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【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「かわい、そう? 僕は幸せだ。 幸せだから、皆を」 もう、既に代わりにしていた。 聞きたくない。 「代わり、に、なんて」 代わりにすることのなにが悪いのか、生徒に告げられた言葉。 一番に幸せにしたかった人はもういなくて。 この手の先にはより良くしたい世界《ギムナジウム》と、幸せにしたい子たちしか残っていない。 聞きたくない。言わせたくなど無かった。 可哀想な自分を掬うわけでもなく、零さないように手を差し伸べる貴方が誰かと重なったようなきがした。 (-17) 2022/05/06(Fri) 22:19:33 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「……」 「幸せになることが、幸せだと思った」 「それだけだった」「苦しいのは、嫌だ」 「 先生 になれないのなら、僕は何もできない」先生でいることができないなら。 平等に生徒として見られないなら。 「どうか、君、だけでも」 「僕の手で、幸せになって」 甘い言葉に誘われて、すがる先を求めてしまう。 なにも要らない、ただその許しだけがあればいい。 「普通じゃなくたって、嬉しい」 「その姿が見られるだけで」 好き、で、いさせてくれさえいれば。 息をしたかったのに、焦がれるように目の前の唇を奪う。 その先は愛情の確認ではない、子供が母親に食事をねだるような甘えた仕草をしたあと重たいまぶたを閉じはじめた。 (-19) 2022/05/06(Fri) 22:26:18 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット誰かは愛と言う。恋慕とはかけ離れた慰めを。 そんな孤独な情を、吐露することでしか癒やされる術を見つけられず溺れている。 生徒達を愛したい 彼 の言葉を綴り続け、誰でも求めてしまう。僕が■したい人は、誰だったのか。 いつ、誰が証明してくれるのだろう。 夜が明けたのに、まだ空は暗い。 (-20) 2022/05/06(Fri) 22:30:18 |
【秘】 ライアー イシュカ → 月鏡 アオツキバレンタインとトットが消えた日から少し時間の経った夜。 不意に貴方の部屋に控えめなノック音がしたと思えば、瓶を一本だけ抱えた男が唐突に「今日」と呟く。 ……今日と言うか最早「今」なのだが、 さてそのまま外に出て定例会の日に使う部屋に行くのも、ドアを閉めるのも自由だ。 (-36) 2022/05/06(Fri) 23:49:46 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ「ツキは」「たくさん苦しんできたんだね」 「ここで、もしくは、病気で」「辛い思いをしたから」 「誰か、助けてくれた人みたいに」「なりたいのかなって」 想像で思い出をなぞるだけ、そこに確証はないのだとしても。 聞こえのいい言葉を口にすることに抵抗がないのは、 それを受け取った人間がどこに降り立つのか、責任をもたないから。 「僕、ツキを安心させられるように」「がんばるね」 「大人も、どうにかするって」「言ってた」 「きっと僕も」「ツキも、よくなるよ」 代替品は誰でも構わないのだから、気軽に手を差し伸べたって構わないだろう。 ただ、無責任で甘やかな言葉だけが向けられる。 唇を掠めたそれの意味を、どれだけ稚気の内の子供が理解しただろう。 あやすように背中を撫でる手は、蕩けるような熱を持つわけではない。 けれども、それはよいことなのだろうと受け止めて。 やさしいもののように、笑うのだ。 やがて朝が来たならば、共に食卓に向かう。 朝は短く、夢想の中に腰を落ち着ける時間は少なく。 それでも貴方がそれで構わないというのであれば。 (-37) 2022/05/06(Fri) 23:53:43 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカ「急ですね〜 イシュカ」 比較的元気そうに見える実習生はいつもどおりだ。 嫌なほど感情がまた見えない。 「良いですよ、いきましょう。 ピーナッツとチーズ分けてもらっていたんです。 イシュカのためですよ?」 一度厨房によって皿を持ち出してくる。 そのまま定例会の部屋に向かえば、ひとつ息を吐いて。 いつもの席についた頃に口を開いた。 「イシュカ。 何されました? 大人たちにつれていかれて。 そして、どうなりましたか。君の病気とやらは」 ふざけて聞いているような口調でもからかうようでもなく、 ただそれが本題とでもいうように彼は静かに告げた。 (-49) 2022/05/07(Sat) 1:11:41 |
