人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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視点:


[犠牲者リスト]
エニシダ

二日目

事件:楽観

本日の生存者:ラッコ、シャーリエ、リフル、小林 友、早乙女 菜月、アクスル、在原 治人、志隈、アジダル以上9名

アジダルは、メモを貼った。
(a0) 2020/10/02(Fri) 7:45:36

【人】 Marguerite シャーリエ

―― 空ラッコの白昼夢 ――
[いつからだったのかなんて、自分でもわからない。
庭に迎えたのだからお茶の相手は当然、
と何度も呼び出したせいか。
はたまた、断らずに現れる彼女に、
認められてると思い込んだのか。]


 おねーさまっ ピアノ聞いて!
 やっと弾けるようになったの


[王国の友達が作ったというピアノ曲を練習して、
難しいと文句を言いながらも時間を作って、
お茶の時間が減ってしまったある日。
彼女を庭の見える部屋に呼び出した。

防音がされている部屋にグランドピアノが一台。
観客席も一席。


たった1人の観客に招いたのは
お姉さまじゃなく彼女になっていた]
(0) 2020/10/02(Fri) 8:06:44

【人】 Marguerite シャーリエ

[ペダルを踏んでは離し離しては踏んで、
儚いメロディーを光に変えていく。
窓から差し込む夕日は私にぶつかって影を作り、
手元に夜を生み出していた。
そこに月の光を作った。
レモン色の響きは甘くて切なく、弾き手の心を揺さぶる。
弾き手の気持ちはピアノに変換されて音符になり、
空気を震わせて観客に届く]

[9/8拍子、フラット5つの変ニ長調。
その中に転調と臨時記号を散りばめて編まれた甘い曲。
楽譜を読んでびっくりした。
こんな曲を書くなんて、あの人天才だ。

自分の心のままにテンポが揺らぎ、
恥ずかしいほどに私が暴き出される。

聞かせているのはただ1人。
最後の音をペダルで伸ばして、
告白した恥ずかしい高揚感に身をゆだねた。]


 ……どう、だったかな


[借り物の言葉だけど、私の気持ちは届いたのかな**]
(1) 2020/10/02(Fri) 8:07:23
Marguerite シャーリエは、メモを貼った。
(a1) 2020/10/02(Fri) 8:20:09

【人】 志隈

[無遠慮に女性を眺めたが、
彼女の意識が此方に向く事はなかった。>>1:62
青年があれほど叫んでいるのだから、
通常であれば気付かないと言う話ではないだろう。
怪訝そうに守ってくれる相手を見る姿は、
気に留めないと言う雰囲気でもない。

観察が終われば青年へと視線を戻す。
動揺しないのは本来の性格と、場慣れと、
目的の為なら刃を突き付けてくる相手だと思っているから。
]

…あんたの名前は?
気付いたらここにいた。俺はここを知らない。

[“志隈”ではなく“シグマ”
コードネームの様かもなとは説明を省き、
不審にも構わず名前を聞く。
質問は恐らく返らないだろうが。]
(2) 2020/10/02(Fri) 8:24:00

【人】 志隈

[“帰り方もわからないから別にいい。”>>1:63

口にする事はなかったが、
逃走する気も無く流れに身を任せようとした。
様子を窺うのが基本ではあるし、
此方を見れるのが眼の前の相手一人と仮定すれば、
幾らでも対処の仕様がある。
一度撃たれて怪我をするかどうか試してみるのもありかとまで、
考えてしまえるのは一般的ではなかったか。

夢と考えているから多少呑気で、
世界の質感が現実感を刺激してもあまり変わりはせず。


女性が何かを後ろで仕出して、
青年が飛び上がるのも無愛想に眺めた。>>1:64
どうやら実力行使に出たらしく、
言葉で忠告するより行動で先に制するタイプかと彼女を認識し。
青年に…あんた以外には見えてなさそうだと先に忠告すべきだったかと、今更至り。
何度も視線を往復する姿には、
若干生温い目を向けた。
大変だな、と他人事。

彼にはここでの感触があるらしい。
此方に気付ける理由はわからないが、夢だからで済む話か。
ぞんざいに扱われても変わらぬ従順さは
助けられた恩義があるからかと、
言葉を拾っては想像をしていく。
仔犬の様に吠える青年は見た事無い側面の筈だが、
面影もある様な気がして面白くも思え。]
(3) 2020/10/02(Fri) 8:24:08

【人】 志隈

[ブレない銃口は慣れを感じる。>>1:66
此方も同じ頃には既に銃に慣れていたから、
気にはならなかったが、
彼は何時の年頃から握ったのだろう。]

…一般人だ。
彼女とは初対面だし、やられてもない。

[過去を鑑みて、
更に警戒を持たれる気がして軍人と紹介するのは止めておく、
平和な国なら一般人だろう。多分。
細かく説明する気もなければ、
誤解も解けないだろうなと考えながら、
当てられた銃口に従って外へと足を向けようとして、
一度止まり。]

彼女とあんたの関係は?
何時からこういう事してるんだ?

[聞くだけ聞いておこうという精神。
正直不審者に話しかけられてペラペラ話すものではないし、
夢で、自分が作り出した物でしか無いのなら、
意味はないことだが。

当てられた感触は随分とリアルで、
齎される情報ももしも本当ならと興味深かった。]
(4) 2020/10/02(Fri) 8:24:15

【人】 志隈

[あまり時間を取ってもいられないだろうと、
質問を投げかけた後には大人しく扉の方へ向かう。>>1:67

そうして外に広がる場所はどんな所だったろうか。
一つ瞬き、後ろへと振り返ると、
何時もの姿に戻った男の項垂れかける所。]

…何してるんだ、あんた?

[不審なものを見るような目を向けた。
姿は現在のものに思えるが、
作られた存在かどうかまでは判断が出来ない。]*
(5) 2020/10/02(Fri) 8:24:30
志隈は、メモを貼った。
(a2) 2020/10/02(Fri) 8:26:31

【赤】 在原 治人

 
[そっと挟み込んだ内側で
 潤んだ瞳が揺れ、
 静謐さを保ったまま唇が動く。>>1:*24

 ほんのりと色づいていく
 艶めかしい変化は
 美蝶の羽化を見ているようで。

 息をするのも忘れて魅入っていると
 口元がふわりと緩み
 堪らない微笑が咲いた。>>1:*26



   …………



[この世のものと思えぬ可憐さに
 撃ち抜かれて
 あれほど饒舌だった舌が、言葉を失う。]
 
(*0) 2020/10/02(Fri) 9:19:23

【赤】 在原 治人

 
[同時に、一気に溢れかえったのは
 叶うことのない欲だ。


          
チャペル

   (この、大きな標本箱ごと
    持ち帰って
    ずっと手元に置いておきたい…)



 一瞬でも見逃したくない。
 ずっとこの奇跡を見ていたい。]
 
