人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

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【秘】 普通 ナツメ → ユス

「私は、そんな感じ。
 ユスくんは、どう?」

 総括。

 感情も生きてる感じも希薄に見えたユスくんが、
 『嫉妬した』なんて堂々と言い切れるくらいの人に。
 ツルギくんに出会えたのなら、
 悪くはなかったんじゃないかなって予想してるけど。

 ふたりを知らない私は、口を噤んで答えを待つことにした。
(-218) 2022/03/13(Sun) 16:20:09

【神】 怪物 ツルギ

>>G33 >>-141 アクタ/ユス

真実は人の数だけ存在する。
勿論、虚偽も同じ数だけ。


手渡されたメモに目を通しながら。
青年もほとんど決まってねえな…、と苦笑する。
ていうか軽トラ爆走させるの、趣味じゃないし。軽トラだけ浮きまくってないか?こいつだけ出る作品違うだろ。

「俺も舞台って観たことないし、初めてになるかも。……、…………」

隣の青年のよく回る口を聞きながら、もしかして案外性格が悪いのかな、とか。
……それは俺もだけど。

「お前の作る話を楽しめるかはわからないけど…
 まあ、席埋めるくらいはできるから。」

分かり合えなかったことは、きっと君にとって喜劇のひとつ。
眩しい笑顔を見ればわかる。最初からわかってた。
喜劇に汚いものは要らないから。


今まで通り、色んな言葉と所感を飲み込んで。
黙したまま、君の背中を見送った。
(G36) 2022/03/13(Sun) 16:21:07

【秘】 『  』の フカワ → 亡骸のツバメ カミクズ

格好つけるだとか、特別を意識するだとか。
そんなことはもういらないな。 
               
               
「――掃守、待ってくださいっ」
               

        
浮遊感。風の音。
 
 

             
          さいごの一歩を踏み出した。  

              そして、いつか、追いつく。  
80,81。
         



 
想像以上に怖くない、落ちる景色も、誰かと一緒なら。
それに、待っている人がいるから、何も      。
(-219) 2022/03/13(Sun) 16:21:09
フカワは、91,92。
(a69) 2022/03/13(Sun) 16:22:10

フカワは、その高さに至った4時29分55秒、
(a70) 2022/03/13(Sun) 16:22:32

フカワは、それは一番『  』なときだった。
(a71) 2022/03/13(Sun) 16:23:06

【独】 『  』の フカワ

100



ああやっぱり、俺は、不運だった。


ログアウトの音が何処か遠くでしたような気がした。
(-220) 2022/03/13(Sun) 16:26:06

【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ

「負けませんからね。僕は先輩ほどちょろくないです」

 彼女の小指に自分の小指を差し出した。
 丁度、指切りげんまんの形が出来上がる様に。

「嘘なんか吐きませんよ」

  
しんぞう
         
こころ

 僕は♡が欠けているけれど、♡までは欠けちゃいないですよ。 
(-221) 2022/03/13(Sun) 16:36:40

【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ

「そっか。大学生ですねえ」
「いいですよ」

「リアルの僕見て幻滅しないでくださいよ。いや、してもいいですけど。
 ここよりも多分、ずっと貧弱なので」

 幾ら歩いたり走ったりしても疲れない体はここにしかない。
 そんなに盛ってはないけど、現実の方が血色とか色々悪いかも。

『██県 ryo0810』

 自分の住んでいる場所とSNSのIDを、メッセージで送った。
 今はこれだけあれば十分だろ。

「1週間既読なかったら、死んだなって思ってくださいね。あはは」
(-222) 2022/03/13(Sun) 16:38:28

【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ

 そうだ。

「ナツメ先輩をフカワ先輩に推薦した理由」

 もう隠す必要もないから、これも教えておこうと思った。

「あれ別にあなたに同情してとか、可哀想だからとか、そういうんじゃないですからね」
「ナツメ先輩の事は、お気に入りなので」

「あなたの不器用なところとか」
「甘いところとか」
「俗っぽいところとか」
「几帳面に飲み物用意するところとか」
「小動物みたいなところとか」
「ちょろいところとか」
「根に持つところとか」
(-223) 2022/03/13(Sun) 16:39:46

