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【秘】 花で語るは ソニー → 無風 マウロ「caspita!」 ゴールを真っ先にくぐった馬の装いを見て、心の底からはしゃいだような歓声をあげた。 賭け自体は、どうやら心底好きなことらしい。 (-103) 2022/08/15(Mon) 12:12:04 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニー瞳を合わせるだけで、どこかひんやりと体の奥が冷えていくよう。 肌を合わせればとうぜん、誰だって暖かいのに、 そのアイス・ブルーを暖めることはどうしたってできはしない。 「……お祭り騒ぎのせい、かな」 合わせていた目を逸らすと、 細く美しい筆で流れるように朱をひいたような、 可憐な唇を小さく開ける。 筋肉と緊張がもたらす強張りが、その美しさをいささか損なってはいたけれど。 それでも、彼女は化粧を怠ってはいなかった。 ホルスターに銃を差すように。 それが、自らの武器であるかというように。 「ええ。 お願い。 ……危ないところはいやだからね。 誰かをつれてくるなんて、デリカシーのないこともやめてね。 今日は、そういうプレイの気分じゃないの」 それでもその冗談めかした答えにどれだけ白粉をはたいても、 恐怖の色を隠すことはできていなかった。 あなたが車を用意するなら、文句も言わず──そしてどこか当然のような慣れた態度で、助手席へと誘われるのを待つだろう。 (-106) 2022/08/15(Mon) 12:56:25 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「……何を馬鹿な」 第三者がそばにいるとはいえ、敵対組織の人間とこうして会うことすら問題だというのに。 初心ではないものの、色恋や秘事にうつつを抜かす事は一切なく仕事をしてきた男だから、こうして触れられる事すら殆どない。 支えのなくなったシャツがぱさりと落ちる音が、なぜだかいやに耳につく。 大きな音をたてるわけにはいかないから、黙って受け入れているけれどその行為は止むどころかだんだんエスカレートしてきている気がして、反射的に身体がぶるりと震えた。 「貴様の花売りとは……そういう意味における花だったのか」 狙撃手とはいえ身体は鍛えてあるのか、整ったバランスの引き締まった腹筋は程よい硬度だ。 それよりも下へと手が伸びていくならば、その手首をぐっと握り込んで貴方を睨むだろう。 目の前の男が、自分に懸想してこのような事をしているとは到底思わない。 だからこそ、どういうつもりでこのような目的で遊びに興じているのか、それが知りたいと思った。 (-107) 2022/08/15(Mon) 12:59:18 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー「ちゃんと行けなくなったと言ってやっただろ。 迎えにいくまで待てなかったのか?」 目の前の懇願を無視するように返す言葉は冷ややかに。 向ける態度は今までとも、命を狙うものとも違う。 違うだろ。その道を歩かせたのは、紛れもない俺だ。 仕方なかった、無駄死にをさせるにはあまりにも若く、 守ってやるにも不安定な立場だったから。 「そこまで言うのなら、約束の代わりに連れていかれようか。 何処に行きたいんだ?」 性にあった家族を与えて縁を持っていれば、いつの日か役に立つ時は来る。 こうした辛抱強さを誉められることは、早々なかったなあ。 点滅を繰り返すネオンサイン、ヘッドライトに照らされて。 骨ばったその手を貴方へと差し出しながら口元を綻ばせた。 (-112) 2022/08/15(Mon) 16:00:52 |
【秘】 花で語るは ソニー → 小夜啼鳥 ビアンカ歩かなくともいい位置に車を寄せ、助手席の扉を開けきちんとエスコートするまでが仕事。 扉を閉めて、運転席に乗り込む。表情はそう大きく変わらないが、目線は落ち着いた。 市街に駐車場のあるホテルはあまり多くない。市民も使うようなふつうの手段だ。 やがて車は走り出し、周りの車に合わせた速度で道を征く。 「……しんどい? 今の状況。 ビアンカの立場からしてみたら、自分の力だけで身を守れないことに、 無理やり首突っ込まされたような感じだから……あんまり気が気じゃないかもな」 直接的には、あれこれとは口端にのぼらせて言ったりはしない。 けれども表通りの賑々しさと裏腹にひりついた裏通りの様子に、 相手が多少なりとも神経をすり減らしているのだろう、と推測して。 たかだかのメイドマンにあれこれと口を出す権利があるわけではない。 けれども講じれる手段を考えるくらいは、出来ないわけじゃない。 島から出ていけたらいいのだろうけど、そはできない。 