人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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雷鳴 バット(匿名)は、メモを貼った。
2022/05/02(Mon) 22:28:58

【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット


「困ってませんよ〜、君は気を使いすぎなんです。
 私の――私たちの言葉が為になればそれは嬉しいことです」

「ですが、この言葉が合わないと退けるのも一つの選択です。
 反面教師にする、という言葉もあります。
 他人のようにならない、その考えとは違う、など。
 そう感じて行動に移すことは、悪いことではありません。
 違う人間であることを恐れないでください」

「病に向き合う姿勢は、それぞれといいたいだけです。
 難しいことに付き合わせてすみませんでした」

罪悪感におしつぶされなければいい、この優しい実が。

「さあ、聞きたいことは聞けました〜。
 ゆっくりお茶を飲んで休みましょう。
 本当に安心出来る日を作るには、私ももっと歩み寄らないと。
 早く解決しなければいけないと思うから焦ってしまいましたね。
 時間をかけて、話しましょう。
 ……まだ共に居られる時間は長いですから」



また意識を失って気がついたら、君はいなくなっているのだろうか。
それでもいつもと同じように朝に帰ってきて、その顔が見られると思っていた。

深夜に見た同僚の姿も、同室の彼も同時に見れなくなって気付いた。
ああ、"また"この時期が始まったのだと思った頃には、覚悟が足りなくて。
どうしようもなく君の顔を見たくて仕方が無かった。
(-19) 2022/05/02(Mon) 23:13:05

【秘】 雷鳴 バット → 神経質 フィウクス

ちょっとだけたじたじとしているのは、食事の中身を見られやしないかということ。
貴方は、それを暴いたりはしない。いっときの気紛れも今は無く。
それがわかれば背中を丸めて手元を不自然に隠すのはやめて、
ただ開く前のおべんとうがそこにあるだけみたいな自然な姿勢へと戻った。

青年は人と融和するのは得意ではない。相手が貴方でも、誰でも。
貴方の姿に異常な怯えを見せたりしなければ侮ったりすることもなく、
こうしてふとした時にくらいには言葉を交わすかな、というくらいの距離を、
不快に思うでもなく。たぶん、貴方の遠巻きは青年にとっても快く感じるものであるはずだ。

「わかった」「寮に戻るわけにもいかないから」
「食事を摂る場所に、困ってた」
「あんまり、見られたくない」

貴方の言葉への反応は存外素直なものだった。
たいへんに仲がいいというわけではないものの今までの付き合いで、
貴方がどんなふうに他者への気の回し方をするかというのは知っているから。

「顔を出さないと」「心配をかける」
「だから少しだけいて、後は」「なるべく皆が食べてるうちに」「いなくなるようにしてる」
(-38) 2022/05/03(Tue) 1:15:02

【秘】 雷鳴 バット → 充溢 バレンタイン

夜の森、背の高い木に紛れるようにしてある姿は。
夜闇の中で明かりもなしに、平気で貴方を見つけて寄ってきた。
差し込む星灯りは頼りないものではないものの、すぐに誰とわかるほどではない。

「すぐに来てくれたんだな。ありがとう。
 どういう手掛かりを見つけたら助けになるのかは、わからないけど。
 いつもと違うことがあったらわかるはずだから。庭園のまわりを、探してみよう」

事前に薄っすらと言っていた通り、昼間に比べると言動は明瞭なものだった。
普段日中のとぎれとぎれな拙い物言いしか知らないのであれば、
ちょっとだけの、しかし確実な差異に不思議なものを感じるかもしれない。
挨拶もそこそこに森へ紛れてしまおうと足を踏み出す、その前に。

「眠い? 耐えられそうになかったら、袖を掴んでてもいいから。
 急に倒れたりしたら危ないし、なにかあったらすぐわかる」

貴方を代表とした睡眠障害の症状に詳しいわけではないものの、
ほんのり聞いていた話から、自分の心構え次第でどうという話ではないのは理解していた。
どういう対応をとればいいのかな、なんて事前に探りはいれておこう。
(-44) 2022/05/03(Tue) 1:33:36