(*1) 2020/10/02(Fri) 9:20:24

【赤】 在原 治人

 
[だが、そんなこと
 人間相手に許されないことくらい
 いくら虫狂いの、常識の薄い男でも知っている。


 先程、彼も言っていたではないか。

 ”離して” ”帰して” と。>>1:*3


 きっと拘束を解いたが最後
 羽ばたいて
 手の届かぬところへ
 飛び去ってしまうのだろう。


 24時間びくともしないというアナウンスの
 真偽は定かではないが
 警備の手が回るまでの間だけでも

 せめて────…]
 
(*2) 2020/10/02(Fri) 9:23:16

【赤】 在原 治人

 
[限りある時間。
 もっと、余すところなく愛でようと
 頬から手を浮かそうとすると

 柔らかな肌が わずかに泪で張り付いて
 ”行かないで…”と
 引き止めてくれているように感じた。


 本当にそうなら
 どれだけ良いだろう。


 心裡だけに留めておきたいのに
 慣れぬ切なさは
 いとおしさと共に視線に滲む。]
 
(*3) 2020/10/02(Fri) 9:26:29

【赤】 在原 治人

 
[さっきは有無を言わせず
 無遠慮に剥いた服。
 ベルトに手を掛けながら
 落とす声には、懇願の響きが宿る。]



   ………… 全部 見せて

   貴方の綺麗なところ、全部 俺に



[明日になれば
 もう望めぬ相手なら
 また無理やり肌蹴けさせても構わぬ筈だし、
 嫌だと拒まれても
 きっと手は止められないと思うのに
 
 やはり
 諦め切れていないのか
 この柔らかな表情を崩したくないのか

 羽化を強引に手伝いながら、希う。]*
 
(*4) 2020/10/02(Fri) 9:29:06

【赤】 アクスル

 
[温かい掌が離れて行くのは
 一瞬だって寂しいけれど
 他の場所にも触れられたいから――、
 我慢できない辛さじゃない。]


   ……?


[彼の方は……、どうしてだろう。
 向けられる眼差しが曇った気がした。>>*3

 僕は何か粗相をしてしまったのだろうか。
 伝播したように胸を締め付けられながら
 下にずれて行く彼を視線で追う。]
 
(*5) 2020/10/02(Fri) 12:30:53

【赤】 アクスル

 
[針が刺さったままの胸と胸の先
 彼の手はベルトに掛かった。

 それから、切実な響きを伴って
 彼の望みが鼓膜を打つ。>>*4

 一気に渇いた口を、躊躇いがちに動かした。]



   ……うん。……見て、欲しい……



[決して、嫌ではない。
 僕も望んでいることだ。

 だけどどうしたって、顔が強張る。
 不安がちに瞳が揺れる。

 自社製品のモデルを自ら務めて
 肌を晒すことはあるが
 性器は流石に母と業者にしか見せたことがない。]
 
(*6) 2020/10/02(Fri) 12:31:17

【赤】 アクスル

 
[特に母だ。
 そこを見るときだけ残念そうな……、
 或いはほっとしたような顔をしていたから
 男としての自信を持てずに来た。]
 
(*7) 2020/10/02(Fri) 12:31:27

【赤】 アクスル

 
[緊張する。
 続きを早く見たくて仕方がないし
 今すぐ息の根を止めて欲しくもある。]



   (彼の元に届いた蝶たちも
    いまの僕と同じように
    酷く緊張したんだろうな……)



[虫たちが感情を持つかは解らないが
 もし在るならきっとそうだ。

 彼のお眼鏡に叶わぬのは
 価値が無いに等しいこと。

     生かすも殺すも貴方次第。]
 
(*8) 2020/10/02(Fri) 12:33:11

【赤】 アクスル

 
[そんな依存しきった存在だからこそ
 不安の隠せぬ眼差しで見つめる。

 下が脱がされるなら
 黒のレース製の下着が露わになる。
 大事な部分だけ黒い裏地に隠され
 脚の部分は透けている薔薇柄のそれは
 黒の手袋とお揃いで

 両サイドから三本上に伸びる黒ガーターが
 ズボンに留められていたシャツを
 スス、と左右に開き

 無駄毛が一本とない肌を
 彼の前に晒す行為を、手伝うだろう。

 下着の下も、不要な茂みは処理済みで
 使用感の少ない半身は本人と同じく萎縮し
 今は大人しく中心に収まっていた。*]
 
(*9) 2020/10/02(Fri) 12:33:29

【人】 Cucciolo アジダル



 [ 歪な生い立ちや事情を抱えていた仲間とは違い、
  眠れない夜を知らずに過ごしたと言えば嘘になる。
  暗闇を拒んだ先人や静寂を呪った輩と同じように、
  青年は理解しがたいものに臆する傾向があった。

  漠然とした概念が怖いよりずっとましだろと虚勢を張れば
  そのたび生意気だとじゃれついた袋叩きを見舞われる。
  怖いってこた生きたいってことだと言い張る彼らの所為で
  暫くこれは克服できそうになかった。

  だから、半歩引き摺った踵を誤魔化すように爪先を立てる。
  だから、銃口のキスの感触に安堵して一歩足を踏み出せた。
  湧きあがった勇気はそれだけで、
  もう一度それが口を利こうもんならまた眉根を寄せる。 ]

  
(6) 2020/10/02(Fri) 23:06:17

【人】 Cucciolo アジダル



   は? どうしてそんなこと教えなくちゃいけねェんだよ。
   僕らの顔もわかんねえくらい無関係で、一般人を装うなら
   最後まで花売りみたいに処女の顔し続けるんだね。

   お喋りクソ野郎は口の穴が頭の裏に貫通して死ぬんだぜ。


 [ 振り返る男に合わせて擽るように銃口を這わせ、
  後頭部へぐり、と押し付け直しても
  相変わらずの感情の希薄さが薄気味悪い。

  思惑なら大根役者、好奇心なら大層な大物だ。>>4
  威嚇する野良犬のような警戒心は振りまいたまま
  背中を押すように進む。

  けれどふと思い直せば、彼の後ろで
  ほんの少し得意げな声色で語った。 ]


   だが誰かは知っておいた方が良い。
   あの女は一体を取り仕切るファミリーのトップで──

  
(7) 2020/10/02(Fri) 23:06:32

【人】 アジダル



  ……そんで、僕や家族の恩人だね。


[ 境界を跨いだ途端に先ず靴の爪先を眺めた。
 異物を吐き出した扉は役割を終えたかのように光の粒に溶けて散り、霧立ち込める街のように白くけぶる空間を薄く照らしあげたようだ。

 けれど早回しするように急激に萎びた体の感触と、ひっかき回す様に入れ替わった記憶の感覚にしゃがみこむ程の眩暈を覚えて、それに気付くことは無かった。 ]


  懐かしいな。さっき……あれか。
  寝る前に色々考えてたから思い出しでもしたのか?