【秘】 ライアー イシュカ → 月鏡 アオツキ「相変わらず何考えてんのか分かんねえ顔だな…… 僕のせいにするな。素直に食べたいって言え」 怒られるか小言の一つくらいは覚悟していたのだが。 踊る程あっさりで、かつこの言葉と表情のちぐはぐさに違和感を覚えないのが、今イシュカに見えているアオツキと言う存在だ。 悪態を吐きつつ厨房に入った途端足を止める。 今は誰もいない有り触れた厨房の光景を見て目を細め、呟く。 「結局、全部無駄になったな」 あの日いた貴方ならそれが何を指しているのか、 失踪した日時を考えると明白で。 男だけでなく同室者の生徒すらも失踪していたのだ。 あの日のケーキが数日不在の部屋に置かれ続けていた光景が 浮かんでもおかしくないかもしれない。 いずれにせよ足を止めていた時間はほんの僅かで、 貴方の後に続いて部屋に向かい、席に座るだろう。 「……薄々想像ついてる癖に」 何をされたか、と言われた瞬間に緊張で両手を握り締める。 視線が落ち着かず思い出した記憶だけで ここまで体が強張らせ、顔色を変える程に恐怖が隠せない。 「…………そっちも気付いてるだろ。 治った、のかはわからない、けど、 ……これが、"まとも"な状態って、 ……思いたくない」 (-55) 2022/05/07(Sat) 1:59:19 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカ「気付いていても、私は完全には教わっていないんですよ。 全部又聞きでしたし、 ――この日まで私にその手が来る事がありませんでした」 「だから、イシュカがそんなに怖がってるのを見て ああ、やっぱり、よくないことがあったんだなって思います。 ……なくなっていたと信じたかったんですけどね。 変わっていませんでしたか、やっぱり」 グラスを差し出して、お酒をつぐ。 瓶ごと飲んでしまわないように、少量から。 差し出してさほど取り乱さないことに安心をする。 「まとも…… すみませんね。 元のイシュカがどうであったかもわからないんです。 君は自分の"病気"をどう自覚していたのか教えて貰って良いですか? もし、教えていただけないなら先生方に詳しい事を聞いてきます」 「悪化してる可能性もありますからね。 私が感じる正しそうなことを教えてあげましょう。」 (-58) 2022/05/07(Sat) 2:28:54 |
【秘】 冷静 フィウクス → 月鏡 アオツキ「 勝手にすりゃいいさ 」返答はどこまでもそっけなく、突き放すようなもの。 それでもこれは、確かにあなたへ向けた肯定だった。 「あんたがどうしようと、俺は勝手にする。 その責任をなんであんたに負われなきゃならない? 不確定要素になりかねないのは互いに同じ事だ。 だからこそ公平に。 あんたの手を取れると思ってる」そこに義務や責務なんて無くて、結局はただそうしたいだけ。 そうしないと自分が気に食わないというだけ。 あなたもこの気難し屋も、きっとそう変わらないはず。 全てはたったひとりの人間の、今は些細なはかりごとだ。 "それでも"手を伸ばそうとする事は、無価値な事だろうか。 「俺が"生徒"だから、あんたが"先生"だから。 だから助ける、助けられるなんてのは。 その方が俺にとっては余程信用がおけない。 互いの立場が変われば成立しなくなるような協力関係は脆い」 (-59) 2022/05/07(Sat) 2:29:41 |
【秘】 冷静 フィウクス → 月鏡 アオツキ「あんた達が役を被る事を否定するわけじゃない。 建前の必要性を理解できないほどガキじゃない。 その上で今は、 あんたのその言葉が本音だと信じてもいい。 」あなたの言葉は信じている。 紛れもなくあなた自身の心よりの言葉だと信じている。 それでも今はまだ、心底信じられる未来なんて無くて。 わかる事と言えばここには救いたがりが多いという事だけ。 誰にもどうすれば誰も彼もを救えるかなんてわからない。 自分だってどうすれば救われるのかなど未だわからない有様で、 "それでも"それを探す為の猶予を稼ごうとしている。 今はそれが見付かるかさえわからなくたって。 何を以て『救われた』とするかなど、価値観次第でもあって。 生きていれば考え方が変わる事もあるだろう。 「それでもあんた達を心底信じて、目指す所を共にする為には あんた達の事を知る必要がある」 「何も今すぐじゃなくていい。 だが、 あんた達までここから居なくなる前には 。」 (-60) 2022/05/07(Sat) 2:30:29 |