【秘】 神経質 フィウクス → 雷鳴 バット


何もわざわざ人の嫌がる人と違う事がしたいわけじゃない。

けれど生徒の輪に溶け込む事は得意ではない。それは同じ事。
かといって、不調和を起こしたいわけでもない。
それもきっと同じ事で、

「お前のそれがわからないとは言わないが。
 今までずっとそうしてたのか。もう少しやりようがないのか…」

わかるとも言いはしない。理由は違うからだ。
つまり、これは同情だとか、同族意識だとか、気遣いだとか。
そういう類のものじゃなくて。

あなたの不自然な不在が、不器用な隠しごとが。
それによってあなたのそれが暴き立てられる事が。
より大きな不和を生む事は、自分にとっても不利益だから。
現実がそんなに都合よく行くものかは別として。
(-52) 2022/05/03(Tue) 3:25:10

【秘】 神経質 フィウクス → 雷鳴 バット


「……誰にも使われてない寮の部屋を一つ貸されてる。
 
お節介な誰か
が同じようにお前に一部屋やるかもしれないが。
 毎朝、朝食の前には鍵を開けておく。
 俺の居ない間にお前が使おうと、俺の知ったことじゃない」

あいも変わらず素っ気無く前置きをして。
貸し与えられた一人部屋の場所を端的に伝えた。
食堂を出るタイミングはあなたの方が早いと知っている。
だから食事中に鉢合わせる事にはならない。

「使いたければ、使えばいい」

言うだけ言い終えれば、そっぽを向いて踵を返す気配。
どのみち、問題児の自分がよく出入りする場所の方が。
見知らぬ誰かが寄り付く事も少ないだろうとは思う。
(-53) 2022/05/03(Tue) 3:26:31

【秘】 充溢 バレンタイン → 雷鳴 バット


半ば閉じたような瞳は、相手を誰と認識するのに大きなハンデを背負っており、実に危なっかしい様子を見せるだろう。
声を掛けられてようやく約束をした彼だと認識し、纏っていたほんのわずかな警戒心らしきものを解いて。

「……僕が、いつも眠そうに、しているのは……
 芯の病気を抑えるため、だから。だから……この方がいい。
 あんまり早く歩かれる、と……追いつけない、かもだけど」

曰く、睡眠障害は副作用みたいなものなのだと。
ただ頼ってもいいならば、何かあった時はその通りに。
とても自立して動ける身の上じゃない事は分かってるから。

口調については。自分もあんまり人のことを言えないな、と、
頭には留めたものの深く意識することはなかった。

「考えること、や……
 怪我の応急処置、くらいにしか役立てない、けど。
 ……それで、いいか。よろしく」

転んだりしないように足元には十分気を付けて、
歩き出すならば後ろをついていくだろう。
(-64) 2022/05/03(Tue) 10:52:45

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

細い骨に皮肉のついた指の頼りなさに、どれだけ助けられただろう。
ちいさくてやわいそれは、こんなにも小動物めいているのに。
これが素肌であれば小さな鼓動が伝わっていたかもしれない。
けれども実際にはどんなに静かで身じろぎ一つなくとも、
指先からは命の気配は伝わらない。

「ラピスが」「いなくなるまでに」
「僕の何かが少しでも」「よくなったと」「見えたら、いいな」

何もかもすべてが上手くいったなら、なんて夢物語は見れそうにない。
それでもせめて他者から願われることがあるのなら、
それに報いるだけのものを己の中に確かにしてみせたい。

立ち上がる貴方を凝視する。逆光の中で瞳孔が形を変えた。
そらされることの無い視線はまっすぐに貴方を見て。

「……」「それじゃあ、また」
「森で」

ともすればすれ違っているような返答で、その日の邂逅は終わる。
ぼんやりと太陽の光の中に輪郭を残した青年は、
貴方が去っていくまではずっとベンチに座って遠くを見つめているのだろう。
そして。

(-66) 2022/05/03(Tue) 11:22:13

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

もしも貴方が、青年を連れて行こうとするならば。
その夜、その日も。
またいつものようにその姿は森へと入っていったのだ。

夜はほかの誰かが共にいた。
だから狙いを定めるのならば、それは深夜のことだったはずだ。
(-67) 2022/05/03(Tue) 11:23:29

【秘】 雷鳴 バット → 半分の仮面 リアン

上級生から見た高等部の青年は、いつもぼんやりしたふうだった。
喋り方は間延びしていないまでもとぎれとぎれに呼吸が挟まりがちで、
大きな体の落ち着いた動作と相俟って大型の草食獣めいた感触だったかもしれない。