【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ


「好きですよ」

 僕は意地悪だからはっきり言っちゃうんだ。
(-224) 2022/03/13(Sun) 16:40:19
メイサイは、あなたの♡を見ていた。
(t12) 2022/03/13(Sun) 16:40:32

メイサイは、ナツメを見ていた。
(t13) 2022/03/13(Sun) 16:40:49

【独】 奇形 メイサイ

(それはそれとして、見学の分際で数少ない女子のうち1人搔っ攫うの申し訳なさ過ぎて死にてえよ)
(-225) 2022/03/13(Sun) 16:42:25

【独】 医者の息子 カイ

さて、此処にはもう用はないわけだから
最初から用なんてなかった!

あとは帰るだけ。帰ったらなんて言われるだろう?

"生きててよかった"
本当に? もし死んでもタダで死ぬワケじゃないんだよ。
父さん言ってたじゃないか「多くの人を助けたいから医者になった」って。僕が死んだら病気でつらい人が助かるよ。


"なんで帰って来たの"
いくら厳しくても、そんなこと言う家族じゃない。
いっそ言ってくれた方が吹っ切れたのにね。


"おかえり"
学校から帰って来た時みたいな
何事もなかったかのような言い方だ。


何ならうれしいんだろうと、考えたが
たぶん僕の心でも成長しない限り
なにもうれしくないんだろうなって、思った。
(-226) 2022/03/13(Sun) 16:54:29

【秘】 ユス → 怪物 ツルギ


「俺は一成といきたい。」

(-227) 2022/03/13(Sun) 16:54:55

【秘】 ユス → 怪物 ツルギ

 されるがままに引き寄せられる。ぼやけた視界の中で、人でなしがわらっている。
 貴方が吠えている。貴方が晒している。
 透明だった、呪いまみれの貴方がなりふり構わず叫んで泣いている。

 ……ああ、珍しい景色だ。良い光景だ。

 大切にしたい。胸に広がる温かさをそのまま外に出して、貴方を包んであげたい。
 ……ああ、これはきっとW愛しいWなんだろうな。
 貴方とは反対に、青年は瞳を更に細めた。

「そうか。恐いか。訳わからないか。
 俺も分からない。よく話すお前のことだって完璧にわからないのに、人間の本質なんて理解できるはずがない」

 涙はとうに枯れ果てた。最後に泣いたのはいつだったか。調理実習で玉ねぎを切った時くらいだったかもしれない。
 でも、貴方は違う。きっと、いつもいつも泣いていたんだ。貴方が気付かないだけで、貴方すら気付かない暗闇の中で、ずっと、ずっと。

「教えていいのか」

「じゃあ、教えよう。俺なりの回答だがな」

 出来て当たり前なんてものは無い。
 全員が全員、世間一般に当てはまることなんてないのだから。

(-229) 2022/03/13(Sun) 16:55:46

【独】 医者の息子 カイ

カイは、健康だ。
この場に呼ばれたのが何よりの証拠。

カイは、家族みんな健在だし、生活に不自由はない。
この世にはもっと不幸がたくさん人がいる。

カイは、目標がある。
今の彼には途方もないものだ。

カイは、苛めてくるような人間もいない。
心を許せるような友人もいない。

カイは、才能がある自慢の弟がいる。
だから僕は誰にも期待されていない。

カイは、努力家だ。
結果が出なければ無駄。

カイは、無責任に応援してくれた人がいた。
僕がひねくれ者じゃなかったらな。

カイは、こんな医者がいたらいいなと思ってくれた人がいた。
本当?

