[　わざわざリクエストしてくる言葉に
本から顔を上げて、眉尻を下げて
ほんのすこし困ったように笑った。]



　　　　取っといたら�W余り物�Wに
　　　　なんないだろ


[　何言ってんだ、と言わんばかりに。

部屋の中にカレーの匂いが充満する。
じゃがいもの代わりにカボチャが
ごろごろしているそれは、ほんのり甘くて
でも辛くて、その塩梅がちょうどいい。
比較的人気の商品である。


銀色の大匙で掬われては唇の中に
消えていくそれを見ながら、
世は更けていく、
ラジオのパーソナリティが
明日またお会いしましょう、と
締め括れば、エンディングが流れた。]

　

　　　　───どうだろう


[　問いかけに、>>96曖昧に濁す。
毎日同じ答えばかり。
寝れないわけじゃない。
ただ、浅くて短いだけ。
ただ、人肌が恋しいだけ。

だから、共に眠るその人の体温が、
心地良くて、髪を撫で付けるてのひらの
温もりが、愛おしいと感じるのだ。]*