貴方の言葉を受け、なるほど、みたいな感じで頷いた。
遠慮しいに遠目に見ているそれとは、実情は違うものなのだろう。
漠然と今更ながらの印象を得て、認識を改めてみて。

「もしも未だ見つからずなら」「また、声を掛けるかも」
「また、いずれ」「食堂でも会うことだし」

そう言って別れたのは、今より遡って数日前のこと。
その後日と月の巡りを経てその言葉が覆ることがあるとは思っていなかった頃。
いずれを経たいつかの時に、互いが同じ顔をして会えるかは――わからない。
(-69) 2022/05/03(Tue) 11:43:26

【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ

お茶の時間が始まる前、問診が終わるまでのうち。
貴方の優しい言葉を受けた青年がいつものように、
『大丈夫』『頑張るね』といった旨のそれを返して。
ベリーやカシス、華やかで魅惑的な甘い香りをした、
真っ赤なお茶を冷める前に賞味した温かな時間を経て。

それでもやっぱり、青年は夜には森へと向かった。
或いは別の場所かもしれないけれど、こっそりと貴方に告げずに向かう場所など、
それ以外にあるわけでは、少なくともこの刻まではないことだった。
そしてその足音はいつものように夜更けにも朝ぼらけの内にも戻らずに、
部屋に戻ったのはきっと、昼間の太陽を迎えて以後のことだった。

その理由は、教師陣が青年を拘束した理由は。
青年が病気であったから、のみに非ず。
そこには異端に向けた侮蔑と畏怖が、少なからずあっただろう。
(-70) 2022/05/03(Tue) 11:55:33

【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ

/*
日跨ぎになりましたが秘話お付き合いありがとうございました!
どういう状況で戻ったかは狼側の方々と軽くすり合わせた後参りますので、
夕方以降にまた会うかもしれないし次の日になるかもな〜くらいで、
スナック感覚の考慮でお待ちいただければ幸いです。
さまざまなご交友を……楽しんで……!

時間押しの展開になってしまい申し訳ない、
&お話いただけて嬉しいです。ありがとう……ありがとう……
(-72) 2022/05/03(Tue) 11:58:29

【秘】 雷鳴 バット → 神経質 フィウクス

ふたつ年上の貴方から見た青年の姿は、なんとも不器用なものだった。
言葉はやっとのこと選んだ単語を繋ぐように途切れ途切れで、
食事一つ選ぶのにも時間をかけるのは、小等部の頃からずうっとそうだった。
かつてからどれほど貴方が気にかけたことがあったかはわからないけれど、
ただでさえ目立つ青年の言動は、他の問題児から見れば隠れ蓑のようにさえ思えていたかもしれない。

そうした周囲の目を気にしているのかどうかも曖昧な乏しい表情は、
貴方の一声を受けてぱちぱちと瞬きをすることでやっと少しの変化を見せた。
いくばくか、貴方の言葉を咀嚼して呑み込むまでの間があった。
時間はかかりはしたものの、それを大きく違えることはない。

「……いいの?」「そうか」
「フィウクスがいいなら」「明日から、使わせてもらう」
「なるべく汚さないように」「掃除もしておくから」

「ありがとう」
「優しいきみ」

了解の返事からずいぶん遅れて背中に投げかけられた感謝の言葉は、
果たして素っ気ないように振る舞っている貴方の背中にきちんと当たったのだろうかな。
ともかく貴方がいなくなれば青年は食事を再開し、
そしてまた次の日になったなら――

とも、そう上手くはいかず。
人の立ち入った気配が貴方の指定した部屋に残るのは、
朝も午前も超えて昼より後になってのことだっただろう。
(-73) 2022/05/03(Tue) 12:16:52

【墓】 雷鳴 バット

誰のものでもないその部屋に、誰かの気配が残り香のようにある。
湿った、背筋の凍るような、神経に不快感を及ぼす何か。
しっかりと清掃され清潔であるように保つ努力を経てもなお、
言い様のない警鐘の残滓が僅かに空気に染み付いている。
それは朝も午前も超えて、白日が名月へと交代するほんの間際の頃だった。
そこにはもう誰もいない。
(+1) 2022/05/03(Tue) 12:20:08