カイは、医者になって功績を残したい。
もう後にもどれなくなってしまった。

カイは、どこへだって行けるはずだ。
行きたい場所なんてわかんないけどね。


不幸ではないカイは、不自由なく生きていける。
助けて欲しいなんて、言える立場にはいない。
(-228) 2022/03/13(Sun) 16:56:01

【秘】 ユス → 怪物 ツルギ

「夢を捨てろ。夢から醒めろ。
 ここは仮初の世界でも夢の世界でもない。
 
 ゼロになりきれない可能性を追い続けるのはやめろ。
 W賭けWばかり続ける天任せの生き方をやめろ。
 理解者を作ることしか考えないのを止めてくれ。

理解者は作ろうとして作るものじゃない。
 人を知って、知ったものを積み上げて
 その果てにはじめて作られるものだ」

(-230) 2022/03/13(Sun) 16:56:39

【秘】 ユス → 怪物 ツルギ

「……だから、俺と生きよう。
 今すぐ死にたいと言うのなら、すぐに殺すつもりだったのだが。
 教えろと言われたのなら、教える為に俺はお前と生きたい。

 なんてことない会話をして、
 なんてことない食事をして、
 なんてことない外出をして、
 なんてことない時間を過ごす。

 そうして、生きた名残を積み上げたい」

もし嫌じゃなかったら…次は、誰かと来るといいですよ。二人で海を見たり、砂浜歩くだけでも、きっと何か…
 何も思わない、って事は、ないんじゃないかなって…

 
「二人で色んな景色を見よう。
 一人で見ても何も思わないものでも、二人で見れば何か変わるものだってあるだろう。
 俺は海が見たい。カフェに行ってクリームソーダが飲みたい。どこかの誰かが脚本を務めた舞台が見たい。

 お前と、一緒に」

「今度は、理解者を作るなんてことを考えないままで」

(-231) 2022/03/13(Sun) 16:57:32

【秘】 ユス → 怪物 ツルギ

 声が響く。

 『ハッピーのお祈り〜』


 ころころと、鈴のような声。
(-232) 2022/03/13(Sun) 16:59:30
ユスは、誰かの真似をした。小さな狭い海で教わった、その名残。
(a72) 2022/03/13(Sun) 17:00:02

ユスは、片手で泣きはらした貴方の両目を隠して、君の額に唇を寄せる。
(a73) 2022/03/13(Sun) 17:00:17

【秘】 ユス → 怪物 ツルギ

「考えるのが疲れたなら、考えなくていい。
 決めるのがしんどいなら、決めなくていい。

 俺は考えることを放棄するのを放棄したから。代わりにやろう」

「どうしても嫌になったら、俺がお前を殺そう。
 俺が嫌なら、喜んで死のう」

「お前と作る景色が」
「お前が心から浮かべる表情が」
「見たいし、知りたいから」
(-233) 2022/03/13(Sun) 17:00:43

【秘】 きみといきたい ユス → 怪物 ツルギ


「駄目か? 一成」

(-234) 2022/03/13(Sun) 17:01:21

【秘】 怪物 ツルギ → ユス

「………、………………っ、の、」

───正論ばっかり言いやがって!

「てめえが、」

───お前は俺の一体何を、

知って、ん、………


───……、ああ、そうだ。

君は、全部知ってたんだった。

全部知った上で、正論とかじゃなくて、取り返しのつかないことをした上で、自分の言葉としてこうもハッキリ言うものだから。
反論の余地が無い。

視界が覆われて、憎たらしい笑顔が隠されて、額に懐かしい感触がして。
記憶と違うのは、部屋に満ちる鉄錆の臭いと、掌の大きさと、君の唇が触れた額が。
……温かい、気がしたこと。

………W楽しかったWか?


本物の海には行ったことがないけれど。友達と行った偽物の海は、楽しかったから。
海に嫌な思い出は、ひとつも無いから。

だっ…たら。………海、が…いい。


真っ暗な視界の中で、君を探して。
小さく、弱々しく、手が彷徨った。
(-235) 2022/03/13(Sun) 18:02:06

【秘】 ツルギ → ユス

ふと触れた体温に、指が食い込む程しがみつく。
繊維が千切れる音がした。
………死んでも離すものか。


君はおかしいよ。
簡単に思い出を上塗りしてしまう。
俺なんかより、ずっとおかしいんだ。

「………本当に全部、代わりにやってもらうからな。」

……死ぬのはいつでもできますから。
あっこれ一緒に行けそうにないな、って思ったらあいつを殺して俺も死ぬつもりですよ。


「俺を殺すのも。お前を殺すのも。」

元より俺の命は、君のものだから。
別に何もおかしなことは言っていない。

これは頼みで、お願いで、
命令
だ。
(-236) 2022/03/13(Sun) 18:04:14

【秘】 ツルギ → ユス

 
俺の全部を、お前の持ち物にしろ。


お前が管理しろ。


それなら、息をしてやる。

 
(-237) 2022/03/13(Sun) 18:05:21
ユメスケは、空クジラもそろそろ見納め。
(t14) 2022/03/13(Sun) 18:28:52

