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【見】 アタシは メサ>>6:203 サダル 「……なんだ、良い声してるじゃん。 サダルの悪い風邪が治ったのなら安心ね」 へへ、と笑う。 言葉は力だ。人を傷つける事も救うこともできてしまう。 あなたがそれでも声を出したのならば、 今ようやくあなたに触れた気がした。 彼と本当の意味で言葉を交わすことが出来て良かった。 力を、たくさんもらったから。 これからどんどん良い事が起きていく、その前触れのような気さえする。 「アタシの台本もアンタの手で編み上げられたなら嬉しい。 それまでは舞台からは降りない。 アタシはもうすこしだけ"アタシ"で居る。 アタシなりにハッピーエンドを目指してみるよ。 だから、うん。全部終わったらその時は……アタシをお願い。 ありがと、サダル」 「 またね! 」もう二度と交わす事のなかった筈の約束を口にして去るだろう。 こうして幕は切り替わる。 ――彼女がエピローグを迎えるほんの少し前のお話だった。 (@0) 2021/04/29(Thu) 22:04:45 |
【見】 ただの冒険者 メサ【ソロール】 "一番槍"のメサは有体に言えば人間ではなかった。 ゲームマスターによって急遽用意された数合わせのデータの一つに過ぎない。 明るく真っすぐに馬鹿正直。 一番槍であることのみを至上の喜びとする。 ・・・・・・・・・ いつも隣に並ぶものは無い 。それが彼女に宛がわれた背景だ。 そして独り惨めな犠牲者となる。 そんなありきたりな、ふとした思い付きで取って付けたような台本だけが用意されていた存在。 ――それだけのはずだった。 ↓ (@1) 2021/04/30(Fri) 20:44:18 |
【見】 ただの冒険者 メサ>>@1 彼女は多くのモノに触れた。 人に触れた。 感情に触れた。 死 に触れた。恋 に触れた。ゲームの開始と同時に偶然生まれてしまった"メサという人間もどき"は触れるたび、知るたびに少しずつ本来の存在とは乖離していった。 綻びを見出す者も居た。 その綻びを抉り開いたものが居た。 そして綻びは殻を破って一つの結末へとたどり着いた。 本来ならば誰の気にも止められないモブは死ぬことを許されず、一人の役者として生きる事を望もうと思った。 『お嫁さんになりたい』 生まれたての彼女は初めて夢を抱いた。 "一番槍"であることだけを目的に作られた存在には到底過ぎた望みに違いない。 結局彼女の夢は叶わなかった。 けれど、幸運にも。 本当に奇跡のようにこれからの生が続いた。彼女が信じて疑わなかったありふれた日常が目の前にある。 もちろん世界の真実などとは相変わらず無縁なままであるが彼女にとっては些事だ。 ここが彼女の生まれた場所で、育った場所で、これから生きていく場所だから。 ↓ (@2) 2021/04/30(Fri) 20:46:00 |
【見】 ただの冒険者 メサ「そういえば事件も何も跡形もなく消えちゃったのね」 アナウンスが流れたと思えばいつの間にか生き返っていた。 相変わらずよくわからないことだらけではあるが、まだはっきりと覚えている。 アタシをアタシたらしめた日々だからだろうか。 その修正力を感じる事はなかった。 そこでふと、思い至る。 だとしたら彼らはどうなったのだろうか。 「そうね。探してみよっと」 (@4) 2021/04/30(Fri) 21:57:24 |
メサは、あてどなく歩いている。 (t0) 2021/04/30(Fri) 21:57:52 |
【見】 ただの冒険者 メサ>>-58 カウス 「そりゃ、アタシも油断してたけどさ。 だってあんな女の子が人殺して回ってるなんてフツー思わないじゃない?」 それが彼女のいいところでもあり、悪いところでもある。 あなたの言う通り、絶好の標的だったわけだ。 「アンタこそ相変わらずね! アタシも前向きに調査してたアンタの事結構好きよ。 ……ね。カウスはこれからどうするの?」 この冒険者はあなたの事情を最後まで詳しく知る事は無かった。 もちろんこの事件を通してあなたが経験したことも気になるけれど、それはきっと自分でなくて共に時間を過ごした彼らと話をするだろう。 彼女の意識は明日を向いている。 だから今問うのは未来のこと。 (@6) 2021/04/30(Fri) 22:52:37 |
