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【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ「ハハ、そりゃあご愁傷様だ。 傷が無いなら何よりだよ。」 ケラケラ笑いながら 体に伝わる振動でいてて、なんて言う。 「そうだな。助かる。 俺もこんな無様な成りじゃ会えねえと思ってた。 アイツのことはお前に任せるよ。」 貴方が思うより素直に、男は頷くだろうか。 自分の体の状態が分かっていて 且つ、貴方になら任せられると思ったのか。 「死にそうってのはあれか。精神的な方か。」 それでも、心配そうにする。 (-219) 2023/09/29(Fri) 20:35:34 |
【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ「驚かせられただけよかったと思うべきかなここは…… こっちは毎回神経をすり減らして調査していたのに、 実際されてる側にはそんなあっけらかんとされるなんて 安堵はするけど複雑な気分ではあるわね……」 足を止めればこちらも止め、顔を上げて瞳を見つめ返す。 「──勿論よ、ルチアーノ。 例えこれで魅力が下がろうとも、秘密は守るわ。 貴方の言う通り、彼に余計な心配もかけたくないし、ね」 とりあえず諜報の件はひと段落付いたか、と。 安堵の溜息を思わずふぅ、と漏らす。秘密と言う形にする事でかえって肩の荷が下りたくらいだ。 「弟子」 弟子。 「先生と生徒でも全然構わないのだけれど、…… ニコにまでよろしく頼まれてたの?…………もう」 隠せない笑顔が思わず零れてしまう。どうしてそこまでして、私の幼馴染たちは大切にしてくれるのだろうと。それに報いられる女になりたいなと改めて想い直して。 「……よく、言われるわ。危なっかしいって……そんなつもりは、無いんだけど…… わ、わかったわ!油断は減らすし、迷子にはならない! 次からはそうなるように最善を尽くすわ、だから…… 将来、恩返しできる人材にきっとなってみせるから ……改めて、よろしくお願いします」 深々と頭を下げてから、「やっぱり師匠と呼んだ方がいいかしら?」なんて本気の顔で貴方に質問もしてきた。 (-220) 2023/09/29(Fri) 20:45:50 |
【鳴】 夜明の先へ ニーノ『ぶんせき、しゅうせき、ようしえんぐみ……』 呟きを復唱する声は正直あんまりよくわかっていないのが伝わるだろうか。 養子縁組ぐらいはぎりぎりわかる、他はわからない。 わからないから感心していた、あ、やっぱり詳しいんだな、と。 で、『Yes』の答えが返れば表情が明るくなる。貴方には見えないものだけれど。 『ほんと!?』 『よかったあ、スマホ無くてさ〜。 新しく契約したかったんだけどそういえばなんもねえ〜と思って……』 『……あはは、ごめん。 困ったの頼り方の一番最初、こんなで。 お金はあるんだ、好きに使って』 もっと兄弟らしい可愛げのあるものだったらよかったのだが。 それでも手放しに頼りたいと思える家族がいることは幸福だと心から思う。 相変わらず包帯で固定された右手で、なんとなしに電話機を撫ぜた。 『今家?二度寝する? 顔見たいな、ろーにいが良い時間に家行きたい』 (=4) 2023/09/29(Fri) 20:48:15 |
【秘】 摘まれた花 ダニエラ → 歌い続ける カンターミネ最後に触れた唇と。呼ばれたその名前と。 多分それで本当に、心の準備は整ったのだと思う。 そうやって、ふしぎなくらい凪いでいた。 聞こえる言葉に背筋が粟立つ。 報告書の内容はすんなり頭へと入ってきた。 「そっか。」 無感動な声。 多分今まで聞いたことがないくらい冷ややかな。 それでいて、その口元だけは歪に 笑んでいる 。「……ミネ」 しずかな声で促す。 「聞かせて。」 報告書を持つ手だけが不自然に震え。 合わせて紙がぱさぱさと揺れる音。 そうしてライムグリーンを視界に入れた女は笑い直す。 笑うのは得意だ。そしてそうしなければならないときは往々にして存在している。 今みたいに。 (-221) 2023/09/29(Fri) 20:54:24 |
