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【人】 爽快ブラスト チアキ先生が画像を消してしまったことに私は驚きました。 だって、先生は魔法少女に興味があるようでしたから。 けれど、それは男子生徒も同じです。 驚いたように目を見張り先生に文句を言いかけましたが、それをやめてしまいました。 そして不服そうに立ち去っていきます。 私はそのやりとりを呆然と眺めていました。 だって。 とても、とても怖かったのです。 アムニャックとしての立場を守るべきか。自身を守るべきか。個人として。王族として。 私は王族としての立場を守るべきでした。本来ならそうでした。 でも怖くてそれができなかった。 そんな私を、先生は気遣ってくださいます。 先生に抱きしめられ──私はハッと目を見開きました。 こんなはしたない事。 「せ、先生、ありがとうございます…。 でも、その、…叱られてしまいます。」 少しだけ手で先生の胸板を押しました。 助けて頂いたのです。それなのに拒絶するのは流石に申し訳なかったのです。 それに、ユスターシュ様にもこんな風に抱き寄せられたことは無かったはずです。 デビュタントの時、ホールでダンスを踊ったあの時くらい。 男の方にそんなことされたことがありませんから…私は震えながら、耳まで赤くしてしまっていました。 (0) 2023/10/18(Wed) 22:05:33 |
【人】 爽快ブラスト チアキぐす、と。様々な思いが綯交ぜになって、涙がまた溢れて。 それでいても、思ってしまうのです。 ユスターシュ様にお会いしたい。 ユスターシュ様に元に戻っていただきたい。 ユスターシュ様に、 でも、 ユスターシュ様の本当の想いは…どうなのでしょうか。 いつの間にか、私は先生の腕の中。 胸元に額を押し付けるようにして、縋り付いてしまっていたのです。 先生ですから、大丈夫。そう、信じて。** (1) 2023/10/18(Wed) 22:06:43 |
【人】 爽快ブラスト チアキきっと抱きしめられている間。私が縋ってしまっている間。 無意識のうちに癒しの魔力が漏れたでしょう。 それも致し方ありません。 この能力はあまり医師の力は関係ないのです。 抱きしめれば、抱きしめられれば、相手を癒してしまう。 それを膝枕の時のように強める事はできても、弱める事はそうできませんでした。 先生が少しよろけて、それに謝罪してくれました。 私は首をゆっくりと横にふります。 「いえ、ありがとうございました。 おかげで助かりました。」 涙がまだ残っていましたが、暖かな腕に救われたのは事実です。 ほんの少しだけ、ユスターシュ様に申し訳なくなりましたが──。 私は先生を見送ります。 顔を洗い、少し遅れて授業に戻りました。 その後は1日何事もなく過ごせるはずでした。 けれど。 (15) 2023/10/19(Thu) 20:14:19 |
【人】 爽快ブラスト チアキ私はまた屋上に来ていました。 それも、たった一人で。 サアヤは用事があるようですし、リッコは何やら考えたいことがあるようです。 私も考えたいことがありました。 だからこそ、昨日ユスターシュ様と再会したその場所で一人佇んでいたのです。 だから、生徒の姿のまま、魔力を乗せて歌を歌いました。 それはユスターシュ様にだけ教えた、内緒の──。 『瞼閉じれば 煌めいて 美しき夢 果てしなく 悲しまないで ここにいる 愛しい日々の 子守唄』 (16) 2023/10/19(Thu) 20:14:49 |
【人】 爽快ブラスト チアキかつて私の乗った馬が暴走する事がありました。 本来ならキツネリスだけで驚いて暴走してしまう子ではありません。 私は驚いて振り落とされまいと馬にしがみつきました。 悲鳴は皆に届いたのでしょう。 その悲鳴も一瞬の事で、私は必死にその子にしがみつくしかありませんでした。 その子がやがて落ち着いて、その子に水を飲ませようとした頃。 木に繋いでいたはずのその子が消えてしまいました。 その時点で私はやっと、何者かの悪意を悟りました。 音を奏でるミュジークの者たち。 けれどそれとは逆に、音を消し去る一派もいましたから──おそらくは。 途方に暮れていると雨が降ってきました。 雨宿りする場所を探します。 積極的に私を殺しに来るかと思いましたが、幸か不幸か私が防御の魔法に長けている事を知っていたのでしょう。 直接手を下すよりは事故に見せかけて。 その手段を取ろうとしていたのかもしれません。 或いは、もし身を潜めていなければ誰かに攫われていたのかもしれませんでした。 (17) 2023/10/19(Thu) 20:15:41 |