【秘】 雷鳴 バット → 充溢 バレンタイン

「そうか。……病気については聞かないほうがいい?
 僕もあまり人に言いたくない。どんなふうに思われるかわからないから。
 けれどみな、言ってほしそうにしたがるし。
 聞いておいたほうがいいなら、聞くし、誰にも話さない」

理解は示した上で、探られていいものなのかも含めて確認すべきだろうと青年は判断した。
誰もが悩みを抱えているが、抱きかかえ方は誰もが同じではない。
現に青年自身についても、自分で述べた通りの姿勢だ。
ひとまずはどうしてほしいか、については了解を示して、森の中を先へ行く。

進むごとに深くなる森の中を、青年は迷いもなく歩いて行く。
まるで昼間の太陽の下にあるみたいに周囲が見えているみたいだ。
獣道にも劣る足場の悪さは、やすやす歩けるものでない。
かろうじて青年の背中を追うのであれば、背の高い下生えを踏まずに済む程度。

ふ、と手を伸べて貴方を制しながら立ち止まって、周辺から距離を置かせる。
腕を伸ばして地べたの近くを探り当てると、なにやら薄っすら木漏れの光を反射する、
頼りなく細いものを拾い上げた。それは、細い輪郭をしていた。

「……よかった。
 
罠に間違えて掛かったわけではなさそうだ


青年が指先で揺らしたのは、針金で作った丁寧な細工。
木々の間に巧妙に隠されてしまって、ふつうであれば見つけられない。
かり、と手袋の先でつついたそれは、まるで小動物でも捕まえるみたいなもの。

「もしお化けや……大人に捕まったなら、いや、でも。
 ジャステシアはおとなしい子だから、抵抗もせず捕まったのかな。
 踏み荒らした跡でもあれば、僕の目ならわかるのに」
(-75) 2022/05/03(Tue) 12:31:24

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

「………」

気をつけてと、言ったのに。
でも、わかっていた。

また森で。
その言葉通りに少女は夜半、再び青年と森で邂逅した。

夜の風景にそのまま溶けてしまいそうな色をした少女は、しかし同化することなくそこに居て。
命が寝静まった森の中で、二人の足音が木霊した。
時折、夜に動くもの達の気配に見送られつつ
あなたの手を取り、森の奥へと誘ったことだろう。

明日、青年の部屋に誰も居なかったことが、何よりそれの証左となっていた。
(-82) 2022/05/03(Tue) 14:32:57

【秘】 充溢 バレンタイン → 雷鳴 バット


「僕は……あまり隠して、ない。
 不安なことが、溢れて……止まらなくなる……病気。

 それを和らげる薬は、眠く、なるのが副作用で……
 薬の効能とは別に、眠いと……不安をぼやけさせて。
 溢れないように、押さえつけて、くれる。

 別に、……誰かに話してもいい。気にしない、から」

歩いていく途中。ゆったりとした喋り方で、
睡魔の中から、言葉を探し拾い上げていくみたいに。
実にあっけなく、自分の病気のことを話し出す。

少年にとっては、溢れてしまうかそうでないかだけ。
容れ物である自分やその中身を探られても、たいして気にすることはない。

険しい道のりに、話している途中で言葉を詰まらせたり、危うくつんのめったりしていたのだが、それはまあ別の話。

「……罠……」

そんなもの仕掛けてるんだ、という僅かに苦笑したような声色。近づきすぎないように、けれど目を凝らして針金を見つめる。

「……逆にいえ、ば。自分から離れたら……
 こういうのに……引っかかっても、おかしくはない、か」

何故かどことなく、安堵でもするみたいに息を吐いた。
(-89) 2022/05/03(Tue) 16:06:51

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

貴方が森に来たならば、それはもうこの場にいないもう一人が居なくなったあと。
だれが言いつけを守ったのかは、青年しか知らない話。
けれどもその場に残った彼は、どのみち貴方と邂逅することになる。

森の奥。灯りもない内。鬱蒼と生い茂る木陰の下。
何も見えない闇の中で、湿った音がする。

/*
ヤベ分かりづらかったかもしれません
夜の森で別の人とワーワーした後の話になるので、
差し支えなければ既にこちらが森にいた形になると思います……!
(-93) 2022/05/03(Tue) 16:39:57