【影】 摘まれた花 ダニエラ…コーヒー豆の、香りがした。 ああそっか。 あの人は最初から、許してもらおうなんて思っていなかったんだ。 一番最初に腑に落ちたのはそのことだ。 ――いってらっしゃい。幼子の声。 その後数日顔を合わせることもなく母は死んだ。 …同じかもしれない。ずっと同じように時が過ぎるなんてことないって知っていたつもりだったのに。 ばかだなあ。ほんとうにばか。 (&0) 2023/09/29(Fri) 20:54:48 |
【人】 Commedia ダヴィード>>79 「へえ?ああ、じゃあ。 習ったらおれにも作ってくれませんか、ペネロペさん。 材料代も出すし片付けもしますから」 もくもくと食べ進めながら、貴方のそんな一言に反応した。 もとよりこの男は人の手がかかった料理が大好きで、外食にそこそこの給金を注ぎ込んでいる節がある。 それが貴方のお手製ならばもっと嬉しい。そんな単純さだ。 「いいなあ、それ。来年にもまたこうやって…… 俺に似合うお酒選んでくれますか?」 今回の選んでもらったカクテルは「傷に沁みないもの」という基準が大いに影響しているだろう。 それを抜きにして、18歳の自分に貴方が何を選んでくれるのかが気になった。 その時に貴方は別の顔をしているかもしれないけれど。 貴方のいつも通りに触れた、あたたかい時間。 子どもはなんだか、泣きたいくらいに嬉しかった。 (80) 2023/09/29(Fri) 21:01:15 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ「 見える 、ということにしておこうと思って。その方が帰りやすいだろう」 男の目的は既に果たされ、ここにもう用はない。 冷たいようにも見えるが、単に、 追われると逃げたくなる性質が出てしまっているだけの話。 それでも、男がここへ訪れる選択をしたのは確かだった。 「……その台詞は幼馴染に言うべきものじゃないか? それに俺は別に不安じゃなかったよ、俺はね」 本当は君が出てくるよりも前に姿を眩ませて、 それで、居なくなるつもりだったのはひとつの道で。 予定が狂ったのは君と友人の 物好き さのせいだ。同僚とはいえ、友人とも言えなかった関係で。 今回もただ、同じ立場で"仕事"をしていただけで。 それなのに、手を掴もうとする君の心が分からなかった。 そしてそれはきっと、今後も曖昧な形のままなんだろう。 だからこそやはり、どうしてだと思う心は消えない。 そんなにも誰かを思える人間は、 その人を思える誰かと幸せになるべきだと考えているからこそ。 「…本当に君は、まんまとやられてしまったものだ」 「………あぁ、だけど。お疲れ様と返しておこうか。 "運命共同体"ってのもこれで終わりだね」 (-222) 2023/09/29(Fri) 21:02:11 |
【秘】 リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ手を掴み、摘むのはその存在を確かめるため。 確かにここにいるのだと、 夢ではないのだと、感じたかったからだ。 「そうか。…うん、なら……良かった」 後輩の話を聞けば安堵の息を吐き出して、 まずはダニエラ、そしてニーノ。アリーチェと。 次から次に後輩の姿を思い浮かべ、そして、 名前のあがらなかった一人も、ほんの一瞬思い浮かべた。 恨むことはないだろう。ただ、思う所があるだけで。 しかし、それに浸るのはもう少し後。 君は先程ゆっくりは寝れないと言っていたから、 話が一段落つけば移動のため身を起こさなくてはならない。 「…いや、"赤子"の頃の記憶ってやつかな。 俺は案外、記憶力が悪い方ではなくてね。 まぁ、なんだ。……覚えているから、繰り返し見るんだ」 「あぁ、行方は知らないし訴えようとは思わない。 街の宝ってやつはそれなりに寛大なんだ」 わざとらしい言い方は逆に男の心を落ち着ける。 髪を乱され、こめかみの近くを押されても苛立つ心はない。 ただ友人とじゃれ合い、笑っているだけだ。 夢の残像は消えないが、それでも、顔色はずっとマシで。 (-223) 2023/09/29(Fri) 21:02:57 |