「土地の店やってる人間のところはどうしてもどっちの息が掛かってるかわからないよ。 市外か、国外のチェーン経営しているところに籠もったほうがまだ信用できる。 幹線に繋げそうなところのホテルにでも運ぶよ。店にはオレが言っておく」 (-115) 2022/08/15(Mon) 16:54:02 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニーエスコートされるがままに助手席に乗り込んで、ふわりとはしたなく広がりたがるスカートを掌でそっとたしなめる。 バックミラーを視界の端に捉えながら、視線はわずかに斜め前。 するすると動き出した風景を縫い留めようとするかのように、 どこでもない一点を見つめるだけだ。 「……楽、ではない。こういうとき、私達みたいなものは…… 関係者として狙われたって、おかしくないし、けれど表立って抵抗もできない。 何されたって、どんな死に方をしたって、誰もが『ああ、やっぱりね』と形だけ悼んで、どこの花屋がつくったかもしれない気取った花束を投げるだけ」 その言葉には、確かに体の奥底まで染み付いた血と、炎のにおいがするようだった。 ――アルバとノッテは、つい、ここ最近まで表向きはうまくやっていた。 まだ年若い彼女が、マフィア同士の抗争を骨の奥まで刷り込まれるようなことはなかったはずだ。 だからそれはきっと、ここではないどこかのことなのだろう。 そうして、ホテル、といわれれば、ゆるゆると首を横にふる。 「……ううん、ちょっとだけ……ちょっとだけでいい。話がしたいだけなの。 あなたと。…あなたじゃなくてもいいんだけど。 夜には、お店には、戻らないと。あいつらも……あの子もいるし」 あいつら、というのなら、彼女の同僚であり部下でもあるような娼婦たちのことだろう。 彼女は娼婦たちから上納金を巻き上げるような立場ではあったが、それにふさわしい庇護をファミリーに押し付けてきた。 つまりは、それが情によるものか、商売としての必要性かはともかく、ビアンカにとって娼婦たちは守るべき存在であるということだ。 ――あの子、というのは、ビアンカが自分の部屋に住まわせている男娼の少年のことだ。 それをあなたが知っているかどうかは、わからないけど。 がたん、と。タイヤが路面のなにかを踏んだのか、彼女の髪がほんの少し跳ねて。 ▽ (-117) 2022/08/15(Mon) 17:36:09 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニー▽ 「ソニー。……この街の外に逃がすなら、何人まで頼める?」 彼女は、窓の外を向いていたから。 そう言った時、どんな顔だったのかは、硝子に映ったさかしまの顔でしかわからない。 (-118) 2022/08/15(Mon) 17:36:58 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド馬鹿なこと、だろうか。本当に? 真意のわからない目は、しかし楽しそうではある。 普段しっかりとつま先まで整えて革靴に皺もつけないのだろう人間が、 こうして手の内で動揺しているのを、面白がっているだけなのかもしれない。 時折相手の瞳から目線を外したかと思えば、視線の下る先は鍛えられた体に。 視姦するように肌色の稜線を眺め下ろされるのは、居心地のいいものではないだろうな。 「 はは、違うよ。店は本当にただの花屋 」何も知らずに、マフィアの構成員を擁しているわけではないだろうけれど。 弔事に祝事、ありふれた民間の人間に纏わる行事のみならず、敷かねばならないのは裏稼業も同じ。 何にせよそれ以上の意味を持つものではない。 掴まれた手は振り払ったりもせず、その先でだらりと枝垂れるだけ。 それがくる、と裏返って、指球で押し返して指を絡める。 見上げた目がすうと細められて、いっそうに声は低くなる。 壁についた手は剥がされて、一歩前に回って。再び息のかかるほどに近くなる。 「 理由なんか聞いたらもう後戻りできないと思うけど、いいの? 」知らないままなら曖昧にしてしまえるのに。 背伸びした体は、鼻先がふれあいそうな距離で見上げて、 「さてと」 ひょいと踵を返すと、更衣室から大股一歩で外に出た。 一度外に出てしまってタイミングもずらしたなら、そこに人が二人いた証拠もない。 相手の一挙手一投足をからかって笑う人間は、狭い空間からはいなくなる。 (-120) 2022/08/15(Mon) 19:06:31 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッドヘッド ヴェネリオ「けど、」 言い返そうとした言葉は涙声に飲まれてしまった。 かわって、相手から掛けられた声をただただ聞いている。 息を吸って、吐いて。本来ならば差し出されることのないだろう譲歩を、甘受して。 足が前に動くまでにはもうすこし時間が掛かった。 