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【見】 不良少年 滝沢啓介グウウウ。 啓介の腹が盛大に鳴る。性欲にも食欲にも(小屋で寝ていたから睡眠欲にも)抗えない男だ。 ムードとか全然ない。 「ごめッ!あの…」 真っ赤になりわたわた慌てるが。* (@0) 2023/10/19(Thu) 21:56:00 |
【見】 不良少年 滝沢啓介触れた柔らかに目の覚めるような想いをした。 二度、三度と繰り返されてそれが漸く夢ではないと悟りながら。 昨今の高校生にしては経験は遅い方かもしれないが、これがファーストキスだった。 飼い犬との壮絶なベロチューを別とするなら。 余韻に浸るもお腹はどうも別らしい。グウウウと何度も恥ずかしい音を繰り返す。 ロマンチックどこいった?! 「う、うん。あんがとな。」 離れてキッチンに向かう彼女を見送る。 まさか今日1日でこんなに関係が進展するなんて?! 啓介の混乱と動揺は続く。 彼女が作ってくれたタンメンは美味しかった。野菜がたっぷりなので栄養もバッチリ。 はふはふしながら頂く。 「やば、これスンゲエうま、あちちッ!」 慌てて啜ると舌を火傷した。たはは…と笑って。スープを最後の一滴まで飲み干す。どんぶりをテーブルに置くと満足そうに息を吐いた。 (@1) 2023/10/20(Fri) 7:48:36 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「ふー、御馳走さま!めちゃくちゃうまかった。 ありがとうな、里…里津子。」 キスをして自宅に上がりラーメンまで食べた。告白もした。恋人になった…という認識でいいのか? 呼び捨てにはまだ慣れないが、恋人はこうだよな?という初心者根性で頑張る。 幸せな時間はあっという間だ。 啓介は帰らなくてはならない。 彼女は独り暮らしかもしれないが、啓介には家族がいる。 不良なので外泊ぐらい普通?そんなことはない。 勉強を頑張らなかったり喧嘩早かったりはするが、家族想いな啓介はそこまで乱れた生活はしていないのだ。 それでも、彼女と離れがたい。 この時がいつまでも続いたら良いのに。 お茶を頂きながらそんな想いに耽っていた矢先だ。 彼女の告白に啓介は驚く。 「え?ーーアムニャックって、 魔法少女だろ? あの屋上で闘ってた… 里津子が?それって。」 (@2) 2023/10/20(Fri) 7:48:55 |
【見】 不良少年 滝沢啓介目の前にいるのは普通の、等身大の少女だ。にわかには信じがたい。しかし、馬鹿な啓介でももし彼女が魔法少女なら今までの話しに辻褄があうようには思えたし、何より彼女が嘘をつくと思えなかった。 「うん。なんか途方もないけど… 信じるよ。 でもさ、お前が誰かを護って闘うのはわかるが、 その人はなんで襲われてんだ? 一体何と闘ってんだよ。 俺はーー力になれんのか?」 喧嘩ならいつもしているが、変身して闘うとかアニメか漫画みたいだ。とはいえ現実だというのならーー啓介は表情を引き締める。* (@3) 2023/10/20(Fri) 7:49:13 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「!!……ああ。啓介のがいーな。 だってさ、特別って感じすんだろ?」 初めての恋人という存在。流儀も作法も知らないけど、距離を縮めるなら下の名で呼びあうのが良いのでは。 は! クラスでそんな風にしていたら、二人の交際がみんなにバレたり? 岸咲里津子は見目麗しい少女である。好意を寄せる男子生徒は啓介だけではない。 きっとみんなから羨ましがられるだろうーー (@4) 2023/10/20(Fri) 19:14:51 |
【見】 不良少年 滝沢啓介こそばゆい気持ちにデレデレしたのは束の間だ。 里津子が目映い光を身体に纏い目の前で変身を遂げる。 きらびやかな衣裳にビックリ。 「えッ!あーー屋上にいた、お尻……じゃなくて、ッ!」 お尻をつき出すような姿勢で捕まっていた魔法少女がいたが、まさか彼女とは。 ついお尻と言ってしまったが誤魔化せたろうか。 誤魔化せなかったらビンタされたかもしれない。 「願いを叶える宝石? イー…そんなもんがあんのか。 」 にわかに信じがたいが、もしそんな凄い宝が存在したら奪い合いになるのは必須だろう。 啓介の顔が曇った。話が深刻さを増してきたからだ。 王女、つまりお姫様の護衛が里津子の仕事なのは理解した。 大切な方というのがその姫なんだろう。 傷つけた、とか言ってた事が気になったが今は置いておく。 (@5) 2023/10/20(Fri) 19:15:11 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「わかった。虹色の宝石だな? この辺って学校とかその近くか。 了解だ。 ……ん?どうしたんだよ、赤くなって。」 何故彼女は頬を染めたのか。鈍感なのでわからない。 随分沢山の情報を得たので、脳ミソの容量が少ない啓介は一つ一つを整理して考えこんだ。 そして、顔を上げる。 「里津子。聞きたいことがあるんだがーー。」 (@6) 2023/10/20(Fri) 19:15:28 |