【人】 爽快ブラスト チアキ雨風が激しく、あたりは暗くなっていきます。 心細くて泣きそうになっていました。 こんな時に誰も探しにきてはくれないのです。 いいえ。 若しかしたら隠れているせいで見つけられないのかも。 そう考えましたが、雨風が酷すぎてここから出る事ができないのです。 そんな時に歌っていたのがその歌でした。 誰かが聞き届けてくれると信じて。 その歌が届いたのかどうかわかりません。 >>13けれど、私を見つけてくれた方がいらっしゃいました。 騎士のユスターシュ様。 私の姿は見窄らしく濡れそぼっていて、泥にも汚れて、とてもみられた者ではありませんでした。 それでも救いの手にパッと顔が綻び輝きます。 「ユスターシュ…!?」 けれど、その手を取ろうとした時。 ユスターシュは剣を手に何かに攻撃しました。 巨大なクマが近づいていたのです。 私は恐ろしさに蒼白となりましたが、彼の剣技に見惚れました。見惚れましたが、彼が傷つく事が耐えられずに防御魔法で敵の攻撃を弾いたり、彼の一撃に力を与えたりしたのです。 そんなふうに補助をしましたが、それでも彼の怪我は多くなってしまいました。 (18) 2023/10/19(Thu) 20:16:08 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「ユスターシュ…、あなた怪我を…!」 そう。その頃はただの姫と騎士でしたから、敬称をつけていなかったと思い出します。 それでも彼は憧れの方で、そんな彼が傷ついているのをみていられずに彼に近寄りました。 そして戸惑いながらも腕を差し伸べます。 そっと、雨に濡れても血に濡れても構わないと言うように、彼の胸元に縋りました。 「…はしたなくて、申し訳ありません。 けど、私を守るためだからと言って 傷ついたままでいて欲しくありませんから…。」 そうする事で発動する癒しの魔力。 それがきっと彼の怪我を治してくれるでしょう。 そしてきっとそれが、ダンス以外での唯一の抱擁だったに違いありません。** (19) 2023/10/19(Thu) 20:16:31 |
【人】 爽快ブラスト チアキあたりに結界が貼られたことを感じます。 私は辺りを見渡しました。 そして彼と目があったのです。 ユスターシュ様。やはりいらしてくださった。 いつも見つけて下さるのはあなた。 あの時も優しい言葉をくださったけれど、その時の私のときめきをあなたは知らないでしょう。 あなたが婚約者に選ばれた時の私の歓びも。 あなたが失踪した時の絶望も。 私は彼に微笑みかけました。 微笑みかけて、そして両手を組み合わせて祈りの姿勢をとります。 私の身体は淡い光に包まれて。 (42) 2023/10/20(Fri) 20:59:50 |
【人】 爽快ブラスト チアキ再び彼を見た時には、本来の姿に戻っていました。 「ユスターシュ様…。」 けれど、武器は持ち合わせていませんでした。 想いは決意。そうだと言うのなら。 私の武器は武器足り得ません。 彼にとっての私の武器は、ユスターシュ様への想い。 それしかないと思えましたから。 「ごきげんよう、ユスターシュ様。 お会いしたかったです。 ──結界まで張って、私をどうなさるおつもり?」** (43) 2023/10/20(Fri) 21:00:11 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「私も存じませんでした。 ユスターシュ様が精霊を呼べる事を。」 そう。ユスターシュ様の剣技は素晴らしいものでした。 けれど、彼は音を扱う魔法は使っていたでしょうか? 少なくとも、精霊を扱う様は見ていなかったのではないでしょうか。 だから私は彼の中にあった秘密に眉を下げます。 それは、彼が別人という事なのでしょうか。 それにしては似すぎています。 そして名前まで同じだなんて。 彼は影武者だったのでしょうか。 婚約者であるユスターシュ様。 その姿に似せ名前まで同じにして、私の心を惑わすための? いいえ、それでも魔力を似せることはできないはずです。 双子? いいえ、双子なのにユスターシュ様の名を二人とも名乗るのは違和感がありませんか? 私にはわかりません。 わかりませんでしたから。 (54) 2023/10/20(Fri) 23:04:47 |
