人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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ヴィンセンツィオエリカを見張った。

ヴィンセンツィオエリカを殺害した。

【人】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

>>1:153 テオドロ 0日目
いくらか、答えに対して返る視線があった。幼いものを見るような、柔らかな目だ。
小言もこれまでとしたからには、今は言葉で伝えるものはない。
そして、それは自分だけの役割であるわけではない、今説かねばならないことではない。
ただ、今は曖昧な納得だけを返すように、長い睫をそっと伏せて笑った。
男がいくら言葉を弄そうが、今の貴方は"そう"なのだ。

「取り調べの時も、完璧な服装では出向くなと教える人もいた。
 目標や被害者に話をしにいくのに、わざとネクタイを緩めたりカフェオレをこぼしたり、
 隙のある人間であるように見せることで、相手の話したくないことを聞き出す術らしい。

 抵抗の有る言い方かもしれないけれど、人を頼るというのも同じことだ。
 もしも曖昧な感情や関係性に信を置けないのなら、そういう作用を見るといい。
 ……別にこれも、計算ばかりの話ではないんだ。
 安心して心を開いてほしい、無理強いしたくないというのは捜査官として不自然無い動機だ。
 罪を犯していたとしたって、相手が市民であることはいつだって変わらない」

0と1ばかりの世界の話ではない。傾いた夕日が映す街のシルエットを見据えて男は言う。
ひととして生きるにあたって地続きの公と私を交えながらに、声の調子が変わったのを見て振り向く。
連れ立って商店街のついてきた足は、まだ方向を変える様子はない。

「うん? ……ふふ、そうだな。
 私の買い物に一つ付き合わせる代わりに、私も君の買い物の様子を見せてもらおうかな。
 ちょっと古い友人に会いに行こうと思ってね、手土産を探していたところなんだ」

言葉で差し出された順番は、実際の買い物の順番とは逆行するだろう。
自然と言い換えてしまって、己の責が先行しているかのように足を進める。

#街中
(8) 2023/09/18(Mon) 17:07:21

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

>> 1日目

例えば貴方が解決した事件をして、貴方を見る目を変えるものもあっただろう。
男もその内の一人で、貴方の危うさを慮るような素振りを
けれどもそれを有り難いこととして思うかなんて、能動の側が決定することではない、そうだろう。

次いだ情報を聞くと、いつも悠揚と構えた目が少しだけ見開かれた。
名前ばかりではわからなかったのかもしれない記憶の中で、
多少は"彼女"の輪郭が、多く思い出されたのかも知れない。

「……ああ。そうだったのか。
 それは……元気であったならば、いいが」

僅かに表情が強張る。
それを悲哀の滲む言い回しに対する気遣いと取るか、
それともある種の動揺と受け取るかは、貴方に委ねられるべきことだ。

「案じていた、……いや。なんでもない」
(-197) 2023/09/18(Mon) 17:20:08

【人】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

>>1:155 ロメオ 1日目

「ああ、そうだったんだね。憧れの職場、みたいなものなのかな。
 目標を達成できることは、……いいことだ」

相手の風体を見る。自分よりかは当然、重ねてかなり年若くは見える。
ティーンエイジャーの残り香がやっと解けてきた頃……と思えば、よい目標だ。
嗄れたり衰えたふうには見えないまでも、男の目元には年数の積み重ねがある。
どうしたって、まるで目下のもののように見てしまうのは仕方のないことかも知れない。

「いい特技だ。客商売に向いているだろう。
 叶うなら私の職場にも欲しいくらいだ、なんて言ったら店主に申し訳ないかな」

――無為の問いかけではない。多少の、そうした意図はあった。
とはいえ、貴方だけを疑っているわけでもない。相手取っているものが相手であるから。
街に溶け込む"貴方がた"を追う以上、街の全てを疑う必要がある。
そしてそれらは、疑う相手である街を守るためでもあるのだ、だから。
この問いかけは決して敵対的なものではない。
付け加えるなら、引き抜きたいのだって少しくらいは本心だ。

