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【人】 調香師見習 ノア─回想 一日目夜:レインツリーの丘─ [相手が誰であっても敬称をつけるのは 師匠譲りの所為だけれど、 愛称でひとを呼ぶこと自体、 この国に来てから初めてのことだった。>>1:290 そして、おそらく、記憶にないけれど、 生まれて初めてなのだろうと思う。 なので、愛称+敬称が、一般的におかしな呼び方に なるということを想像することも 私は出来ていなかった。] ? [距離を寄せるレッタさんの気配。 星空の世界を説明するレッタさんの綺麗な声が近くなった のがわかった。 星の光の届かない瞳が見上げる闇の一片に、 彼女が指差し教えてくれた瞬きが頭の中、灯っていく。 彼女が伸ばす手になぞって、私もそっと何もない 虚空に手を伸ばした。>>1:291] (10) 2020/05/16(Sat) 1:05:36 |
【人】 調香師見習 ノアここにあるのですね…… [一片が二欠片に、二欠片が三欠片にと広がっていく。 星降る夜が訪れる度、感じていた孤独を思う。 夜が明ければ必ず、陽が射すことを知っていても、 振り払うことは出来なくて。 わからないのにわかっていた。 記憶と共に世界を闇に閉ざして、 そうしなければ生きていけなかったこと。 師匠はずっと、 隠した扉を開かないようにしてくれていたこと。 思い出さないようにしてくれていること。 わかっていた。] ………っ [私は、なんて恩知らずなのだろう。 何も出来ない、何も出来ていない。 あんなに望まれている“幸せ”が “運命の人”が誰かもわからない。*] (11) 2020/05/16(Sat) 1:06:14 |
【人】 調香師見習 ノア─回想 一日目夜:レインツリーの丘─ [宙に伸ばした手がそっと包まれる。 柔らかく優しい温もり。 一通りの説明が終わってからも レッタさんは私を気遣ってくれた。>>12] …いいえ、私のほうこそ。 教えてくれて、ありがとうございました、 レッタさん。 [私はレッタさんにこれ以上心配させないよう 努めて微笑んで見せたけれど、察しの良い彼女には 通じなかったのだろう。 この後に語られた、まるで私の心の内に応えるような 彼女の話から、それがわかった。] 運命を変えた…… [騎士団に入った理由、辞めずにここまで来られた訳、 その間に周囲の人達は伴侶を見つけて “幸せ”になっていったこと。 恋人がいない今を遊び心に打ち明けるレッタさんは それらを望んでいないという。] (22) 2020/05/16(Sat) 5:42:20 |
【人】 調香師見習 ノア国王陛下と王妃様の幸せを見守ることが レッタさんの運命ということですか? それがレッタさんの幸せで、 そのために頑張っている…… [聞いていると、聞けば聞く程、師匠が重なって>>15 知らず胸にあてていた手がドレスの布に皺を寄せる。 師匠が私のことをレッタさんと同じように 考えているなら…私は、どうしたらいいのだろう。 ずっと、見守っていてくれるひとに 大切にしてくれたひとに応えたいのに、] …私は、私の幸せがわかりません…… [私だって、このまま今のまま、 ずっと居られるなんて思っていない。 師匠があれほど言うのだもの、根拠があるのだと思う。 一度だけ、聞いたことがある。 師匠が、私の運命のひとということはないのかって。] (23) 2020/05/16(Sat) 5:42:23 |
【人】 調香師見習 ノア『…………雛の刷り込みですよ。』 [師匠は言った。 最初、驚きに詰まった顔はすぐに苦笑に崩れて、 この国に来たばかりの、今よりももっともっと、 何もわからなかった頃の話。] 『今のノアさんには私しか居ないから、 そんな風に思うのです。 けれど、ノアさんが私に対して思う感情は 子供が親に抱くものと同じもの。 いつか、わかります。』 (24) 2020/05/16(Sat) 5:42:26 |
【人】 調香師見習 ノア……夢物語ではないと思いますが 夢物語でも、心に確かなものがあるレッタさんは 素敵だと思います。 [私には何もない。 あるものは全部、師匠に与えられたものばかり。 感謝しても、しきれなくて。 唯一、お返し出来ることがあるのに、 それもわからなくて。 不安で、寂しくて、] …師匠に私…、困らせるようなこと、 言ってしまいました…… [話の終わり、小さく小さく打ち明けた。*] (26) 2020/05/16(Sat) 5:42:31 |