ゆっくり、ごくゆっくりだ。一歩一歩が重苦しく、幽鬼のように差し出される。 ようやく差し出された手に同じものが重ねられるまでに、ずいぶん時間が掛かった。 「……そのさきでどうなったって、いいよ。 けれど少しだけ夢見ていたい。……先生の手は好きだ…… アマラント、は、閉まってるんだっけ…… ……オレの知ってる店で、いいの。先生のよく行く場所じゃなくて? きっと大したものでも、ないよ」 こんな状況であることに、釘を差した。或いは警告を相手はしたのだ。 それにも関わらず相手の警戒の行き届いていない場所に連れて行くのは、 結局のところソレを裏付けてしまうような懸念があったのかもしれない。 指先まで心臓になったように熱く、鼓動が伝わる。 改めて見上げた目の表面は、悲哀ばかりでない感情に薄っすらと濡れている。 鼻筋の皮膚の薄いところの色が変わるくらいに朱の差したそれを、何と言うだろう? (-121) 2022/08/15(Mon) 19:57:01 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「遊び以外の理由があるなら気にはなる。ただの面白半分、からかってるだけというなら……」 「次は覚えておけ」 小声ながらも、低くドスの効いた声でそう返して。 絡められた指に、ぐ、と力を込めた。 何にせよ、そういう商売をしているわけでなくて良かったと思う。 春を売るような商売をしていて誘惑を目的に絡んできたというなら、きっと、何にも構わず貴方を突き飛ばしていただろう。 それだけは、今も本当に……激しい拒否感が襲ってくるから。 「…………」 貴方が離れて更衣室を出ていけば、与えられていた熱がスゥっと音を立てて冷めていくようだ。 数秒。 貴方が出ていった方を見つめ、そしてようやく自分が着替えてる最中だったことを思い出した。 誰も居ないのになんとなく気まずくなって、持ち運んでいた服に袖を通すとリカルドもまた更衣室のカーテンを開けて出る。 見てもらった服のサイズが誂えたようにぴったりだったのが、なんとなく腹立たしかった。 (-122) 2022/08/15(Mon) 20:09:00 |
【秘】 永遠の夢見人 ロッシ → 花で語るは ソニー/* 御機嫌よう運営です、神窓見て思っていたけどやっぱり自分のことだよなぁ獅子身中の虫!! そして一文でくそでか感情が見えるよ〜〜(ログをたのしみにしながら手を合わせ拝む図) 連絡ありがとうございます。(現時点で把握している分だけでも今回は変更をお願いすることはほとんどなさそうですが、)最終判断の伝達は24h前に行いますね〜〜、Ciao! (-128) 2022/08/15(Mon) 21:42:49 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー「今更口にするも憚られるほど思う所があるわけでもないが、 だからってべらべらと人様に話して聞かせる事でもない。 勝手にあれこれ推測されて、憐れまれたくはないもんです。 多分、あんたのそれとそう変わりない事ですよ。」 自分の中では既に決着の付いた話ではあるけれど、 とはいえそれを他者に話せば大抵余計な気を遣われるものだろう。 喪に服す男もまた、深いわけを話さない理由はそれだけの事。 手袋に覆われ温度を感じさせない手が、 寄せられた頬を撫でるようにして、ほんのわずか押し返す。 見上げる視線と見下げる視線の持つ熱には大きな差があるけれど、 だからって相容れないという事も無いだろう。 「縁があればまたここで会う事もあるでしょうよ。 巡り合わせってものがある以上、次を確約はできないが」 「だからその時あんたが話すってなら考えない事も無い。 俺だけ話すっていうのは、不公平でしょう。」 こちらに面倒な身の上話をせがむなら、 そちらも同じく面倒な身の上話で埋め合わせを取るべきだ、と。 対等を前提とするなら、興味が無くとも話を聞く理由はある。 こちらを上に見て甘えたを気取ったって構いはしないが、 気紛れに寄り付いた野良を飼ってやる程の器量は無いのだ。 (-129) 2022/08/15(Mon) 21:57:13 |