「また来るよ。
 次もおすすめを教えてくれたら、嬉しいな」

勘定をすませたなら、小麦の匂いのする袋を持ち上げる。
少なくともこれで男は貴方の顔を覚えたし、貴方も男の顔を覚えただろう。
いつまでも客と店員であれるのが、一番だ。
(11) 2023/09/18(Mon) 19:17:52

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

> 0日目

小さく笑う。周りに比べれば年嵩だろう貴方を、年下の子供のように見る目だ。
言葉の上では年長者の責を求めるくせに、対面すればまったくそうではない。
社会、世間からしてみればいい大人のような振る舞いが随分上手くなった。
年の頃の近いマフィアの一員、敵対者を見るような目から代わって、
まだ未熟なものを見るかのようにいつしか移り変わっていった。
変わっていったその先は、最後には何になるのだろう。

「この年にもなって、野良猫みたいに道に飛び出したりなんてしないさ」

だから、返答するに伴って少しだけ振り返った顔に張り付いた表情も、
大層其れらしく繕ったような余裕を持った悠揚がそこにあるばかり。
内心で何を考えているのだか、なんて翳ったスカイブルーが語るだけ。
見透かされる前にふいと視線は逸れて、道の向こうへと足音は遠ざかっていった。

#Mazzetto

(-223) 2023/09/18(Mon) 21:07:59

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

> 3日目

それが、まだ何も起こらずに過ぎ去った日のこと。
検挙されたと名前のあげられた人物を探して、目標を挙げた部署の建物内へと足を踏み入れた。
取調べを受けたとされるその人物は、どこにいるのだろうか。
貴方の見てないところで、男がどんな対応をして、表情をしたのだかなんてのは知れないこと。
知らないことは話せない。
(-224) 2023/09/18(Mon) 21:08:40

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ

> 2日目

ああ、と貴方の声に応対をした男の声は、僅かばかりいつもよりも緊張が見て取れた。
一呼吸あったのちにはそうした違和感も失せている。
常通りであるように振る舞う貴方の上司は、いつものように頬を緩めて言葉を返す。

「どうしたんだい、そんなに慌てて。
 なにか、急ぎの用事でもあったのかと思ったが……そうとも違うらしい。
 立ち話のままで、構わないのかな」

言外に、そうでないのであればどこぞへ出向くかといったニュアンスが含まれる。
少なくとも今この時に限れば、貴方のために時間を割くつもりはあるらしい。
(-229) 2023/09/18(Mon) 21:26:41

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 情報屋 エリカ

男が、穏やかな賑わいのある店に足を踏み入れたのは二日目の夜のことだった。
普段は一般客――らしく振る舞う者たちが顔を見せに来る店が、
他の場所での集まりでいつもよりも見知っているだろう顔の少ないことを、
男が知っていたかどうかはわからない。
誰ぞから聞いたわけでもないにしたって、注視しているものの方へ動きは伝わるものかもしれない。

「席は……今日は空いているらしい。
 調子はどうかな、マスター」

雨の街の中を通ってきた、黒い傘が閉じられる。
長いコートの裾に湿りを帯びた風体の男は、なんとなく堅気らしからぬ風だった。
街をゆく者たちに似た洒落者らしさを纏うのは、彼らを追っているせいだろうか。
人々の口にのぼる話を知らぬように、ゆったりとカウンターの席の一つについた。
(-230) 2023/09/18(Mon) 21:32:44

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ

/*
お疲れ様です。しまむらです。
諸々ご対応いただきありがとうございます、後手後手でバタバタして申し訳ありません。

こちらは以降は(夜に限るとはいえ)多少レスポンス早くなると思しいとはいえ、
なかなかコンスタントに返すのは難しいかもしれない……ということで、
いまいまの内から多少進めさせていただいたほうが、
そちらを拘束する時間は少なくて済むのかな……というふうに考えております。
また、ルチアーノさんが当方の状況を推察するにあたって使えそうな設定としては、

・ヴィトーが顔を出している養護院は、もともとノッテのカポが管理していたもので、
 以降も代々ある程度地位のある人間が監督を続けている(殆どの人はそれを知らない)
・25年程前からスラムに出入りし、その時より現在のカポの一人(黒眼鏡さん)と交流があった