【秘】 リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ言いたいことはそうじゃない。 それはそうだろうねと口にせずに笑うのは、 恐らく確信犯故のこと。 「…眠っていたが目が覚めてしまってね。 気晴らしの散歩ってやつだ、 ずっと家にいると頭にキノコが生えてしまうよ」 嘘。君は察しているのだろうから、 敢えて今、嘘をついてまた笑う。 隠したい訳じゃないというのはその笑顔が物語っていた。 そうして、警察を辞めたと聞けば知っているよと頷いて。 実は俺も、有給届とともに叩きつけてきたよなんて、 自分の話はさらっと終わらせてしまう。 「俺も丁度、君に会いたいと考えていたところだった。 これって運命ってやつかな?…なんてね」 「そして勿論、散歩はまだ続けるつもりだ。 眠るにはまだ、早すぎる時間だからね」 君の無事は友人から聞いていたんだ。 だから、訃報を聞いたところで動揺ひとつもない。 理由を察することは難しいが、 どこかで元気にしているはずだと、その無事を祈っていた。 (-224) 2023/09/29(Fri) 21:04:05 |
【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオまるで子供のようだと頭に過ぎったのは、 目を閉じるよりも前のこと。 そして次に考えたのは、 目を閉じたのは 失敗 だったということだ。「ッ……あ、ぐ…………………」 強く引かれ、己の関節から嫌な音がまた響く。 無理やりに半身起きた体はそのまま引きずり上げられて、 呻く男の表情は先よりも余裕を失っているのが見えるだろう。 少し離れた位置にある椅子は 随分と遠くにあるよう感じられる。 「君、な………ッ」 最早言葉はないこの空間で、何が取調だと言うのか。 色々と言ってやりたい気持ちは山々だが、 無理やりにも椅子に座らせようとする君に着いて歩くのだ。 覚束ない足を動かすのにそれなりに必死になっていた。 だから。── ガシャン! と、椅子を蹴り飛ばしてしまうのも仕方のないこと。 そこで君が手を離してくれるのなら有難い話だが、 勿論、君が支えのようになっている今に離れてしまえば 体が、腕が床に叩きつけられることは目に見えていた。 ▽ (-225) 2023/09/29(Fri) 21:05:30 |
【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ…あるいは、もう一度座らせることを試みるだろうか? そうであれば今度は何とかその思惑を叶えることが叶うが、 しかし、どちらにしてもだ。 男は、君から表情を隠すように体を内側に曲げる。 きっと、自分は今、酷い顔をしているはずだから。 「…ふ、………ふ、ふッ…………」 笑いか、あるいは呻きを堪える声か。その両方か。 男の口から漏れるのはそんな音。 病院へ行き、多少眠る時間も確保したとはいえ、 かなり無理をしていた体は、鋭く痛みを訴えている。 「………………………イレネ、オ」 名を呼ぶ。 「君、……何人を、 こう やった……?」そして問う。 それが何であるかより、 右手を腫らした後輩の姿が脳裏に過ぎる。 そして次に過ぎるのは、 「ダニエラ君にも──何かをするつもり、か?」 男は知らない。既に一度は彼女の番が済んでいることを。 そしてそれを問うことが、自らの"隙"になるのだと。 (-226) 2023/09/29(Fri) 21:06:59 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ「アイツらのこともそれなりに心配はしてたけどな。 それ以上に、お前のことが心配だったんだよ。 拷問の事より、どっか行っちまわないかなって。」 変わらない言い草に何故か安心しつつ。 まあそうだよな、とも思う。 「ま、想定内と想定外、半々だが。そうだな。 A.C.Aとして運命共同体になるのはこれで終いだ。 なあ、これからどうするつもりだ?」 だから貴方とお別れだ、なんて その表情は語っていない。 今度の休みどうする?くらいの気軽さで 貴方に尋ねるだろう。 (-227) 2023/09/29(Fri) 21:29:40 |