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

"治療"の瞬間まで立ち会うことはできない。
だから共に歩めるのは森の奥、大人達のいる場所まで。
残り少ない道のりを一歩一歩確かめながら、進んだ。

本当に、このまま付いてきて良いの。

そんな思いを乗せるように、手が握り直される。
何が待っているのか、知らないわけじゃないと思うのに。

/*
ヤババ
そちら側に都合良い描写で問題ありません!!!
会ったのはワーワー後ということで了解です
もう一人が居たことは知らないまま森に入って合流しました……!!
(-96) 2022/05/03(Tue) 17:15:51

【秘】 雷鳴 バット → 充溢 バレンタイン

「……ああそうか、だからいつも眠そうなのか。
 なにかに振り回されるのは大変だ、全くわからないわけじゃない。
 誰かに話すとしたら、キミを庇うときだ。面白半分には話さない」

誰かに誰かが責められることなどないほうが良いのだから、そんな機会はないほうがいい。
貴方のことは多く知っているわけではないけれど、
慮ることができることが多ければいい、というふうな態度。

森をゆく順路は軽く曲がってU字に曲がり、探しているうちにいずれ森を出るルート。
奥深くまで抜けてしまうなんてことはなく、迷うこともないだろう。
だから貴方がもしもこの場から先に抜けたいと思ったりしても、
どこへ逃げればいいかわからない……なんてことは、ないはずだ。

ちらほらと隠された罠のうちの一つをつつく。
あ、と小さい声をあげた。なにか成果でも、あったのだろうか。
……かすかに血の匂いがする。脂と混ざって鉄臭く酸化した、危うい匂いだ。
こんな静かな森の中で、どこから漂ってくるというのだろう。

「こっちの方向に渡って来なければ、掛からない。
 これは僕が仕掛けた罠だから。
 大人がどう対策しているのかは、よく知らない」
(-104) 2022/05/03(Tue) 20:10:17

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

言葉数少なく森の奥へ行く。青年は貴方にその理由を尋ねたかもしれない。
どうして共に森に入るのか、なんて。
森へ通い詰めているのを知っているのだから、理由はどうあれおかしな話ではない。
止めようと思っているのかもしれないし別の理由かもしれないし、
少なくとも本当の理由なんてのに気づいている様子は少しもなかった。
強いて言うなら、それを咎めて忌避する様子ではないことに、
申し訳無さとほんのわずかな嬉しさを、感じていたかもしれない。

光の差さない森の奥深くへと行く。音のする方、その先で。誰かが立ち上がる気配があった。
大人だ。教員を含めた者たちが複数名。
その表情には愉悦のようなものはなく、ただ渋面をこちらへと向けていた。
互いに誰がそこにいるかというのは、わかっていたのかもしれない。
だからこそ次の日の朝、青年は姿を見せなかったのだから。

ただ、どうして、青年なのだろう。何を治さねばならなかったのだろう。
目的を胸に抱えた大人たちの表情には、堅苦しいものが含まれていた。

「……ラピス、離れて。
 下がって、早く庭に逃げるんだ」

青年の言葉は流暢だった。普段よりも明瞭で聞き取りやすい。
それは大人の前だからではない。隠していたからではない。
青年が、病気だからだ。病気を抱えているからだ。
それは、治さねばいけないものなのだ。

貴方に何も見せたくない。貴方に少しも疑いは持っていない。
ただ大人から庇おうとして、その前に立ちはだかったに過ぎない。
だから素知らぬ顔でそれを受け入れたってそうでなくたって、かまわないのだ。

(-106) 2022/05/03(Tue) 20:18:46

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

貴方が、青年と大人のやりとりをどこまで聞いて、見ていたかはわからない。
貴方に背を向けた青年は、貴方が去ったとて関与しないだろう。
無理に連れてきてしまったと嘘をついて、貴方をかばいさえするだろう。

だから、貴方がその一言と、大人の手の先にあるものを見聞きすることがあったか、
それは貴方が選択すべき自由なのだ。
大人は、青年へと声をかける。

『お前が兎を殺したのか』と。

大人の手には、血の付いたリボンが握られていた。
(-107) 2022/05/03(Tue) 20:21:12
雷鳴 バット(匿名)は、メモを貼った。
2022/05/03(Tue) 20:23:27