上記の辺りが該当するかな……というふうに考えております。
また、上が手空きになった今であればそうしたことも調べやすいかな、と。
ほか質問等あればお申し付けください。
(-233) 2023/09/18(Mon) 21:42:06

【神】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

街の空気が変わってしまってから数日。
その日に挙げられた目標について知らされてショックを受けたであろうものの一人に、
いつも鷹揚に構えている男も含まれていた。

例えばそれを意気揚々と掲げたものがあったとして、
それに咎めの目を向けるのが立場のある人間のすることであったかもしれない。
僅かばかり普段よりも視線は高くから足元に落ち気味で、
そうした動揺を悟られる前に、男はいつもどおりに顔を上げた。

「……いや。落胆で手を止めているばかりではいられない。
 誤認逮捕はあってはならないことだ、故に今の段階で取調は丁寧にやる必要がある。
 此度のことで不安を抱いているのは自分たちばかりではなく、
 何も否のない市民であることを決して忘れないように」

努めて冷静に。そうあるように。投げかける言葉は変わらない。
平時の勤めを果たすことが大義であると、貴方がたの上長は説いた。

「みな、法案に目は通したろう。混乱があるのは予期できていた。
 故にすべきことはそれを大きくしてしまわないこと、
 既に起こっていることを放棄しないこと。
 ……一つ事をみるのではなく、全体に目を向けることを念頭に置いてくれ」

#朝礼_警察署
(G21) 2023/09/18(Mon) 21:50:25
2023/09/18(Mon) 23:25:31

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → マスター エリカ

「それなら良かった。今はそこらじゅうが騒がしくしているけれども、
 市井の人間には関わりのないことだ。業績に関わってこないことを祈るよ」

周りの騒がしさは杞憂の産物だと言いたげに肩をすくめる。
気さくで大きく構えた調子は、いかにも上がり調子の起業家めいている。
顔の知れている相手には意味のない振る舞いでも、こういう場では要とされた。
自らが誰か、何かに聞いたことなど朧げの人間には、
この場は唯唯の偵察の意しか持たないようだった。

「ああでも、みかじめ料ピッツォを払っている人は不安に思うものか。
 彼らも脅されているだけで非がないとはいえ、形見の狭い思いではあるだろうし。
 うちは不払いを通しているが、その辺マスターの周囲ではどうだい」

ホワイトネグローニを一杯、伴には他愛無い雑談を。
働き人の愚痴めいた言葉には、しかし確かな探りがあった。
(-264) 2023/09/19(Tue) 0:15:48

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

あくまで、責任者然として男は留置所へと踏み入った。
おそらくは部下の何れかがあげたのだろう目標の取調べの一環として。
正式な手続きを踏んで下って来たのだから、何くれと言われる筋合いもない。
重ねて、これからの取調べを有利にするための布石だなどと言ってしまえば、
連れてきた人間も丸め込むことは出来た――おそらくは、だ。人の心などわからない――筈だ。

堂々たる姿勢をどう捉えるかはさておき、相手は確かに重鎮だ。
周りと多少違う対応を取られるのは、おかしな話ではないだろう。
そんな奥まった場所の部屋の前に立ち、壁を指先で叩いて音を出す。
直接叩き起こせもすればこそ、今はそうしたこともできない。

「随分な姿だな、黒眼鏡」

声音には、数日前に見せたものとも違う隔たりがあった。
こっちが正しい姿で、正しい対応で。マフィアの幹部に対する声の掛け方だ。
外よりもいっそうに冷えた廊下に染み入るような、重たい声だった。
(-266) 2023/09/19(Tue) 0:24:08

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ

/*
こちらこそご相談いただきありがとうございます。
話しかける時間都合についても承知いたしました。
当方の都合で引き伸ばしていただいている手前もありますので、
そちらの良きようにしていただければ幸いです。