[ 途切れた記憶のさいごは布団に潜ったことにある。たったそれだけの事実で「これは夢だ」と判断し──あるいは思考を停止し──呟いた。

 自問自答を終えてフード越しに頭を掻き、ばつが悪い顔を持ち上げる。
 先ほど迄の記憶は問題なく残っている。その上で牙を剥いたことの詫びの一つでも言ってやろうかと思ったが。

 なんつう目で見てやがるこいつ。苦笑。 ]

  
(8) 2020/10/02(Fri) 23:06:43

【人】 アジダル


[ いくらか見通しのよくなった空間の中、恩人、と口に出した瞬間新たな扉が横に現れた。薄く開いた扉の向こうでは先ほどひずんだ空間に浮いた昔の光景>>1:65が再上映されるかのように動いていた。

 懐かしい母と妹の姿を眺め、情景に浸るよう目を細めたのも束の間。そのドアノブを掴んで静かに閉じる。 ]


  親父がな、消えてるから。
  僕が助けてやんなきゃって、正義のヒーロー気取ってたんだよ。


[ ぱっ、と消えた光の粒がまた空間を照らし、幾ら見渡しがよくなった遠くにまた別の扉がある事に気づいただろうか。

 正義のヒーロー、という単語に関連して思い出した記憶がそこにあるのだろう。目が覚めるまで生い立ちをなぞり直すべきなのだろうか。
 思い出したくない過去が山ほどある男にとってとんでもない悪夢だ。

 ……よりにもよって彼もいっしょなのだから。

 わざとらしく溜息を吐き、最悪だ、と呟いた。
 早く朝よ来いと願うばかり。 ]*
  
(9) 2020/10/02(Fri) 23:06:56

【人】 志隈

[青い青年を脅かしてやろうなんて考え付きもしなかったが、
もう少し話を交わせば、人となりを少しは理解出来たか。
話す気があれば、だが。]

あんたに似た男を知ってるから、気になった。

[理由は告げたものの、予想通り返らない答えには納得し、
否、想像より大分口は悪かったが。
最初に話を聞こうとした時も、
同じようなフレーズを言われたなと僅かな懐かしさ。

そういえば、何故か、国境を越えて言葉がわかるんだなと思ったが、
これも夢の力というものか。

その間に銃口を押し付け直されて、
大人しく従った振りして進む。
銃口を気にしてないのは滲んではいて、
キレやすい人間なら既に発砲しててもおかしくないが、
口に反して大人しい方なのだろうか。

一歩、二歩と緩く踏み歩けば、
少し得意げな声が聞こえる。
トップで、青年と青年の家族の恩人。
生い立ちなど知らないが、馳せて、反芻し。

視線を向けることなく、扉に手をかけて。]

…なら、何故、あの女性の側から離れた?
(10) 2020/10/03(Sat) 0:28:27

【人】 志隈

[その問いかけが届く前に扉を潜っていたか。
後ろの扉がどうなったかを見る事はなく、
聞こえた呟く声は、寝る前に見たアジダルと同じ声色。

不審な目で見下ろして、視線を合わせる。
謝罪も何も無くとも気にしない、以前に
今のアジダルが先程の小屋の何処にいたかがわからず。
扉の中では姿が変わっていたとまでは思っていないのは、
銃を突きつけてお前誰だとデカデカ警戒が、
青年の顔に書いてあったのだし仕方ないだろう。]

あんたの記憶に近い場所ではあるんだな。
“夢”であるなら、
互いが本物の様に見えるのが意味がわからないが。

[夢は一人で見るものだ。
それなら、この空間は何かと眉を顰めたが、
アジダルはそこまで気にしていないように見える。
構造を考えても無意味ではありそうだ。
一先ずは、何かを果たせば朝が来るのだろうと仮定し。]
(11) 2020/10/03(Sat) 0:28:34

【人】 志隈

[薄く開いた扉の先に広がっていたものは見えなかった。
静かに閉じる扉は開くべきでは無さそうだと、問わず。

幾つか現れる扉の先には、
アジダルの過去が広がっているのか、と辺りを見回す。]

正義のヒーロー?
家族や大切なものを守れる人間になる事は良いと思うが。

[不意に出た単語には瞬いて。
正義でなくても守れればいいと考えている方だから、
守る事に正義が必要なのかの答えは出ずに、
悪くはないだろうとは示しておく。

特撮に憧れる無邪気な子供でも、
見せて貰えるならそれはそれで興味深いし、
アジダルにとっての正義がどんなものか気にならないではない。]

で、このままここにいても時間経過しなそうだが、
そっちの扉は入っていいのか?

[遠くに見えるものを示して、問いかける。
アジダルには何が待ってるのか予想は付いてるのだろうか。
入るなと言われれば、無理には近付かないし、
乗り気でなくても入っていいと言われれば、
扉に手をかける事にしよう。]*
(12) 2020/10/03(Sat) 0:28:41
志隈は、メモを貼った。
(a3) 2020/10/03(Sat) 1:05:37

Marguerite シャーリエは、メモを貼った。
(a4) 2020/10/03(Sat) 2:51:50

Marguerite シャーリエは、メモを貼った。
(a5) 2020/10/03(Sat) 2:52:15

【赤】 在原 治人

 
[切実な願いは、聞き届けられた。>>*6

 ただ、
 諸手を挙げて…という訳では無さそうなことは
 躊躇いがちな口調と
 翳ってしまった表情から感じ取れた。


 ベルトに続き
 釦やチャックを外し
 スラックスを引き下ろそうとしながら


   (一体、なにを考えているのだろう…?)


 これまで標本にしてきた
 数多の虫たちの心なんか気に掛けたこともなかったのに>>*8
 貴方が今、どんな気持ちでいるのか
 気になって仕方なくなる。

 知りたいと願う反面
 深く刺さって抜けなくなりそうで
 知るのが怖い。]
 
(*10) 2020/10/03(Sat) 4:50:42

【赤】 在原 治人

 
[僅かな逡巡の後、
 一気に膝まで引きずり下ろした。]



   っ、……これは、また  すごいな、



[現れた景色に、ほぅと目を見張る。>>*9

 黒いベルトに縁取られた
 非の打ち所のない白い肌を
 レースが絶妙に透かしつつ隠しているのが
 艶めかしい。]
 
(*11) 2020/10/03(Sat) 4:51:59

【赤】 在原 治人

 



   ……美しい



[ガーターが開いて曝け出してくれた脇腹から
 布地を通って、太ももへ
 右手で撫で下ろしながら賞賛する。


 脱ぎ捨ててしまう蛹まで
 麗しい様は、オオゴマダラを思い起こさせた。
 彼らが包まる蛹は金色に輝いて
 人々を魅了する。

 でも、あれは本来、捕食者の目を意識したものだ。
 理由は諸説あるが
 生き残るために独自の進化を遂げてきた。]
 
(*12) 2020/10/03(Sat) 4:53:41

【赤】 在原 治人

 
[普段は見えぬところまで
 こんな風に拘り抜いて、
 貴方は一体誰の目を意識しているのだろう。

 必死に探して此処に来なければ
 逢うはずも無かった
 己では無いことだけは明らかだ。]