【秘】 蜉蝣 アベラルド → 花で語るは ソニー「チョコレートドリンクなら……店でやってるのを冷やして持って行けばできそうだな。 需要があるんなら、それこそ人通り多い所で出店出してもいいかもしれないですね」 「楽しそうだ」 落ち着いたBGMを聞いているより、今は祭の喧騒の中に居た方が気が紛れるかもしれない。 店の外をふと見た。夏の暑さは変わらず、からりと晴れた空から降りそそぐ日差しが地面を焦がして陽炎を作っていた。 目を細めて、また視線を戻す。 出されただけの数字を財布から出して、ジャスミンを受け取る。 その花に少し微笑んで、それから。 「……ふ。嬉しいな。貴方の事は、頼りにしていますから」 「でも無茶はせずに、ね。俺、貴方の身も案じてたりするんですよ?」 「貴方も何かあったら言ってください。俺だって頼りになる男ですし」 ね、と冗談めかす。 『家族』であるのは、あの子もそうだし、あなたもそうなのだ。 何事も無く無事であって欲しいと願うのは、おかしい事ではないだろう。 ……いや。こんな世界でそれを願うのは、おかしい事なのかもしれない。 手に持つ花の白い花弁が揺れる。 「じゃあ、そろそろ。また明日も来ます」 (-138) 2022/08/15(Mon) 22:46:35 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー「どうなったっていいなんて平気で敵に言ってるんじゃねえよ。 俺から更に付け加えるなら、味方にもだ。 お前はとんだバンビーナだよ、手を繋ぐだけで寝付けるならこの先も困らないんだが?」 笑い飛ばしてやりながら、その手を引き傍に寄せ案内をさせる。 気を抜けば不揃いになってしまう足の歩幅を調整して、一歩一歩と目的地まで進んだ。 「アマラントは 今は 休業みたいだなあ。早く代わりでも連れてきて開けて欲しいが……今の時期は仕方ないな。 むしろ新しい店も知るのも悪くねえ。俺が見つけない、お前が選ぶところがいいんだよ」 視線が向いているのを感じれば、なんだ、と視線だけ下に寄越して。 「なんだもう酔ってるのか?酒でも飲んだみたいに真っ赤になってるぞ、酒に溺れてぶっ倒れたらそのまま置いていくからな。気をつけろよ」 (-143) 2022/08/16(Tue) 0:00:10 |
【秘】 害のない毒 マキアート → 花で語るは ソニー可愛らしく懇願する舌先に吸い付いて、誘われるがままに相手の口内へ蹂躙しにいく。体温も唾液も掬って食べてしまうみたいに柔らかく絡みつけば、そこから腰まで温もりが広がっていくようで。 気が済むまで脱がし終えれば、更に温度を欲しがって胸をぴたりとくっつける。未だ身を焼く羞恥によって平常より僅かばかり早く、けれど落ち着いた鼓動を胸の内から感じた。 長いのか短いのかわからない間ひとつになった口腔を二人の舌で撹拌して。空気と液体が混濁した粘ついた音を立て一度離れると、浅く息を吸って口を開く。 「キミはそうだよね」 「オレは、我侭に応えるのが好きなんだ」 見つめながら言うと自分でも驚くくらい、熱に浮かされた声が出た。趣味の合う相手と肌を重ねるのは気持ちよく、割り切りをしっかりしているからこそ自分までも抑圧されずワガママになってしまいそう。 「何もかも背徳的だ。興奮する」 ね、とこちらからも甘えたな声を振り絞って、もう一度唇と吐息を触れ合わせて、くっつける。 焦らそうとしてたはずなのに気づけば焦ったくて、雄としての快感を貪るそれとは違った意味合いで腰が捩れて。 物足りないわけではない。寧ろ満たされているくらいだ。 けれど、やっぱりそろそろ、と待ち遠しく思うのも自然なこと。 恥入る自分に対して、心中でそう言い聞かせた。 (-166) 2022/08/16(Tue) 9:19:51 |
【秘】 無風 マウロ → 花で語るは ソニー「盛り上がるってことはそうなんじゃないのか? 好戦的な人間が集まってるだとか、やる時は本気だとか。プロレスみたいなもんだろ」 「嫌いじゃあないな。俺も」 何かを食べる気分ではなかったから、君が食べ物を買いに行ってるのは横目に見て。 戻ってきたのを確認してからは 周りの熱さにあてられたかのように、飲み物を頻度高めに流し込んでいる。 「は、奢るって言ってただろうが。暫くはの身に付き合ってもらうつもりだったっての ……、マウロだ。今日一日は、祭りの空気に乗っかってやろうぜ ソニー」 何となく、年下の後輩と過ごしているような気持ちで。 笑った顔に、ほんの少しの穏やかな笑みを向ける。 狼がガチョウに負けてたまるかよ。なんて軽口を叩いていたけれど。 ほんの短いコースを、全地区の馬が駆け抜けていく。 殆ど団子状態の馬群がゴールに突っ込んで。殆ど馬身差なんてなかっただろう。 ハナ差、クビ差。もうひとつ妨害が入っていれば結果が変わっていたであろうレースの結果は。 負けたのにもかかわらず、青年は悔しそうな声を上げつつも 楽しそうに笑っている。 「Porca puttana! ああ……負けた負けた! でも、……いいもん見たな。良いレースだった」 「ソニー、お前の勝ちだ。お前には勝ち馬を見る目があったってわけだ」 (-186) 2022/08/16(Tue) 17:02:47 |