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

本当は、青年についてくる必要はなかった。
でも、しいて共に森を進む理由を挙げるのならば、やはりそこには心配があったからなのだろう。
連れ立って歩くあなたの様子からは、一片の疑いも読み取れなくて。
それは、暗闇が視界を妨げたせいではなかったと思う。

ほんの僅か滲む嬉しそうな気配が、また罪悪感を募らせる。
ぴしり、と身体が固く軋んでいくような気がした。

堅い面持ちの大人たちと対峙して、その大きな背に庇われて。
結局青年は何を治さなければいけないのかも、少女は知らないままここまで来た。
普段より鮮明に届く声。
それは、暗闇が感覚を研ぎ澄ましたからではなかったと思う。

言われるままに逃げるのが賢明だったかもしれない。
自分を庇おうとしてくれる、無垢ですらあるその優しさを受け入れるのが正しかったかもしれない。
それでも、見届ける義務があると少女は判断したから。
己が何に加担しているのかを胸に刻むべきだと判断したから。
少女は数歩下がったけれど、立ち去ることはしなかった。

だから、大人達のその言葉を聞いた。
血のついたリボン。
あの飼育小屋で、小さな命に括りつけられていたものが頭に過ぎる。
そこでまた初めて、青年が抱えているものの一端に触れた。
(-123) 2022/05/03(Tue) 22:21:44

【秘】 充溢 バレンタイン → 雷鳴 バット


「……そう。別にそれでも、構わない。
 勘違い、されたり……怒られるのには……慣れてる。
 けれど配慮、されるのは……悪い気は、しないな」

さしてどう扱われようとたいした興味はないようで、ただその姿勢を、有り体のままに受け入れる。実に大らかで、気ままだ。

早々森に立ち寄る用事もない、と思っていたのだが、
今日みたいなことも意外とあってしまうものなので、
軽く道順や目印などを頭に置いておきつつ。

鼻腔を突く異臭にほんの少し目が冴えた感じがして──
おそらく、人のものではないだろうそれをどうにか軽く脳内で咀嚼し、パニックに陥ることもないようにする。

人の怪我でなければ、やはり強く気にはしない。

「もし、問題があったら……その時は、その時、だな。
 ……多分、みんなが……朝いないのには、関係なさそうだ。

 だけれど……罠を大人たち、が把握した上で……
 連れて行くなら……それなら、かからないのか……?」

あるとすればそのくらい。
そもそも大人、先生が関与しているかは知らないが。
(-130) 2022/05/03(Tue) 23:02:10

【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット



/*
お外には出たりしていますが、基本長くは開けず貴方の帰りを心配そうに待っています。
都合が合えば帰ってきたときの描写や、帰らないのであればその旨を教えて下さると幸いです。
ご無理なさらず〜、個人面談に付き合って下さりありがとうございました!
(-142) 2022/05/03(Tue) 23:51:31

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

ここに従属する大人たちのうちには、軽蔑すべき性質のものもあるのだろう。
治すべき子どもたちを確実に確保するために、貴方がたを利用しているのだ。
自身の立場を利用して、子どもたちに浅ましいことをする者もいる。
さて、そのうち前に立つものが普段何を抱えているのかはわからないが、
少なくとも、彼らは僅かな警戒をにじませて青年とその後ろに控える貴方を見る。

『ラピス、危ないから下がりなさい。何をするかわからない』

大人は確かにそう言った。異分子を前にし、貴方を慮った。
そしてその内容はやはり青年自身も理解しているだけに、
貴方がここにいる理由への疑いをかける材料には、少しもなりはしなかった。

「はい、そうです」

危険であると言われた青年は腕を下ろし、審判を待った。
意外でもなんでもない答えを聴き、大人たちは更に険しい顔をした。
ゆっくりと近づきながら、更に問答は続けられる。

『埋葬をしたのもお前か』
「そうです」
『森に罠を仕掛けたのもお前だな』
「そうです」
『生徒にはまだ被害を及ぼしていないな』
「はい」
『本当か』
「はい」
『両腕を前に出せ』
「はい」