   …………


[訳の分からぬ苦さ。
 もやついた気持ちを晴らすように

 パチン、パチン、パチン

 留め具とシャツを別れさせ
 白さをより際立たせる額縁を取り払っていく。

 どうしても鎖が邪魔で
 まだ逃げられぬことを確認しつつ
 椅子の足と繋いだ片側をひとつだけ外した。

 自由になった すらりとした脚。
 恭しく捧げ持って
 革靴に続き、スラックスとガーター
 履いているなら靴下も抜き取ろうとするだろう。]
 
(*13) 2020/10/03(Sat) 5:02:27

【赤】 在原 治人

 
[黒革の拘束具だけは
 俺が施したものだから

 このままで、────良い。]*
 
(*14) 2020/10/03(Sat) 5:03:48

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[誰でもいじめられる可能性はあるけど、いじめられやすい人はいる。
 大人しくて、やり返さない優しい人。
 運がいいことに、私はいじめられたことはない。
 だけど、いじめそのものから逃れられなかった。
 ── ありふれた事だから。]
(13) 2020/10/03(Sat) 8:45:02

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[中学生のころ、少しトロい子がいた。
 その子は、体育の時間、あらゆる場面で面白い動作をした。

「なにその動き! へんなのー!」
 私はおかしくて、笑って真似した。他の子たちも寄ってきて、けらけらと盛り上がる。
 傷つけてやろうなんて全く思っていなかった。じゃれることで距離を縮めたかった。
 私自身、そうされることが楽しくて、「ひどーい」と笑って友達を作っていたから。
 その子は真っ赤になって俯いて、その様子がまたおかしくて、体育の時間のちょっとした名物になった。

「でた! ──ちゃんの珍プレー!」「ナツキ、いつものやってよー!」「おっけー任せて!」

 その日もそうやって遊んでいたら、その子はぽろぽろと泣き出してしまった。
「ナツキ、ひっどー」「──ちゃん、泣かせてやんのー」「──ちゃん、だいじょうぶー?」
 私はひどく慌てて、何度も何度も謝って、二度と同じことはやらなかった。
 けど、心の底は不満だった。]
(14) 2020/10/03(Sat) 8:47:24

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 なあに、あれぐらいで泣いたりして。
 ちょっとじゃれただけじゃん。
 美味しい役回りあげたのに、なんか嫌な感じ。
 まるで私が悪者みたい。
 私なんかもっとエグいいじり方されても、盛り上げられるのに。
 空気を壊して泣くなんてこと、しなかったのに。
 いいよね、──ちゃんは。可愛い女の子枠にいられてさ。


 
(15) 2020/10/03(Sat) 8:47:59

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[ふとした時、あの時のことが蘇って、胸がぎゅっと苦しくなる。
 仲良くなろうとしたはずなのに、なんでああなっちゃったんだろう。
 言い訳をたくさんしてしまう自分が嫌で、誰かに聞いてほしいけど、そんなこと聞かされたら盛り下がることなんてわかってて、だから私の中には汚いどろどろがいつまでも渦巻いていて、

 こんな私のこと、ユウ君には絶対に知られたくない。

 いじめは一対多数。
 つい、自分がいじめられないかばっかり心配するけれど、
 加害者になるほうが、ずっとありえるんだ。]*
(16) 2020/10/03(Sat) 8:48:51
(a6) 2020/10/03(Sat) 9:03:55

【赤】 アクスル

 
[手枷と繋がる鎖に戒められて
 "諸手"はずっと挙げたままだけれど>>*10

 いま僕を見てくれているのは
 他でもない彼だから……、
 緊張せずには、居られない。]



   (変じゃない、かな……)



[ジム通いで余分な贅肉を落とし
 肌の手入れを欠かした日はない。
 万全と言っていい状態だが、
 それでも不安の種は育っていく。

 下半身など、普段他人に見せる機会はない。
 羞恥も伴えば、
 頭が沸騰しそうになっていた。]
 
(*15) 2020/10/03(Sat) 10:04:18

【赤】 アクスル

 
[何か、気になることでもあるのか
 少しの間が置かれ>>*11
 不安が一層膨らんだところで

 ズボンを一気に脱がされた。

 膝上まで、冷んやりした外気に触れる。]



   ……、ええと、それは、……



[日本語は時に難しい。
 すごい、はどう受け止めていいのか。

 わからぬまま
 眉尻を落として見つめていれば
 賞賛を告げてくれながら動かされる手が見えた。]
 
(*16) 2020/10/03(Sat) 10:04:25

【赤】 アクスル

 
[脇腹から太腿へと掌が伝い降りるのと裏腹に>>*12
 ぞくぞくとする何かが背筋を駆け上り
 頸の辺りで蟠る。]



   ……、……っ



[両目を細め、小さく震えながら
 慣れない快楽を甘受した。

 その声で褒めて貰えるのも
 その掌で触れて貰えるのも

 信じられないほど、気持ちが良いよ――…。]
 
(*17) 2020/10/03(Sat) 10:04:41

【赤】 アクスル

 
[先程、虫ピンを刺される前に
 胸を弄られたときは、
 擽ったさしかなかった。

 心が無防備だと
 こんなにも……、違うんだ。

 
下着が、少し窮屈に感じる。

 
(*18) 2020/10/03(Sat) 10:05:08

【赤】 アクスル

 


   そう見えるなら、良かった……



[賛辞に答えながら僕は
 身体まで彼に懐いていくのを
 自覚するけれど

 どうしてだろう

 彼の方は……、余り面白くなさそうだ。>>*13
 
(*19) 2020/10/03(Sat) 10:05:16

【赤】 アクスル

 
[無言で裸に剥かれていく。

 腰や足を浮かせて手伝いつつ
 気に掛かる。

 足を持ち上げてくれる所作から
 僕を大切に扱ってくれているのは
 伝わってくるのだけれど

 彼は本当にしたいことを
 出来ているのだろうか。]
 
(*20) 2020/10/03(Sat) 10:05:56

【赤】 アクスル

 
[シャツガーターを外され
 靴下まで脱がされたが
 鎖を離した足枷は足首に残された。>>*14

 脱がしきりたいのか
 それとも脱がしきりたくないのか

 何とも不思議で、少し首を傾げる。]



   (……ああ、)



[けれど、足元を眺める彼の表情は
 心なしか嬉しそうに見えるから……、

 このままが、────良い。]
 
(*21) 2020/10/03(Sat) 10:06:31

【赤】 アクスル

 
[手足の拘束具。

 貴方が付けてくれたと
 改めて認識すれば
 一番の気に入りの装飾具になってしまう。

 この先ずっとつけていてもいい。

 僕の中、在原治人というひとが
 一秒ごとに大きくなって、占めていく。]
 
