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【秘】 綴り手 柏倉陸玖 → 朧げな遮光 守屋陽菜「ははは。 広める側が口を噤んでいてくれる、というのは。 秘する側としては、結構助かる事なのですけどね?」 口元に人差し指を当てて。 そんな些細で遠回しな"隠し事"への"協力のお願い"をする。 とはいえ、どう動くかは各々の自由だ。 こちらはいつだって、そこにある結果と向き合うだけ。 「…まあ、どちらの俺も決して建前ではないのですよ。 その上で、どちらも悪しからず思って頂けるなら。 それは、ええ、光栄な事と思いますよ。」 「とはいえどうかご内密に。 俺も決して善人ぶりたいわけではありませんが。 こればかりは生徒会のイメージに関わりますから、ね。」 何処までが冗談で、何処までが本気とも付かない。 ともすれば、全てが本音と言えるのかもしれない。 そんな言葉を重ねて、再び煙に巻くように笑みを一つ。 そうしてあなたがその場を後にするのなら。 "生徒会副会長"は、いつも通りにそれを見送るだろう。 (-274) 2021/11/06(Sat) 12:13:09 |
【置】 綴り手 柏倉陸玖いつかは少々空っ風の吹き込んでいた教室。 割られた窓は、今や傷一つ無い。 修復に適した異能者の手によって、 おおそよ"完全"な姿でそこにある。 手袋を外して、それに触れる。 何も変化は無い。 この異能は、そこにある傷にしか影響を及ぼさない。 結局の所は、そういうものだ。 得てして直す、或いは治す異能というものは。 初めから"そうである"ものには対しては、 どうしようもなく無力でならないのだろう。 こんな身に余る大層な力をくださるのなら。 もう少し夢を見せてくれればいいのに、と思う。 世界というものはどうにも残酷で、現実は何処までも甘くない。 (L3) 2021/11/06(Sat) 17:33:06 公開: 2021/11/06(Sat) 18:00:00 |
柏倉陸玖は、無力な副会長だ。 (a44) 2021/11/06(Sat) 17:33:14 |
【置】 綴り手 柏倉陸玖けれども、大人しくその事実を受け入れて しおらしく諦めてやるほど、柏倉は殊勝な人間ではない。 異能が頼りにならないのなら、他の道を模索し続けるまで。 死んでも全てを諦めて泣き寝入りなどしてやるものか。 だから、手の掛かる、それでも諦めない人間が好きだ。 無力な自分に縋ってでも、現状から抜け出そうとする人間が。 心の底で理不尽な現実や気に食わないものに唾を吐きながら、 それでも利用できるものは何だって利用する。 たとえどれだけ傷を背負い込んでも、執念だけで立ち上がる。 そういう人間にこそ、手を差し伸べようと思うのだ。 そうしてみっともなく、見苦しく、泥臭く足掻いて。 いつか彼等がざまあみろと現実を見返してやれる時が来たなら。 その時はきっと、自分の努力も救われたような気になれる。 そんな自分勝手で独り善がりな希望。 結局の所、全ては自分の為の事。 あの薬は、あなた達の存在は、異能というものは。 憎たらしくも、忌々しくも。 それでも紛れもなく、自分にとっての希望なのだ。 (L4) 2021/11/06(Sat) 17:34:33 公開: 2021/11/06(Sat) 18:00:00 |
柏倉陸玖は、これからもそうなのだろうと思う。 (a45) 2021/11/06(Sat) 17:34:40 |
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