【見】 モノノ怪 ユメスケ

「知ってる? 空クジラって腹の中に子どもの国があるんだぜ 
 
 ネバーランドみたいな。ネバーランドじゃないんだが」
 
 

 
「こどもの内は自由が保障されていて、

 
 大人になったらそこで全部が終わり」

 

 
「連れてってほしかったな、今はいいや」
 

 
「そこの期間限定はもう要らない 
 

 
(@2) 2022/03/13(Sun) 18:29:14
ユメスケは、ハッピーな時間は少しでも長い方がいい。
(t15) 2022/03/13(Sun) 18:29:24

【秘】 ユス → ツルギ

「……っ、ぐ、ぅ……ッ」

 何か千切れる感覚がした。
 流石に笑い続けることは出来なくて、痛みに顔を歪ませるけれど。

 こんな触れ方をしたのは、こんな反応を見せてくれたのは初めてだ。
 その痛みすらも愛おしい。

 こぼれ落ちた吐息にかすかに楽しそうにわらう音が混じる。

「……ふ、……はは。
 ああ、ああ。行こう。海に行こう。
 二人で同じ景色を見よう」

 98uよりも広い、切り取られていない見渡す限りの海。
 本物を一人で見たことなどないし、誰かとだって見たことがない。

(-238) 2022/03/13(Sun) 19:07:20

【秘】 ユス → ツルギ

 そうだな、おかしいかもしれないな。
 だって俺は怪物だから。
 憎い人間の呪いなんて、己の呪いで塗り潰そう。

「ああ。全部、全部代わりにやる。
 お前の全てを貰おう」

 全て切り捨てた俺は、何も持っていないから。
 底すら無くした穴の空いた器だから、満たされることなんてない。

 死ぬまで、俺の心が止まるまで。
 ──ずっと、お前を欲しがり続けるよ。

「大丈夫、お前が教えてくれたから。
 お前が俺を作ってくれたから。
 生かすも殺すも、ちゃんとやれる」

(-239) 2022/03/13(Sun) 19:08:13

【秘】 ユス → ツルギ

「お前の全ては俺のもので
 俺の全てはお前のもの。」

「勝手に独りになるのも許さない。」

「地獄まで、一緒に見てもらうからな」
(-240) 2022/03/13(Sun) 19:09:07
ユスは、決して消えない罪を完成させる前に、ツルギの首筋に顔を埋める。
(a74) 2022/03/13(Sun) 19:09:43

ユスは、思い切り、首筋に歯を立てて印をつけた。
(a75) 2022/03/13(Sun) 19:10:14

【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 『  』の フカワ


結局のところ、許す許さないの話ではなかったんだ。

「──もしも、仮に。
 生きていたくないと思うことが、悪いことなのだとしたら」

だって僕はそもそもの話、それを咎める事はできないのだから。

「僕ってとんでもない大罪人だ」




夜明けはいつも憂鬱だった。
けれどきみの隣であれば、憂鬱なばかりでもなくて。
だからきっと、今日は死ぬには良い日、だ。

──さあ、誰の手も届かない所で死のう。
何処にも行かず、死んでも離れず、ずっと同じ夢を見よう。
他の誰に捲られる事も無い、さいごのページをふたりじめ。
誰にも観測されない物語の結末は、幸福でも不幸でもなくて。
誰に"めでたしめでたし"で締め括られる事もなくて。
エンドロールが流れなければ、
声を潜めて口々に感想を囁き合う観客だって居なくって。