【見】 ただの冒険者 メサ>>97 カウス 「 う゛ ……それを言われると痛いわね。だってカウスとか疑いたくなかったし……」 目を逸らした。 何人か顔を思い浮かべる。 情に流されやすいタイプである。 更に言えば分かりやすく怪しそうな人物ならまだしも、巧妙に隠されたものには疎いらしい。 間違いなく事件の調査に向いていない。 「奇遇ね!アタシもとりあえず『生きよう』って思ってるわ。 明日は何しよっかな〜って考えながら過ごすのも良いんじゃない?時間はまだまだたっぷりあるんだし」 「……正直言うと前会ったときは急にふらっとどこか行っちゃいそうで心配だったのよね。ちょっと安心。 あんな目に遭っておきながらバカみたいだけど、やっぱりいつ死んでもいいようにって考えるよりもずっと楽しいし、カウスにもそんな風に生きて欲しいな」 勝手なお願いだけどね、とまた呆れられそうな言葉をつづけた。 (@7) 2021/04/30(Fri) 23:19:57 |
【見】 ただの冒険者 メサ>>108 カウス 「ホント?嬉し……褒められてる?バカにされてる?」 悪趣味だったのはきっとあの世界なのだろう。 もうそこから解放されたのだから、疑う必要もないし! 「辛辣…!!!今バカって言った!」 ぷんぷんと擬音が見えそうな反応をして。 「今度からはもうちょっと気を付けるから! あと……そうそう。一人にはならない。 でしょ?アタシ〜カウスは絶対良い探検家になると思うんだよね。 好きな時に好きなトコに探検しに行って、お宝を見つけたら美味しいもの食べたり欲しい物買ったりするの!」 ニコニコしながらどんどんと畳みかける。 キラキラと輝く瞳にはあなたの成長した姿が映っているに違いない。 (@8) 2021/04/30(Fri) 23:52:09 |
メサは、皆のお別れを見送っている。 (t1) 2021/05/04(Tue) 14:09:09 |
【秘】 ただの冒険者 メサ → 兎系 ニア (-291) 2021/05/04(Tue) 14:49:09 |
【秘】 ただの冒険者 メサ → 兎系 ニア「やっぱりニアね。おかげさまでご機嫌よ。 よくわかんないけど……アタシは何も変わって無いし、アンタの言うNPCって奴なんじゃないかしら」 はぁ、とため息を吐く。 「忘れるわけないでしょ」 本当は全部壊して忘れさせてもらおうと思ってたけど。 そうはならなかったから。 (-293) 2021/05/04(Tue) 15:02:53 |
【秘】 ただの冒険者 メサ → 兎系 ニア「……ま、何もかも全部"しょうがなかった"のよ。 許すとか、許さないとかはもうどうでもいいの。 アタシはその言葉を全部受け取る。 だからアンタも覚えて、忘れないで」 あなたの苦し気な様子を責める気はない。 あの時は自分もあやふやな状態になって混乱していたのだ。 お互い様だろうと思う。 「簡単に今までの自分を捨てる事は出来ない。 ――けれど新しい自分になる事はできるわ。 アンタがそうやってちゃんと言葉で伝えられるようになったみたいにね」 もうそんな顔をする必要は無いのだと伝わるように笑った。 (-295) 2021/05/04(Tue) 15:36:01 |
【秘】 ただの冒険者 メサ → 兎系 ニア>>-296 >>-297 「……約束ね」 アタシがこれから先どうなるのかわからない。 けれど、たとえ消えてなくなるのだとしても、あなたのような人たちに覚えていてもらえるならそれでいいと思えた。 「どういたしまして? 幸せになりなさいよ、ニア」 今度はきちんと届くように、まっすぐな笑顔で祝福を送ろう。 あなたのお手本で居られるようにね。 (-298) 2021/05/04(Tue) 17:36:00 |
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