【秘】 歌い続ける カンターミネ → 摘まれた花 ダニエラ「っ…………エリー……」 恋は胸を締め付けるなんて聞いた事があるし、 今までだって同じ相手に何度かそうなった事がある。 でもこれは、きっとそうじゃない。ああ、つまり、 これは本当に、……きついな。 せめて、と。震える手を握る。笑うその顔に近付き、 額を合わせる。目を閉じて、名を呼んで、目を開く。 ミントブルーが少し滲んだ。 「エリー。……ごめん、言うな。」 少しだけ、強く握る。だって、……自分の手も震えている。 「……ファミリーから狙われたら、逃げられない。 今は俺にも、他の誰にも見つかってないが、 時間の問題だと思う。アレっさんもわかってるはずだ」 遠回しに言いたくない。 それは希望の芽を潰しながら歩くようなものだから。 「そのくせ、襲撃は中途半端だ。設備施設に損害? 5人の負傷?アレっさんがやろうと思えば、 下手すりゃこの地域半壊までいけるだろ。なのに 『遠慮』してる。つまり裏切りは見せかけか、 じゃなきゃ……必要な処置って辺りだ」 自分の中でも整理をつけないといけない。 そうじゃなければ、目の前の子も守れない。 (-228) 2023/09/29(Fri) 21:31:10 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「行方不明の振りもココまで上手くやれるもんなんですね。 そんでまた消えたと。ニンジャかなんかなんですか」 ちゃんとまた現れるといーですねえ、と呑気に一言。 聞いてるこちらも他愛ない話のような感覚で返事をしている。 内容はそんなものではないという事は知っているのだが。 「苛烈だなあ……いーですよぉ。なら手伝います。 オレが手伝えばまたなんか違うでしょ。 そーいうサポートは割と専門なんで」 片手でOKサインを作ってみせる。 ぶっ殺したいほど好きで嫌い、だなんて随分な感情だと思った。愛憎相半ばにするとはよく言ったものだ。 実際の感情の比率は、ロメオが存ずる所ではないのだが。 それにまた、少し羨ましさを覚えたのだった。 ▷ #ReFantasma (-229) 2023/09/29(Fri) 21:32:47 |
【人】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>80 ダヴィード 「Certo!」 実際のところ、この男の『趣味』は多岐に渡る。 取り繕った顔の数だけ趣味があり、 料理を趣味とした事もあれば苦手なふりをした事もある。 ともすれば、以前にも手料理を振る舞った事があるかもしれない。 けれどそれとこれとはまた別の話。 「ふふー。感想聞くのが楽しみです、どっちも」 料理も、お酒も。 18歳になったあなたに似合うのはどんなカクテルだろう。 幸いにして酒には詳しいものだから、いくらでも選択肢はある。 初めて飲むそれが、良い思い出になるように。 それから、あなたの成長ぶりを楽しみにして。 #バー:アマラント (81) 2023/09/29(Fri) 21:33:41 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「そーいう事です。win-winでしょ」 いつぞやみたいな都合の良い言葉。 一緒に居るのはこちらの勝手であることは知っている。 追い払われないから今は一緒に居ていいものだと思っている。 ロメオが「なんでもする」のはそれを許されるからだ。 許されなければ、なんにもしない。 貴方は許してくれる人だと思っている。 「いーですよ。溶けても美味かった」 「あんた、意外と寂しがりだったりします?」 それを揶揄するでも責めるでもない、ただの感想。 思った通りにここは人の気配が無くて、ここには二人しかいなかった。 彩度の低い風景だった。 「オレが言えたことじゃないか。お揃いすね」 そうしてまた、勝手にお揃いにしている。 #ReFantasma (-230) 2023/09/29(Fri) 21:33:44 |
ペネロペは、約束をした。 (a18) 2023/09/29(Fri) 21:34:00 |
【秘】 歌い続ける カンターミネ → 摘まれた花 ダニエラ「それにこの前警察内で会った時、港を落ち着かせるよう 頼まれたし、指揮してもいいとまで言ってた。 メイドマンクラスの名前も出して使えとも」 つまり、完璧な港を扱う、用意周到で実力のある男なのに、 それを俺に渡す時点でもう、管理を投げたようなもの。 或いは、もうとっくに準備を済ませていた。 また、手を握る力が強まった。もう、唇の震えも隠せない。 (-231) 2023/09/29(Fri) 21:39:49 |