【人】 調香師見習 ノア─回想 一日目夜:レインツリーの丘─ うん…… [夜空に浮かぶ星の息が聞こえそうな静寂に レッタさんの声と私の声がささめく。>>38 レッタさんが幸せを望む王妃様は 出逢うべきひとに出逢えて、結ばれた。 だから、今年のタナバタ祭りは特別で、 師匠もいつも以上に張り切っていて、 誰もが楽し気で。 レッタさんの話、殿下はとても素敵な人で、 王妃様を愛しておられるという。] …違和感…… [彼女の問いかけに考える。 私が感じでいる寂しさは、違和感なのだろうか。 視力のこともあるし、所謂普通のひととは 違うとは思っている。 でも、それはどうにかしたくても出来る事じゃなくて。 <gray>───世界に気付き覚めないように深く深く記憶の底 (55) 2020/05/16(Sat) 15:29:11 |
【人】 調香師見習 ノア[どんなに手を伸ばしても届かない。 零れそうな 滴 幸せになるようにと言われるたび、 運命のひとに出逢えるようにって微笑まれるたびに 膨らんでいく切なさは どんなに思ったって違うんだって。 だから私も、師匠と同じ幸せを見たいのに。] ……私は家族を知らないから、覚えていないから [ダンボールの中、 捨てられた猫のような気持ちになって。] わかりたい……… [いつかはいつなんだろう。] (56) 2020/05/16(Sat) 15:29:13 |
【人】 調香師見習 ノア[道化師さんが帰って、レッタさんとふたり。 話していた時間は私が考えていたよりも長かったらしく、 もう夜更け。 師匠の登場により、レッタさんとの話は 途切れて終わる形で幕を閉めることになった。 師匠に連れられて帰る前、私はレッタさんを振り返り 深々と頭を下げて、丘を下りた。*] (58) 2020/05/16(Sat) 15:29:29 |
【人】 調香師見習 ノア─ 回想 二日目朝 ─ ……おはようございます。 [いつもの服に着替えて、キッチンに顔を出す。 今日は師匠も起きてきていて、ブレンド珈琲を飲んでいた。 不用意に出歩き裾を汚してしまったドレスはナミさんが 綺麗にしてくれて、乾かしているところらしい。] …はい。 [眠れましたか、と問う師匠に頷く。 髪だけでも、昨日のように結いましょうと乗り気な ナミさんを受けて、師匠が私に視線を向ける。 いつもなら、ナミさんより盛り上がるのに。] ……構いませんが……ぁ、なら、その 教えて貰えませんか? ひとりでも出来るように。 [喜ぶナミさんに、それがいいと微笑む師匠。 少しだけほっとして、温かい食卓。 二日目のタナバタ祭りが始まろうとしていた。] (68) 2020/05/16(Sat) 17:07:34 |
【人】 調香師見習 ノア─ 調香店『ディアス』 ─ …今日はどうします? [なんとはなしを装うよう気をつけて、 営業時間を師匠に確認する。 予め確認しておけば、心構えも出来るし、 もう、昨日のようなことは繰り返したくなかった。] 『…そうですね、その、お祭り用の商品が無くなったら 閉めましょうか。』 [ポプリの籠を見遣って師匠が応える。 サシェは残り数個、早ければ午前中に 売り切れてしまうかもしれなかった。] 『昨日はノアさんに託けましたが、本当は私が お祭りを見に行きたいのです。』 [今年は特別ですから、と笑って、 奥のアトリエに向かう師匠。 通りに顔を向ければ、硝子の向こう、昨日に増して お祭りに賑わう気配を感じる。 その時、声>>63とともに店のドアが開いた。] (69) 2020/05/16(Sat) 17:07:37 |
【人】 調香師見習 ノア…その声はハニエルさん、ですか? [そっと店内に足を踏み入れる気配に、自然に顔を綻ばせて、 その傍まで近寄れば、改めて、いらっしゃいませ、 と彼を中へと迎え入れた。*] (70) 2020/05/16(Sat) 17:07:40 |
【独】 調香師見習 ノア/* 秘話……! 面白い使いどころはどこでしょう。 というか、早く恋する切欠を何か作らないと、私…! 恋愛村なのに妙な設定抱えて、 NPCを慕うだけの猫になってしまう。 (-23) 2020/05/16(Sat) 17:24:27 |
【人】 調香師見習 ノア─ 調香店『ディアス』 ─ …いいえ、かえって良かったかもです。 お店、午前中で閉めることになるかもだったから。 [応えながら、物珍し気にあたりを見回している風の ハニエルさんを店内にある接客用の白い丸テーブルに 案内する。>>84 ディアスは既製品をあまり置いていないため、 店内は広々としている。 床や壁面を白で統一することで、 展示用のアロマクラフトの存在感を引き立たせ、 また、観葉植物や間接照明をさりげなく取り入れる ことで独自の纏まった空間を作り上げていた。 基本、お客様の要望を聞いて、そのお客様だけの 唯一の商品を調香し、提供している。 オーダーメイドの商品は料金もそれなりに高額。 独自の良い香りを纏うことは、王室をはじめとする 上流階級の者たちのステータスになっている。 奥のアトリエは、店とは打って変って 棚に入った小瓶や多くの書類で溢れかえっていたりする。 もしかしたら、こちらのほうがハニエルさんの想像に 近い風景だったかもしれない。] (102) 2020/05/16(Sat) 20:51:54 |
