【憑】 虹色カンタビレ サアヤああ、やっぱり逆効果だった! 分かってたのに。一縷の望みにかけたボクのバカ! 子供にあやすように話しかけてくる…つまりはおちょくった話し方をしてくる相手に腹が立つし、少しでも一縷の望みをかけようとした自分にも腹が立つ! 「う、うるさいうるさい! 何時間もこんなところに閉じ込めておいて 仕方がないだろっ、生きてるんだからあ!」 泣きそうになりながら反論したけど、ツンツンとつつかれて…両膝を閉じ合わせて身悶えするしかできない。 本当に根性悪い! だけど、サラマンダーを召喚されて顔が強張った。 ただ、火傷する痛みなら構わない。 拷問に対する訓練も受けている。特に痛みに対しては強いはずだ。あの二人に比べたら。 だから息を詰めて熱さに耐えていたけど。 …本当悪趣味だ! 肌は衣服を焼かれた熱を感じて微かに赤くなったものの、それだけだ。 胸当てとハイブーツと手袋、それにヘッドギアくらいしか身につけてない格好にさせられて羞恥に頬が熱くなる。 下生えすらほとんど生えてない下半身を晒されて──。 (27) 2023/10/13(Fri) 20:52:20 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「あっ!? や、やだぁっ!!」 狼狽えた声を上げたのは、膝を割られ開かされたから。 割れ目を撫でられ息を呑む。 それだけでジワッと何か滲んだ気がして肝が冷えて、ぐっと下腹に力を込めた。同時にひくん、と花弁も震えたけど、快感じゃなくて尿意のため。 「ん…っ、ぁ、誰が言う、もんか…!」 声は強気に響く。だけど危機を覚えているからか、微かな苦痛を伴うからか、花弁には蜜が宿り指先を何なく受け入れてしまう。 でも、そんなとこ刺激されたら…! ギュッと眉を寄せて顔も体も必死に力を込める。 プルプルと体が震えて、そんなことをしたら中に入れられた指先も締め付けてしまうのに。 「んっ、んぅ、やめろぉ…っ!」 お腹が重苦しい。口調ばかりが強気で、声が震えてしまってはどうにもならない。 泣きそうになりながら何とか耐えたいたのに。 (28) 2023/10/13(Fri) 20:52:44 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤチョロ…。 「…あっ。」 今、温かなものがこぼれたのを感じた。 それを皮切りに、ちょろ、ちょろろろ、と少しずつその流れが増して行って止められずにあたりに独特の匂いが広がる。 「あっ、あぁ、いやだぁ…!」 思わず絶望の声を上げてしまう。 それでも何とかぶちまけてしまうのを避けたくて尿量はそれほど増えない。 それでもロッカーの中に水溜りを作ってしまうくらいの量があった。** (29) 2023/10/13(Fri) 20:53:46 |
【人】 純真アンサンブル リッコ姫様は呆然としていたようだ。 当然だろう。突然現れた行方不明だった想い人が、自分のことを忘れて敵になった状態なら。 アイツは姫様を躊躇うことなく攻撃してきた。 「姫様!しっかりなさってください!」 間一髪剣を避ける事ができたものの、このままでは姫様は戦う事ができない。 正気に戻るか、引いてくれるかしてくれたら良いのだけど…。* (30) 2023/10/13(Fri) 21:15:05 |
【人】 爽快ブラスト チアキユスターシュ様が真っ直ぐに私に向かってきた。 剣を持ち殺意を向けられたことに呆然としてしまったけれど、リッコーリスの機転で何とか剣を避ける事ができた。 嘘。ユスターシュ様が私に剣を向けるだなんて。 そんな…と悲しみに暮れそうになっていた所でリッコーリスの声に我にかえる。 そうです。私は戦わなければなりません。 どうしてユスターシュ様が敵対なさっているのか、私たちを──私を忘れてしまっているのか。 理由はわかりませんが、敵対するならば戦いは避けられません。 難しいでしょうが、彼を無力化して捕える事が先でしょう。 調べるにしても語るにしても、そちらが先ですから。 バチを両手に構えます。 (31) 2023/10/13(Fri) 21:15:31 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「すいませんリッコ。もう大丈夫です。 ──でも彼の方は、確かに ユスターシュ様で間違いありません。」 断言しながら私も魔具を召喚します。 ドラム型のそれは機動性はありませんが、その分彼女を支援できるでしょう。 飛んでくる泡に対しても私はドラムを叩き自身とリッコの前にシールドを貼りました。 泡は相手を窒息させるか、その中に閉じ込めたりして機動性を失わせることの多い技。 その為、まともに受けるよりも防いで様子を見るべきだったのですが──。 「リッコ!?」* (32) 2023/10/13(Fri) 21:15:53 |