(-194) 2022/05/04(Wed) 13:08:26

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

例えば突然に悪辣に振る舞うのでもなく、暴れるのでもなく。
青年は未だに従順なままで、教師群のいうことに従った。
それでもなお彼らは大きな獣を相手取るように、じりじりと距離を詰める。
まるでそこにいるのは人間のかたちをした危険な生き物であるかのように。

貴方の目の前で、青年は手錠を掛けられた。
次に、犬につけるような口枷を着けられた。
肘を振り回されることのないように、縄で遠巻きに引きずられる。
その様子は、狂犬病の犬にも似た扱いだった。

青年はどこかしらに連れて行かれるのだろう。
その先で何をされるのかはともかく、不思議と、そこまで理不尽な扱いではないように見える。
観念したように押し黙った青年が、明日どのように他の人間と接するのか、
きっと今まで以上に遠巻きなものになるのだろうというのだけは確かだ。
(-195) 2022/05/04(Wed) 13:08:45

【秘】 雷鳴 バット → 充溢 バレンタイン

かすかな鉄錆びた匂いは、少なくとも香る程度には新しいものだ。
それに反応する様子にはちらと目を向けて観察していた。
それを地面へと下ろす際に、かすかなとっかかりに手首を引っ掛けた。

手首から指先まで手袋で覆われているから、怪我の程度は袖口に僅かに覗く程度。
少なくとも今の青年の様子から、うっかり引っ掛けるなんて真似はしそうに
なかった

さ、と傷口を手で覆い、漂う血の匂いを隠す。
何事もなかったかのように、再度歩みを進めた。
あちこちに目を配り、手掛かりを探している素振りも別に、
ついでではあるかもしれないが嘘をついて連れ出しているものでもない様子。

「そろそろ、森を抜けそう。
 見つかる前に、戻ろうか」

もうしばらく歩いたならば、順路は庭園へと再び抜けるだろう。
やり残したことはないか、とばかりに声を掛けた。
(-197) 2022/05/04(Wed) 13:27:43

【秘】 充溢 バレンタイン → 雷鳴 バット


「その前に怪我の処置を──……」

言いだそうとしていたけれど、言葉を選ぶために、
黙りこくって後ろからついていき、
掛けられた声でようやく咄嗟に声を返そうと思うものの。

不安の手前に違和感らしきものが膨れ上がっていて、
なんども咀嚼していたけれど何故だか飲み込めなくて、
それが代わりに溢れて、口をついて飛び出していく。

「さっき。君は……
 わざと怪我をしなかった、かな」

夜の明かりに髪が照らされて、
その奥に垣間見える瞳には眠気はかけらもない。

不安でも疑惑の目でもない。
真剣に向き合い、相手を見定めようとしているような。
(-200) 2022/05/04(Wed) 13:48:40

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

大人達の扱いと、それを受け入れる青年。
両者にとって彼が危険であることは異論ない事実であるらしかった。
言われるままに、後ろに控えたままでいるしかなかった。

「……」

埋葬、罠、被害。
およそ普段接する青年からは程遠いとすら思える語群。
それに思いを馳せる間に、青年は様々な拘束に囚われて。
まるで獣にする扱いにも、青年は不平を言う素振りはなく。
むしろ正当な対応であるかのようだった。
終始従順に大人達の言いつけに従う様子。

引き摺られながら遠くなっていく巨躯を見送る。
せめて姿が見えなくなるまではと。
一体彼の何が危険だったのか、少女にはついぞわからぬままだった。

それから、教師群の内の残った一人に『もう戻りなさい』と声を掛けられたように思う。
きっと自分は、青年が庇った通りに、大人達の中では無理に連れてこられたことになっているのだろう。
違うと否定しても、かえって青年がそう言うように指図したと思われるかもしれない。
だから何も言葉にしないままで、踵を返すしかできなかった。
来たときとは半分の足音だけが森の静寂に溶ける。

血のついたリボンのことが、頭から離れなかった。

おやすみなさい。また明日。
音にならない願いを、誰に届かせるわけでもなく呟いた。
(-202) 2022/05/04(Wed) 15:15:34

【独】 雷鳴 バット

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火炎属性付与エンチャントファイヤ
(-208) 2022/05/04(Wed) 18:12:22