それってきっと、この上なく満足のいくものだ。
(-241) 2022/03/13(Sun) 19:22:53

【置】 亡骸のツバメ カミクズ


ああ、でも。
重力に身を委ねる瞬間の、更にそのほんの僅かな間だけ。
少しだけ、投げ出したものが追い付いて来たらしい。

──ただ生きたかっただけの少女に本当に必要だったものは、
  きっと隣で一緒に考えてくれる人だったのだろうな、とか。

──僕の事を友人と呼んでくれたきみは、
  僕がこんな選択をしても、悲しんでくれるのかな、とか。

──この場所で死ぬ理由を失い、生きる理由を得たきみは
  僕と近"かった"きみのこれからが、少しでも長く続くといいな、とか。

──ああ、きみのくれた花の事を聞き損ねてしまったな、とか。



──誰かからきみのこと生きて欲しい人を奪っていく事は、
  本当にひどい事で、それだけは確かに僕の罪、なんだよな、とか。


きっと誰もが誰かにとっての生きていて欲しい人だった。
でも、お利口にしていたって、奪われるばかりなんだ。
喜劇のように報われやしない、この優しくない世界では。
一方的に奪われて、報われる事なんて一度もなかった!
嫌だ、嫌だ、嫌だ!どうかさいごくらい、我儘を言わせて!
いつまでも僕ばかりが奪われる側なんて、不公平じゃないか──
(L7) 2022/03/13(Sun) 19:23:40
公開: 2022/03/13(Sun) 19:30:00

【置】 亡骸のツバメ カミクズ


そんな後悔の形になりそこなったようなもの、
それから誰に届く事も無い慟哭、悲鳴、言えなかった『助けて』。
それらの後に残ったものは、やっぱりきみの事だった。

仮に僕にはきみしか居なくても、
きみには僕しか居ないわけじゃなくたって。
そんなことはもう関係がなくて。
関係がないとは言っても気にしないわけじゃない、でも。

そんな事はわかった上で、やり方は色々考えているんだよ。
きみがこっちを見てくれるまで付き纏うから、覚悟していて?
だって僕は、できそこないでも猟犬だ。そうでしょう?
きみが首輪を付けず手放したって、ずっと傍に居るものだ。
愚直なまでに、執念深く、どこまでも。

そんな手に負えない想いを抱えて、今一度は眠りに就こう。
願わくば、このまま二人眠りたいとは、思うけれど。
でも知っているよ、人生って上手くいかないものだって。

だから。

きみとずっと一緒に居る為に、僕は努力を欠かさないよ。
(L8) 2022/03/13(Sun) 19:24:29
公開: 2022/03/13(Sun) 19:30:00

【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 『  』の フカワ


──ぐちゃぐちゃの肺から空気が押し出される。
既に一度死んでしまったからか、
痛みは夢の中のようにぼんやりとしか感じないけれど。
ほんとうはもう、起き上がるのすら億劫な、惨憺たる有り様だ。

ああ、でも大丈夫だ、まだ息ができる。
まだ息ができる、言葉を吐き出す事ができる。
きみに贈る、さいごの願い呪いを。

「──おやすみ、邦幸」

「ずっと傍に居てくれて、」
「ずっと一緒に居てくれて、ありがとう」

「これからも、ずっと」
「ずっと一緒に居よう」

「だから、死んでね」

「僕達に、夜明けが来る前に、早く……」
「ここで、僕と死んでね」

夢の中のようにぼやけた意識、その視界が涙で滲む。
でもこの涙は悲しみからのものではなくて、後悔でもなくて。
ただただ、どこまでも、安堵と、それから。

今、胸を満たすこの感情は。
ああ、これはきっと、多分。

よくない感情、だ。
(-242) 2022/03/13(Sun) 19:26:34

【秘】 きみの ツルギ → ユス

「………っ、ぐ、」

首筋に鈍い痛みが走る。紛い物ではなく、現実の、本物の印。

………ああ、楽だ。
もう何も考えなくていいんだ。
全部君が決めてくれる。
全部君が考えてくれる。
全部君のせいにできる。


夢を捨てて、夢から醒めて。
現実で生きろと言われても、当然できるはずもなく。

でも
生かされる
くらいなら、できそうな気がするから。
息をするだけなら、なんとかできそうな気がするから。
飼うより飼われる方が、ずっと簡単だ。

 
「………ははっ、いいよ。
 
地獄でもどこでも連れて行け。


淋しさを誤魔化すために、命の過程に何かを見出そうとして。
人の命をいとも簡単に消費して。
夢の微睡から、無理矢理引き上げられて。
わかったのは、君が俺のもので、俺が君のものであることだけ。

……最初から、それだけで良かったのかもしれない。
たったこれだけの答えを知るために、随分と遠回りをしてしまった。
(-243) 2022/03/13(Sun) 19:27:58