【秘】 歌うのが怖くとも カンターミネ → 摘まれた花 ダニエラ「エリー。アレっさんは、……死ぬ気だし、 死ぬんだと、思う。殺されるのか、死ぬのかは、 ごめん、わからない。でも、命を落とすと、思う」 「俺より付き合いが長いエリーがどう思ってるかは わかんないけど……俺も、あの人には結構世話になった。 それに、エリーをあの人は世話してくれてたと、 思ってる。……俺、親ってものの事は、正直言って 全然わかんないから、間違ってるかもしれないけど、」 逡巡。迷い。口にしてはいけない、と思う。 でも、口にしないといけない、とも思う。 「 俺、アレっさんの事、エリーの親父さんみたいに思ってる。 俺がこっちの世界に来てから何度も世話になって、 カフェでバカ話して、なんだかんだ可愛がってもらって、 俺も、アレっさんのこと親父みたいに思ってたのかも。 ……アレっさんが、俺らの事どう思ってたかは、 全然わかんないけど。もしかしたら、 なんとも思ってないかもしれないけど、でも、」 「……俺達の親父が死ぬ前に、礼とか、文句とか、 ワガママとか、色々。……言いたい。言っておきたい。 すっげー辛いと思うけど、……言えないより、いいと思う」 「一緒に、言いに行かないか。中身はなんでも、いいから」 (-232) 2023/09/29(Fri) 21:41:26 |
【秘】 夜明の先へ ニーノ → リヴィオ>>-224 「大丈夫だよ、キノコが生えてもせんぱいはかっこいい」 敢えてのそれであるとは理解できているから、こちらが返すのも軽口……ではなく普通に本心だった。 今でもやっぱり貴方のことをかっこいいと思っている、本当のこと。 さらっと伝えられた言葉には瞬きを一回、二回。 とはいえその簡潔さもまた敢えて選ばれたのだとしたら、「そっかぁ」と笑った。 「……じゃあ、運命ってことにしよっか」 「運命なので残りの散歩の時間をオレにちょうだい。 せんぱいと話したいです」 あそこ行こう、あそこ、と貴方を連れて行こうとするのは二人で食事をした夜のベンチ。 今の状態で立ち話はさせたくなかった、場所もそう離れていなかったので丁度いい。 そうして歩調は貴方に合わせて、人の少ない夜道を二人で歩いて行く。 直にそこへと辿り着けば先に貴方を座らせたことだろう。 で、ちゃんと座ってくれたのを確認したらこちらも隣に腰掛ける。子猫をパーカーから出すとよいしょと膝の上に載せて、好きなようにさせながら。 「……せんぱい、なんで警察やめたんですか?」 (-233) 2023/09/29(Fri) 21:53:56 |
【鳴】 corposant ロメオ「おう、いいよ。なる早でやっとく。 スマホもねえのは不便だろうさ。 お前の事、他に心配してる奴いるんじゃねーの?」 公衆電話だけで知人とやり取りするのは余りに不便だろう。 友人も多いだろう貴方のそういう不自由はやや不憫に感じた。 「なんでもいいよ、頼ってくれんなら。 金は貰う事になるけどそれは勘弁な。安くはしとくよ」 個人的にやったっていいのだが、他の人間と連携を取る以上仕事の客として扱った方が勘ぐられもされずに済むだろうと思っての事だ。自分もだが、相手の立場は守らねばなるまい。 詐欺としてやるなら別だが今回はそうではないので。 「家だよ。いいよ、今来る? なんもねーけど……30分くれない? 身支度とか終わらす」 来てくれるのは純粋に嬉しい。素直に快諾して、話しながらようやっとベッドから起き上がる。 場所ならこの間連れて帰ってきたときに覚えてもらっている筈だ。 「なんなら迎えに行くけど……足あんの? 近場?」 (=5) 2023/09/29(Fri) 21:54:04 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「……win-winなのか」 こちらはこちらでその言葉に少し訝しげになる。 あのときは冷静でも何でもなかったが、今思えば相当お互いにおかしかったのだ。 それが、何故か。自分はともかく目の前の男までも。 今態度が変わらないことを含めても、やはり違和感を感じる。 無条件に人に尽くそうだなんて思わない。 たとえそれが娯楽として行われていたとしても理由があるはずなのだ。 「……ああ、寂しがりやだなあ」 「お前と揃いで嬉しいよ、ずっと似ていると思ってた」 だからここは素直に告げてやって。 「なあロメオ。 お前は一体何がそんなに不安なんだ?」 「何が欲しい。 言えんのだったら俺はあのときのことを聞き直してやる」 水気を帯びた砂を蹴って、貴方を振り返った。 #ReFantasma (-234) 2023/09/29(Fri) 22:18:59 |
