっても書きにくい。
 ところどころ毛羽だった紙面をそっと撫でて、裏側からセロハンテープを貼る。
 あとどれぐらい、ユウ君とこうやって話ができるんだろう。]
(61) 2020/10/02(Fri) 6:37:20

【人】 Cucciolo アジダル



 [ 暗色の目元や体格をじろりと確認したが、その人物は
  事前に把握していた面々の内に存在しなかったはずだ。
  けれど自分たちが踏み入ったのは、人里離れた森の奥。
  ハイキングの一般人が偶然立ち入るような場所でない。

  一見して堅気で無さそうな体躯の男が
  銃口を向けられて平然としている様が
  場馴れかそれ以外の理由なのか、
  力量を推し量る事も出来ない程度に
  未熟な頃の青年には読み切れず。 ]


   Sigma? ……何だそれ、コードネームか。
   浮浪児でももっとマシな言い訳するぜ。
   僕は「どうしてここを知っている」って聞いたんだが?


 [ 聞きなれない響きの名を舌先で転がした。
  偽名にしては疑わしすぎる音と、毅然としながら剣呑な瞳、
  降伏の両腕が紐づかない。

  無暗に牙を剥く幼さは見抜かれやすかった。
  奴もまた青年の青さを察したのかも知れないと
  勝手に奥歯を噛み締める。 ]

 
(62) 2020/10/02(Fri) 6:46:19

【人】 Cucciolo アジダル



 [ 目撃者は処理するのが通例。不運にも通りかかった人や
  動く事なかった家無したちが片付けられるところは
  幾度となく見てきた。
  けれどどこか甘さの捨てきれない青年は
  その理不尽さに都度眉根を寄せていた。 ]


   どうあれ、そのまま帰すってわけにゃいかないな。


 [ 明らかに疑わしい人物を相手にしてもこの時もまた。
  添えるだけでトリガーの指を曲げる気にはなれず、
  無表情の奥底にある策略を探りながら
  まだ重く感じるグリップを握り直した。

  軽く上げた顎を傾け後方に声を投げようと、した時だ。

  
  背を向けていたブロンドの女はライターで目当ての紙を焼き
  "空虚"に武器を構えていた彼の背後に近づくと
  その項のあたりでフリントホイールをジャッと回す。 ]

  
(63) 2020/10/02(Fri) 6:46:49

【人】 Cucciolo アジダル



  
あ゙っッづ、ぁ!?

  なにしやがんだあんた!!??


 [ 飛び散った火花に纏わりつかれ、項を押さえて飛び上がった。
  まだオイル入ってるだろなんてことしやがると、
  愕然とした顔を披露する。

  銃口の狙いを一切ブレさせないまま振り返るも、
  犯人は寧ろ顔面の傷跡を歪ませ怪訝な顔をするばかり。

   それもそうだ。
   記憶の中に存在するボスは彼を知らず、
   その姿を見ること等なかったんだから。 ]


   は? 何と話してるって、ここにいるこいつとだけど
   ……いるよ!? 違う、ほらここ、
   違う違う、キメてもないしトんでもないってば!


 [ 薬はご法度だが、と重低音で吐きつける眼の冷たさが
  そのまま背筋を這い上がったようだ。
  血と体液に塗れているのはこちらの方だというのに、
  青年はその赤く塗られた爪の色に臆して喉を鳴らす。

  彼女の眼ともう一人の眼を何度も視線で往復し、
  とうとう額に掌底を押し当てて唸り声をあげた。 ]
(64) 2020/10/02(Fri) 6:47:02

【人】 Cucciolo アジダル



 [ なんでもいいが医者には手前でかかれよ、
  そう告げたボスが部屋を出る背中を見た時の顔面は
  幽霊を主張する子供のように不快を示していた。 ]


   ひ、拾った命だからってあんにゃろ……!


 [ 呟いた途端、空間の一部にノイズが走る。
   
……思い出した瞬間、記憶の一部が混ざりこむ。
   抱えた借金を片付けられず逃げ回った父親     
    →を、吊るされて揺れる様を笑った暴漢     
    →を、撃ち殺した背を踏んで一家を見降ろす集団 
    →に、啖呵を切って縋りつく少年……自分    
    →の、首根っこを掴んだ女……ボス       
    →が、踏み割った英雄のフィギュア。      

       稼ぎ手を無くした家の、家族を守るためには
       それしかないように思えていた。

   

  だから万が一にでも彼女の背中に向けないよう、
  射線をずらしなが青年は彼を睨みつける。 ]

  
(65) 2020/10/02(Fri) 6:48:59

【人】 Cucciolo アジダル



 [ 八つ当たりめいた声色で喚き散らせど、
  英才教育を受けた銃口はぶれないまま。 ]


   意味がわかんねえ……che palle.
   どう見ても堅気じゃないよな、あんた
   ボスのことやけに見てたが……
   ……あの人にやられた霊の類?


 [ 入口を背にした彼は光を浴びて影を伸ばしているというのに、
  これすらボスは見えなかったんだろうか。

  靴の裏に着いた血をこそぎ落とすように
  警戒した足取りで少し近づけば
  そろりと銃口をぶつけようとした。

    接触の感覚があれど、なかれど
    靴跡残るから外に出ろと告げる。 ]

  
(66) 2020/10/02(Fri) 6:49:16

【人】 アジダル


[ それからしばらく後でも、直ぐでも。
  外に出たのなら思い出と体を取り戻すし、
  なんなら項垂れかける男の姿だってあるに違いない。 ]*
 
(67) 2020/10/02(Fri) 6:52:55