【人】 純真アンサンブル リッコ戦闘体制に入ってくれた姫様に安堵する。 それと同時に、確かに彼は姫様の婚約者であったのだと確信されてしまい歯噛みした。 負けてなるものか。 あんな泡なんて蹴散らして仕舞えば良い。 姫様のシールドに頼るまでもない。 相棒を手に私はシールドを超えて振りかぶり、その泡を蹴散らそうとしたところに姫様が私を呼ぶ声がした。 「えっ?」 破砕された泡は分散する。 けれど私の魔力を通した相棒は私の体の一部と誤認されたのか、泡に絡め取られていっときその動きを捉えられた。 私の動きは相棒を止められた事で予測を狂わせ、その場に回転の勢いのまま崩れてしまう。 そして、その後に連射されていた泡に四肢を絡め取られてしまっていた。 四つ這いの姿勢で捉えられてしまって。 「しまった…!?」* (33) 2023/10/13(Fri) 21:16:33 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「リッコ…! 今助けます!」 バチを振り上げる。 泡を防ぎながら、リッコを捉えた泡を無効化させれば良いのだと考え、私はさらにドラムを叩こうとしていた。 そこに、一般人が来ているなんて知らないまま。** (34) 2023/10/13(Fri) 21:17:22 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス弱い犬ほど良く吠える? いいえこれは、可愛い猫ほど喉を鳴らすかしら? 噛みつくような言葉はただの強がりだろう。ぞぞ、と背筋を駆け上がるものを感じ華夜は身震いした。 こんなに可愛い獲物は久しぶりだから。 宮廷魔術師となり、地位や名声、お金を得ても満たされなかった。 大切なものを失ったから。 でもーー可愛い者を虐めている時だけは違う。 泣き叫ぶ姿にうっとり酔いしれた。 この娘は極上の獲物だ。 華夜はそう確信する。 うっかり目的を忘れてしまいそうだ。 薄くほとんどないとも言える恥毛をかき分けて複雑なひだに護られた孔を探り、指を挿入する。 (35) 2023/10/13(Fri) 21:34:24 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス 「嫌なの?でも濡れてるわよ? それにこんなに私の指を 締め付けて…… 美味しそうに咥えこんでる じゃない。」 少女は男性経験がないのだろうか?キュッと締め付けられ指の根元に痛みが走る。 食いちぎられそう。 「あら…?」 生暖かい膣内をグリグリ刺激していると、鼻をつく刺激臭が辺りに漂う。 間違えようがない、アンモニアの匂いだ。つまり少女はーー。 華夜の指は少女のお漏らしにより濡れてしまうか。ロッカーと床に薄黄色の液体が広がる。 「ま、はしたない。 ……赤ちゃんみたいね。」 (36) 2023/10/13(Fri) 21:35:16 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス今の彼女は恥辱に濡れているはずだ。人間の尊厳を失い、心折れているだろう。 「仲間が見たらなんて 言うかしら? 言わないで、欲しい?」 畳み掛ければきっと、抵抗する気力すらなくなるのではないか。 濡れた床はきっと気持ち悪いだろう。 「大人しく従うなら、 身体を綺麗にしてあげるし、 内緒にしてあげるわよ? ーーついでに気持ち良くも ……ね?」 長い睫毛を揺らしてウインクして見せよう。 さて、彼女は何を教えてくれるだろうか?* (37) 2023/10/13(Fri) 21:35:28 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ ーー揺らめく焔。 赤い唇が囁く。 