【秘】 花で語るは ソニー → 小夜啼鳥 ビアンカ彼女の中にマフィアに対する隔たりがあるのを、直接的に聞いたことはないかもしれない。 仕事のこととなると忠実に過ぎる態度を見せる男は、相談相手としていつも適切なわけではない。 けれども意見を求められず、わずかな距離をにじませることがあったなら。 それが形にされないのなら、同じく言葉にされない気遣いはあったのだろうな。 「……命の価値は、同じじゃないからな。だからこうやって大騒ぎする羽目になる」 やたらに利いたふうな口を利くわけではない。形ばかりの慰みを口にするわけでも。 けれども時折バックミラーを確認しながら運転し続ける横顔には、使い捨ての駒の哀愁があった。 立場や程度問題の差異はあれど、結局何処も、誰も、大きく変わるものじゃない。 「じゃあもう少し街の周りを流すよ。少し走らせたって目立つこともない。 街の中にしろ外にしろ、どこも息抜きできる状態じゃないだろ」 空の見える車内は遠くの風景まで見えてしまうぶん全く安心できるわけではないけれど、 それでも誰に聴かれるかもわからない場所よりも、ずっと。 盗聴の可能性を防ぐために、大手チェーンの経営するレンタリースを経由している。 それから。少し、沈黙を経て。 「……一度に10人、 運ぶくらいなら。けれどもずっと誤魔化せるわけじゃない。 探られればアシがつく、目立てば目立つほど早く。連れ戻されて、それで終わり」 血の掟に誓いを立て、人並み以上の権利を手に入れたとて、所詮は下位の構成員。 出来ることなんてあるわけもない。絶望的な話だ。簡単に逃れる方法はありはしないのだろう。 まばらよりも少し詰まるくらいに車の行き交う道路を見据えて、前を向いたままで淡々と答える。 「それを踏まえてまったく行方をくらますんだったら、どっちの街を通るにしたって、 目の届かない遠くまで券を用意して隠れ潜むんだったら、せいぜい、 二人 だけだ」 (-233) 2022/08/16(Tue) 23:43:38 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド脅しはきちんと薬になったか、どうか。 人を散々にからかって遊んだ男は、棚の服を物色しながら時間を潰していた。 カーテンの開く音を聞けば、改めて振り返ってひゅうと口笛を吹いた。 先程のことなんてなかったかのよう、外でずっと待っていたみたいに。 「いいんじゃない? それで浮いたりしなくなったと思うよ。 試しに祭りのほうでも見回ってみる? 時間のつぶせる場所までいかなくてもさ。 野外ライブ横目にピッツァ・アル・ターリオつまむくらいでも」 お買い上げはあちら。レジスターのほうを指差す。 自分は多少棚を冷やかすくらいで、何か買うってふうではない。 所用済ませ始める頃には、店の出口の方へと足を向ける。 (-237) 2022/08/16(Tue) 23:59:48 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニーかたちにならないものが、いかに確かであるか。それは誰にも分らない。 けれど確かに思う気持ちが、そこにあるというのなら。 ――きっと、そこに。同じく言葉にならない、思いやりと気遣いはあったのだ。 それを互いに、自覚していたかどうかは分からないけれど。 「私にとっては、私の命が一番だけど」 窓に映るあなたの横顔に、一度視線が引っかかる。 ん、と軽い息が漏れて、太腿を持ち上げるように座り直した。 「うん。お願い。 ドライブは、……そんなに好きじゃないのだけど」 文句を言うわけじゃない。ただ、窓の外に送る視線はどことなく硬いものだった。 「……」 そうして、沈黙の先。ビアンカは、あなたが語る答えを聞く。 行き交う車が通りすぎるたび、びりびりと微かに窓が揺れた。 求めていた答えを得たというのに、彼女はまだ沈黙の向こう側に暫し、佇んで。 「ふたり」 溜息。細く。細く。 「…じゃあ、もし。ふたり。お願いするなら、あなたは頷いてくれる?」 「うちで一番若い子と、うちで預かってる子──ヴェルデ。ふたり」 窓に映る彼女の顔は、微笑っていた。いつもの、仕事の時に見せる顔で。 (-239) 2022/08/17(Wed) 0:10:03 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー鏡で見た自分の姿は、決して悪いものではなかった。 ポロシャツもこうやって見れば清潔感があるし、合わせてみたカーディガンも風通しが良く肌触りも悪くない。 自分のサイズを見ただけで知っているかのようにぴったりだったのだけが腹立たしく、仏頂面をしたままだけれど。 これでは文句の一つも言えないと、諦めるしか無い。 「……まぁ、悪くはないな」 それだけを口にして、店の大きなガラス窓越しに外を見た。 遠くに見える野外ライヴは盛り上がってるようで、ここまでにぎやかな音と歓声が鳴り響いている。 「騒がしい場所は好みではないが、試着室の中よりはマシだな。 ……良いだろう、服の礼にピッツァを奢るくらいはしてやる」 ピッツァは好物だ。 手軽に食べられるし、美味しいから忙しい日々重宝する。 だからこれは、決してこの男に流されているわけじゃない。 