(*22) 2020/10/03(Sat) 10:07:09

【赤】 アクスル

 
[自覚すればする程に不安も育つ。

 嘗て自身の基準の全てを作った人は
 最期には僕を仕上げるのを諦めて
 僕のことを捨てて
 自分だけのために生きて
 自分だけのために死んだのだから……。


 貴方に価値を与えて貰って、
 漸く得られた命だ。

 また手離されたら……と想像すると、
 ぎゅうぅ、と強く胸が締め付けられる。
 息がしにくくなって
 また、辛い方の涙が瞳に集まっていく。]
 
(*23) 2020/10/03(Sat) 10:08:01

【赤】 アクスル

 
[生きることはかくも苦しいことなのだ。
 重い肺を働かせながら、想いを声に載せる。]



    Herr在原、治人……
    ……、僕を、最後まで仕上げて



[切望で、渇望していた。
 もう貴方のための僕だから
 途中で投げ出さないで欲しい。

 しかもそれだけじゃないと
 吐き出してから気づいてしまう。

 口をもごもごと動かし
 躊躇って、躊躇って、……付け足すだろう。]
 
(*24) 2020/10/03(Sat) 10:08:31

【赤】 アクスル

 

    僕を、手元に置いて欲しい……
       叶うことなら、ずっと……


[声は怯えを孕んで震えていた。
 僕は、貴方なしに生きられないだろう。
 もし叶わぬのなら、今すぐ命を摘み取って欲しい。
 ……そんな想いで。**]
 
(*25) 2020/10/03(Sat) 10:09:07

【置】 二年生 早乙女 菜月


 太郎は、外に出ましたけれど、往来にはちょうど、
 だれも友だちが遊んでいませんでした。
 みんな天気がよいので、遠くの方まで
 遊びに行ったものとみえます。
 もし、この近所であったら、
 自分もいってみようと思って、
 耳を澄ましてみましたけれど、
 それらしい声などは聞こえてこなかったのであります。

 一人しょんぼりして、
 太郎は家の前に立っていましたが──

── 「金の輪」      
(L0) 2020/10/03(Sat) 19:51:00
公開: 2020/10/03(Sat) 19:55:00
花の名 リフルは、メモを貼った。
(a7) 2020/10/03(Sat) 21:30:51

【置】 二年生 小林 友


   太郎はかなたの往来を見ますと、
   少年が二つの輪をまわして、走ってきました。
   その輪は金色に輝いて見えました。
   少年はその往来を過ぎるときに、
   こちらを向いて、昨日よりも
   いっそう懐かしげに、微笑んだのであります。
   そして、なにかいいたげたようすをして
   ちょっとくびをかしげましたが、
   ついそのままいってしまいました。

   ─────『金の輪』
           小川 未明
(L1) 2020/10/03(Sat) 23:04:24
公開: 2020/10/03(Sat) 23:05:00

【赤】 在原 治人

 
[名前が呼ばれた。>>*24
 普段、呼ばれることのない下の名に
 妙にどきりとして、足元に集中していた目線を上げると
 切実な響きを伴って、願いが
 唇から吐き出されるところだった。>>*25


 涙を滲ませた表情が物語っているのは、
 望まぬ行為への苦渋…か。
 だとしたら、
 早く逃れたくて
 仕上げろと言っているのかもしれない。

 完成すれば気が済むと思っているのだろうが、
 残念だが俺は
 警備員に取り押さえられでもしない限り、
 貴方を離してやれそうにない。]
 
(*26) 2020/10/04(Sun) 6:12:47

【赤】 在原 治人

 
[本音を言い淀むように
 動く口元を
 じっと見つめながら苦さを噛み潰していると
 思い掛けない言葉が聴こえた。>>*25



   っ…、  今、なん…て ?



[にわかには信じ難くて、聞き返す。]
 
(*27) 2020/10/04(Sun) 6:15:41

【赤】 在原 治人


[あまりにも
 自分に都合が良すぎて
 幻聴や白昼夢の可能性が脳裏を過ぎった。

 いや…、

 やはりそうやって
 俺の気を緩ませておいて
 隙を見て助けを求めに行くのかもしれない。

 だって、ほら…
 こんなにも声は怯えをはらみ>>*25
 瞳から辛さが零れ落ちそうになっている。>>*23
 
(*28) 2020/10/04(Sun) 6:17:34

【赤】 在原 治人

 
[虫の魅力に
 取り憑かれてきた男にとって彼は
 初めて興味を持ち、惹かれた人間だ。

 まだ複雑な内面を推し量るのは難しくて>>*23
 喉から手が出るほど望む言葉が>>*25
 本音であると
 信じることができなかった。


 それでも、 
 聞いてしまった
 聞こえてしまった
 その前の心境に戻ることの方が
 もっと、難しくて。]
 
(*29) 2020/10/04(Sun) 6:19:49

【赤】 在原 治人

 
[は……と、ひとつ息を吐き
 無理矢理に笑みの形を作ると、
 切なさを押し隠し
 できる限り、穏やかな声音になるよう
 意識しながら語りかける。]



   ああ、いいよ。

   さっきから、俺も思っていたんだ。  
   教会みたいなこの部屋ごと
   貴方を持ち帰れたらどんなに良いだろうか、って。

   連れ帰って
   部屋に閉じ込めて
   この手で愛でてあげような。

   ずっと、ずっと…



[今だけでも仮初の幸せに酔わせて欲しい、と
 音にすれば、
 どれだけ手放したく無いのかを
 より深く自覚する羽目に陥った。

 
叶わぬ未来だと分かっているのに────…
]*
 
(*30) 2020/10/04(Sun) 6:24:10

【人】 アジダル


[ 寝覚めが悪いのは常たるもので、明晰夢に出会うことだって少なくはなかった。
 あれこれと自分の体を書き換えられていく感覚に晒されて同一の価値観を維持することが難しいこと、夢に浸る感覚と突然自我を取り戻すタイミングがあること、一見して普段通りを保てるこの場が基準だなど言い切れもしないこと。
 油断しているのか現実よりも幾らか緩い口はすらすらと状況を吐き出した。意味の有無はともかく。 ]


  少なくとも、さっきの場面はこっちの昔の思い出だからな。
  僕自身もなんか……昔の姿だったし。


[ ぽす、ぽす、と腰のあたりを叩く。三度目の接触で、何もなかったはずの場所にさっきまで使っていたガンホルダーがあった。四度目の接触で再び消える。
 ……融通は或る程度利くらしいな、と目を細めて。 ]


  だからお前も僕が頭で作ったシグマなんじゃないの?