『忘れなさい。』 ーー忘れる?何を。 『そして思い出すのよ。』 ーー思い出す?それは。 記憶が入り雑じる。 幼い姫の笑顔に手を伸ばした。 しかしそれは闇に飲まれてーー。 (38) 2023/10/13(Fri) 22:17:39 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ水の泡はまるでシャボン玉のように四方に散らばる。 既に闇深くなりつつある空を覆うように広がり、二人の少女に襲い掛かった。 姫と呼ばれた少女が武器であろうバチを構えた。 何か可笑しな事を騒いでユスターシュを惑わすのを止め、戦う気になったのだろうか。 「かわせるならば、 かわしてみろッ!」 ミュジーク王国には精霊の扱いに長けた者が少ない。つまり、精霊の力を借りた攻撃には弱いはずである。 姫が張ったシールドに頼れば良いものの、迂闊にも黒髪の少女が前に飛び出た。 「たかが泡、と油断したかッ それはーー…」 泡は分裂し飛沫となる。そして少女の武器である楽器に絡み付いた。まるで生きているかのように。 体勢を崩した少女にユスターシュが追撃を仕掛ける。 更に幾つもの泡を放ち、その四肢を捉えたのだ。 リッコと呼ばれた少女が両手足を屋上の床に付く。 捕縛の為の泡だが、締め付けられて彼女は苦しいかもしれない。 (39) 2023/10/13(Fri) 22:18:18 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ 「大人しくしていろ。」 一人を封じれば一対一だ。しかも姫の方は先程シールドを張った様子から前衛ではない。 ひらり、とユスターシュは軽やかに飛び、彼女がバチを構えドラムを叩く前に間合いを詰める。 「さあ、従者の身動きは 封じたぞ。 ーーどうする、姫。 ……なんならさっきの戯言の 続きを話してみるか? 俺が仲間だとか、どうとか。」 シールドがあるのでその前に立ち。片手を前に差し出して煽るような手招きをしてみせる。 その背後で階段を駆け上がってくる足音が近付いていた。* (40) 2023/10/13(Fri) 22:19:04 |
【見】 不良少年 滝沢啓介バアーン!と屋上の扉を勢いよく開く。普段は鍵がかかっているように思ったがすんなり開いた。 びゅう、と吹きすさぶ風が顔面にがん当たりし目を細めた。 学生服がはためく。 「なッ……」 日が暮れて暗くなり始めている為に、視界が悪い。しかしそこにいる三人の姿に啓介は驚いて動きを止める。 「なんだッ、お前ら…変な格好して …泥棒か?不法侵入?」 派手な泥棒だと思いつつ首を傾げた。* (@1) 2023/10/13(Fri) 22:20:43 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ──ボクはリッコを襲った事がある。 だって、あんまりにも姫様を想ってウダウダしていたから。 姫様の私物を手に自分を慰めていたから。 姫様の魅力には敵わなくても、欲を散らし地あげることくらいはできるよ。 そんな風に半ば押し倒して唇を奪って、一緒に気持ちよくなって。 それからは姫様には内緒で、ボクたちは共犯者だ。 男も良いけどね。でも、確かにボクに男性経験はない。 それでも指を入れるくらいなら自分でもしてきたけど──逆に言えば自分の指より太いものはまだ経験がなかった。 リッコーリスはアレの時受け身だしね。 ボクとしては気持ち良いし、姫様に害が及ぶよりはよほど良いと考えてる。 だからそれから幾度となく、誘ったり誘われたりして、リッコーリスと肌を重ねてきてた。 だけど…。 (41) 2023/10/13(Fri) 22:49:52 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「う、うぐっ…うぅ…。」 こんな風にただただ屈辱を与えられるのは初めてだった。 尿意を堪える方法だなんて教えられてない。 すっかり膀胱は空になった──と思う。 断言できないのは、我慢しすぎたせいでまだそこが重苦しい感じが残っていたからだ。 ボクは涙を堪える事ができずに醜態を晒す。 こんなの、こんなの、もう嫌なのに。 言わないで欲しい?そんなの当たり前だ。 だから無言で抵抗する。それしか出来なかった。 体を綺麗にして欲しいし、内緒にもしてて欲しい。 