【赤】 爽快ブラスト チアキ「…はしたないと、叱らないでくださいね。」 悲しくても笑みを浮かべてそんな事をお願いしました、 彼に近づきながら、私は肩から腕にかけての衣服を脱ぎ落とします。 肩と腕がむき出しになりました。 カチューシャも外して落とすとカランと音が鳴ります。 首のリボンも宝飾品も外して落とせば、私の姿はまるで下着姿のようになりました。 胸から下半身まで繋がっていますが、胸元の谷間は見えてしまっています。 腰に履いたショートパンツも落とせば、ギリギリの場所しか隠さず腹部はうっすらと肌が見えてしまう、そんな衣装が露になりました。 恥ずかしくて羞恥に頬が染まりますが、私は両手を彼に広げます。 (*0) 2023/10/20(Fri) 23:05:32 |
【赤】 爽快ブラスト チアキ「私の能力に、治癒があります。 肌に多く触れれば触れるほど 記憶が蘇るかもしれません。 抱きしめる事で、発揮される能力ですから。 …だから、抱きしめさせてください。 その後は、私はどうなっても、 どうされても構いません。 あなたが私のユスターシュ様だと 信じていますから。」 …その治癒は、私の意図とは別の働き方をするかもしれません。 婚約者としての記憶より、私の知らぬところでユスターシュ様の姉君が望んだ記憶の方が先に蘇るかもしれませんから。 でも、私はそこに賭けるしかなかったのです。 涙をうっすら滲ませながら。 装備を最低限にまで減らして、彼を求めたのです。** (*1) 2023/10/20(Fri) 23:05:55 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「ええ。もし貴方が私のユスターシュ様では無いのなら 命を失う覚悟はできています。」 貴方がそうであると信じたかったのです。 だって魔力が似ていました。まるで同じ方のもののように。 姿形も瓜二つでした。 ただ、記憶が違い、精霊を伴うだけ。 だから私は半ば確信していました。 一縷の不安はありましたが、だからこそここまで肌を晒して彼の治癒を望んだのです。 ここまでして間違っていたのなら──私は命を失う事になっても構いませんでした。 仲間たちや国の皆様には申し訳ありませんが、故意に殉じて使命を果たせぬ愚か者となじってくれて構わないのです。 彼の晒す肌にどきりとして頬が熱くなりました。 けれど、そっと彼に身を寄せ、抱きしめて──。 (59) 2023/10/21(Sat) 9:23:58 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「えっ? …きゃっ!?」 >>58ユスターシュ様の呟きに目を見開きました。 そして突き飛ばされよろけてしまいます。 そのまま尻餅をついて呆然と彼を見上げました。 貧民街?攫われた?ミュジークの騎士が…ドローイグの子供を? あまりの言葉に理解が追いつきません。 ただ、そう。 別の意味でも私は呆然としていました。 いえ、顔面蒼白となり愕然としていました。 ユスターシュ様は騎士でした。 由緒正しいミュジークの貴族であったはずです。 それなのに。私が癒して彼が取り戻した記憶は。 ──あまりにも別のもので。 (60) 2023/10/21(Sat) 9:24:18 |