改めて、引き続きよろしくお願いいたします。
(-269) 2023/09/19(Tue) 0:43:44

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

元気ではないと聞いて、そうだろうな、と得たように視線が僅かに翳る。
語り口からそうと知れたことを敢えて暈した、曖昧を貫いて吐露される言葉を聞く。
どうした意図をして己に伝えるのか、それを受け止めるように、
視線は側にあるだろう貴方を見上げる形で投げかけられる。

「君がそうだと感じるのなら、そうなのだろう。
 けれども過ぎた出来事を、いつかの自分が出来ていたなら、なんて評価するのは、
 君自身を壊してしまいたくないならやめておいたほうがいい。
 全て知った後の自分がどう俯瞰しようと、当時の君にとって最善だった筈だ」

いつか、かつて。
見たこともない小さな少年の面影を、成長した貴方に見て説く。
今そこにある貴方から、かれを庇い立てするかのように。
僅かな緊張は尾を引いて。ふと瞬きをした瞬間にほどけてしまった。

「それに今の君は、よくやっている。
 ……資料室の鍵、借りっ放しではいけないよ」
(-318) 2023/09/19(Tue) 8:08:26

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

ああ、と。顔を見た瞬間に嘆くような吐息が唇から溢れた。
かつて視線より先に拳を突き合わせていた頃、貴方がこの地位でなかった頃は、
それこそ自分の手でこの留置所に叩き込む勢いであったこともあったろう。
実際に叶うことがあったかどうかはさておき、今更取り立てて言うことなんかじゃない。
腫れた顔だって、なおさらだ。

にも関わらず男は、人目もないのを良いことに格子の向こうで片膝をついた。
僅かばかり境界線を越えて、指先が部屋の中へと侵入する。
冷たい床を、素爪が叩いて僅かな埃を書いた。

スカイブルーの裏側がどんな色をしているか、だなんて。
こんなに暗いところでは伺い知れないかもしれない。
ただ、常より僅かに伏せがちの眦は、瞬きも少なにじいと貴方を見ている。

「誰にやられた」

と。ほかに聞かれぬように沈めた声は、炭の奥底のようにちらついていた。
(-320) 2023/09/19(Tue) 8:15:18

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ

海外のルートを潜って社会の裏側に潜り込み、通信は調査局の難を逃れる。
ともすれば直接顔を合わせるよりも安全な一般の電話は、平時とは別の意味で男を驚かせた。
電話越しの声はわずかばかりの焦らすような間を持って、『いい警官』が語るよりも些か低い声で返った。

「……そういう親切なお前はどこの誰だかな。
 それとも嘲るのが目的だったか?
 予見していたよりかは、随分若い声をしているな。
 俺のことを知ってるならてっきりもっと年寄り連中かと思ったよ」

電話越しの応答は市民に向ける其れよりもずっと冷たい。或いは、此れが素顔なのかもしれない。
姿の見えぬ連絡主とは、お互いに知らぬ顔だろうから誰と聞いて見知ったわけでもないが、
直接会う必要性を感じるかどうかは貴方の自由だろう。
誰とも知らぬ人間に声ばかりで伝えられることは少ない。
(-325) 2023/09/19(Tue) 8:47:38

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

貴方が例えその腑を曝け出すことで大多数の他に指差されるような人間であってしても、
この男は今と変わらない態度を向け続けることだろう。
それが絶対評価たる上司としての務めだ。情のためではない。
そういう類いの寛容を含む目は、貴方からの返答を聞いて微笑むように細められる。

「いつも通り、忙しくならないうちにやるべきことを終わらせて息抜きしてしまいなさい。
 常通りのコンディションでいられるのが一番いいことだ、我々はね」

今も、そして日が経って混乱が彼らに忍び寄ろうとしてもそれは変わらない。
手袋に包んだ手が貴方の腕を軽く叩いて送り出す。
その日ばかりははっきりと、何事もなく過ぎていったことだろう。
(-328) 2023/09/19(Tue) 8:59:27