けど。 まだ、敵は仲間のことをそう知らないはずだ。 伝える術も無いはずだ。 汚いままではいたくないけれど…。 (42) 2023/10/13(Fri) 22:50:13 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「…逆に、何を知ってるのさ? ボクたちのことをどこまで。 宝石のことをどこまで把握してる?」 そう、これは調査のため。 そう自分に言い聞かせる。 調査のためだから、これは交渉なんだから。 ああ、でもこのまま体が冷えてしまったら。 ぶるっ、と体が震える。もう流石にお漏らしなんかしたく無いけど、一度してしまったなら何とでも?なんてやけっぱちに考える。 でも、それでも嫌だ。 嫌だし、魅力的なウィンクに惑わされたりもしないけど。 「──ボクは簡単に口を割ったりしないけどね。」 簡単に折れたりしないよ、ボクは。 これでも斥候役。拷問の訓練もある程度受けているからね。 でも、それはあくまで訓練での話。 それ以上の苦痛や快楽や恥辱を受けたなら。 その時のボクが耐えられるかはわからない。 訓練では処女を散らすまではしなかったし。 相手もあくまで人間で、それ以外のものはなかったのだしね。** (43) 2023/10/13(Fri) 22:50:35 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「リッコ!!」 油断してしまったのでしょう。リッコは予測通り泡に捉えられてしまいました。 ドラムを叩いて次の魔法を展開しようとしましたが、ユスターシュ様は素早くこちらと距離を詰めてきます。 だからドラムを叩く手が止まりました。 そして戯言の続きを、などと言うのです。 ズキリと胸が痛みました。 けれど、──私にとっては戯言なんかではありません。 「ユスターシュ様。私が チアキローズ・ピゥロイド・ミュジークである事も 貴方が私の…婚約者である事も お忘れになってしまわれているのですか?」 或いは、何か理由があって演技しているのでしょうか? 口には出しませんでしたが、そんな希望が頭をもたげます。 泣きそうになるのを堪えて眉を寄せました。 そしてバチ同士を軽く合わせて音を響かせ、ぱしゅん、と自分の前のシールドを消しました。 そんな時でしょうか。 屋上へ一般人が入ってきたのは。 (44) 2023/10/13(Fri) 23:05:05 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「…! 彼は一般人です。 危害を加えることはなりません。」 眉を寄せ、片腕を横に開きユスターシュ様が学生の彼の方へと行かないようにと制します。 それが効果があるかはわかりませんが。* (45) 2023/10/13(Fri) 23:05:24 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「姫様!近づいてはなりません!」 四肢を捉えられ締め付けに眉を寄せながらも叫ぶ。 あんな男に近づいてはいけない! なのに姫様は近づいてしまわれた。 しかもそんな時に一般人…しかも見知った顔にカッと頭に血が上る。 「滝沢…! 何でここに!? 姫様なりません、お逃げください!」 必死にジタバタと四肢を解放させようともがいたから、無様に体を揺らし滝沢の前でお尻を揺らしてしまうことになるんだろう。 でも、私は必死で姫様を止める。 短いスカートがヒラヒラと心許無く揺れた。** (46) 2023/10/13(Fri) 23:06:02 |
【人】 純真アンサンブル リッコ私は男が嫌いだ。 男というだけで姫様の相手に相応しくなるから。 男は基本的に乱暴で、理性に欠けて、汚らしい。 体の質もマナの質も違うし、女のように良い匂いもしなければ守りたくなるような柔らかさも無い。 だから私は男が嫌いだ。 幼い頃、世間的には良い人でありながら、母や私を殴り狼藉を働いた父や兄の姿を見ていたからもある。 だから私は男が嫌いなのだ。 それはこの世界に来てからも変わらない。 女性には敬称を付けるが、男性にはそっけない。男子生徒は呼び捨て、教師には仕方がないから先生とは呼ぶがそれだけ。 そんな中で、滝沢とはどんな関係だっただろう。 同じクラスの不良生徒。