【鳴】 夜明の先へ ニーノ『ありがと、すっげ〜助かる! 心配はどうだろ、連絡取りたいの職場のせんぱいとちょっと身内ぐらいだからな』 だからそう貴方が不憫に感じる必要はなく、というのは此方が知っていることでもないのだが。 早めに手に入れたい理由は生存報告がしたいそれだけだった。 『高くてもい〜よ』と値段については伝えたものの、安いままでも素直に甘えることだろう。 さっぱり入手経路なんてわからない自分にとっては大層なものだから、何らかの形で恩は返すつもりだが。 『今行く!』 『足ならあるよ、オレの足が。 近場かな、わかんないけど。 場所は覚えてる、のんびり歩いてたらそれぐらいにならないかな』 回答全てがふわふわしているが、道は覚えているのでとりあえず辿り着けそうなことだけ確かだ。 『だからだいじょうぶ、ゆっくり身支度しててよ。 あ、猫アレルギーじゃない? 仲間がいてさ、離れてくんないの』 伝え、切ろうとして、その前に思い出したように最後の確認がひとつ。 猫を家にあげてもいいかなの意。 (=6) 2023/09/29(Fri) 22:19:20 |
【秘】 夜明の先へ ニーノ → 路地の花 フィオレ──貴方が初めて人を撃ってから数日後の夜。 其方のスマートフォンに着信がひとつ。 非通知、或いは『公衆電話』と表記されたそれに出てくれるのなら、聞き慣れた弟の声がしたことだろう。 用件としては短い、『今夜どこかで会えないかな』。 承諾してくれたのなら貴方が指定してくれた場所へ。 場所の指定が無ければ昔二人で遊んだことのある公園へ。 昼と比べれば人気のない場で、弟は貴方が来るのを待っている。 黒いパーカーのフードを被り、ぼんやりと月を見上げていた。 (-235) 2023/09/29(Fri) 22:28:02 |
【秘】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ「ああ、すぐに出るさ」 嘘は言わない。 「そう、俺は嘘は言わねえよ。 まぁお前は特別だ」 嘘を言う。 「──そうそう、ここに来る前、ちょうど荷物送ったから。 じき届くと思う。 まあ、適当に受け取ってくれ」 いつものこと。 「──ああ。 まあ、…色々、気を付けてな」 いつもでないこと。 手を振って、その背中を見送る。 はあ、と息を吐いて、 「じゃあなあ」 (1/2) (-236) 2023/09/29(Fri) 22:39:38 |
【秘】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ翌日、あなたがいない時だろうか、荷物が届く。 入っているのは、口紅が一本。 色々悩んだ結果、あなたに似合うかもわからずに選ばれたに違いない、 オレンジのシアーリップ。 どういう意図で選んだのかも何も書いていないままだ。 ──いつものように。 (2/2) (-237) 2023/09/29(Fri) 22:40:04 |
【秘】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ避けることも抗することもない。 がつんと肉を打つ音、骨がぶつかる音、 息が零れる音、げほ、と咳き込む音。 全てが無抵抗のまま、ただにやついた笑みが消えない。 ──やってみろ、とでもいうように。 「はぁ、愛想をね。 その程度で逃げられるんだ」 馬乗りにされたままなのに、見下ろす。 黒い瞳のひび割れた隙間から、 嘲りと怒りの炎がちろちろと漏れ出している。 「お前のジジイのやってたマフィアごっこは、 随分お気楽なんだな」 がつ。 小突くように挙げられた膝が、馬乗りになる背中を蹴った。 「オオ、だからお前もこんなにヌルいんだな」 「うちに来いよ、立派なマフィアにしてやっから。 まずはそのくだらねえジジイのたわごとを忘れるところからだな、 負けてグダグダ言う奴の言葉なんか聞く必要はないぜ──」 それとも、と。言葉が続く。 「──お前もジジイみたいに、ノッテから逃げ出すのが趣味なのか?」 (-238) 2023/09/29(Fri) 22:48:11 |