【人】 調香師見習 ノア[ハニエルさんが座った気配を感じれば、>>113 カウンターの向こう側でハーブティー用の お湯を沸かす。] …うん、師匠が。 今年は特別だから、行きたいんだって。 [パッションフラワーとバレリアンを大さじ半分、 シャーマンカモミールを大さじ二杯、甘味を出す為に リコリスを少し加えたものをティーポットに入れながら、 今朝の師匠の言葉を伝える。>>69 あれはたぶん、私を気遣った方便なのだろうと思うけど、 その気持ちがわかるから、わからないフリをして、] せっかくだから私も、広場に行ってみようかな… [そう呟いた。 気配も香りも、入り乱れているだろう賑わいを想像 すると正直怖くて、お湯を入れる手が震えるくらい。 興味のあるなしに関わらず、私のような人間は 家で大人しくしてたほうがいいと、どうしても 考えてしまう。 けれど、不意に浴びせられる舌打ちや溜息に 傷つくことよりもこれ以上、 師匠の気持ちを裏切りたくなくて。] (124) 2020/05/17(Sun) 1:16:57 |
【人】 調香師見習 ノアいらっしゃい、ジゼルさん。 [入ってきたジゼルさんは最初、こちらに来る風ではなくて 手を振っていることがわからない私は小首を傾げた。 もし、ハニエルさんもジゼルさんもお互いがお互いを 邪魔だと思っていることを知ったら、 私はくすくす笑ってしまっただろう。] (126) 2020/05/17(Sun) 1:17:02 |
【人】 調香師見習 ノアちょうどお茶を淹れたところだったの。 ジゼルさんも一緒にどう? [ジゼルさんがこちらに来て椅子に座れば>>117、 私は追加でもうひとつ、ティーセットを用意して、 席に着いた。 薄い黄緑色をした液体から、 爽やかで優しい香りがほのかに漂う。] 『ゆきのや』さんの金平糖だね……ね、ジゼルさん… [彼女に顔を向けて、困ったように眉根を下げて 私はゆるりと首を振る。] お詫びだって言うなら私、受け取れなくなっちゃう。 [だから、そんな風に考えるのはもうやめて、と。 みんながみんな、自分を邪魔だと言って、 私から離れて行ったら、 私はひとりになってしまう。] (127) 2020/05/17(Sun) 1:20:42 |
【人】 調香師見習 ノア─ 調香店『ディアス』 ─[ジゼルさんが手に握らせてくれたカチューシャは ふわふわなものがつけられていて、私は興味深気に 指を動かしながらその感触を確かめた。>>133] ……ふわふわ。 これをジゼルさんとお揃いで? [鏡を見ても、そこに映るのは霞に滲んだおぼろげで、 私は私の顔もわからないから、このカチューシャをつけた 姿が傍から見れば滑稽なのだということも 気付けないまま、ジゼルさんの話を聞いていた。] 師匠とこれをつけて接客するの……? [けれど、おかしくて可愛らしいと 謝りながら笑うジゼルさんから感じる空気は 楽し気で、それが私には嬉しくて。 師匠が居たら、どんな反応したかな。 面白がって、私には付けさせたがるかもしれない。 ナミさんに結って貰った髪では、今は水晶の髪飾りが つけられ微かに揺れていた。] (161) 2020/05/17(Sun) 13:10:00 |
【人】 調香師見習 ノア─ 朝・調香店『ディアス』 ─ハニエルさんはこの後は───… あ、はい。 [ジゼルさんを見送り、店内に戻れば、 ハニエルさんは席を立っていた。>>173 オーダーを受け、籠からひとつサシェを取って、 リボンのついた専用のフィルム袋に入れる。] …ありがとうございます。 [代金を受け取り、ポプリをハニエルさんに手渡す。 ジゼルさんと同じように、店先まで送ろうとして 先程まで居たテーブルの前、 ハニエルさんが立ち止まった。] え、私が頂いていいのですか? [丸い白の上に置かれた箱に驚いて、私は彼を見た。 彼が、それを持っていたことも、中身がチョコレートで あることも香りから察していたけれど、 お土産には金平糖を頂いていたし、まさかわざわざ 用意してくれたなんて考えもしなかったから。] (180) 2020/05/17(Sun) 14:49:24 |
【人】 調香師見習 ノア…あ、ありがとうございます…… [見えないけれど、そこにあるのは ハニエルさんらしい惑星を象ったチョコレート。 戸惑いつつも、貰って欲しいという彼に頷いて、 私はそのチョコレートを受け取った。*] (181) 2020/05/17(Sun) 14:49:27 |
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