  なんか僕の知らない事言ってみてよ。
  まだ話したことないようなこと。


[ 体を離して寝たと言うのに行き着く先が同じというのもなんとも奇妙な話だが。>>11
 どのみち不可思議な事象について熟考するよりも対面して応対する方が向いているのだ。選択を迫られる場面に何度も直面していれば自然とその思考時間は短くなる。

 先ほどまではつるりとしていた、今はあちこちを駆け回って傷跡が残る手を、一見して迷いも何も無いように、パーカーのポケットに突っ込んだ。 ]
  
(17) 2020/10/04(Sun) 8:17:12

【人】 アジダル


[ 薄明りしかない空間は相変わらず見通しが悪く、軽佻な風に歩めば迷いこむような印象がある。視界から彼の姿を外さないよう気をつけながら壁を探るも、触れられるような感触は一帯には存在しない。

 簡単に探索をしながら、投げられた言葉を今更のように捕らえて>>12まあそうなんだけどさ、と振り向きもせずに口を開いた。 ]


  そういうものに憧れてたんだよ。
  葛藤も躊躇もなく、
  正しく誰かを助けられるようなもんにね。


[ だが実際はそうはいかない。正しいことばかりを繰り返せば善人になれるわけでなく、手を汚さなければ守り切れないものは山ほどあった。

 その様を今しがた目の当たりにした彼だって、これまで出会ってきた仲間と同じように嘲笑してきたって構わないと思ってはいた。けれど想像どおりに通り抜けた言葉にふっと笑みが零れた。 ]


  どうだろう。別に家族や仲間じゃなくとも
  助けてやりたいとは何度も感じてたしな。
  無謀すぎるでしょそんなの。


[ 呟けば、奥の扉が薄く開いた音がした。
 語るか思い出すかすれば時間が動くような感触に、聊かうんざりしたような心地で溜息を吐く。 ]
  
(18) 2020/10/04(Sun) 8:17:18

【人】 アジダル


[ 誰だって見せたいもんや見せられるもの過去ばかりを生きてきたわけではないだろう。男にとって人生は取り繕えるほど安定したものではなかったし、秘密にしておくべきことは人より多く存在するはずだった。

 彼が記憶を誘発することを言わなければ、そして己が思い出しさえしなければ、あらゆることを闇に葬っておけるだろうか。
 忘れている記憶や忘れたいこと、蛆が湧いて今更どうすることもできない記憶どもにぶち当たりさえしなければいいが。]


  ……そうしなくちゃ覚めない夢なら
  入るっきゃないか。


[ ブラックボックスを開くのを躊躇うように彼の背に近づく。とりあえず血の匂いはしない光景を見てとり、撃たれはしないだろうなとその後を追った─── ]
 
(19) 2020/10/04(Sun) 8:17:23

【人】 Cucciolo アジダル



 [ ことを、けれど。次の瞬間すっかりと忘れている。
  人の背中を追って飛び込んだ昼間の路地裏だというのに、
  いつの間にか彼の視線の先に男はいた。

  曲がり角の石壁に両手をひっかけ、
  体を隠すようにしながら道の先を伺う様は、
  拙さが無いことを除けば隠れん坊遊びをする子供のようにも
  見えたことだろう。

  錆びた剥き出しの配管の上には土埃が積り、
  判を押したように並ぶ白抜きを追いかけていけば
  先には肋の浮いた猫が欠伸をしている。

  丸みを帯びだした煉瓦詰めの地面の随所には
  清掃されても血のような染みがこびりついていて
  人が一人横たわったような形をした日常風景を
  誰も彼も今更気に留める様子もない。


  ……だから正義など貫くのは馬鹿らしいことだと思い知る。
  しょうもない遊びに興じていると呆れ顔をされたが
  自己満足と言って認められるならそれでもいいと
  思っていた、筈だった。


───これは衝動の日。 
]


  
(20) 2020/10/04(Sun) 8:18:18

【人】 Cucciolo アジダル



 [ 点々と道を作るように並べられたパンや果物を
  今日は気に入ってくれるだろうか。
  身の丈に合わない良物の腕時計を眺め、
  そわそわと落ち着きなく様子を伺う。

  同じ場所を使っているというのにごった返さないあたり
  あの子がこの施しを口外してはいないのだろう。
  それでいい、自分の手の届く範囲だけ助けられれば。


  自分にはには路地裏暮らしの経験はなく
  一つの林檎を投げ込めば殺し合いが起こるほど
  飢えたり追い詰められた世界の存在は
  未だ納得することができない。

  けれど改めるには力も金も足りないことをよく知っている。
  定期的に行っていても酔狂と気紛れの域を出ない行為、
  余った食材や用意した医療キットを浮浪児の為に置くことは
  それでもやめようとは思わなかった。
  実際嬉しかったと言ってくれたし。


  誰が、だったか。 ]

  
  
(21) 2020/10/04(Sun) 8:18:41

【人】 Cucciolo アジダル



 [ 男は──少しばかり傷の青年は、
  ふと背中越しに見えた影が道に伸びるのを見て振り返る。
  そこに立っていた人物を、観測者を確かめれば
  慌てて手を伸ばしたことだろう。 ]


   あー、待ってお兄さん、
   今ちょっと取り込んでるからこの道行かないで!


 [ 焦燥を滲ませながら自分の後ろだか死角だかに導くように
  かくれてかくれて、と腕を引く。
  彼が何かしゃべろうとすればその唇に立てた指を近づけ
  しぃっと沈黙を要求しよう。

  風景に似つかわしくない素材の良いスーツの襟を開き、
  肩を埃っぽい壁に押し付けるまでしている事態だというのに
  妙に呑気な高揚を讃えた笑みは、
  大人びた子供のようにも見えたことだろう。

  実際ワクワクしている。 ]

 
(22) 2020/10/04(Sun) 8:19:00

【人】 Cucciolo アジダル



 [ ほどなくして裸足の足音が聞こえてくる。
  待ちかねたように道の方へ意識を向けると、
  いつものように小さな人影が歩いてきていた。

  手入れの施されていない襤褸切れのようなものを着た、
  これまた手入れされていない長い髪の浮浪児だ。
  金色の毛虫みたいに見える少年は周囲を気にしながら
  並べられた物資に飛びつくように近づいていく。

  土で汚れた手で拾ったピカピカの林檎に笑顔が映り、
  それを大切そうに抱き締めてから
  纏っていたぼろに包んで他のものも集めていった。 ]


   可愛いでしょ。
   他に人がいると警戒して持ってってくんないんだよね


 [ その様子を楽しそうに眺めていた青年は
  乗り出しそうになるのを堪えるように
  側頭部を石壁に押し付ける。
  傾いた体の腰に吊るしていたガンホルダーが
  こつりと音を立ててぶつかった。 ]

  
(23) 2020/10/04(Sun) 8:19:25

【人】 Cucciolo アジダル



   公的機関が馬鹿になってるから仕方ないけど
   やっぱ子供は笑ってんのが一番だよ。


 [ そうは思わない? と振り返った顔は
  同じように柔らかく綻んでいた。 ]*

 
(24) 2020/10/04(Sun) 8:19:44
Cucciolo アジダルは、メモを貼った。
(a8) 2020/10/04(Sun) 8:28:40

【置】 二年生 早乙女 菜月




   それから後も、やさしい星だけは、
   下の世界をずっと見守っていました。

 
── 「ある夜の星たちの話」   


  
(L2) 2020/10/04(Sun) 10:32:20
公開: 2020/10/04(Sun) 10:35:00

【人】 二年生 早乙女 菜月



「うわ!?」

[パチっと音がして、図書室の中が明るくなる。
 文庫本を胸に抱いたまま振り返ると、ドン引きした司書の先生と目が合う。
「電気もつけずに何してんだ早乙女。もう下校時刻過ぎてるぞ、帰れ帰れ。あとそこ座るの禁止の椅子だから」]