そう自分に言い訳をしながら、 会計とともに、買ったものや荷物を事務所に送るよう依頼してしまうと、さっさと店を出ていく。 貴方がついてくるならば、野外ライブの方へ足を向けるだろう。 (-244) 2022/08/17(Wed) 0:27:52 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォやんわりとした拒絶に対して滅気た様子もないのは、拒まれたところで困らない遊びだからか。 それとも少しの生涯で諦めきれないくらいの一目惚れをしたのだか、なんて。 考えるべくもないことも、どういうふうに捉えるべきかは相手が決めること。 「そう、本当? オレの話に耳を傾けてくれる? さして面白い話が出来るわけじゃあないだろうけど、それだったら嬉しいかな。 結局人間、興味のない話なんて聞きたがりやしないものだから」 さも、相手が己に興味を向けてくれたかのように言う。始末が負えないものかも。 懲りない男はほんのちょっとの希望を取り上げて、相手の手を解放する。 埠頭の先を離れ、ひょいと跳ねるボールみたいに距離を開けて。手を振りながらに別れを告げる。 「またアンタに会いに来るよ。今度はアンタの好みそうなものを持って。 そのときにはパスカルのことも、もう少しだけ知りたい」 目で追ったならば少しの後に、花屋の配達車に乗り込むのが見えるだろう。 エンジン音が遠ざかって、その日はそれで、おはなしは終わり。 (-262) 2022/08/17(Wed) 4:01:09 |
【秘】 花で語るは ソニー → 蜉蝣 アベラルド「そうですね、まちぐるみであちこちに出し物をしているから、 ジェラートとかみたいに手に取る人はいるんじゃないかな……」 外からは楽団の演奏が聴こえ、その向こうでパレードの行進する音が混じる。 祭りの陽気に沸く人たちは、喉を潤すものを求めて屋台に足を向けたりもするだろうし、 なにかに怯えて見晴らしのいい場所を避けるなんてことも、しない。 金を受け取ったなら、見送りがてらにカウンターの中から出る。 ありふれた日常の風景。叶うならば明日の日にも同じ情景が続いたならいい。 もっともそれが叶わなくたって、同じように貴方は商品を手にすることは出来るが。 「……世の中、順番てなものがありますから」 ぽつりと、少しだけ低い声になったのは、それが花屋としての言葉ではないからなのだろう。 死ぬべきが誰からかなんて、わかりきったこと。 それを自虐的に口にすることは、ない。 見送りくらいは笑顔で。ガラスの扉が開き、呼び鈴が軽い音を響かせる。 「ありがとうございました。また明日も、よろしくお願いします」 (-267) 2022/08/17(Wed) 10:39:12 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッドヘッド ヴェネリオ「……まだ、オレにモノ教えて、くれるんだ?」 この先なんてどれだけあるものかもわからないのに。 指を絡めて手の平をむかいあわせにぴったりと押し付けて、身を寄せて歩く。 少しばかり体重を押し付けるようにして寄り添ったなら、相手はさぞや歩き難いだろうな。 「もっと早くに、こうしていればよかった」 言葉足らずはその真意を伝えない。ただ、高さの違う肩を擦り寄せるだけ。 外側の足の小趾が触れ合いそうなままで雨の道を歩く様子を他人が見たら、何と思うだろうか。 視線が絡み合うより前に、さっと顔を濡れた地面に逸らす。 普段他者の傍に寄りついていくよりもずっと言葉数は少なく、舌はもつれるよう。 促されつつに足を運んだのは、少し小洒落たリストランテだった。 色付きの証明は無粋でない程度に仄暗い印象があり、一つ一つのテーブルだけの空間を保つ。 街が祭り一色であるせいか、どことなく人の数はいつもよりも多くひしめき合って感じる。 前菜やコトレッタをバローロで流し込みつつも、なんとなく普段より軽率な話題は出ない。 当然、裏稼業を取り囲む情勢のせいもあるだろう。 軽率に切り出せないのは、死んだ人間の立場のせいもあるだろう。 (-268) 2022/08/17(Wed) 11:23:04 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー「いくら教えても物足りないだけだ」 まるで、 のように寄り添う体。 歩きずらいと離そうにもあまりに浮かれている表情に、返してやるのは気取った男のため息だけだった。 「俺ももっと早く引き抜いておくべきだった、何もかも遅いがな」 そうしていたら、この重苦しい食事もメインディッシュ後のドルチェのタイミングを伺う店員の顔も青白くならなかったのだ。 「優秀な引き継ぎ先が軒並み潰されて面倒なことになった。 おまけにお気に入りの縁も切れて全部パァ。 問題を起こす部下はいるし……何か起きたら責任をとるのは誰だと思ってんだ。」 ルビーの輝きで喉を潤し、さっくりとした衣に包まれた肉を一口食べればまたフォークを横におく。大男にしては進まぬ食事の中、視線は常に一人を見つめていた。 「どこの仕事場でもこんなことは茶飯事だが、 運が悪すぎて敵わない。天に見放されてるみたいだ。 それとも向かえにこられるの間違いか、はは。 ――なんだか、いつもとは逆だな」 グラスを三度空にして残った滴を回し揺らす。 照明が照らす表情に変わりはないまま、口が回るのは酒のせいにしておけと緊張しきってる向かいのグラスに残り一滴まで注いでやった。 (-273) 2022/08/17(Wed) 12:20:43 |