【見】 不良少年 滝沢啓介さて、啓介の頬に彼女のビンタの痕が残らないと良いのだが。 すっかり夜が更けたので、お暇することにした。玄関口にて去りかけて、ふと。 「じゃあまた明日、学校で。 ーーあ。 あのさッ! さ、さっきの… もっかいしよ?」 お別れのチューを恥ずかしそうにリクエストして、唇をつき出した。ムードはない…。* (@7) 2023/10/20(Fri) 19:16:28 |
【見】 不良少年 滝沢啓介啓介の頬へ彼女の掌が見事にヒット! 小気味良い音が周囲に響く。 張り手は痕が派手に残るが、痛みはさほどではないし怪我もない。 要するに痴話喧嘩にもってこいだ。 「い、いってぇ〜!」 オーバーにリアクションするのまでお約束。 そうか、あれは魔法じゃなく動くのか…。など思ったが、啓介が彼女とあんな玩具を使う仲になる日は来るのやら? お別れのキスはお詫びや仲直りなんて意味もあった。 タコみたいにむちゅーと伸ばした唇は案の定拒否されたけど。 「え、あ、えっと…」 手を繋いだら二人は適度な距離だ。目を閉じて待つ仕草に初々しさが滲み啓介はきゅんとした。 こんな可愛い彼女が出来て、自分は世界一の幸せもんだ。 彼女が魔法少女だとか、そんなん関係ない! ドキドキしながら顔を近付ける。 唇を尖らせるのは止めて、優しく小さな唇に触れたーー。** (@8) 2023/10/20(Fri) 22:12:38 |
【見】 不良少年 滝沢啓介さてはて翌日、学校にて。 名を呼びあうだけでクラスメートたちはすぐに啓介と里津子の仲を把握したようだ。 さすが思春期!そういう色恋には目敏い。 啓介は不良仲間たちから半分本気にどつかれ、祝福を受ける。 「や、俺もちょっと未だに 信じられないんだけどさ? マジなんだよ、マジ!」 彼女が女子たちに対してなんと言ってるかなんて知らないけど。 (@9) 2023/10/21(Sat) 9:19:09 |
【見】 不良少年 滝沢啓介昼休みは勿論彼女と共に。 啓介のランチは弁当だ。 おかずは卵焼き、唐揚げ、ひじきの煮物にキュウリのサラダ。 独り暮らしの彼女は何を食べるんだろう? 二人は屋上のベンチに並んで座る。この後(放課後)、チアキローズとユスターシュが同じ場所で決闘めいた逢瀬となるのだが、それはまた別に語られているはず。 「……なあ、お前の仲間ってお姫様だけなの? 昨日屋上にいたのがお姫様? 闘ってた相手は男だったよな。 アイツの攻撃で俺は気を失ったんだよな?」 青空の下のんびりした空気が流れる。校庭からは遊んでいる生徒の歓声も聴こえるのにこんな話だ。* (@10) 2023/10/21(Sat) 9:19:27 |
【見】 不良少年 滝沢啓介里津子のお弁当は彩り鮮やか、しかも見たことない美味しそうな料理が。沢山あるのは食べていい、ということ? 「すんげ、うまそ! 頂きます…! わ、これパイ?中身はほうれん草? バターが香ってめちゃくちゃうめー。 鶏も柔らかいな!」 キッシュなんて初めて食べるからビックリしながら口に運んだ。 唇の周りにパイ生地のかすを沢山つけながらがっつく。 「ドロ…ユス…? 難しい名前だな。よく覚えられるな。 よくわからんけどあの男が敵なんだな?」 馬鹿な啓介の理解はそこまでしか及ばなかった。 ウサギりんごを手で掴み、くるくる回して。 「これ可愛いなあ。ウサギじゃん! 俺、飼育係なんだ。 校庭にウサギ小屋あるだろ。 あそこのウサギ、世話してるの 俺なんだぜ〜。」 ぱくり。甘酸っぱいリンゴはジューシーだ。勿論自分の弁当も平らげる。二人分でも余裕余裕。 (@11) 2023/10/21(Sat) 21:49:59 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「うまかった。あんがとな。 ……お前が大変なのはわかったよ。 だけどさ、闘ってばかりて 訳じゃないんだろ? 息抜きも必要だよ。 今日の放課後さ、デートしない?」 真面目な彼女は姫の護衛や宝石の捜索を優先させ、断るかもしれないが。* (@12) 2023/10/21(Sat) 21:50:18 |
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