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → マスター エリカ

或いは、商売熱心な働き者による市場調査にも思えなくはない。
問われればそう返すくらいの余長を引いた上で、男は悠々と過ごしている。
ふ、と。貴方の所作に目を向けて。瞬きがふたつ。
それから、僅かに自分に対してそうするように緩く首を振って、よく手入れのされた髪を振るった。
或いは。施行されつつある過激な法案を振るえるだけの手を他の警官たち同様に持ちつつも、
愚直にそれに従うことの馬鹿馬鹿しさを、再確認しにきたのかもしれない。

「もうじきぶどうの収穫時期になる。酒に関わることは何かと目をつけられがちだ。
 何事もなく季節が過ぎたなら良いのだけどな」

酒精を纏った鮮やかな香りを口元に運びつつ、商売人めいた愚痴が一つ。
貴方の元を生身で訪れた警官の用事は、有耶無耶に過ぎた。おそらくは、きっと。
(-330) 2023/09/19(Tue) 9:10:51

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ

ああ、と。間を置いてから通話の向こう側に取り落とされたような声に混じるのは悲痛だった。
海の只中に浮かんだ観葉植物の葉のような場違いの静けさは、次に言葉紡いだ時には失せていた。
たったひとつきりの溜息なんて、どう解釈するかどころか聞いてなくたって仕様のないものだ。

「いいさ。……俺が狙われてるっていうんなら、むしろお前の方が危険かもしれんがな。
 だが、そう、伝えておくべきことはむしろ俺の方にありそうだ。
 場所はそっちで決めてもいいが、……昔ペットショップだった廃家が郊外にあってね。
 他の意見がないなら、そこで落ち合おう」

曲がりなりにも警官であるのは変わらない。何かしらの罠を想定されてもおかしくはない。
袋の鼠はどんな暴れ方をするかだってわからないものだから、選択の余地を貴方に残して。
電話越しの声は、気遣うみたいな貴方の言葉に対して僅かばかりの嘲りさえ込めた。
その矛先が貴方であるとは、限らないが。

「それにしても、無罪……ね」

返答の如何を聞いたならば電話は切られる。
長引くほどお互いを危険に晒すのは、こちらも承知していてのことらしい。
(-404) 2023/09/19(Tue) 16:54:56

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

「お前のためじゃない。俺が安心したいからだ。
 こんな機会に乗じて頭から落としていくような豪気な奴を残してなんかいられるか。
 終わった先でまた狙われでもしたら厄介だし、面子に関わる問題だろ」

微かな苛立ちで声の調子が跳ねた。廊下に響く前に、そうっと抑えられはしたが。
自分のことでもないのに、小暗い感情が瞼の内側をちらつく。
別にそんなもの貴方が気にしてやらなければいけないものでもないが。
どうせ、離れゆく他人だ。二度と交わりはしない。

「どうせこれで最期の捕物になる。お前と俺は立場も、後ろ盾の在り処も違う。
 それとも、お前のせいで何の罪もない奴が同じ目に遭わされる方がいいか?
 警官連中でないならお前の下の人間がお前を売ったのかもしれないものな」
(-406) 2023/09/19(Tue) 17:04:30

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → マスター エリカ

ゆっくりと巡る季節を聴く。
言葉の響きを知れば、知らぬものであっても瞼の裏に色彩の移り変わりを思うようだった。
温暖なフランスであるならば、同じように葡萄の熟すのを想うのはおかしくない。
繊細な味わいを舌の上に移しながら、秋の黄金が広がる記憶を思い浮かべた。
まだ、家族が引き裂かれずにあった頃。今の職分でなく、家業を継ぐと思っていた頃。
この島のはずれの山深いほうにあった黄金の海こそが自分の居場所だった頃。
あの景色と、家族とが、自分の元に戻ってくることは二度と無い。


「いい心がけだ。殊勝、というわけでもないか。
 自らの足るを知ることほど、己を尊重しているといえることもない」

途絶えた道の行き先を願われること、綻びた道を歩む足が外れていないのであったなら、
貴方に願われるだけの価値もあっただろうものを。

「いい夜だ」

邂逅の夜は更けていく。
其処に交わされるものは言葉ばかり。
いずれ街が静かになる頃には、男も店を出ていくのだろう。
身一つ、手につかまえた身柄も無い。

(-487) 2023/09/19(Tue) 22:51:26

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → マスター エリカ


夜は巡る。
朝日の昇る頃には外の情勢は変わり、とぐろを巻いた悪意が、或いは擦れ違いが渦を巻く。
それに影響されてうねりを持った重たい霧に変わっていくのは、何も例外ではなく。