【秘】 花で語るは ソニー → 害のない毒 マキアート丁寧に唇の間を割って踏み入る舌先を迎え入れて、動きを阻害しない程度に絡め合わせる。 ふう、ふうと荒く途切れる呼吸は、口の中をなぞられる度にほどけた声を混じり合わせた。 落ち着いた、けれど平時よりも音の大きい鼓動が脈打っている。 壁を隔てた向こうにある喧騒も、安全が担保されているからにこそ楽しめるもの。 追い縋るような唇が、会話のために離れていく舌の先を遅れてついばんだ。 「もうちょっと、体重掛けても大丈夫かも」 膝に引っかかったボトムを、蹴り足だけで足首まで下ろす。 ソファのようではないものの、ごく低い位置にある肘掛けにもたれてスペースを開けた。 そろそろ、我慢できなくなって痺れをきらしたか、 背中の後ろで己の指同士を組み合わせていた拘束を解き、視界の外にしのばせる。 密着し合ったままではどうにもならない腰の擦り付け合いをどうにかするために、 手の平で包むように腰を撫で回して、形よく締まった尻を持ち上げるように手を添えて。 そのまま腰を浮かせるように上にスライドさせる。 「ね。もうちょっとほしがっちゃ、ダメ?」 吸い上げた薄い痕を、襟元から胸板の真ん中まで点々と。 遠くなった口元の代わりに、胸筋の下側についた乳首を唇で挟んだ。 舌で乳輪を縁取るように優しく円を描くように舐め上げて、焦らすように尖らせた舌先で捏ねる。 戯れるような優しい愛撫とは裏腹に、押し潰されていた陽物で太腿を叩くように腰を揺らした。 明るい色の下着の一部を色濃くして、先走りが滲んでいる。 押し上げられた下着を窮屈そうにして、へこへこと情けなく、股の下で腰を振っていた。 (-280) 2022/08/17(Wed) 12:57:06 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー「何だって人の話に実際興味があるかなんてのは 大抵は、聞いてみなければわからないものでしょうよ」 なんてのは、何処までも一般論でしかないのだけど。 仕事中であれば一笑に付したであろう希望的観測も、 今は言及はせず、告げられた別れには軽く片手をあげて応えた。 あなたの言葉を大して重みのあるものだと思ってはおらず、 実に気の多い人種のその場限りの言葉だと思っているために。 その場から何処ぞへ足を向ける事は無く、 離れていくあなたを視線だけで見送って。 花屋の配達車と、遠ざかっていくエンジン音をまた見送る。 それらがすっかり遠くへ消えてから、漸く喪服姿も港を後にした。 また、があるかは互いの縁次第といったところ。 (-284) 2022/08/17(Wed) 14:10:50 |
【秘】 花で語るは ソニー → 無風 マウロまだあつあつの牛肉の味わいをビールで流し込み、ホップの苦味で満たされたらまたパニーノを齧る。 食べ汚いわけではないが、まるで成人したばかりの食べ盛りみたいに屋台料理を口にするさまは、 良くも悪くも年の近しい人間だとはお世辞にも思われないかもしれない、なんて。 生和えを聞けたならいっそうに嬉しそうに頬骨の上に皮膚が持ち上がる。 屈託のない笑顔はやがてレースの熱気に飲まれ、馬の競り合いに一喜一憂していた。 レースを見守っている間、相手の眼下に見える青年は祈ったり拳を握ったりと忙しなく、 自分の勝ちが決まったなら祝杯とばかりに手にしたビールを一気に空にした。 手元の食事もレースを見ている間になくなってしまって、両手で祈るように瓶を握る。 街の裏側で起きていることとは少しも関係がないように明るく、賑やかで。 健闘を称える声が掛けられた時に見上げた丸い目は、相手の憂いとは欠片も関係ないようだったろうに。 「祭りの期間内にトライアル・ランと本番と、アフター・ランもあるんだって。 ほとんど毎夜、こんな感じ。競り合ってるのは馬同士じゃなくて地区同士だから、 日によって馬が替わったりもするけど……今日は運がオレに味方したみたい」 これで楽しさを見出したなら、相手もまた訪れるかもしれないと注釈を。 街の祭りを貴方がみとめたことを歓迎するように、期限良さそうにしている。 それで、と。一度視線がふいとそれて、上目遣いになるようにおそるおそる目を合わせる。 賭けに勝ったその内容を説明する、それだけのことなのにやけに焦れた間が空いてしまう。 空いた手が相手の手首を掴んで、くったりとしなだれるような力が掛かって、一歩距離を詰めて。 次いだ言葉は先までの気軽な約束とはもう少し違った、しっとりとした熱がある。 熱気で匂いなんてほとんど混じり合っているはずなのに、わずかに癖のあるアンバーが香る。 ほんの一瞬だけ、ジェイドの奥に陽炎のように揺れる熱が灯る。 「朝までなんて言わないからさ。もうちょっとだけオレと夜を過ごしてもらって、いい?」 (-285) 2022/08/17(Wed) 14:23:27 |