 あ……はい


[感染症対策で、座れる場所はかなり減った。椅子の半分には赤いテープでバッテンが貼られているし、机も同じ。
 さっきまでこんなのなかったのに。

 延長手続きを済ませて廊下に出る。
 廊下から外を見たら、チア部の横断幕>>0:23がはためいていた。
 中庭の明かりに照らされて、かろうじて読める。
 銅賞の文字が一瞬霞んで、優賞、と書かれているように見えたのは>>1:43、暗さで目がバグったんだろう。]*
(25) 2020/10/04(Sun) 10:33:58

【人】 二年生 早乙女 菜月



「ナツキ、」

[と心配そうに友達が言う。]
「どうしたのここんとこ。図書室で見かけた時、ずっとぼうっと壁を眺めてたから、怖すぎて声かけられなかったよ。しかも、次の瞬間ふらっと消えちゃったし……どこ行ってたの?」


 どこ? ……デートかな〜〜〜〜?
 あんま無粋なこと聞かないでよね!


[私は笑ってごまかす。

 紙はすっかり傷んでしまったから、裏面を丁寧に補強した。
 一面に、縦にも横にも張り付けたセロハンテープ。
 パッと見ると市松模様みたいで、ああ、そういえば、オリンピックもどうなるんだろう。
 あれだけ大騒ぎしてたのに、今年もどうなるか怪しいや。

 筋トレとランニングの時間が減って、少し、体重が落ちた。]**
(26) 2020/10/04(Sun) 10:39:03
二年生 早乙女 菜月は、メモを貼った。
(a9) 2020/10/04(Sun) 10:40:16

【置】 二年生 小林 友

  

  「その子供が、かわいそうじゃないか。
   だれか、どうかしてやったらいいに。」
   といいました。
   「私は、その子が、目をさまさないほどに、
   揺り起こしました。
   そして、それが夢であることを
   知らしてやりました。
   それから子供は、やすやすと
   平和に眠っています。」
   と、やさしい星は答えました。

  ─────『ある夜の星たちの話』
            小川 未明*

 
(L3) 2020/10/04(Sun) 15:26:53
公開: 2020/10/04(Sun) 15:25:00

【赤】 アクスル

 
[つい先刻まで彼にとって僕は
 ただの盗人だった。

 彼の態度が豹変したのは
 僕の見てくれを
 好いてくれたからだと思う。>>1:*6

 母と、同じように。]
 
(*31) 2020/10/04(Sun) 16:15:19

【赤】 アクスル

 
[彼には言うなと言われたけれど>>1:*16
 WこんなW僕には
 親から貰った容姿しかないのだ。

 スポーツは怪我や日焼けをするからと
 最初からさせて貰えなかったし
 母の仕事を手伝うために
 薬剤師の資格の取得を目指しても
 特段喜んでは貰えなかった。

 いつだって誉めて貰えるのは見た目だけ。]
 
(*32) 2020/10/04(Sun) 16:15:26

【赤】 アクスル

 
[その唯一の見目が損なわれることは
 死より辛いことだった。

 けれど、いまの僕の容姿でも彼は
 美しいと言ってくれるから
 すべてを許された気になってしまう。

 アクスル・パームは一度死んだ。
 新たに命を与えたのは貴方。
 無責任に投げ出すことを許したくない。]
 
(*33) 2020/10/04(Sun) 16:15:33

【赤】 アクスル

  
[捨てられた時を想起してしまうから
 胸が苦しくなる。

 見つめる先の顔が、
 ぎこちなく笑みの形を作った。>>*30
 拒まれることを予期して
 一瞬だけ、哀しげに眉が寄る。]


   ……え、……


[けれど返されたのは、是だった。>>*30
 眉を戻し、瞬きをゆっくりと繰り返す。
 その間にも、穏やかな声は続いた。]
 
(*34) 2020/10/04(Sun) 16:16:09

【赤】 アクスル

 
[彼の方も僕をW連れて帰りたいWと――、
 そう思ってくれていたと言う。

 嗚呼、これこそ夢のような話。]



   
…………はぁ




[その手に愛でられる想像で
 頭の奥から甘い痺れが拡がり
 小さく吐息をこぼした。

 もう、身体が覚えてしまった。
 貴方に手掛けられるのは
 大変に気持ちが良いことだと。]
 
(*35) 2020/10/04(Sun) 16:16:15

【赤】 アクスル

 
[……ただ、互いの想いが
 真にひとつだと言うならば

 もっと自然に笑ってくれても、いいと思う。

 どこか表情は硬く、違和感がある。
 訊ねるべきだろうか。]
 
(*36) 2020/10/04(Sun) 16:16:24

【赤】 アクスル

 
[しかし、時差ボケと
 負傷による体力の磨耗で
 色々と限界だった。

 彼のこと
 僕を傷つけるだけの存在ではないと
 認識したから、気が抜けたのもあり]



   ……、……うん、……ずっと、だよ……



[重たくなった目蓋を必死に持ち上げながら
 釘を刺すことで、今は精一杯だった。
 言質はとった。
 やっぱりずっとはダメなんて、言わせない――…]
 
(*37) 2020/10/04(Sun) 16:16:47

【赤】 アクスル

 
[知っている。
 貴方の家、綺麗な子、たっくさんいるんだ。

 余所見は、出来たらしないで欲しいよ。

 だから、貴方の家じゃなくて
 僕の家に来て欲しい……こととか

 貴方のこと
 貴方がどんな風に生きてきたのか
 知りたい……ってこととか

 話したいこと、山程あるんだけれど]
 
(*38) 2020/10/04(Sun) 16:17:03

【赤】 アクスル

 


   ……、ごめん、……眠くて……
    ちょっとだけ、……眠らせて……



[断りを入れてから目を閉じようとする。

 許可が得られたなら間もなく、
 ……得られなければ少し抗った末に、
 金の睫毛に縁取られた目蓋が
 蒼い瞳を隠してしまう。

 無防備な姿を晒して、
 小さな寝息を立て始めるだろう。]
 
(*39) 2020/10/04(Sun) 16:17:12

【赤】 アクスル

 
[起きたら醒める夢ではないことを祈って。**]
 