【赤】 爽快ブラスト チアキ「あ…。」 本当に、他人の空似? 名前まで同じで、こんなに、こんなに似ているのに? 彼が私に恨みの言葉を連ねるのを私は狼狽えながら聞いていました。 だって。それはあまりにも──。 だから私は無抵抗に押し倒されていました。 私の国のものが犯した罪。 王女の私が償うのも道理でしょう。 そして私の命で償えるなら安いものかもしれません。 死ぬ覚悟はできていました。 「申し訳ありませんでした。 まさか、我が国の騎士がそんな事を…。 王女として謝罪いたします。 どうか、私の命で気が済むのなら…?」 剣を抜かないのは、より苦しませるためでしょう。首に手をかけられる覚悟は決めました。 ごめんなさい、リッカ、サアヤ、お父様。 だから私は目に涙を溜めながらも微笑みすら見せていました。 それで彼の気が済むのなら、そう思えたからです。 けれど。 衣装の胸元に手をかけられ目見開きます。 力任せに引けば、胸紐がブチブチと一気にちぎれて弾けるようにプルンと胸が露わにさせられました。 (*4) 2023/10/21(Sat) 9:24:44 |
【赤】 爽快ブラスト チアキ「きゃああああっ!?」 思わぬ事態に悲鳴をあげてしまいます。 咄嗟に両手で胸を隠しました。 ユスターシュ様にもお見せしたことが無いのに、ユスターシュ様…私の婚約者以外の殿方にこれ以上肌を晒す事になるなんて。 死ぬ覚悟はできていても、私にはそんな覚悟はなかったのです。 元より、淑女たれとそちらの知識は与えられずに育ってきましたから。 彼はユスターシュであって、ユスターシュ様ではないと分かった今。 彼に肌を晒して良い理由なんて何一つないのです。 「な、な、何をなさるのですか…?」 胸を腕で隠せばより胸が寄せられ谷間を深くしてしまうものの、隠すためにはそれは仕方ありません。 あまりの事に肩を震わせながら、少しでもその視線から逃れようと体を捻りその身を横向きにしようとしつつ、彼を睨みつけました。** (*5) 2023/10/21(Sat) 9:26:00 |
【赤】 爽快ブラスト チアキ彼が自分の中の声に抗ったゆえなのだとしても、その怒声は私に向けられた気がしてびくりと身をすくめてしまいます。 「あっ!!」 両腕は簡単に引き剥がされ、ふるんと人より大きめの果実が揺れました。肌をさらされて涙が滲みます。絶望より羞恥が優って、私は顔から火が出そうな気持ちになっていました。 胸に顔を埋められ、肌や吐息、髪の毛の感覚に背筋が震えます。 (*8) 2023/10/21(Sat) 19:56:16 |
【赤】 爽快ブラスト チアキ「い、いや…っ、やめて、 これ以上触らないでくださいませ! 私は、私のこの身は、ユスターシュ様… 私の婚約者のユスターシュ様のものです! い…っ、やあ…っ!!!」 王族として命を賭する覚悟はありました。 けれど、彼の方を裏切る覚悟は持ち合わせていませんでした。 今さっき装備を外していたのだって彼がその人だと思ったからです。 胸の先を吸われていやいやと首を横に振りました。 その時にも、私は知らぬ事でしたが癒しの魔力は発揮されるのです。 けれど、それが記憶に働きかけるとも限りません。 私に都合の良い記憶のかけらが蘇るとも限らないのです。 胸の先がツンと硬くなり、彼の唾液で濡れそぼります。 こんな事は許されません。許したくありません。 (*9) 2023/10/21(Sat) 19:56:36 |
【赤】 爽快ブラスト チアキ「…っ、たとえ私の身体を穢しても 私の魂までは奪わせません。 貴方が私の肉体を貪ったとしても 私の心は、私のユスターシュ様のものです。 貴方の物にはなりません、ユスターシュ!」 キッ、と瞳に意思の光を宿して叫びます。 同じ名前。姿形も同じと言って良い相手に混乱しそうになりますが、彼が彼でないのなら、それは私の愛したユスターシュ様ではないのです。 涙を瞳に溢れさせながらも心だけは奪わせません。 それを私のユスターシュ様が望んでおらず、煩わしさすら感じていたのだとしても。 私の想いは、初恋は、彼の方に捧げてきたのですから。 カタカタと体が震えます。 ──イーリスによって恋心を別人へと向けさせられたその人は、魂が壊れたと聞いています。 ええ。 この思いを無理に他へと向けるだなんて。 無理です。 (*10) 2023/10/21(Sat) 19:57:08 |
【赤】 爽快ブラスト チアキ「私は…婚約者のユスターシュ様を 愛しているのですから。 あの方が婚約者となってくださる前からずっと、 あの方に恋していたのですもの…。」 だから無理やり体を暴かれようと。 貴方の物にならないと。** (*11) 2023/10/21(Sat) 19:58:03 |
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