【秘】 直視 フィウクス → 月鏡 アオツキ「教えてくれなきゃわからない。 きっと俺にはいつまで経ってもわからない。 何も教えないなら、ここの大人とそう変わらない」 片側だけの視線があなたの手を一瞥して、 その後は透明な瞳をただ真っ直ぐに見据えている。 懐疑や怒りに歪められたものではなく、 ただ冷たく透徹した色をして。 「そうは思わないか?」 どのような形であれ穏やかな様相を呈する事は病が許さない。 だから同じように微笑みを返す事はできないけれど。 あなたの伸ばした手は、決して振り払われはしない。 (-61) 2022/05/07(Sat) 2:30:57 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 王 リアン「そこは長年の王としての勘で戦って貰って……おや。 また、疑いましたね〜? 将来も誓っていたんですから、もういませんけれど」 この話はここまでにしましょうと話を切る。 アオツキが態々こんな冗談を言えるようには見えないが、如何せん裏に含まれていそうな感情は顔に出なかった。 「よくおわかりですね〜。そんなところです。 まったく……生徒にこんなことを考えさせているなんて、 私も少し口が悪くなりそうになりましたよ」 「さて、そんな"病気"が存在したなんて……初めて聞きました。 善悪は君の心が決めているんでしょうか……? そうでなければ、今頃真っ黒ですよ」 君のような心の持ち主が、こんな"仮面"で生き延びられていたなんて。贔屓せずとも、既に酷い状態になっていることがわかる。動ける程度でよかったと思うほどに。 「君は進行を遅らせるべきです。 何よりこれ以上酷くなれば君が動きにくいでしょう」 (-74) 2022/05/07(Sat) 7:50:33 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 王 リアン事情こそ知らないが、その痣に指を這わせる。 痛みを与えぬように、優しく触れて。目を細めた。 「夜に抜け出して下さい、お酒飲んでみますか? 食事を残して下さい、……わ、悪いことです。 あまり許されないこと探し、私も手伝いますから 君たちが暮らしやすい学園を作る為にですよ。 だから、動けなくなったら知らせて下さいね。 私たちは君の味方です。 今日はこの後は休んで…… 少しぐらい悪いこと考えてみるように」 (-75) 2022/05/07(Sat) 7:52:08 |
【鳴】 月鏡 アオツキ『実習生、貴方の担当していた生徒の話です』 ―――――――― ―――― 「今なんと言いました?」 バレンタイン君を治療している? 「どうして」 「どうして、治療のことを私に伝えなかった!」 「彼は、――――」 (=0) 2022/05/07(Sat) 9:21:16 |
【鳴】 月鏡 アオツキ自分はまだ彼の役に立てていないのに。 先生と慕ってくれた彼に答えられていないのに。 彼は、簡単に治るような病ではなかった。 時間をかける必要があった。 突然"正常"をに合わせられるような治療をしていいものじゃない。 現に彼が望んでなんていなかったじゃないか。 「……教えて下さい、彼に怪我をさせていませんか」 「彼に無理を強いていませんか? 彼は望んでいたんですか、彼は泣いていませんでしたか」 (=1) 2022/05/07(Sat) 9:22:43 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「彼は、」 人の不幸の形は様々で、人の幸福も様々だ。 それでもどんな生徒にも幸せをあげるために、ここにきたのに。 「彼は、昼寝が出来るようになっていますか?」 求めた答えはいつまでたっても返ってこなかった。 (=2) 2022/05/07(Sat) 9:25:25 |
【鳴】 月鏡 アオツキ『この場所にとって、彼にとって理想的な処置をしました。 経過観察は怠らないように』 最後まで冷たく帰ってきた事実は治療が正しく行われたことだけ。 少しでも縋って、信じていたのが間違いだった。 もしかしたら、非道な治療はもうなくなったと。 そう思いたかった。 「ああ出来ないんだ」 其れでは、と立ち去る声を追うことも出来なかった。 立場も何もかも至っていない自分が、 起きていることを止めることなんて出来なかったから。 (=3) 2022/05/07(Sat) 9:27:42 |
【鳴】 月鏡 アオツキそれなら最後まで一方的でいいだろう。 恋を夢のようだと話した君に伝えようとした、 もう喪われた恋の話。 もう帰ってこない日々、それはまるで夢のような時間で。 君が想像するよりも身近で、愛を知っている人の傍で感じられることを。 「今の君がもし、恵まれていると言うのなら。 私たちが全力で否定してまうでしょう」 「彼が望んだ幸せはこんなものではない。 私たちがもらった幸福は、こんな形では昇華されない、と」 「……だから、ちゃんと幸せにしてみせます。 もっと先生をしますからね、待っていて下さい。 もう、しっかり分けらるようにもなったんですから」 揺れて邪魔になった長い髪を掴んで、筆箱に入ったカッターを取り出す。 