いつか、貴方への問いを持ちかけた曖昧だったそれは、
今は墨を混ぜて淀んでしまったかのようにどろどろと濁った汚泥めいている。
いや、もとよりさして御綺麗なものなどでは、なかったか。
最初から、傷ついて腐り落ちた掃き溜めみたいなものだったのだろう。

淀んでうねる靄は、いつかのように"情報屋"に投げかける。
あるいは、答えのない問答を心中に吐き連ねている呪詛じみたものが、
偶々貴方の元へ届いただけなのかもしれない。

声、ともつかぬ悲痛の叫びは、答えを求めて貴方に問いかける。
自分のもの――勝手にそう思っているだけだ。手の中にあることなんて永劫無い――を、
貶めたものは何であるのか、と。嵐の中の雷鳴じみて、ごうごうと怨讐が叩きつけられる。


/*
お疲れ様です。情報屋ロッシへの三回目の問いになります。
黒眼鏡さんに能力行使した人物は誰かについてをお伺いする形になります。
が、プロローグでの説明にあった「役職等の秘匿情報」に該当し、
答えを得るのは難しいことかなと思うので、回答は無しでも問題ありません。

また、樹木子の監視先していはお答えがあるならその人物、
ない場合/既に犠牲者になっている場合は「パス」で予定しております。
諸々遅れており申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
(-488) 2023/09/19(Tue) 22:52:04

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ

「ああ――そのことか。確かにそうだね、ここで話すことでもない。
 もう勤怠を切っているなら、パン屋にでも寄って公園ででも話そうか。
 屋外とはいえ、そっちのほうが話しやすいだろう?」

問いかけの内容を聞いたならば、それとなく話題の中心を曖昧にしながら提案する。
自分よりも立場の低い貴方を守るためだ――今となってはその配慮も無意味だったわけだが――。
ただ少なくともその態度だけで、貴方には"言い辛い側"であるとは伝わったかも知れない。
答えだけを得たいのなら、それだけでも十分な回答にはなるか。

不安がってあるように思える貴方の、低い位置にある顔に。
子供にそうするみたいに首を傾けて少しだけ高度を合わせて問う。
連れ立っていってきちんと話をするかどうか、それとは別に。

「……大丈夫かい、フレッド?」
(-495) 2023/09/19(Tue) 23:09:50

【独】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

/*
残っていない、との言葉を信じられる?
信じる
(-499) 2023/09/19(Tue) 23:19:07

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

「……そうか」

長く、長く沈黙があった。少なくともそこには納得があった。
思考がぐるぐると落ちた先には少なくとも着地点がはっきりとあって、
遣り切れない思いを消化するだけの道筋を得た、そういう響きだった。

「お前がそう云うんだったら、そうなんだろう。
 そういうことにしておくさ」

憎まれ口めいた言葉を残して、冷たい廊下から立ち上がる。
長らくいられるわけではないし、こんな情勢で出来ることも多くはない。
いずれは案内をした職員も戻ってきかねない、それだけの時間が過ぎていた。

「アレッサンドロ」

最後に一言だけ、貴方の名前を口にする。呼び寄せるように。
けれども貴方に応える義理のあることではない。貴方に責のあることではない。
放り投げられたボールをどうしてやるかなんて誰が決めるものでもない。
振り向かない権利は貴方にあって、引く指に引かれてやるかどうかなんて、強制力もない。
そのくせ、こちらを向かない瞳に向ける諦めは、縋るような輪郭をしていた。
(-502) 2023/09/19(Tue) 23:31:12

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ

「若いな。相手が何者かも知れないってのに」

溢した声には多少の笑いが含まれていた。それを無礼と取ることも出来るだろう。
声音からいくらか相手が年若いことを見て取ったのが一つ、
こんな施策を振るう側であるのは違えない警官を相手にして尚案ずるほどの、
優しさ、あるいは俠気だろうか、それを懐いている姿勢に対してが一つ。
少なくとも警官のほうは、警戒ばかりを電話口に向けているわけではないようだった。