【人】 Commedia ダヴィード>>81 ペネロペ 「ペネロペさん」の手料理はきっと、初めてだろう。 貴方に作ってもらったものならきっとなんだって、それこそ消し炭だって無理矢理に口に詰め込んでから泣くような男だけれど。 これからあるかもしれない、ない話。 「あははっ、来年ですよ。言いましたからね。 絶対一緒に来てくださいね」 もうすぐ夏が終わり、実りの秋と眠りの冬が来る。 この先にどんな苦難が待っていようと、未来に楽しみな約束があるのはいいことだな、と思う。 目の前の苦難を乗り越えるためにたくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん食べて。 すこしだけ貴方に甘えて。 そうして、日常は続いていく。 #バー:アマラント (82) 2023/09/29(Fri) 22:58:24 |
ダヴィードは、平穏と日常を愛している。 (a19) 2023/09/29(Fri) 22:58:39 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡「一人だけ……」 俺は浮気は嫌いだ、だが同時に甘ったれでさみしがり屋だった。 あんたと同じか違って、努力をすれば助けにはなれてしまうから 少しでも多くの者を救えるものだと勘違いばかりしてきた。 「難しいなあ」 それを貴方に向けられていたら、きっと未来は変わっていた。 そうできないと思うほど、全てを諦めきってしまったいたから。 「――でも、そうか。漸く分かった。 俺のしたいことなんて、 知りたいこと以外何もない 」半分だけ嘘をついた、それだけ聞けたら良かった。 この先の貴方のしている事など全て見通せもしないし、このときは何も分からなかったが。 手遅れでも真実が知れればそれでよかったのだ。 それは自分の親の死の真実を知ったときのような、 それでも、誰よりも大事に思った事のある恩人への、愛憎入り交じった感情に襲われるのだろう。 「言われなくとも、フィオレのことは大事にしてるよ。 あんたに言われたからだと思うなよ」 それだけは選んだ、置いていって嘘をついている貴方とは違う。 自分はそうならないと、もう、この時点できっと気付いて居た。 貴方は自分達の前から目の前から居なくなる。 (1/2) (-239) 2023/09/29(Fri) 23:02:52 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡信じたかった。最後まで信じたかったのに、ここに来て嫌なほどわかってしまった。 泣きたくなりそうな程気持ちが高ぶって、それを隠そうとするように深く息を吐いた。 「アレッサンドロ、」 俺はあんたを殺したいほど好いていた。でも、もうやめだ。 「――勝てるといいなあ?」 このどら猫の祝福は可愛らしい祈りではない。 その口ぶりには『お前なんてやられてしまうさ』という本音の軽口も入っている。 だけど、それでも。 かつての貴方の下で働いていた時間が人生で一番楽しかった事は変わらない そんな日は二度と戻らない、だから、俺はそんないつも通りの言葉で貴方を見送ることになるのだ。 (2/2) (-240) 2023/09/29(Fri) 23:07:54 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ「っ、う…、!」 注射器の針を避けるような動きをしたばかりに、下手にその拳を受け止める形になる。ゴキ、と嫌な音がしたような気がした。 地についた肘に、強い痛み。 全身の痛みに、意識が持っていかれそうで。 気力でもって、なんとか耐えている形。立ち上がろうとした格好のまま、脂汗を浮かべている。 「っ、…はぁ……先に、不義理を働いたのは…彼の方、よ」 口の中の異物を胃液と唾液に混ぜて、地の吐瀉物へ垂らすように吐き出し。 息を整える。痛みに意識を向けないように。 「違うわ。私の、独断よ」 たまたま火遊びの相手が、ファミリーに害を生した男だったというだけ。 ここに誰の命令も介在しない。この殺しだけは、自分だけの責任だ。 話していれば、あなたが携帯を取り出したものだから。勘がまずい、とでも告げたのか。 立ち上がろうとしていた格好から強く地面を蹴って、諸共地面に叩きつけられるよう飛びかかる。 携帯を取り落としてしまえばいい、と。不意をつく形で。 痛む身体も、男女の対格差も考えない。がむしゃらに仕掛けたお粗末なものではあったけれど。 ここで捕まるわけには、いかないのだ。 (-241) 2023/09/29(Fri) 23:09:48 |