【神】 花で語るは ソニー「マフィアの情報狙いのニュースメディアは多くはない、けど。 いずれあることないこと書かれるだろうな。そうなる前に沈静化しないと」 祭りのニュースに紛れているうちが花。その後には市井に混乱も招く。 みかじめ料の徴収が滞れば自分たちの活動にははっきりとした支障を来す。 事件の原因を明るみにするのは前提としても、早いところ襟を正す必要がある。 ちら、と一昨日の時にも不安そうにしていた、未成年の方をみて。 「なるべくルチアやビアンカみたいな、協力者の人間には影響が及ばないように心がけるよ。 狙ってくる人間がどういうやつらであれ、力を削りに来るなら相応の人間が前に出る必要がある。 ……心配ない。タダでやられたりやしないさ」 もしも誰か、あるいはノッテが狙ってくるとしても、回りくどい手段を使うヒマはないはずだ。 狙われるのは扱われ方のあまり大きくないアソシエーテよりもソルジャー、それよりも。 どうあっても、非力な彼女たちには矛先は向かない。その筈だ。 今回の結果を受けて、そう信じてしまっている。 女達の顔を見て、安心させて。目上の彼の言葉を聞いて、同意して。 実際のところはからいがどれだけ形になるかはわからないでも、彼女らを守る努力はするつもりだ。 (G35) 2022/08/17(Wed) 17:21:03 |
【秘】 花で語るは ソニー → 小夜啼鳥 ビアンカ「それが普通だと思うな。本質的にはみんな自分以外のために死にたいわけじゃない。 自分と関係ないもののために危険に晒されるのは嫌だ。 ……そうじゃない人もいるんだろうけれど」 今この状況のために義憤にかられている人だとか、復讐を誓う人々だとか。 自分以外の何かのために命を投げ出す人たちがいるために、こうやって争い合うことになるのだろう。 ハンドルを握っている男がどちら側にあるのか、なんてのは常通りの顔からはわからないかもしれない。 ゆっくりとカーブを曲がり、建物の間から遠くに海が見える。夕暮れの色に照らされた美しい海。 いつもだったらそれを楽しむ余裕があったかもしれないし、 その向こうにあるのだろう本土の岸辺を想像することもあるのかもしれない。 迂回するように街の周りを走る車は、もうじき折り返す頃に入る。 ふたり。その中に相手が、己を入れなかったのを聞いて、ちらと視線がかすかに動いた。 「……一人で外に出していいの? 自活出来ない年じゃあないだろうけど。 きっと、ビアンカがいなかったら、戻ってきちゃうよ。キミのことが心配で、さ。 笑って送り出してそれっきり、なんて。オレはずるいと思っちゃう」 貴方の表情が引き締まるのと反対に、男の唇が中央に集まるみたいに結ばれた。 引き受けかけた先の時とは違って、適切だろう判断が下されることを、渋るように。 より良くあるようにと送り出されることの寂しさを想像して、何度か瞼がまたたいた。 それがどんな気持ちになるものかを、しっているかのように。 (-291) 2022/08/17(Wed) 18:07:58 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニー「勝手にすればいい。死にたがりなんて。 面子も仇討ちも、…血の掟もなにもかも、 くそくらえだ。 私は、そうじゃない」 呪詛のように吐露をする。 さんざんに噛んで味のしなくなったガムのように、 そんな拘りはもう彼女の人生には必要ないのだ。 ただでさえ、苦々しい鉄と泥の味ばかりが口の中に残って、今でも忘れられないのに。 ごう、と窓が風を裂く音。 青、金、緑、紫、オレンジ。 揺れる海は、うねる髪のようにさまざまに姿を変える。 すぐに太陽が沈み、その色のいくつかは失われてしまうけれど。 ――太陽は、また明日も登る。 けれど、同じ波が見られるとは限らない。 「知らない。 エリカの方は若いつっても十八。どうとでもするでしょう。 ヴェルデは──……」 それは、優しさなんかじゃなかった。 相手のことを考えない、押しつけがましい、一方的なものが、 優しさや思いやりなんかであるはずはなかった。 彼女は、 ▼ (-293) 2022/08/17(Wed) 18:25:18 |
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