数刻。

入念に監視の目を欺いて追手を撒いて、待ち合わせ場所へと辿り着く。
貴方の前に現れた男は、長いコートを着込んではいるものの丸腰であるようだった。
拳銃の一つも提げてしまえば、あるいは防弾ベストなんて着込んでしまえば、
きちんとした仕立てのスーツは見かけの型が崩れてしまう。
一般人にはわからない違いだろうが、部下を率いるソルジャーの立場、
有望だろう貴方であればそうした違いは見た目でわかる範疇のことかもしれない。
片手にはアタッシュケースを持ち、小暗い廃屋の中に座る。
かつては待合席なりだったのだろう破れたソファの上に、男の姿はあった。

「……どうも。
 少なくともここに押し込みが来ることは無い筈だ、安心しな。
 確か話じゃ、俺が狙われてるってことだったが。どうしてお前がそれを知らせる。
 俺が多少お前たちについて、口利きしてやってるからか?
 今じゃあいつが捕まっているんだから、その利点もお前たちにあるかどうかわからんがね」

まずは、貴方の言葉に耳を傾けるべきだろう。
とはいえどこまで話すべきかなんてのは、貴方の立場を思えば難しいことだろう。
それとなく、己の側で思い当たりのあるところをぽつぽつと挙げる。
(-510) 2023/09/20(Wed) 0:04:49

【人】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

>>3:27 テオドロ 0日目

「一つ一つ挙げるつもりはないが、君は諦めるのが早すぎるな。
 諦めきれないものも、そのくせ多いように見える。
 若年寄ぶるのはあまり君には似合わない気がするよ」

なんて、さして貴方を知るわけでもない上役の人間の言うことだ。
それが的を射ていると感じるかどうかは、今の貴方、あるいは将来の貴方に委ねよう。
茶化したような言い方をするのは、今は考え込ませるのは一区切りの合図。
眼の前の風景に目を向けさせて、先ずは貴方の目的地へと足を向けよう。

「自分のできることを正しく評価できるのは、君のいいところだ。
 いま、どうにかしなくちゃいけないことなんてのは意外と世の中少ない。
 君の将来が私は楽しみだよ」

いつか、いずれの時まで見守っているかのように言うのだ。
その保証など少しもないくせに平気で嘯いて見せる。

それじゃあ、とふたつの足音は商店街を抜けていく。
貴方の買い物は内訳が決まっているけれど、男の方はそうでもない。
ぽつ、ぽつとアドバイスを貰ったりなんかしながらに焼菓子ふたつなんかを選んで、
他愛無いやりとりがあった頃の夕暮れが過ぎていく。

まだ、処刑台に上がるよりも前のことだった。
(28) 2023/09/20(Wed) 2:08:14

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

自分よりも背の高い人間なんて見たこともないような、高い上背が貴方を見下ろす。
普段はサングラスの向こう側に隠れた目を覗き込んで、ああ、とこぼして。
歳を重ねて水気の失われつつある頬を緩めて、小さく笑った。

鉄格子に掛けられたその手へと、屈むように背を曲げて。
ほんの少しだけ。払った埃が触れるくらいに微かに。
貴方の指先に、触れるだけのキスをした。


「元気でな」


一つきりの言葉を最後に踵を返す。
こんな悪ふざけはすぐに終わるだろう。
では、その後は?

歩き慣れた革靴の底が廊下を叩いて、街へと上がっていく。
秋から冬へ巡る。10月を過ぎれば金星は見えなくなるだろう。
ヴェスペッラの名と同じように。けれど、それも牢の中では見えやしまい。

貴方の影に紛れ込んだ大嘘吐きは、それで潔く退場する。
(-535) 2023/09/20(Wed) 2:43:06

【独】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

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そういや母親は何歳まで生きてた?
(22)1d20+10
(-537) 2023/09/20(Wed) 2:54:02