余計な感情が籠もったその髪を一房、投げるようにゴミ箱に捨てた。 「そろそろ整えるか、この髪も」 (=6) 2022/05/07(Sat) 9:43:16 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「さて、授業の準備をしましょう。 ――早く皆さん、戻ってくるといいんですが」 一瞬だけ作られたその口元は笑っていて。 足音の残響を最後に、誰もいない教室は静かになった。 (=7) 2022/05/07(Sat) 9:43:30 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「はい、勝手にします。 まったく……なんといいますか。 私の方が歳上なのに、君は食えないこというんですね〜。 立場ならこちらの方が優位なんですよ、 どれだけこの体で生きてきたか」 君の病気を知って、差し伸べる手段を変えなかったのは このギムナジウムに君《不幸な子供》という存在が必要だからだ。 主観はそれこそ、彼らで良いのだろう。 この計画に幾つかの問題があるとするのなら、すべての人間が幸福になると病を原因とした何らかの施設のもくろみを壊してしまう。バランスが必要なのだ。 きっとそのバランスに、私たち《不幸な子》も入るのだろう。 この身体が治されることは、暫く無さそうだ。 「……何も言っていないのに協力させるなんて他の大人と同じ。 私はそう思っていませんけど〜? 確かにそう感じるな 」あなたの頬を撫でていた手をゆっくり退けて踵を返す。 背を向けた男から聞こえてくる声はひとつだ。 「教えてあげられることなんてまだまだない、先生未満です。 まあ? 私の事をフィウクスくんがどうしても知りたいっていうなら? タイマンでしっかり教えてあげますから〜、楽しみにしていてくださいね? もうっ二人っきりになりたなら早く……結構はやくから言われてましたね、おねだりしてくださいよ」 軽口をたたく表情は相変わらずだが、 どこか力が抜けて憑き物が剥げたよう。 (-81) 2022/05/07(Sat) 17:39:59 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「でもひとつも知らないのはフェアではありませんから。 聞かれていたことをお教えします。 ショックな内容であることと、 仕事に関係なかったので言わなかったんですよ〜」 触れなかった、おかしくはないから。 触れなかった、私にとって違和感でもないから。 誰かにとっておかしい話は、この体では正当化されていた。 「 君の知るクロツキは死にました。 今は彼は 私 のものです。『みんなが幸せになるための学校作り』 『辛そうな子を放っておくなんてできません』 『一人になんてさせられませんから』 」誰かの言葉をなぞって己を殺す。 否、今まで男の口ぶりからすると、そうでなければいけなかった。 先生 で居続けなければいけないとこの男 は患い続けている。それが何よりも自分達のためになると、そうしたいからし続けている。 「だから 先生の時間 は、先生 をするんですよ。これからも、ずっとです」 僕が生きていなければよかった。 彼が生きていればよかったのに。 僕がいなければ、彼は生きていられたのに。 ああ、そうか、そうだった。彼を生かせるのは。 先生でいさせられるのは、この僕だけだった、ならば。 この人生はすべて捧げてしまおう、先生になるんだ、僕は。 (-82) 2022/05/07(Sat) 17:48:18 |
【人】 月鏡 アオツキ「良いんですか〜? 有難う御座います、イシュカもやっていましたからね〜。 生徒たちも使うかもしれないので暫くかしきりにしても? こっちの区域なら片付けも要らないって、嬉しいです〜」 両手を合わせて喜んでいるように見える実習生。 その日の放課後は厨房を借りていた。 朝には機嫌が良さそうな口調で。 夕方辺りには気晴らしのように誰かと話す彼は、 いつもより髪がなんだか短くなっている。 「パン、捏ねますか〜。学生の頃ぶりですね〜。 食べきれなかったらイシュカやバットくんの口に 全部突っ込んでやりましょう」 一品目のパンは54%の出来だったらしく、香ばしい香りが廊下まで漂っていた。 メモがおいてある。 『パン作り開催中。好きな形を捏ねて持って帰って下さいね』 (8) 2022/05/07(Sat) 19:12:32 |
【人】 月鏡 アオツキ「あらあら〜 ほどほどに固そうなパン。 わたしのこれはなんでしょう。動物には見えますね。 何かの動物に見えるパンです」 54%ぐらい動物に見えるパンを見せながらまた何かこねている。 「ラピスさんは自分用ですか? 誰かにあげたりするんですか〜? 私はせっかくですから食べて貰おうと思ってます」 たわいない話をしながら、もう少し食感あ良い物をと。 まじまじとレシピを見ながら、もう一度こねるのであった。 94%。 (11) 2022/05/07(Sat) 20:05:28 |