(*40) 2020/10/04(Sun) 16:17:17

【人】 二年生 小林 友

[気がついた時には暮れなずむ図書館に
 一人っきりで机に突っ伏していた。

 暖かな影は、もう何処にもなくて
 冷たい秋の風がふんわり、頬を撫でていく。
 幸せな夢から醒めたら、
 色褪せた現実が横たわっている。

 ……今ならマッチ売りの少女の気持ちが分かる。
 何度も何度も、マッチを擦っては
 同じ夢を見たがるの。

 残された本と、ボロボロの便箋。
 便箋には、菜月からのメッセージが
 しっかり残されていた。]*
(27) 2020/10/04(Sun) 18:25:07

【人】 二年生 小林 友



  「……ともちゃん、変わったね」


[ある日、図書館に行こうとした俺に
 青柳はそう言った。
 振り向くと、青柳はその端正な顔をそっと
 あらぬ方向へ向けて、笑う。]


  「なんか、彼女出来たのかなって。
   ……それは喜ばしいことだけど
   ともちゃん、なんか消えそうで、怖い」


[それぞれが部活や委員会に向かおうとする
 騒がしい教室内に、消え入りそうな声を出す。
 俺は青柳のそんな顔、初めて見た。
 もっと明るく何も考えない奴だと思ってた。
 “陽キャ”ってそんな生き物だって。

 俺はそんな青柳にそっと笑いかけて
 肩を叩いて、言った。]
(28) 2020/10/04(Sun) 18:36:15

【人】 二年生 小林 友



  ……なんだよ、それ。
  別な世界に飛んでいきそうって?
  そんな方法、どこにも無いよ。


[何処にもない。
 影に触れて、体温を分かつ方法も。
 俺は知らない。

 そう笑うと、俺は踵を返して
 図書館へと向かうだろう。
 大好きなあの子に逢いに行くために。]*
(29) 2020/10/04(Sun) 18:39:17

【人】 志隈

[此方は比較的に夢を見るのは少ない方だ。>>17
見たとしても忘れている、がより正しいだろうか。
見解を聞いても理解が及ばない顔をした。
自分は同一ではあるが、アジダルには異変があるらしい。]

あの口の悪いのは、やっぱりあんただったのか。
記憶も年齢に合わせて変化した?

[腰を叩く姿に何をしているのかと見て、
ガンホルダーを見て現実ではなさそうだと再確認。
不思議と此方は何かを作り出せる気はしなかったが。

アジダルの頭で作られたかどうかの否定要素は満たない。
自己認識は普段の自分でしかないと言うだけで、
言ってみてよと問われれば眉を顰め。
知らないことは沢山あるだろうが、
昔話をする程の時間もなく。]

さっき、寝た時、
物音がすぐにすれば起きるくらいには警戒して目を閉じた。
だから、あの部屋からは出てないだろうと考える。
…“練習”にならなかったな。

[自己申告の是非を図る手段があるとは思えなかったが、
状況の補足ついでに言う。

理由は寝る前に言った通りだから、
警戒して寝ていたと気付いたなら、
知らない事にはならなかったか。]
(30) 2020/10/04(Sun) 19:47:38

【人】 志隈

[薄暗闇に歩くのも慣れていて足取りは確りとしている。
迷っても逸れても目が覚めれば元通りだろうと、疑ってもなく。
そんな話をしながら、暫くは探索。
近づいた扉は閉まっていた。]

情が深い方に見えるし、大事なものであれば、
あんたは躊躇なく、助けたんじゃないか。

[まるでそうならなかった様な物言いには疑問を持ったが、
誰かが不特定多数であり、続く言葉には数瞬考え込み。]

目の前で倒れていれば手を差し伸べたいと思う人もいるだろうな。
戦争は自分の国を守る為に、他国と戦うし、
俺は正義のヒーローに憧れた事が無いから、
在り方はわからないが、
…あんたに助けられてる人間も多そうだ。

[今、正義の味方になりたいようには見えてなかったが、
そんなに外れた事もしてなさそうだとは言っておく。
全部を救う事は土台無理な話だ。
傷付ける事がいけない事だとは言わない。
幼き頃、異国を受け入れられなかった親戚達に
怒りを覚えた事は一度もない。


声に応ずる様に薄く開く扉に視線を向け。
背中から止める言葉が無いのなら踏み入れた。]
(31) 2020/10/04(Sun) 19:47:46

【人】 志隈

[踏み入れれば明るい路地裏に行き渡る。
少し先に人の姿が見える。
髪の色も同じだし男もアジダルなのだろうかと、
後ろに気配が無いのを確認して、
青い青年より更に若くなったか年を取ったか、
確かめようと男へと近づく。

先程地面を染めたのは乾ききってない鮮血に見えた。
今はこびりついているだけで、まだ平和に見える。


一歩、二歩、近付いていくと、男が振り返る。
1度目と照らし合わせれば面影のある顔だ。
目が合えば、何かを止められて、手を引かれた。>>22
口を開こうとすれば、指を立てる仕草。

大人しく沈黙する事にしたのは、
見たことのない様な顔をしていたから。
高揚を讃えた笑みは、先程の表情より余程普段から遠く。

高そうなスーツを着るのは昔からなのか、と服を見て、
点々と並べられた物を見て。

明るい青年の待つものを、此方も待ち。]
(32) 2020/10/04(Sun) 19:47:54

【人】 志隈

 
……可愛い?

[吐き出した声は思うより低い。
地面に落ちてる物を拾わなければ生きていけない事、
施しを有り難く思う小さな子供は理解出来たが、
可愛いと称した男は無性に気味悪く思えた。

警戒して持っていくのは奪われる事や、
盗んだと疑われて叩かれるのを恐れるからだろうか。

子供が笑っている方がいいのも
食物を施す事も間違ってはいない、
悪気もないのだろう。]

あの様子だと家もろくな所じゃないだろうな。
そのお高い時計を売って、養ってやったらどうだ?

[腕を指差して、提案をする。
何度かあの子供に渡してるのなら、
あの子供だけ特別なのだろうか。
他にも与えてるからそんな事出来ないって回答でもいい。

ただ、ほんの少し意地の悪い質問をしたくなった。]*
(33) 2020/10/04(Sun) 19:48:02
志隈は、メモを貼った。
(a10) 2020/10/04(Sun) 19:51:41

【人】 Marguerite シャーリエ

―― 船をこぐ ――

 お姉さま お怪我ですか?

[花壇の前に立ったお姉さまが右腕を押さえている。
バラの手入れでトゲに割かれたのだろうか。
血の色はバラよりも赤く痛々しい。]


 <いたいのいたいの とんでいけ>

[昔お姉さまがしてくれたように、
傷に手をかざして撫でて、空に放つ。
子供じゃないんだからって笑われてもやめない。]

 いたいと悲しくなるでしょう。
 お茶も美味しくないもの。

 <いたいのいたいの とんでいけ>
 <かなしいのかなしいの とんでいけ>

[とんでけって見上げた空は作り物めいた真っ青な空。
とばした痛みや悲しみは空に浮かんで雲になる。
雲を見つけたラッコが寄ってきて、
気持ちよさそうに泳いでから、雲を両手に抱えて齧っていた*]
(34) 2020/10/04(Sun) 22:42:47