素行が良いとは言えなかった。 彼に限らず、私は男子にそっけない。 そして、たかが一般生徒の男子にもそうそう力負けしたりもしない。単純な力ならまだしも、戦闘面においては此方は鍛錬しているのだ。 だから、どこかで絡まれた女子を助けた場面を見られたことはあったかもしれない。 成り行きで彼を助けた事もあったかも。 それとも、そんな事何も無いただのクラスメイトだったのだろうか。 そのどれであっても、私は滝沢の名前と顔を認識はしていたし、不良生徒である事も覚えている。 ──姫様に一番近づけたく無い人種だったから。** (47) 2023/10/14(Sat) 5:34:03 |
【見】 不良少年 滝沢啓介屋上で見た光景は非現実、一瞬映画研究会の撮影かとも考えたが、カメラを回している奴がいなかった。 啓介は成績底辺の馬鹿だが、頭の回転は悪くない。 泥棒の仲間割れ?しかしそれにしては本当に衣裳が派手すぎる! 飛んでいるシャボン玉はなんなのか。 遊んでた?ワッカラーン! 思考を投げ出したくなった所へ目に止まったのが尻…尻だ。 女子が四つん這い姿勢でジタバタしている。 尻丸出し(裸ではない)にて。 それが好きなクラスメートだなんて全く気付かない。 「え。なんのプレイ。」 彼らが叫んだりするのは風で聞こえなかった。 名を呼ばれたりした気もするが、泥棒の知り合いはいないし。 「お前ら、先生呼ぶぞ!!」 警察が一番に来ないのは、普段素行が悪く警察に目をつけられていて嫌いだから。* (@2) 2023/10/14(Sat) 8:16:06 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ仲間を捕らえた男が目の前に迫っているのだ。その攻撃を少女が恐れぬはずがない。たとえシールドに護られていようと。 しかし、返ってきたのは射抜くような真っ直ぐな視線と言葉。 姿勢を伸ばす姿には風格、気品を感じる。そう、王族ならではのーー 「チアキ、ローズ…… 婚約者……ウッ、……」 まただ。脳を抉られるような激痛に襲われて。 婚約者なんか覚えていないのに。 ミュジークの姫など、会ったこともないはずなのに。 (48) 2023/10/14(Sat) 9:06:21 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシューー…旋律が脳内に響く。 明るく軽やかで、ワルツのような。 そう、目の前の少女の手を取り、踊り出したくなるような。 ーー光輝く光景が、映画のワンシーンのように過る。 煌びやかなシャンデリア、豪華な装飾。ドローイグ帝国の宮廷とは似て否なるーー広いダンスフロア。 美しいドレスの裾をつまむ少女。 俺は彼女の差し出した手を恭しく取る。 そのまま身をひたりと寄せ、優雅にステップを刻むーー なんだ、これは? 俺が踊っている? 俺は魔騎士だ、闘うだけの機械であるはずなのにーー。 が、その光景を映したフィルムはいきなり端から焦げて溶ける。 激しい焔が舐め尽くし、消していく。 ーー焔の中心に、もう1つ何かが見えた。 燃え盛る木造の家。小屋と言う方が正しいか。 その中にはまだーー 「姉さんッ!」 俺は手を伸ばして叫ぶ。あの中には家族がいるんだ、俺のたった一人の血を分けた、大切なーー。 (50) 2023/10/14(Sat) 9:07:57 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ気が付けば、少女はシールドを解除している。 見えた二つの光景はどちらも記憶なのか? 自分自身である実感は、ない。 「チアキ、ローズ…様…」 震える声で呟き手を伸ばす。 彼女の前に跪きたい。そしてあの手の甲に唇をーー。 フラフラ近寄り、手と手が触れ合う瞬間。 屋上に乱入者が現れた。男子生徒だ。まだ居残りがいたとは。 化学の授業の際に見た記憶がある。 「チッ…!」 一歩引いてマントで顔を隠す。 普段は変身し過ごしているから教師とばれることはないだろうが。 滝沢、と囚われの少女が名を呼んでいる。顔見知りか。 少年は教師を呼ぶと騒いでいる。 ーー教師はここにいるのだが。 (51) 2023/10/14(Sat) 9:08:36 |
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