アオツキは、しっかりレシピを見ながらお店に出せそうなパンを作り上げた。 (a19) 2022/05/07(Sat) 20:06:17 |
【秘】 王 リアン → 月鏡 アオツキ「善処はするがな」 なんとか、数日後には手を取り合えるようになるのだから やればできるものである。 君の人間関係については 話を切られれば、それ以上追及はしない。 気になりはするが、あまり触れられたくない部分に積極的に触れようとは思わない。 「そのための閉鎖空間なのだろう。 本来であれば、こんなことを考えさせないようにすることも仕事のうちのはずなのだが―――そうされていないのも、わざとなのだろうか。雑な仕事をしているのかは、分からないが」 「さあ、どうだろうな。 僕は相手に与えた感情の種類で変わると思っているが……そうであるのなら、変えられるところは―――」 ないんじゃないか、という声は出てこなかった。 君の触れる指先が優しかったからだろうか。 少し驚いたくらいで、顔を顰めたりはしなかった。見た目がひどくなるばかりで、痛みはないのかもしれない。 (-88) 2022/05/07(Sat) 20:09:12 |
【秘】 王 リアン → 月鏡 アオツキ「―――はは。それは、面白いかもしれないな。 誰にも迷惑をかけない悪いことであれば、王の立場を揺るがすこともないだろう」 目を細めて、楽しそうに笑う。 実習生である君が、"悪いこと"を勧めてくれる事自体も含めて。 「最悪、治療を受ける事も考えるさ。 僕はその立場上―――特権を持っている。必要になるまでは使わないつもりだが」 「あまり周りを不安にさせたくないからな、出来る事はやってみよう。 アオツキ先輩と話せてよかった。感謝する」 機会が貰えなかったら、君が味方してくれることも 学園に疑問を持っている事も知らないままだっただろうから。 (-89) 2022/05/07(Sat) 20:11:21 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・ たったその短い時間でも休まったのか。 目を覚ましたアオツキは体を起こせば、寝ぼけ眼で君の額へと口づけをまた落とした。 特別でもなく挨拶程度にも交わされるだろうその仕草も、これまでにはなかったものだ。 共に食卓へ向かい授業の為に別れる時には、何処か普段よりも表情が豊かになっているように思えた。 彼はまだ、誰かの振りをし続けている。 (-90) 2022/05/07(Sat) 20:13:53 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バットそれは一人でいるとき。それは先生でいられる時間。 隠しきれず出てきた自我は君のことを考えた。 「(ミゲルくんが幼いのは何故だろう。 十分な教育を受けていなかったからだろうか? 先生達に聞いて、詳細を教えてもらえないか。 ……ただのネグレクトでなるとも思えないのだけれど)」 頭がはっきりしている今ならわかる。 彼には負の感情が酷く欠落しているようにみえる。 悲しいことが悪いことと……思わせてしまった節があることから、 知識としては入っているのだろう、と、アオツキは判断して、また頭を悩ませる。 「(――駄目だなあ)」 ぞくりと感じた所有欲は、実に不誠実で。 自分を心地よくさせる素直で従順な子が可愛いだけ、に思える。 彼も自分に執着しているのではなく、自分が可哀想なのだろう。 其れは少し寂しいが、情けない姿ばかり見せているの自分が悪いのだ。 「(本当に天使みたいな子だ)」 自分の病は、きっと治されない。彼らのそれに触れることも叶わない。 過ごし方は変わらない、それなら一番聞かなければいけないのは未来のこと。 (-91) 2022/05/07(Sat) 20:15:47 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット・・・・・・・ ・・・・ ・ 「パンを焼いたんですが、食べますか?」 お茶の香りの中で珍しく普通に起きていたアオツキは、 変な形をしたパンが入ったバスケットを置いた。 お店に出せそうな出来のものもある、食べなくとも彼は問題ないのだろう。 「あの、」 「卒業したらどうするか、あの時聞きそびれていまして。 保護者の元に返ってしまうのでしょうか……よかったら教えてくれますか? 私はずっとこの学園で先生をし続けると決めましたから、外へはあまりでなくなってしまいます。 そう考えると、会えなくなるのが寂しくなるな、と」 (-92) 2022/05/07(Sat) 20:16:35 |
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